In a world that’s disappearing, I’m afraid.
目次
作品メモ
ひとつ前のエントリー『第三の男』は第二次戦後のオーストリア、ウィーンが舞台でしたが、こちらはその約10年前、ナチス・ドイツによって併合された頃のオーストリア、ザルツブルクが舞台。
映画の中では、”Salzburg, Austria in the last Golden Ages of the Thirties”(1930年代、最後の栄光の時)とされた時と場所で、トラップ大佐が”In a world that’s disappearing”(滅びようとしている世界だ)とつぶやくのが印象的です。
史実と照らし合わせるといろいろな面がありそうですし、オーストリア人から見ると微妙な映画であろうかと思われますが、ここではあくまで映画『サウンド・オブ・ミュージック』の世界を楽しむエントリーとして書いていきたいと思います。
キャスト&スタッフ
修道女マリアにジュリー・アンドリュース。元々は舞台女優で、前年『メリー・ポピンズ』で本格的に映画デビュー。『卑怯者の勲章』に続いて翌年『サウンド・オブ・ミュージック』と、映画俳優としてもいきなり大車輪の活躍となっています。
その前に映画版『マイ・フェア・レディ』の主役は逃しているわけですが、次のチャンスをしっかりものにして、アカデミー賞も受賞。これはもうすっかり倍返しした感じでしょうか。
日本での公開は『サウンド・オブ・ミュージック』が先で(65年6月)、『メリー・ポピンズ』は同年暮れのお正月映画でした。『メリー・ポピンズ』の当時の四角いプログラムをなぜか今でも持っていますが(おそらく親に買ってもらったのでしょう)、ジュリー・アンドリュースについてアカデミー賞を受賞したことは書かれていても、『サウンド・オブ・ミュージック』のことには触れられていません。
まあ映画会社が違いますからね……
ゲオルク・フォン・トラップ大佐にクリストファー・プラマー。歌は吹替えですが、IMDbのトリビアによるといったんは録音されたようです。
リアルではオーストリア海軍の潜水艦の艦長だったというのが凄いキャリアですね。
第一次大戦で海に面した領土を失い、海軍の縮小とともに退役。第二次大戦では映画で描かれている事が起きたわけで、マリア以上に波瀾万丈の人生だったようです。
ゲオルクのお相手、損な役回りですが印象に残る男爵夫人エルザ・フォン・シュレーダーにエリノア・パーカー。
銭勘定のことをいつも口にしながらも、一家のことを心配してくれる友人マックス・デトワイラーにリチャード・ヘイデン。
子供たちの中では、次女ルイーザ役のヘザー・メンジースがその後も活躍した俳優さんとして自分的には記憶に残っています。
映画ではマリアやゲオルクは本名ですが、子供たちの名前は全員実際のものとは別。ルイーザは実際にはマリアという名前でした。
映画ですから史実と異なるところはいろいろあろうかと思います。
手っ取り早くは、トラップ・ファミリー・ロッジのサイトへ行けば、昔のことや珍しい写真を見ることができます。
http://www.trappfamily.com/story
監督ロバート・ワイズ。『たたり』(63)と『砲艦サンパブロ』(66)の間。
撮影テッド・マッコード、音楽リチャード・ロジャース、オスカー・ハマースタイン二世、アーウィン・コスタル。
アカデミー賞では、『ドクトル・ジバゴ』とノミネート数10部門、受賞5部門で並びました。
『サウンド・オブ・ミュージック』は、作品賞、監督賞、編集賞、ミュージカル音楽賞、録音賞を受賞。
興行成績
予算820万ドルで、興行収入が米国内だけで1億5千8百万ドルという、超優良作品。
『クレオパトラ』で揺らいでしまった20世紀フォックスを救いました。
インフレ調整後のオールタイムランキングで、『風と共に去りぬ』『スターウォーズ』に次ぐ第3位。
- IMDb > Box office / business for The Sound of Music
- Boxofficemojo > “The Sound of Music”
- Boxofficemojo > インフレ調整後のオールタイムランキング
『菩提樹』
映画化はこちらが先 (1956年)。
原題„Die Trapp-Familie“。
邦題は劇中一家が歌うシューベルトの「菩提樹」から。
Internet Archiveに全編アップされていますが、パブリックドメインなのかどうか不明。
ロケ地
IMDbでは、以下の通り。
