作品メモ
NHK BSハイビジョンのラインナップに『ウエストサイド物語』がありました。
バーンスタイン没後20年スペシャルの一環で、10月9日(土) 午後8時から。
ハイビジョンでの放送が楽しみですが、ちょっと先走ってエントリー立ててみました。
(以下、鑑賞後の追記も含んでいます)
監督ロバート・ワイズとジェローム・ロビンス。
撮影ダニエル・L・ファップ。
作曲レナード・バーンスタイン。
タイトルデザインはソウル・バス。
出演はヒロインのマリアにナタリー・ウッド。
お相手のトニーにリチャード・ベイマー。
マリアの兄ベルナルド役のジョージ・チャキリスとその彼女アニタ役のリタ・モレノはアカデミー賞助演賞を受賞。
アカデミー賞10部門での受賞は、『ベン・ハー』『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』の11部門受賞に次ぐ記録。
ミュージカル映画音楽賞も受賞していますが、オリジナルの曲を書いたバーンスタインはノミネートされていません。
キャッチ・コピー
allcinemaではこちら↓が紹介されていますが、
ニューヨークから世界中に熱狂と興奮をまきちらしたダイナミックな迫力!最高・最大のミュージカル!
個人的にはこちら↓の方がなじみがあります。
いのちのリズム――
フィンガースナップがマンハッタンにひびく!
マリアとトニーの素晴らしい《愛》の朝があける!
右は1971年7月17日~のリバイバル時の切り抜き。
日比谷スカラ座で70mm。
一般600円、学生500円也の時代。
お役に立つ
これだけの名作となるとさまざまな形で引用、援用されています。
一番モロなのは、石ノ森章太郎さんの『サイボーグ009』。
この中に登場する002は本名をジェットといい、元々ニューヨークでジェット団を率いていた不良。対立するシャーク団のメンバーを刺し殺してしまい、謎の組織ブラックゴーストに拾われてサイボーグに改造されたという設定です。
ジェットが最初に登場するカットが、例の足を高々と上げたジョージ・チャキリス的ポーズとなっていてなごみます。
当時この振り付けをマネして股関節を痛めた青少年はけっこういたかもしれません。
他に、マイケル・ジャクソンのPV“Bad”が “Cool”の駐車場からというのはわかりやすい引用。
ついでに、”Beat it !” (「失せろ!」) も何度かセリフで出てきますが、これは以前よりある表現なのでしょうね。
ロケ地
IMDbでは、
10th Street, Manhattan, New York City, New York, USA
8th Street, Manhattan, New York City, New York, USA
New York City, New York, USA
Samuel Goldwyn Studios – 7200 Santa Monica Boulevard, West Hollywood, California, USA (studio)
冒頭空撮
マンハッタンのロングショットで始まり、全部で19カット。
それぞれ画面左手に移動していますが、実はカメラの方角はまちまちです。
一番下の「ロケ地マップ」で場所と向きをチェックしてみましたので、お暇な方はどうぞ。
最後の3カットはセントラルパークの北側のハーレム。
カメラが降りていくのはハーレム川とジャッキー・ロビンソン公園にはさまれたあたりで、これだと「ウエストサイド」ではありません。
街角ロケ
冒頭数十分が実際の街角での撮影。
具体的には、セントラルパークの西側、現在リンカーンセンターがあるあたりで、ここなら堂々たる「ウエストサイド」。
当時は再開発エリアとなっていて、建物が取り壊される前に撮られました。
現在の街並みから撮影場所を推定するのはちょっと難しいかと思います。
残りの大部分はスタジオでのセット撮影。
どうしても街頭での撮影とは雰囲気に違いが出てしまっています。
どこをとってもほとんど完璧と思える作品ですが、これが瑕瑾でしょうか。
ガスタンク
※16/1/19追加
背景に見えるガスタンクは、昔の空撮画像で場所を特定できました。
こちら↓の位置(66th St)に、東西に2つ並んでいました。
「ロケ地マップ」でもマークを入れておきました。
背景のビル
※16/3/15追加
瓦礫の山を乗り越える追いかけっこで、背景に見えるH型のベージュ色のビルは、今でも残っていました。
瓦礫の山とカメラ位置は、このあたり↓でしょうか(カメラ南西向き)。
ロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2016/03/15 「背景のビル」追加
- 2016/01/19 「ガスタンク」追加 「ロケ地マップ」更新の上、ページ下へ移動
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