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『悲しみよこんにちは』 Bonjour tristesse (1958)

悲しみよこんにちは [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『夏に抱かれて』に続けて、フランソワーズ・サガン原作ものをもう一本。
読んだことはなくてもタイトルならみんな知っているデビュー作の映画化です。
舞台はフランスで登場キャラもフランス人……のはずですが、英米合作映画ということで英語圏の俳優が大挙登場、パリやコートダジュールでフランスのブランドに身を包みながら英語でお芝居しています。

クレジットも英語ですが、タイトルは”BONJOUR TRISTESSE”と原題のまま。英訳本もタイトルはこちらが使われているようです。
この原題は、原作小説の扉に引用されているポール・エリュアール(Paul Éluard)Wの詩「直接の生命」から。
ここらへんは『水の中の小さな太陽』と同じノリです。

17歳のヒロイン、セシールにジーン・セバーグ。撮影当時は19歳ぐらいでしょうか。やはりオットー・プレミンジャー監督の『聖女ジャンヌ・ダーク』でデビューしてこれが2本目。少し前にチェックした『勝手にしやがれ』はこの2年後となります。
「セシールカット」はもちろんこの映画の役名が由来。「ヘプバーンカット」は「アン王女カット」ではなく俳優さんの名前が付けられていますが、こういうヘアスタイル名はどういうきっかけで決まるんでしょうね??

出演は他に……
リッチな父親レイモンにデヴィッド・ニーヴン。当時40代後半。伸ばした脚を上下させての腹筋運動は若々しいですが腰に悪そう……。
その再婚相手となりそうな落ち着いた女性アンにデボラ・カー。当時30代後半。
その恋人……というより愛人といった方が適切かもしれないエルザにミレーヌ・ドモンジョ ……とこちらはフランス代表選手??
クレジットは、デボラ・カー → デヴィッド・ニーヴン → ジーン・セバーグ → ミレーヌ・ドモンジョの順。

製作監督オットー・プレミンジャー、脚色アーサー・ローレンツ、タイトルデザインはソウル・バス。
撮影ジョルジュ・ペリナール、音楽ジョルジュ・オーリック ……と、このあたりはフランス人スタッフ。
菅井汲さんの名前も”PAINTINGS KUMI SUGAI”とクレジットされています。

主題歌はジュリエット・グレコ。
途中レストランのシーンで本人が登場して歌います。
60年近く前の映像ですが、お美しい。

 
 
 
オフィシャルトレーラー↓

※16/4/2 YouTubeで削除されたので、こちらでも削除しました。

ロケ地

IMDbでは、

Côte d’Azur, France
San Tropez Beach, Saint-Tropez, Var, France
Shepperton Studios, Shepperton, Surrey, England, UK (studio)

現在(モノクロパート)はパリ。
回想シーン(カラーパート)はフレンチ・リヴィエラ(コート・ダジュール)。

例によってウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

OP

ソウル・バスによるカラーのおサレなタイトルバックに続いて、モノクロでパリの街並みが俯瞰されます。
ノートルダム寺院を東側からとらえていますが、アングルがちょっと新鮮。
カメラ位置はおそらくトゥルネル橋南側のたもと近くの建物の上。

個展会場前

ヒューバートくんの個展会場からさっさと去って行く場面。
車が走り去ったのはこちらのrue de la Huchette(ユシェット通り)から。

個展が開かれていたのは、現在«JARDIN NOTRE DAME»と看板が出ている店の右端でしょうか。

コンコルド広場

その後ヒロインの車が通り抜けるのは、コンコルド広場のこのあたり。

『勝手にしやがれ』で、クルマの通り抜け方をしつこくチェックしたばかりでした。

クルマはシムカ・アロンドW。正確には1957 Simca Aronde Océane……とは例によってIMCDbの受け売りです。

映画での車体の色はカラーのスチルでもないとわかりませんが、参考画像と言うことで。

その他登場するクルマについては、驚異のサイトIMCDbをご参照ください。

住まいへ

凱旋門が見える通りは、西側に延びているAvenue Foch(フォッシュ通り)。
強引に右折していったのはこのあたり。

到着したのは、おそらくこの通りの両側に並ぶ高級物件のひとつ。
ポーチの位置が特徴的。現在も同様のものが1棟見当たりますのでおそらくそちら。
プライベートな物件と思われますので、マップは略します。

レストラン

0:06
上掲動画、ジュリエット・グレコの歌で踊るところ。
店名が写っているかどうかは確認できませんが、クルマを停めたのはマキシムのあたりで、おそらく内部もそちら。

別荘

カラー回想シーンで真っ先に外観が写ります。
設定はリヴィエラですが、撮影も同じようです。

周囲の地形や日差しの方向、屋根の形などから場所がわかりました。
プライベートな物件であれば紹介するのはためらわれるところですが、どうやら(少なくとも現在)貸別荘のようですので、書いてしまいますと……

Pointe de la Fossette
http://www.pointedelafossette.com/en/home.php

サイトに掲載されている画像を見る限り、作りは映画のまま。
外構……といいますか周辺部分はかなりリノベートされています。

気になるお値段ですが、サイトのContactのページで週1万ユーロと書かれてあります。
こちら↓では、1泊約$1,800のお値段が表示されています。 ……いかがです一度 😉 ?

  • http://www.tripadvisor.com/VacationRentalReview-g196677-d4060871-Pointe_de_la_Fossette_Relaxing_Waterfront_Villa_on_3_Acre_Peninsula_with_Pool-Le_Lavan.html

港町

0:33
こぞって踊って大盛り上がりとなるところ。
これは判明しないかと思いましたが、IMDbのリストにあるサントロペWでした。

San Tropez Beach, Saint-Tropez, Var, France

具体的には港に面したこちらの通り。

台座だけ見えていた銅像は、ピエール・アンドレ・ド・シュフラン(Pierre André de Suffren de Saint Tropez)W

レストラン

0:59
クルマでやってきたところ。
«L’Alsace»とはっきり店名が写りますが、場所はすぐにはわからず。
向かいにトラックがずらりと並んでいて市場のように見えますが、もしや(昔の)レアールW?と気づいて、ようやく判明。そのすぐ北側でした。

1:17
エルザと会うため自転車でやってきたところ。
前述サントロペの波止場近く。

事故現場

地形から判明しました。
別荘やサントロペよりぐっとカンヌに近いこのあたり。


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ロケ地マップ

南フランスが舞台の映画

 
 
 

パリが舞台の40-50年代フランス映画

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2016/04/02 「ロケ地マップ」追加 動画のリンク切れ整理
  • 2015/02/25 新規アップ

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