世界各地から映画に魅了された人たちが現地を訪問し、おそらく映画関連ツアーがいくつも組まれ、撮影場所は根こそぎ解明されていることと思いますが、久々に見たらやはりとても楽しめましたので、無謀にも「居ながら式」でチャレンジ。
答え合わせはしていませんので、間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
OPの空撮
同じロバート・ワイズ監督の『ウエストサイド物語』のOPは左方向へ移動する空撮でしたが、こちらは右方向。絶対自分で意識してますよね。
『ウエストサイド物語』同様、わかった範囲でメモしてみました。
このエントリーの最後に載せたロケ地マップでは、参考までにカメラアングルも入れてあります。
空撮1~6
- 空撮1 雲→雪山
- 空撮2 雪山→雲
- 空撮3 2からOLして雪山 → 断崖
- 空撮4 山腹と遠くに蛇行する川
- 空撮5 奥に伸びる湖
- 空撮6 船が走る水面(ほぼ真下の俯瞰)
空撮7 2つの湖
左側が切り立った山、右側に2つの湖がタテに並ぶアングル。
湖は、手前が Mondsee(モンド湖)Wの東南側、奥がAttersee(アッター湖)Wで、カメラ東向き。
空撮8 山と湖
早めの移動で切り立った山を通過すると、中央がくびれた湖が大きく現れます。
湖はWolfgangsee(ヴォルフガング湖)Wで、カメラ北西向き。
空撮9 尖った山と湖
鋭い頂はおそらくこちら。
……と思いましたが、どうも「これ」というアングルを見つけられませんでした。
別の場所かも(オイ)
空撮10 教会がある村と湖
湖は「空撮8」のWolfgangseeで、「空撮8」とは反対側(北側)から見ています。
村はSt._GilgenW
- Google Maps(SV) ……湖の眺め
空撮11 湖畔の教会
画像検索で見つけましたが、これはオーストリアではなくドイツ、バイエルン地方の修道院のようです。
空撮12 水の上の城
空撮13 民家と森
不明
空撮14 高原のマリア
カメラがぐ~っと寄っていくと、マリアが旋回舞踊?を始めるところ。
遠景におそらくアルプスの雄大な山脈が見えます。
この映画の代表的なショットのひとつですね。
ザルツブルクのあたりからアルプスを捉えるとたいてい逆光となるはずですが、このショットは順光(右側から)のようにも見えます。もっとずっと南の方でしょうか。
気になるこの場所ですが、今回特定できませんでした。
おそらくどこかで完全に解明されていると思いますので、ぜひそういったサイト等を参照してください。
これでOP空撮は終わり(全14ショット)。
IMDbのリストにあるこちらの物件も空撮のどれかを指しているかと思われますが、確認できませんでした。
Schloss Fuschl, Fuschl, Salzburg, Austria (Castle in opening scene)
※16/2/25追記
コメント欄でジバゴさんから情報を寄せていただきました。
空撮14は、こちら↓とのことです。
ザルツブルクの南側、ラストシーンの山から見ると北側で、地名としてはドイツのMarktschellenberg(マルクトシェレンベルク)。
空撮カメラは南東向きでこの丘に迫っていきます。
これでスッキリ♪ 情報ありがとうございました 🙂
タイトルバック
教会が次々写ります。
いずれ時間がある時にということで。
修道院(外観)
内部の撮影はおそらくスタジオセット。
外観はマリア・フォン・トラップが実際にいたこちらの修道院。
上述『菩提樹』のタイトルバックにも登場しています。
Nonnberg Abbey(ノンベルク修道院)W, Salzburg, Salzburg, Austria (exteriors: abbey)
修道院では、『ウエストサイド物語』のナタリー・ウッド(マリア)や、『マイ・フェア・レディー』のオードリー・ヘプバーン(イライザ)の歌をアテた吹替えの女王マーニ・ニクソンがシスター・ソフィア役で登場しています。
中庭で院長様に「マリアをどう思います?」と訊かれた3人の修道女の真ん中の人。
修道院を出て
「自信を持って (I Have Confidence)」を歌いながらトラップ家へ向う場面。
この曲は映画のオリジナル。ザルツブルクの街並みの紹介も兼ねていて、とてもうまいアレンジですね。
IMDbのキャストで、マリア・フォン・トラップ自身がこのナンバーの間に登場していると書かれてありますが(クレジットなし)、もしかしてバスの乗客(背後の座席に見える横顔の婦人)でしょうか?
