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『めまい』 Vertigo (1958)

めまい (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]

作品メモ

アルフレッド・ヒッチコック監督の名作ミステリー。
撮影はロバート・バークス。
タイトルデザインはソウル・バス。
タイトルバックの映像はジョン・ホイットニー・シニア。
音楽はバーナード・ハーマン。

高所恐怖症の元刑事ジョン・”スコッティ”・ファーガスン役にジェームズ・スチュアート。
彼が調査することになった美しい人妻マデリン・エルスター役にキム・ノヴァク。
その夫で調査を依頼したゲヴィン・エルスター役に トム・ヘルモア。
スコッティの友人ミッジ役にバーバラ・ベル・ゲデス。

関連作
 → 『愛のメモリー』

ロケ地

サンフランシスコが舞台で、撮影も多くがサンフランシスコ市内で行われています。

IMDbでは以下の通り。

900 Lombard Street, San Francisco, California, USA (Scottie’s apartment)
Big Basin Redwoods State Park – 21600 Big Basin Way, Boulder Creek, California, USA (Muir Woods)
Big Basin, California, USA
Biltmore Hotel – 506 S. Grand Avenue, Downtown, Los Angeles, California, USA
Brocklebank Apartments – 1000 Mason Street, San Francisco, California, USA
(Gavin and Madeleine’s apartment)
California Palace of the Legion of Honor – 34th Avenue & Clement Street, San Francisco, California, USA (art gallery – Carlotta Valdes’ portrait)
Cypress Point, Pebble Beach, California, USA (Scottie and Madeleine’s first kiss)
Fort Point, Presidio, San Francisco, California, USA (Madeleine’s jump into the bay)
Gough Street & Eddy Street, Western Addition, San Francisco, California, USA (McKittrick Hotel)
Mission Dolores – 3321 16th Street, San Francisco, California, USA
Mission San Juan Bautista – 2nd Street & Mariposa Street, San Juan Bautista, California, USA
Palace of Fine Arts – 3301 Lyon Street, San Francisco, California, USA
Paramount Studios – 5555 Melrose Avenue, Hollywood, Los Angeles, California, USA (studio)
Park Hill Sanatorium – 351 Buena Vista Avenue E., San Francisco, California, USA
San Francisco, California, USA
York Hotel – 940 Sutter Street, San Francisco, California, USA (Empire Hotel)

またThe Worldwide Guide to Movie Locationsは、書籍と同じ内容をwebでも見ることができます。
http://www.movie-locations.com/movies/v/vertigo_1.html

他にも有名な作品だけあって、ロケ地情報はネットのあちこちで見られます。

  • http://www.footstepsinthefog.com/index.html
  • http://www.clz.let.uu.nl/NieuweMedia/010506/vertigo/pages/locations.htm
  • http://www.basichip.com/vertigo/main.htm
  • http://www.mistersf.com/cinema/index.html?cinvertigo02.htm
  • http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/chronicle/archive/1996/10/19/DD3902.DTL
  • http://www.guidespot.com/guides/vertigo_locations_san_francisco

以下の内容は多くがこれらのサイトと重複していると思いますが、重複しないマニアックなところもいくつか調べましたので、あわせてご覧ください。

造船所

おなじみヒッチコック監督のカメオ。

ゲヴィン・エルスターの部屋

スタジオ撮影。
窓の外の映像はスクリーン・プロセス。

レストラン

設定では、Ernie’sという名前(台詞と看板から)。
実在したレストランですが、撮影そのものは(特に内部は)スタジオセットだと思います。

Ernie’s Restaurant
847 Montgomery Street

建物は残っていますが、レストランはすでに閉店し、別のお店に変わっています。

最初の尾行

ゲヴンとマデリンの家

このゴージャスなマンションから尾行開始。

Brocklebank Apartments
1000 Mason Street, San Francisco, California, USA

尾行直後の左折

マデリンの車はそのまま Mason St.を南へ向かっていき、Fairmont Hotelの前を通って California St.を左折します。
39272740_bfc12494cc.jpg The Fairmont San Francisco
http://www.fairmont.com/sanfrancisco

