作品メモ
このところ多忙でなかなか新規アップができませんでしたが、連休が2週続くとさすがに少しゆとりができ、書きたい気分になってきました。
これまで書きかけのエントリーがかなりあるので、見直しつついくつかアップしていこうと思います。
まず『シェーン』。
以前とある方とメールでやりとりさせていただいた際、『シェーン』についていろいろうかがったのをきっかけにエントリーを作りかけていたのですが、結局それきりになってしまっていました。長い間放っておいてすみません。
名作ですので下手な解説はなしということで、作品的なことは各資料サイト等をご覧ください。
監督ジョージ・スティーヴンス、撮影ロイヤル・グリグス、音楽ヴィクター・ヤング。
ロケ地
IMDbでは、
Grand Teton National Park, Wyoming, USA
Big Bear Lake, Big Bear Valley, San Bernardino National Forest, California, USA
Jackson Hole, Wyoming, USA
Iverson Ranch – 1 Iverson Lane, Chatsworth, Los Angeles, California, USA
Teton Range, Wyoming, USA
Paramount Studios – 5555 Melrose Avenue, Hollywood, Los Angeles, California, USA (studio)
これだけの作品ともなればきっとロケ地は解明し尽くされていることと思いますが、そういったものは見ないようにして、例によってIMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
なお、マップ上でピンポイント的に示すのに重宝していたWikimapiaが、Google Mapsの料金改定にともない同レイヤーが使えなくなり、このままではちょっとダメかな~という状態となっています(Wikimapia Blog 03.09.2018)。
復活することを願いつつ、当面は座標を併記することでしのいでいくことにします。コピペしてご利用ください。
山
上掲予告編はいきなりラストネタバレから始まっていますが(汗)、『シェーン』といったらやっぱり背景にそびえるこの山並み。
ざっくりロケ地を把握するために、まずはこの山を特定するところから。
IMDbのリストではこちら↓
Teton Range(ティートン・レンジ)W, Wyoming, USA
- Google Maps(SV)
- Google Maps
- WikiMapia
- 43.746297,-110.798492
他のワイオミング州のロケ地もすべてこの周辺。
以下もう少し細かく見ていきます。
OP & ラスト
開巻1ショット目、タイトルバックとなるのは、Teton Rangeから30kmほど南のこのあたりの眺め↓
- WikiMapia
- 43.498511,-110.943718
ラストから2ショット目もほぼ同じ位置。
実際にはSVの目線よりもう少し高さが上かと思いますが、左右のアングルはだいたいこのくらいでしょうか(カメラ東向き)。
ここは次の項目の場所が判明したため、探索を拡げてGoogle Earthをぐるぐる回し背景の山並みなどを照合して見つけました。
最後に挙げたロケ地マップに大ざっぱなカメラアングルを載せましたが、あくまで推測ですのでご了承ください。
※18/9/25追記
開巻2カット目は、俯瞰で捉えた大平原をシェーンがゆっくりと左から右へと横切っていきますが、おそらくカメラ位置はこのあたりで、向きは南南西。
- Google Maps
- 43.72,-110.614 (カメラ位置)
ぶぶちんさんから手がかりをいただき、判明しました。
こちらもロケ地マップにだいたいのアングルを示してあります。
スターレット家
この映画で一番気になるのは、あの一家の家はどこ?ですが、どっちを向いても似たような景色(失礼)で難儀しました。
頼りになったのはやはり上述のTeton Range。
山の東側を走るハイウェイ191でSVが使えたため、山の重なり具合を確かめながら位置を判定していきました。
左右のアングルはこのあたりでしょうか。
ただスターレット家からの景色では手前にもうひとつ低い山があるので、バックするように探索範囲を拡げていったところ、このあたり↓がいい線いっているように思えました。
- Google Maps(SV)
- WikiMapia
- 43.641990,-110.623358
家に関しては、そばに小川が流れていることがもう一つの手がかりとなっています。
これは撮影用にこしらえたのではではなく自然のもののはず。
0:17頃シェーンが町へ買い物に行くショットや、1:20頃シップステッドが町での出来事を伝えに来たところ等で写ります。
上のSVの位置から北西に向かって小川が流れているので、これではないでしょうか?