バスに乗っている間のショットはスタジオ撮影でしょうから、可能性は十分あるかと思います(未確認)。
※16/2/27追記
すみません、ここ間違っていました 😥
日本語版Wikipediaの「豆知識」Wに記載がありました。
「『サウンド・オブ・ミュージック』の秘密」(平凡社新書)という書籍からの引用で、
«「フォン・トラップ夫人が姿を見せるのは、ヒロインがドームとレジデンツをつなぐアーチをくぐるショットにおいてである。後ろで民族衣装の女性3人が左から右に歩く。それがトラップ夫人と娘ロースマリー、孫娘バーバラである。」»
……とのことです。
本編見てみましたが、確かにアーチをくぐったときに背後を3人連れが横切っています。小さすぎて顔までよくわかりませんが、きっとこれが本物のマリアさんたちなのでしょうね。
修道院の外
歌が始まる直前。
見晴らしの良い道
2つの塔の教会は、Salzburg Cathedral(ザルツブルク大聖堂)W
1735年頃の銅版画。
1628年には現在の形が出来上がったとのことです。
この画像には、Salzburg Cathedralの他、背景手前に写っていた尖塔、ノンベルク修道院などがみな写っていますね。
参考までに、『菩提樹』でマリアが降りていく階段は、修道院のすぐ北側のこちら。
正面にはやはり大聖堂が写っています。
アーチをくぐって広場へ
噴水
馬の口から滝の白糸みたいに水が吹き出している噴水。
バスに乗るところ
カテドラルの南側の広場。
背景に見えるのは、ホーエンザルツブルク城。
トラップ邸
正面玄関側の外観
Schloss FrohnburgW, Salzburg, Austria (front of Von Trapp villa)
現在はモーツァルテウム大学の施設となっているようです。
映画では「53」という番地が写っていますが、これも実際の番地ですね。
映画の後半、新婚旅行から戻ってきたところや一家がクルマを押して出ようとしたのもここ。
これは門から見て右手裏側からのアングル。
こちら側も湖畔の場面で何ショットか使われていると思われます(後述)。
こちらは1717年頃の銅版画。
館は1620年に最初の形ができたとのことですが、銅版画が作られた頃にはほぼ今と同じ姿になっていたことになります。
玄関ホール
大きな玄関ホールはスタジオセットでしょう。
IMDbのトリビアによると、ドリス・デイの『ただいま熱愛中』でも使われたとのこと(未確認)。
湖側
裏庭側は湖に面していて、マリアと子供たちが池ポチャする場面などで登場します。
撮影場所はIMDbのリストではこちら。
Bertelsmann, Salzburg, Salzburg, Austria (lakeside scenes of Family Von Trapp’s house)
Bertelsmannというのがいまいちわかりませんが、この場所の撮影地として普通とりあげられるのが、Schloss Leopoldskronという館です。
ところが英語版WikipediaのSchloss LeopoldskronWの項目によると、湖に面した裏庭の場面はSchloss Leopoldskronでは撮影許可が下りず、その隣でレプリカを使って撮影、そこは当時Bertelsmannと呼ばれていたとのこと。
まずSchloss LeopoldskronWはこちら。
海馬像のペアの門はこちら↓
このように映画でも見られた海馬像の門があるので、ここで撮影されたように思ってしまいますし、実際多くの記事がここをロケ地として紹介しているようです。
でも現在の画像と映画でアップになる像とをよ~く見比べてみると、たとえば尻尾(?)の巻き方など全然違いますね。
背景はスクリーンプロセスではなく実写に見えますし、山の形などはSchloss Leopoldskronから撮影された画像と同じように見えますので、「撮影場所は同じ湖畔のほぼ同じ位置、でも像は似て非なる物」となります。
現地へ行ってこの場所をカメラに収めて楽しまれた方も多いでしょうし、それに水を差すつもりはありませんが、Wikipediaの記述通りSchloss Leopoldskronではなく隣地に作られたレプリカとセットで撮影されたことになりそうですね。
実際の撮影場所はすぐ西側のこちらではないでしょうか。
- Google Maps(45°・南向き)
- Bing Maps(概観図・東向き)
- WikiMapia
- http://www.panoramio.com/photo/4735996 ……映画で門として登場したあたり
- http://www.panoramio.com/photo/18246638
台座のあたりからの眺め。
証拠となるポイントは、
- 正方形が4つ並べられた灌木の配置は、映画と同じ
