大地に光を、果てしない夢を
目次
作品メモ
3月の東日本大震災以降しばらくサイトの更新をお休みしてしまいました。
ようやく時間がとれるようになってきましたので、またぼちぼちとやっていこうと思っています。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
復帰第一作として選んだのは『フラガール』。
実話に基づいた映画です。
昭和40年、石炭から石油へのエネルギー政策転換にともない縮小を余儀なくされる常磐炭坑。
そこで街おこしのために考えられた大型レジャー施設常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)が誕生するまでの様子を、フラガールたちの喜怒哀楽を中心に描いています。
フラガールを目指すヒロイン谷川紀美子に蒼井優。
紀美子をフラガールに誘った親友木村早苗に徳永えり。
フラガール仲間の熊野小百合に山崎静代。
紀美子の母で炭坑で働く谷川千代に富司純子。
紀美子の兄で炭坑で働く谷川洋二朗に豊川悦司。
ハワイアンセンターの責任者吉本紀夫に岸部一徳。
フラガールの育成に招聘された元SKDのプロダンサー平山まどかに松雪泰子。
監督は李相日。脚本李相日と羽原大介。撮影山本英夫。
笑いと涙をたっぷり盛り込んで、日本の大衆映画の王道を行く造り。
派手な宣伝をしたわけではないのに自然と口コミで興行が広がっていったというのもうなずける内容となっています。
キネマ旬報ベストテン邦画第1位。他数多くの映画賞を受賞。
興行収入14億円(日本映画製作者連盟)は、シネカノンにとっておそらく『シュリ』に続くヒット作。
常磐炭坑W があったのは福島県南部から茨城県北部にかけての海岸寄り、現在のいわき市や北茨城市にあたります。
実は公開時期にたまたまいわき市の近くを訪れていたため、地元の映画館で見ることができました。
「居ながら」のコンセプトとはちょっとはずれますが……
場内は当時を知る方たちから若い世代までいっぱいで、受けもとても良く、私も一緒になってとても楽しむことができました。
震災後ほどなくして再びいわき市に足を運ぶ機会がありました。
『フラガール』を見た映画館は無事でしたが、街は至る所地震によって大きく被害を受け、海岸線は津波によって宮城や岩手同様とても痛ましい状態となっていました。
さらに原発事故が重なってしまい、復興への道のりは今もなお長く険しいものとなっています。
それでもかつて半世紀近く前に大きな時代の波を乗り越えていったのと同じように、地元のみなさんが今度もまた必ず危機を乗り越えて復興をなし遂げていくことを信じて、少しでも応援していければと考えています。
がんばっぺ フラガール!
映画で描かれた常磐ハワイアンセンター、現スパリゾートハワイアンズもまた震災で大きな被害を受け、長らく休業をよぎなくされました。
震災当時のハワイアンズの様子はこういった記事でうかがい知ることができます。
SPA!記者が見た「スパリゾートハワイアンズ」震災当日の奇跡
http://202.86.58.48/zakspa/news/20110330/zsp1103301223001-n1.htm
ハワイアンズはその後も家を失ったり原発事故から逃れてきた人たちの避難所として地域に貢献していたとのことです。
いわき市は4月にも大きな地震にみまわれ、施設はさらに破損。
復旧には時間がかかりましたが、ようやく10月1日に「きずなリゾート」をキーワードに一部再開。
来年1月には新しいホテルを含めてフルオープンが予定されているとのことです。
休業中フラガールたちは東北の避難所や全国各地を巡業し、復興への共感を呼び起こしました。
その姿を収めたドキュメンタリー映画『がんばっぺ フラガール!』が、10月29日から公開されています。
がんばっぺ フラガール! 公式サイト
http://ganbappe.j-cqn.co.jp/
音楽
ジェイク・シマブクロさんの素晴らしい音楽もこの映画の大きな魅力のひとつ。
鑑賞後サントラを買いに走った人も多いことでしょう。
特にテーマ曲とも言うべき「フラガール~虹を~」は単独で聴いても心が癒される名曲。
作曲ジェイク・シマブクロさん、日本語訳詞と歌は照屋実穂さん。
当エントリーのキャッチ「大地に光を、果てしない夢を」はこの曲の歌い始めです。