映画ではいったん左へ蛇行してから右奥へ流れているようです。
映画のアングルに合わせると、おそらく上掲SVの位置よりもう少し西側、このあたりのように見えます。
- WikiMapia
- 43.641992,-110.632453
あくまで大ざっぱな位置ですが、冒頭シェーンがやってくるショットや、ライカー一味がやってくるショットを組み合わせて判定すると、この位置でそう大きくはズレていないように思えます(それぞれロケ地マップに推測コースを入れておきました)。
ここから先は、現地に行かないとより細かな照合は難しいかもしれませんね。
※18/9/25追記
ぶぶちんさんから情報を寄せていただきました。ありがとうございます♪
スターレット家はこちらとのことです。
- Google Maps
- 43.6423217,-110.631765
500mずれていました。皆様ごめんなさい。
ロケ地マップの方は修正しておきました。
町
0:20
シェーンがグラフトンの店へ買い物にきたところ。
町……といいますか、グラフトンの店やホテル他数軒が並んでいて、その後もいろいろな事が起きる舞台となるところです。
やはり背景は前項目と同じTeton Range。
ただし山の重なり具合が少し異なり、もう少し北側から捉えているように見えます。
ハイウェイ191のSVで言えば、たとえばこのあたり↓
- Google Maps(SV)
- 43.724292,-110.6548325
ただしこちらももう少しバックですね。
川沿い
農民たちが揃って町へ行く場面。
おそらくマップ上でスネーク川となっている川沿いだと思います。
墓地
1:22
トーレーが埋葬されたところ。
町からも見わたせる少し小高いところにありますが、Teton Range → 町 → 墓地という風に東へ進んだところにあるようです。
マップではこちら↓に明らかに高い丘のような箇所がありますが……
- WikiMapia
- 43.731476,-110.61754
ここは埋葬の後家族が立ち去るショットで背景に見えるところと思われますので、墓地はこのもう少し西側。そのあたりは何カ所か凸凹していますので、そのいずれかかと思います。
- WikiMapia
- 43.730422,-110.621338
ここから西側をチェックすると、191号線の近くに何かの跡のようなところが見受けられます。
町はここだったのかもしれませんが、もちろん確証はありません。
- WikiMapia
- 43.731538,-110.638719
ラスト
上掲予告篇は有名なラストシーンから始まっていますが(汗再)、もし町の位置が上記通りでしたら、SV的にはこういったアングルとなります。
その後左手をだらりとさせて上ってくるのは、冒頭のショットと同じ位置。
オーラスはこの映画のシンボル的物件Teton Rangeですが、少し上ったあたりでしょうか。具体的な場所は不明。
ロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2018/09/25 「OP & ラスト」「スターレット家」追記
- 2018/09/24 新規アップ
コメント
ジョージ・スティーヴンス監督もアラン・ラッドもジーン・アーサーもとっくにこの世を去り、子役のブランドン・デ・ウィルデでさえも不慮の事故であっけなく死亡してしまったけれど(人の世の無常を感じさせます)、Teton Rangeの雄姿は今なお燦然と私たちの前に輝いています。
この映画のロケ地はこのTeton Rangeさえ分かれば、それだけで充分です。
この世のものとは思えないジーン・アーサーの美しさと黒ずくめのヒール=ジャック・パランスの格好良かったこと。
(J・パランスは)アラン・ラッドを完全に喰っていた。
流れ者の男と少年の交流ドラマのパターンは、日本映画でも「遙かなる山の呼び声」(ほぼ「シェーン」からの引き写し)や古くは「無法松の一生」「沓掛時次郎」など、「男はつらいよシリーズ」の寅さんと満男の関係もこれに近いでしょう。
ラストシーンのベストテンというものがあれば、「シェーン」は文句なくベストテン入りするでしょうよ(勿論、No1は「太陽がいっぱい」です)。
「Shane, come back!」を「シェーン、行かないで!」と訳したのも決まっていて、憎い。
赤松幸吉さん、コメントありがとうございます。
ウィルソン、相手を挑発して先に銃を抜かせるとは、ワルさ加減がたまらないですね。
そういえば、今日NHKBSで「太陽がいっぱい」放送しましたよ。
数日前にはやはりNHKBSでアラン・ドロンの独占インタビューがありましたが、引退宣言出せるほど俳優として長く充実した人生を送れるのは、アラン・ラッドやジョーイ少年を思うとこの上なく幸福なことなのでしょうね。