- テラスの手すりの向こうでロルフが石を投げるショット(1:09)では、背後にSchloss Leopoldskronの湖畔側の庭と西端の石段が写っている(←これ決定的)
ここだとすると、海馬像の他テラスやテラスに面したポーチの柱などもSchloss Leopoldskronの西側に作られたセットとなります。
柱は、トラップ邸正面として登場したSchloss Frohnburgと同じようなデザインにしてありますね。
3階建ての部分が写っているショットやポーチ部分がはっきり写るショットはおそらくホンモノのSchloss Frohnburgで、編集で組み合わせているものと思われます。
西側の建物はMeierhofと呼ばれているようですが、どちらも現在はSalzburg Global Seminarという団体が所有していて、本拠地として使用しているようです。同時にホテルとしても営業しているようですね。
Hotel Schloss Leopoldskron
http://www.schloss-leopoldskron.com/
沿革はこちら↑のホテルのオフィシャルサイトより、こちら↓のSalzburg Global Seminarのサイト内の方が詳しいかもしれません。
- http://www.salzburgglobal.org/faqs.html
- http://www.salzburgglobal.org/about-us/history/schloss-leopoldskron-meierhof.html
- http://www.salzburgglobal.org/about-us/schloss-leopoldskron/about-schloss-leopoldskron.html
実際に行くときは、一般の人がどこまで立ち入ることができるのかは事前に確かめた方が良さそうですね。
素通しの四阿
リーズルとロルフが「もうすぐ17才」を歌って踊ったところ。
トラップ邸の湖に面した庭のどこかという設定。
夜の闇の中でしかも森の中、ということで、この場面に関しては場所は不明。セットかもしれません。
内部はスタジオ撮影でしょうね。
2:07頃マリアとゲオルクが互いの気持ちを確かめ合う場面も同様。
1:06頃のゲオルクとエルザの場面でも湖畔に建っている姿が写りますが、この場面での位置は上記西側の建物の前あたりと推定できます。
まったくの推測ですが、このショットでの四阿はこの位置にあるのがどうも不自然で、撮影用のセットのように思えます。
どちらかといえば、Schloss Leopoldskronの東側に見られる庭園といいますか、森の中にあるのが相応しいような気がしますが、どうでしょうね??
いずれにせよ、この建物はその後IMDbのリストにあるこちらへ移されたようです。
Schloss Hellbrunn(ヘルブルン宮殿)W, Furstenweg, Hellbrunn, Salzburg, Salzburg, Austria (gazebo, once stood on the grounds of Schloss Leopoldskron)
空撮ではわかりづらいですが、Bing Mapsの画像がいちばん見やすいかもしれません。
案内板でしょうか。
ピクニック
カーテン生地の服でお出かけする場面。
音楽はその前からのつながりで、「私のお気に入り (My Favorite Things)」がインストで流れます。
橋
こちらの橋を南から北へ。川はザルツァッハ川。「ザルツブルク」や「ザルツァッハ」の「ザルツ」は、Salz(塩)から。
Mozart Steg(モーツアルト橋), Salzburg, Austria (small bridge)
広場
大聖堂前の広場
馬の噴水
今は噴水ですが、かつてはここで馬を洗っていたようです。
背後の絶壁は、そのままず~っと左へ行くと、音楽祭の会場(後述)となったFelsenreitschule(フェルゼンライトシューレ)Wの背景につながっています。
登山鉄道
右カーブを描きながらシュポシュポ上っていく蒸気列車。
おそらくこちらの鉄道。
- Google Maps(SV) ……終点
- WikiMapia ……終点
映画では”999.105″でしたが、この画像は”999.106″。
撮影場所の特定は難しそうですが、よく見ると見送る鉄道員の足下に分岐器のレバーが見えますので、おそらくここ。
終点のひとつ前、Schafbergalpe駅の北側。
- Google Maps(SV)
- Google Maps(SV) ……上から見ると
- WikiMapia
Schafbergalpe駅のそばにあるベンチ↓ ころがり落ちそうでコワイです。
ド・レ・ミの歌
高原
主旋律をギターで伝授するところ。
IMDbのリストではこちら。
