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『テレフォン』 Telefon (1977)

【映画チラシ】テレフォン/監督・ドン・シーゲル//洋・タ

Telephone じゃなくて Telefon

作品メモ

ひとつ前のエントリー『レッドブル』はソ連からやってきた屈強な刑事がアメリカでひと暴れするお話でしたが、こちらもやはりとある目的のため密かにアメリカへ派遣されたクールなソ連軍人の物語。

アメリカ各地で連日テロが発生。 犯人はごく一般の人々でしたが、皆直前に謎めいた電話を受け取っている点が共通していました。
実は彼らはかつてKGBがアメリカに送り込んだスパイ。特殊な薬物催眠を施されていて、暗号電話をきっかけに擦り込まれていた指令が発動するようになっていたのでした。
米ソの緊張緩和ムードが高まる中そのような計画は無用となったはずでしたが、とある人物によってリストが持ち出され、次々テロが実行に移されてしまったのです。
このことが世間にバレたら一大事と、KGBはアメリカに刺客を送り、その人物を抹殺しようとするのですが……
……といったお話。

メインのアイデアは『影なき狙撃者』みたいですが、こちらはずっとムチャで劇画的。その分作りも娯楽映画に徹しているので、無責任に楽しめるのが良いところ。
演出のテンポも良いため、とても面白い映画に仕上がっています。

密命を帯びてアメリカに送り込まれたグリゴリ(グレッグ)・ボルゾフ少佐にチャールズ・ブロンソン。
ボルゾフと行動を共にする在米KGBスタッフ、バーバラにリー・レミック。
リストを利用して次々テロを起こすニコライ・ダルチムスキーにドナルド・プレザンス。登場する度にいろいろ扮装しているのが楽しいです。
コンピューターよりも有能なCIAの分析官ドロシー・プッターマンに前年『ダーティーハリー3』でイーストウッドとコンビを組んだタイン・デイリー。

原作ウォルター・ウェイジャー、監督ドン・シーゲル、撮影マイケル・C・バトラー、音楽ラロ・シフリン。

ロケ地

IMDbでは、

Santa Clarita, California, USA
CIA Headquarters, Langley, Virginia, USA
Great Falls, Montana, USA
Helsinki, Finland
Hyatt Regency Hotel – 5 Embarcadero Center, San Francisco, California, USA
Katajanokka, Helsinki, Finland
Los Angeles, California, USA
Montana, USA
San Francisco, California, USA
Santa Susana Field Laboratory, Santa Susana, California, USA
Senate Square, Helsinki, Finland
Vasquez Rocks Natural Area Park – 10700 W. Escondido Canyon Rd., Agua Dulce, California, USA (Cambridge, NM scenes)

モスクワ

教会

最初に写される雪に埋もれた教会は、『ホワイトナイツ/白夜』でもレニングラードの景色として登場したヘルシンキのこちら。

ウスペンスキー大聖堂(生神女就寝大聖堂)W

最初のショットのカメラ位置は聖堂の南側。
アングルはこの↓→画像の感じ。

バンがやってきたのは東側のここ。

以下同様にヘルシンキの街並みをモスクワに見たてていると思われます。

将軍の車が去って行く道

上記聖堂の東側。

※2014/11/23追記

milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は2009年7月とのことです。

こちらは背面にある銘板(参考画像)。

コロラド州デンバー

爆破テロが起きる空軍基地。
IMDbのトリビアには、中学校の爆破による解体をそのまま使ったとあります。

The building explosion scene was actually a controlled demolition of the Paris Gibson Junior High School in Great Falls, Montana, USA.