この曲、現在はフラガールのショーにもしっかり組み込まれているようです。
ぜひ現地に足を運んで、ショーをご覧になってみてください。
※2013/1/12追記
実はこの記事を書いた直後(2011年11月)、辛抱たまらずハワイアンズに行ってきちゃいました。
メインの会場がまだ修復中で、フラガールのみなさんは少し小さい特設会場でショーを行っていました。
私が撮ったものではありませんが、当時の雰囲気を伝える動画はたとえばこちら。
これは私が撮影。
現在はメインの会場が使われているはずですので、今となっては記録写真的意味あいもあるかも。
写真見返していたら、また行きたくなってきました♪
それから震災当時のスパリゾートハワイアンズとフラガールたちについては、こういった本が出ています。
よろしかったらぜひどうぞ。
「炭坑町映画」の系譜
斜陽の炭坑町を舞台に前向きに生きようとする人々を描くという点では、イギリス映画の『ブラス!』や『リトルダンサー』あたりの系譜ともいえるかもしれません。
アメリカ映画なら『遠い空の向こうに』。
実話という点でも重なるものがあります。
ロケ地
ここでやっと当サイトの目玉、ロケ地チェック。
撮影は地元であるいわき市や茨城県北部の各地で行われています。
もちろん、ズリ山(ボタ山)などはCG。
以下は当時の公式サイトやプログラムに記載されていたロケ地情報を参考にしながら、自分なりに調べた情報も加えてまとめています。
バス停
OP、火の見櫓のあるバス停。
茨城県北茨城市関本町に今も残る神の山住宅。
まどかがリバースする橋
調査中。
まどかと吉本がトラクターで行く農道
いわき市四倉町戸田、とのことで、マップではこのあたり。
ダンスの稽古場
福島県石川郡古殿町にある旧古殿中学校寄宿舎。
炭住(炭坑住宅)
谷川家など炭坑で働く人たちが暮らすところ。
一見セットのようですが、北茨城市中郷町に今も残る中郷住宅。
遠景はCGも加えていることでしょう。
飲み屋
外観は映りませんが、内部は茨城県高萩市高萩駅前のおそば屋さん。
うらじ
http://r.tabelog.com/ibaraki/A0805/A080501/8000321/
洋二朗と光夫が言い争うところ
茨城県常陸太田市落合町。
久慈川の支流里川にかかる新落合橋の南西側。
早苗の一家が去っていく場面や洋二朗が借金取りを迎え撃つ場面もこの橋。
まどかを引き留める駅
「湯本南駅」とありますが架空の名前。
実際の撮影は、茨城県ひたちなか市の海浜鉄道湊線、那珂湊(なかみなと)駅 W 。
ラスト
最後のショーはもちろん実在のハワイアンズのステージ。
当時は「常磐ハワイアンセンター」、現在は「スパリゾートハワイアンズ」。
http://www.hawaiians.co.jp/
場所はこちら。
常磐自動車道の湯本インターを降りてすぐのところです。
コメント
【リンク報告】
こんにちは。カミタク
http://homepage2.nifty.com/kamitaku/
と申します。
私が運営しております、鹿児島温泉(鹿児島市内温泉)を中心にして、鹿児島県内外の温泉と観光スポットを紹介するホームページ「温泉天国・鹿児島温泉紹介!」
http://homepage2.nifty.com/kamitaku/kagoonin.htm
内のサブ・コンテンツ「いわき市石炭・化石館 ほるる訪問記」
http://homepage2.nifty.com/kamitaku/FUKUSK01.HTM
ならびに「スパリゾートハワイアンズ入湯記」
http://homepage2.nifty.com/kamitaku/FUKUSK02.HTM
のHP欄から、この貴ブログ日記記事にリンクを張りましたので、その旨、報告申し上げます。
今後共、よろしくお願い申し上げます。
カミタク様、リンクのご報告ありがとうございました。
レス遅れてすみません。
サイト拝見しましたが、凄い情報量ですね。びっくりしました。
拙ページは自分の足で調べたわけではないのでリンク集に混ぜていただいて恐縮してしまいますが、こんなページでも、特に地元の皆さんの何かのお役に立てれば良いなと思っています。
実はこの記事を書いた直後たまらなくなってハワイアンズ遊びに行ってしまいました(笑)
正直宿泊客はまだ少ない状態でしたが(朝の大露天風呂が独占状態……)、今では順調に稼働しているようで、嬉しいですね。