Werfen, Salzburg, Austria (mountain picnic)
もう少し絞り込みたいところですが、ギターを持ったマリアの背後に特徴的な建物が見えます。
これがIMDbのリストにあるこちら。
Schloss Hohenwerfen(ホーエンヴェルフェン城)W, Werfen, Salzburg, Austria (backdrop)
バックドロップってプロレスではなくて、背景幕のことですね。 😉
このお城を手掛かりに地形から求めると、マリアがドレミの歌を伝授したのはWerfenの町の北側、このあたり。
お城の参考画像。
北東側から。
北側。
階段
続く旋律を伝授するところ。
町に戻って着替えてから、あるいは別の日という設定ですね。
突然歌って踊り出すミュージカルに、設定も何もないとは思いますが。
段差の低い階段がなだらかに続くところで、眺めは最高。彼方にホーエンザルツブルク城が見えます。
場所は、今ではザルツブルク現代美術館があるところのすぐ東側の見晴台。
- Google Maps(45°・南向き)
- Google Maps(45°)
- Bing Maps(概観図・南向き)
- WikiMapia
- http://www.panoramio.com/photo/35018214 ……まさにこのアングル
水辺の道
自転車でノリノリ。
地形から見て、このあたりの湖畔の道を東南に向って走っています。
馬車
馬車でノリノリ。
不明。粘ればわかるかも。
※19/9/23追記
キャッツアイさんからメールで情報を寄せていただきました。
この場面は、こちら↓の教会の前とのことです。
- Google Maps(SV)
- 47.795133, 13.051373
こちら↓のサイトを参考にされたとのことでした。
https://4travel.jp/travelogue/10759910
庭園
最後は庭園でノリノリ。観光客はマネしてはいけません。
Mirabell Gardens(ミラベル宮)W, Salzburg, Austria (Do-Re-Mi steps)
噴水は東側の宮殿の上階から撮っていますね。
- Google Maps(SV)
- Google Maps(45°)
- Bing Maps(概観図)
- WikiMapia
- Wikimedia Commonsの画像 ……馬はまっすぐお城を向いています
躍動的な像のある門は南の端。
噴水は、カメラ南向き
石像はこちら
最後はこちらの門と階段
子供たちが尋ねてくるところ
インターミッションをはさんで後半。
Nonnberg Abbey(ノンベルク修道院)のこのあたり。
ラスト近く追っ手がやってくるのもここ。
結婚式
設定ではマリアがいた修道院か、あるいは大聖堂なのでしょうけれど、内部の撮影はこちら。
Mondsee CathedralW, Mondsee, Upper Austria, Austria (Maria’s wedding)
Mondseeは、ドレミの歌を歌いながら自転車で走った湖。
その北側にある町もMondseeという名で、教会はその町にあります。
映画では外観は写りませんが、こういったところ。
ドイツ軍の行進
マリアがトラップ邸に向う時に通り過ぎた広場(馬の口の噴水)ですね。
俯瞰ショットはカメラ西向き。
Residenzplatz (Salzburg)W, Salzburg, Salzburg, Austria (scene with Nazi’s marching)
音楽祭会場
Felsenreitschule(フェルゼンライトシューレ)W, Salzburg, Austria (music festival scenes)
直訳すると「岩窟乗馬学校」。
もともとは乗馬学校で、学校裏手の岩壁をそのまま舞台の背景にしてしまったもの。
1790年頃の模様。
その後、改修で開閉式の屋根が付いたようですね(2014年11月現在、Googleマップでは閉じていて、Bingマップでは開いています)。
「エーデルワイス」のくだりは何度見ても惹きつけられます。『カサブランカ』の歌合戦同様、映画における歌の力をまざまざと見せつける名場面ですね。
あまりにも効果的で、これがブロードウェイミュージカルのオリジナルソングであり、オーストリアの歌でも何でもないことをつい忘れてしまいます。
でも歌詞は英語ですものね。
すでに1960年に亡くなっているオスカー・ハマースタイン2世の遺作。
昔から気になっているのが、「エーデルヴァイス」とドイツ語風に発音していること。
憎まれ役Zellerは「ツェラー」じゃなくて「ゼラー」と言うように、映画はあらかた固有名詞含めて英語風となっていますが、ここは「ヴァイス」と言っているのは何か意味があるのでしょうか??