右折

この時車はCalifornia St.ではなく、2本南のBush St.を東に向かっています。
この交差点を右折して、Grant Aveを南に向かいます。

左折して路地へ

花屋さんの裏口だったという設定の路地に入っていくところ。
この時車は Grant Aveではなく、Sutter St.を東に向かっています。
路地はClaude Lane 。

路地に入る時は北向きですが、路地に入った後の映像は南向きです。
(花屋さんがあるという設定の建物は東側)

霊園

Carlotta Valdesのお墓があるところ。

2229170122_5bb160c6bb.jpg Mission Dolores
3321 16th Street, San Francisco, California, USA
http://www.missiondolores.org/

外観、内部、墓地とすべてこちらでの撮影。

マップ↓

美術館

Carlotta Valdesの肖像画のあるところ。

3024255810_075432fe5d.jpg California Palace of the Legion of Honor
34th Avenue & Clement Street, San Francisco, California, USA
http://www.famsf.org/legion/

ホテル

昔カルロッタの家だったというMcKittrick’s Hotel 。
建物があったのは Gough St.と Eddy St. の交差点の北西。

Gough Street & Eddy Street, Western Addition, San Francisco, California, USA (McKittrick Hotel)

そのエリアは再開発で建物がみな無くなっています。
スコッティの背景に映っていた教会は交差点の南東側ですが、これも火災のため(1995年)今はありません。

St. Paulus Lutheran Church
999 Eddy Street At Gough

書店

「シスコの歴史の権威」ポップ・リーブル Pop Leibel に話を聞くところ。
ARGOSY BOOK SHOPとあります。

スタジオセットですが、Argonautという書店がモデル。
こちらが現在のArgonauto ですが、確かに外壁の素材が映画と同じです。

背景の街の映像はスクリーン・プロセスで、素材はおそらくこちら。

Powell St.

ゲヴィン・エルスターへ報告

スタジオ撮影ですが、Pacific Union Clubという設定とのこと。
上述Brocklebank ApartmentsやFairmont Hotelのすぐ隣のブロックにある社交クラブです。

この場面、アップになるとふたりの飲んでいるグラスから氷が消えてしまうというgoof があります。

2度目の尾行

再びマデリンを尾行するスコッティ。

ドームが見えるカーブ

Presidio Blvd のこのあたり

正面に見えるドームは、後に出てくるPalace of FIne Art。

ゴールデン・ゲート・ブリッジが見える道

美術館の後の場面。

ゲート

Presidio Blvd

ゴールデン・ゲート・ブリッジの下に出る海岸線の道

Marine Dr.

マデリンが海に飛び込むところ

261218865_a9afe05412.jpg Fort Point, Presidio, San Francisco, California, USA
http://www.nps.gov/fopo/

マップ↓

※13/8/15追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♩)

スコッティの家

建物は今でもありますが、普通の住宅でしょうから深くは詮索しないでおきます。

900 Lombard Street, San Francisco, California, USA

大樹

設定では Muir Woods → Wikipedia(英語) Muir Woods National Monument
撮影はこちら(とスタジオ)。

Big Basin Redwoods State Park
21600 Big Basin Way, Boulder Creek, California, USA
http://www.bigbasin.org/

キスをする海岸

Cypress Point, Pebble Beach, California, USA

具体的には背景から考えてこのあたりだと思います。

スペイン風の教会へ向かう道

標識通り町から3マイル離れたところ。
車はこのあたりを左へ大きく曲がり、San Juan Hollistar Rd.を南西へ走っていきます。

事件が起きる教会

3048837079_c1ba03c14f.jpg Mission San Juan Bautista
2nd Street & Mariposa Street, San Juan Bautista, California, USA
http://www.oldmissionsjb.org/

マップ↓

鐘楼はマット・ペインティング。
特に俯瞰の映像はさすがにちょっとばればれでした。

厩舎や裁判が行われたところも、映画の中の位置関係と同じところにあります。 

マデリンの墓

療養所

Park Hill Sanatorium
351 Buena Vista Avenue E., San Francisco, California, USA

現在はマンションとなっているようです。

ジュディを見つけた街角

花屋さんの前でマデリン激似のジュディを見つける場面。

スコッティはだいたいこのあたり(Grant Ave の東側の歩道)に立っていて、左手(南)からやってきたジュディが右手(北)に歩いていくのをじ~っと見ています。

花屋さんはPodesta Balducchi という名前ですが、SVでは確認できませんでした。

HOTEL EMPIRE

ジュディが入っていったホテル。
撮影はこちら。

York Hotel
940 Sutter Street, San Francisco, California, USA
3623225212_5b37b08876.jpg