IMDbのリストにある”Great Falls, Montana, USA”はこの場所のことですね。
同名の中学校は市内に確認できますが、解体が行われた建物はそこから数ブロック西にあったもので、解体数年前に現在の場所に移転しているようです。

以前の場所に現在建っているのはParis Gibson Square Museum of ArtW
爆破されたのは現在博物館となっているこの建物の南側に建っていた別館とのこと。
中学校の本館の方がそのまま歴史的な建物として保存、現在の博物館となっているようです。

参考までに博物館はこちら。

画像ではたとえばこちらのページの真ん中あたりに、映画で爆破された建物の画像があります。

  • http://gfhsbison.wikispaces.com/The+Roundup

一方、基地のゲート付近は別の場所で撮影されたと思われます。
引き続き調査中。

ラングレー CIA本部

映画やドラマで幾度となく登場しているホンモノの空撮。

CIA Headquarters, Langley, Virginia, USA

レニングラード

ボルゾフ少佐がコーチをしていたスケートリンク。
調査中。

モスクワ KGB本部

撮影場所は再びヘルシンキです。
ТЕЛЕФОН(チリフォーン)があったのはこのあたりで、カメラ南向き。

背景左側に見える建物がKGB本郡という設定なのでしょうけど、実際には Säätytalo (House of the Estates)Wというところ。

カナダ カルガリー

撮影場所はカルガリー空港ではなさそう。

ホリデー・イン

ロサンゼルス

電話ボックスが側にある教会。
調査中。

サンタモニカ

病院。
調査中。

モスクワ

1月29日の広場。
ここもやはりヘルシンキで、『レッズ』でペトログラードの宮殿広場として登場したこちら。

Helsinki Senate SquareW

やはり北側にあるランドマーク、ヘルシンキ大聖堂から撮っています。
広場全体を見渡せる恰好のアングルなので、相当数の映画で使われていそうです。

※2014/11/23追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)

ヘルシンキ大聖堂の大階段から見た広場。
撮影は2009年7月とのことです。

『レッズ』では大群衆が埋め尽くす場面が圧巻でした。

広場を見下ろすヘルシンキ大聖堂。
映画では写っていません。

ニューメキシコ州ケンブリッジ

荒涼たる岩山の中腹に建つロッジ風の建物。
IMDbのリストにあるこちらと思われますが未確認。

Vasquez Rocks Natural Area Park – 10700 W. Escondido Canyon Rd., Agua Dulce, California, USA (Cambridge, NM scenes)

その後二児のママが向ったところはこちらでしょうか? 調査中。

Santa Susana Field Laboratory, Santa Susana, California, USA

広場

ボルゾフがダルチムスキーの意図に気づくところ。
調査中。

テキサス州ヒューストン

ホテルは”HOUSTON HYATT”という設定ですが(駐車場の標示から)、撮影はサンフランシスコのハイアット・リージェンシー(内部)とその北側のビルの前。

Hyatt Regency HotelW
5 Embarcadero Center, San Francisco, California, USA

ホテル前

電話ボックスがあるホテル前(という設定)。
ハイアット・リージェンシーの北側のビルの西側。

ロビー


大きな地図で見る

素通しのエレベーターが上下するロビーは、『タワーリング・インフェルノ』でおなじみ。
ご覧の通り、なんと今やインドアストリートビューで楽しめます。

吹き抜けロビーの10階からの眺め↓

ラウンジ

ボルゾフがやってきた最上階のラウンジ↓

ちょっとわかりづらいですが、このSVは映画で画面の左1/3を占める鏡(やってきたマネージャーの背後)に映っている景色です(映画では鏡なので左右反対)。

煙が出てきて騒ぎとなるところ

最初のホテル前と同じ。

テキサス州ハルダービル

パラボラアンテナが見える山道

『コンゴ』でちらりと登場したこちらでしょうか?
北側の道であれば、地形やアングル的にはぴったりです。
場所はロサンゼルス郊外の山中。

ダグの店

ラスト

資料

更新履歴

  • 2014/11/23 「教会」「モスクワ」にmilouさんの画像を追加

コメント

  1. ほりやん より:

    「骨がコキコキ」と「シモ2段活用」に、ラ変(lachen)しました。「あり、をり、はべり、いまそかり~」、悠々自適というよりも、言う言う指摘です。

    (広場)

    広場にある像を画像検索しました。

    Jerry Moss Plaza

    135 N. Grand Avenue, Los Angeles

    像の名前は Peace on Earth ですが、ブロンソンが米ソの核戦争を防ごうと活躍するので、映画のタイトルとしては「Peace on Earth」でもよかったのでしょうが、「そんな大仰なタイトルはちょっとなぁ」と、監督がテレたのがフォン当のところでしょう。

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