その「ゼラー」がリハーサル中のところにクルマでやってくるのは、ここ。
- Google Maps(45°) ……クルマがくぐったところ
- WikiMapia
- Google Maps(45°) ……入口
山越え
設定ではアルプスを越えてスイスへ、だと思いますが、実際にはオーストリアとドイツの国境付近で撮影されています。
最後のショットはこのあたりかと推測しました。
- Google Maps
- WikiMapia
- http://www.panoramio.com/photo/76737869 ……まさにこのアングル♪
画面の向こう側はドイツ。
参考までに、ヒットラーの山荘(ケールシュタインハウス、ベルクホーフ)はわずか数kmのところ。
そっちへ行っちゃダメでしょ。
徒歩で山越えというのは映画の中の話で、史実では一家はイタリアへ列車で移動、さらにロンドンを経由してアメリカへ向ったとのことです。
→ IMDbのトリビア
トラップ・ファミリー・ロッジ(参考)
Trapp Family LodgeW
http://www.trappfamily.com/
700 Trapp Hill Road
Stowe, Vermont 05672
ロケ地マップ
もう以前のGoogle Mapsではマイマップを作成できなくなったようです。
埋め込みづらい&使いづらい新マップを何とか作ってみました。早くこれに慣れねば……
カメラアングルもいくつか入れてみましたので、よろしかったら大きめのマップでご覧ください。
→ 大きなマップで見る
他の記事に埋め込んだマップも先日(14/11/11 4:44付)いっせいに新マップに替えられてしまいました……
旧マップはもはや滅びようとしている世界なのでしょうか……
資料
更新履歴
- 2019/09/24 「教会」追記 各画像のリンク先をPicasaウェブアルバムからGoogleアルバムアーカイブへ切り替え
- 2016/02/27 「修道院を出て」追記
- 2016/02/25 「空撮14 高原のマリア」追記
- 2014/11/12 新規アップ
コメント
「居ながら式」でよくぞ、ここまで。
マリア・フォン・トラップ自身がバスの乗客で出演していたのですね。未確認ながらこれは面白いです。
湖側。
これも傑作。多くのファンがここを訪れ、写真を撮って帰ってシーンを見比べてみると、海馬像が違っていてがっくりきたことでしょう。隣地のセットとレプリカで撮影されていたのですね。
そういえば、映画の中のレプリカは綺麗すぎました。
小生が「旅の重さ」で絶対にこの映画館だと信じて撮った写真が別の映画館であったのにショックを受けたので、ご同情申し上げま
す。
ラスト山越えも大笑い、一家は「ヒットラーの山荘」の方へ向かっていたのですね。まさか!
古い銅版画や写真が掲載されていて、楽しいです。
赤松さん、この映画はいろいろトリビアありそうですね。
このエントリーは実は数年前に『ウエストサイド物語』のエントリーを書いたときに同じようなオープニングの空撮の場所を探して書きかけたのですが、飽きてしまってその後放って置いたものでした。
数年越しにようやくアップとなりましたが、なまじ有名な作品だと間違えてはいけないので余計に気を使ってしまいますね。
長いエントリーを書くのはくたびれるので、しばらくは短いワンポイント的なものを続ける予定です(目指せ1000エントリー?)。
日本映画も取上げるつもりですので、またご用とお急ぎでないときにでも寄っていただけるとうれしいです。
トラップ邸 湖側の項が非常に面白かったです。
隣の敷地にセットを作って撮影したとは今まで騙されていました。
そういわれてよく見たら映画の船着場は通路に全面に四角いプレートが敷かれていたのにレオポルドの方では砂利敷で中央だけが石敷ラインと異なってました。
去年の50周年記念ブルーレイ本編に収録されたワイズ監督の音声解説を聞くとこの件について触れていました。
『トラップ家の本物の屋敷をロケで使うのはあきらめた (中略) そこでフローンブルグで屋敷の外観を撮ることにした (中略) 屋敷には湖がないが 撮影技術でごまかすしかない
屋敷の正面は 写真を撮った そして裏庭として使える湖のあるロケ地を探したんだ
希望はレオポルズ・スクール 以前マックス・ラインハルトが所有していた 現在はアメリカンスクールで撮影は不許可 困った我々は隣の敷地の地主に交渉してみた
彼は撮影を許可してくれたよ ボリスが庭と船着場を作り上げ一件落着した』
ということでロケ地はレオポルズではなく西側の旧Meierhof敷地で決まりですね。
ですが、裏口から船着場に通じる今は無い石のテラスはどうしたのか気になります。
Meierhof敷地にセットを組んだのか? たぶんそうだと思うのですが、この件に対して
監督はじめ誰も言及した情報がないのが気がかりですね。
ジバゴさん、コメントありがとうございます。
監督の音声解説があるのですね。内容教えていただき、答え合わせができてほっとしています。HD放送の録画でチェックしたので、音声解説があったらもっと作業がはかどったかもしれませんね。
テラスはやはりセットでしょうか?