2009年からなんと Hotel Vertigoに名前が変わっているようです。
http://www.hotelvertigosf.com/

マップ↓

ジュディと散歩

49535703_69a4f53e55.jpg Palace of Fine Arts
3301 Lyon Street, San Francisco, California, USA

マップ↓

※13/8/15追記
milouさんから画像を提供していただきました。

撮影は2007年とのことです。

ジュディに花を買うところ

Post St.のこの位置の北側歩道。
SVで今でも確認できます。

  • Google Maps(SV)

このPost St.をこのまま西へ行くとすぐに出るユニオン・スクエアは、『鳥』の冒頭でも登場しています。

ブティック

その後花屋さんの向かいにあるランソホフ RANSOHOFFS というお店に入りますが、ここは既に閉店。今は別のお店になっています。

不明

IMDbのこちらが該当場面不明。

Biltmore Hotel – 506 S. Grand Avenue, Downtown, Los Angeles, California, USA

ロケ地マップ

サンフランシスコ市内

資料

関連記事

ヒッチコック関連作

更新履歴

  • 2014/09/11 タグ「ヒッチコック」付加。関連記事「ヒッチコック関連作」追加。

コメント

  1. Bill McCreary より:

    初めまして。

    昨日「午前十時の映画祭」でこの映画を観ました後、「めまい ロケ地」で検索してこちらにたどり着きました。「めまい」自体は何回か観ておりますし、貴サイトも、「ひまわり」「イージー・ライダー」「愛と希望の街」「残された日々」などの記事を拝見しておりました。「残された日々」での、例の貯水タンクの場所を見つけ出したところは感動モノでした。

    1957年撮影、1958年公開の映画で、もはや60年くらい前の映画ですから当然とはいえ、McKittrick’s Hotelは周辺もろとも消えているとか、ランソホフもすでに閉店しているとか、時の流れの残酷さを思わないでもありません。私は1回だけサンフランシスコに行っておりますが、この時はまだ「めまい」とみていなかったので、今にしてみればもったいなかったと思います。映画関係では、「ブリット」で情報屋と待ち合わせたエンリコを「おお、この店だ」と思った記憶があるくらいです。ただこの記事を読んで、今度サンフランシスコに行くときは、 Hotel Vertigoに泊まるぞと決めました(笑)。

    あと映画で直接行くわけではありませんが、コイトタワーはいいですね。「いちご白書」でも効果的に使われていました。やはりサンフランシスコは絵になる街だと思います。今にしてみれば、ゴールデン・ゲート・ブリッジの、キム・ノヴァクが飛び込んだあたりは行った記憶があるな。

    それでちょっと検索しておりましたら、こちらのサイト

    http://reelsf.com/vertigo-resurrection

    を読んでいましたら、ランソホフの店の中を非常に精密に再現していたとコメンテイターの方が複数書いておられまして、「北北西に進路をとれ」で、国連の建物の中をこれも正確に再現したという話を思い出しました。ランソホフのシーンは、ジェームズ・スチュアートの鬼気とした想いに圧倒されてしまいます(笑)。

    すみません。単なる感想を書いてしましましたが、やはり外国で好きな映画のロケ地に遭遇するのは感動モノです。

    それではまた。

  2. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    こんな物好きなサイトの記事をいろいろご覧いただいたようで、恐縮です。

    『残された日々』の給水塔は、確か映像をコマ送りにして周辺の様子を頭に入れた上で、ひたすらGoogle Earthをスクロールさせて見つけた記憶があります。
    自分の中でもこの物件は「よくぞ見つけた部門」の上位に位置するもので、その感動を分かち合える方がレスをくださって、またまた感動です 🙂

    このところマップを地域別にまとめる作業を進めていますが、サンフランシスコは件数が多すぎるのが悩ましいです。まだ行ったことはありませんので、いつか自分で作ったロケ地マップをネットで見ながら、ぐるぐる回ってみたいと思っています。