トラップ邸は別々の場所やセットを組み合わせて一つの舞台を作り上げているのがわかり、まるで映画作りの魔法が詰まっているように思えて調べていて楽しかったです。
ザルツブルクといいますかオーストリアがストリートビューが使えないので、『第三の男』と同様に案外手こずった場所もありました(ユーザー登録のパノラマは利用できますが……)。もしかすると結構間違えているかもしれませんので、誤りを見つけられたらご遠慮なく突っ込んでいただけましたら幸いです。
テラスは不思議ですね。 テラスデッキに座ってる大佐や男爵夫人のバックに湖が映ってますのでセットにせよ何にせよ有ったのでしょうが今は無いのが不思議です。 L字形で結構広範囲でしたが材質が本物の石でないとすれば撮影が終われば撤去するのも容易で廃棄したのかも。
たぶん旧Meierhofの東側で現在はフリースペースになっている所にセットは設置されたと思われます。しかし、カメラが湖側からテラスを映すと背景に家の壁面が映るのですがこの壁がフローンブルグ邸宅でしていったいどうやったのかと不思議でした。 あの時代はCGは無いですよね。 そのほかにも面白いことがいろいろある映画です。
ところで、空撮14 高原のマリア ロケ地は
Mehlweg 7 83487 Marktschellenberg ドイツ です。
グーグルマップ短縮urlは下記
https://goo.gl/x5ICXr
ジバゴさん、空撮情報ありがとうございました。
本文に追記して、マップにも記載させていただきました。
おかげさまで、スッキリ♪
Google Mapにパノラマ画像が登録されていて、映画と同じ景観を見ることができ、さらにスッキリです。
この場面の動画がYouTubeにあったので貼り付けてしまいましたが、確かだいぶ前の米アカデミー賞授賞式で、音響賞かなにかの際にこの映像が映し出され、戦闘機が迫っていき機銃掃射を浴びせる音がかぶせられて(汗)、音響がいかに大事か示していたことがありました。またアカデミー賞の季節ですね。
赤松さん、以前いただいたコメントへの返信で恐縮ですが、ご本人登場場面を間違っていました。
Wikipediaに記載があり、マリアがアーチをくぐったときに背後を横切る3人組のようです。画面から探そうとしても、これは元々ムリな案件でした。 orz…
空撮から歌に入るヒルトップの場所がまちがっています。もっと東側の、国境に近い尾根筋です。Schmidbachlehenという宿を拠点として撮影され、尾根筋に池を掘った記録があります。実際に現地へ行って確認してきました。現在は、オーストリア側の木が伸びてしまい、かなり景観が変わってしまっています。
http://blog.livedoor.jp/sumioka_t/archives/51335212.html
純丘曜彰さん、コメントありがとうございます。
もともとGoogle Earthでチェックしただけですので、きちんと見ていただけるととても有り難いです。
すみません、ブログを拝見してもよくわからなかったのですが、空撮14とマークをつけたところと、Schmidbachlehenがざっくり400mほど離れているようですので、もう2,300mほど東の尾根筋といったところでしょうか? (Schmidbachlehenから多少離れないと、建物が空撮のフレームに入ってしまうので)
空撮の方角はこのくらいだと思いますので、全体を2,300mほど東へ移動させればOKでしょうか?