  3. Bill McCreary より:

    >IMDbのこちらが該当場面不明。

    Biltmore Hotel – 506 S. Grand Avenue, Downtown, Los Angeles, California, USA

    これどうも例の階段のシーンのようですね。

    http://www.iamnotastalker.com/2008/07/04/the-millennium-biltmore-hotel/

    ほかにもいろいろなサイトで紹介されています。またこのホテルは多くの映画で使用されているんですね。アンバサダー・ホテルなど、こういう名物ホテルというのはありますよね。

  4. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。返信が遅れまして、大変申し訳ありません。
    この一週間多忙で自分のサイトを全然見ることができないでいました。

    Biltmore Hotelの情報ありがとうございます。
    階段ということは、あの塔の中のショットですよね。真下向いたカメラがドリー・ズームでうにょ~~っとなって、私みたいな高いところが苦手なのは、それだけでめまいを起こしてしまうと言う……
    ご紹介いただいた記事の写真ですといかにも老舗のホテルの中という感じで、これはこれで高さがとても怖いですが、映画ですともっと古びた階段なので、そのままという感じではなさそうですね。もしかすると特殊効果の一部として高さを撮影に利用したのかもしれませんが。
    関係ありませんが、ご紹介いただいた記事で、ひとつ上のロビーの写真がとても雰囲気あって良いですね。
    最近ホテルオークラ東京が建て替えで生まれ変わりましたが、ロビーは以前とそっくりに再現されているようで、これはぜひ一度行ってみようと思っているところです。

  5. 居ながらシネマ より:

    カプチーノさんのコメント(2019年9月16日 21:58)は「個人教授」へのものでしたので、勝手ながらそちらへ移動させていただきました。
    ご了承ください。
    http://inagara.octsky.net/kojin-kyouju#comment-1792

  6. 河村哲夫 より:

    私は1930年生まれの凄いヨロヨロの爺様ですが、20歳頃に日本の商社に入社して、映画好きでヒッチコックの大フアンでVertigo(邦題、めまい)を映画館で見て、映画も楽しんだが、この映画の舞台となったアメリカのサンフランシスコの情景を見て、世の中にこれほど美しい、海、丘、坂、モダンなビル街、住宅街、海辺、林や草原が入り混じる現代と歴史が混交して居る素敵なこの街に、自分が死ぬまでの寿命のある間に、ここに一度は行きたいものだと思っていたが、入社10年位経った頃に、その二-三年前にすでに開いていたサンフランシスコ支店に支店員として駐在せよと会社で命じられ、まさか夢ではないか、神様が私の希望をよくも叶えて下さったのだと思って涙が出た。

    自分が一生の中に一度の訪問を希求していたこの街に派遣されて到着して、当時すでにアメリカの週休とは土日の二日、日本は日曜だけだったの、当時自分は運転免許も私有自動車も持っていなくて、公共バスに乗り週末には映画に出て来たシーンの場所は、凄い数だが全部見れたし、就任後のある日、支店に来たお客の出迎えを命じられ、当時でも世界で稀なる広大な規模の国際空港に出迎えに行った時に空港内の通路で小太りの老人にぶつかって、いいよ構わないと言われたので、此方こそ御免なさいと謝ったら、振り返ったのがヒッチコックで、ビックリ仰天しました、シスコ在任、在住時のエピーソードは山ほどあるが、この位にしておきましょう。

  7. 居ながらシネマ より:

    河村哲夫さん、コメントありがとうございます。
    ざっくり指折り計算して、60年代初頭のサンフランシスコに勤務されていたのですね。
    ビジネスの最前線でお仕事はさぞご苦労続きであったことと思いますが、週末の撮影地巡りで十分癒やされ、楽しまれたご様子、コメントからもしっかり伝わってきました。
    おそらく海外旅行自由化以前の時代でしょうから、それを思うとなおさら今では得難い体験をたっぷりされたことと思い、うらやましい限りです。

    空港でのヒッチコック監督のエピソードは、映像が浮かんできてウケてしまいました。
    きっと大ファンである河村さんの人生にカメオ出演してくれたのでしょうね 🙂

    貴重なお話をありがとうございました。
    拙サイトは今後もたらたらと続いていくと思いますので、またどうぞいつでもお気軽にお立ち寄りください。

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