生活できれば、そこが祖国という訳だ
作品メモ
このところ下書きのままで放っておいたエントリーをアップしていますが、こちらも同様。
なぜ書き始めたのかすら記憶にありませんが、もしかすると何年か前に『ザ・フォール 落下の王国』のエントリーを書き始めたときに、長~~い鉄橋でこちらを連想したからかもしれません。でもあまりネタがなかったのでそれきりであったのかと。
先日『ザ・フォール』をアップしたので、こちらも手を入れてようやくアップです。
ジャン・ルノワール監督の戦前の作品で、これまでのエントリーで言えば『大いなる幻影』(1937)の2年前。この間に『ピクニック』『どん底』があります。
日本未公開で、ビデオ化の際に『ジャン・ルノワールのトニ』、DVD化の際に原題通りのただの『トニ』と改題。
仕事を求めて様々な人種・民族が流れ込んでくる南仏の町を舞台に描かれる男女のドラマ。
いったんは収まるところに収まったものの、数年後もろくもその関係が崩れて残念な結末に至るという苦いお話ですが、内容のわりにあまりギトギトしたり殺伐とした気分にならないのは監督の持ち味でしょうか。
スペイン系の労働者が時折奏でるギターや歌声も効果的でした。
列車に揺られてやってきたイタリア系の「トニ」ことアントニオにシャルル・ブラヴェット、その妻マリーにジェニー・エリア、トニが以前より思いを寄せていたスペイン系のジョゼファにセリア・モンタルヴァン、その夫アルベールにマックス・ダルバン。
監督脚本ジャン・ルノワール、撮影クロード・ルノワールW(監督の甥。兄ピエールの子)。
おまけで、YouTubeに冒頭の部分のリメイク動画がありました 🙂
言葉がわからないので、単なるリメイクなのかパロディなのかすら不明。
誰が作ったものでしょうね。
『トニ』はVHSのぼそぼそ映像しか手元にないので、一度こういうクリアな画質で見たいです。
https://www.youtube.com/watch?v=BDigfS4CRYc
ロケ地
IMDbでは、
Martigues, Bouches-du-Rhône, France (railway bridge, town)
Châteauneuf-les-Martigues, Bouches-du-Rhône, France (quarries)
町と鉄橋
町や鉄橋はIMDbのリストにあるこちら。
Martigues(マルティーグ)W, Bouches-du-Rhône, France (railway bridge, town)
鉄橋は映画そのままに残っているようです。
鉄橋が架かっているのは、地中海とベール湖(L’étang de Berre)Wを結ぶCanal de Caronte (カロント運河)W。
余談ですが、この部分が回転するようになっていますね。
駅
おそらくこちらの駅↓
- Google Maps(SV)
- WikiMapia
- 43.392859,5.025612
駅は運河の南側。
北側の鉄橋を渡ってきたはずの列車は、駅の南側からホームに入ってきています 🙂
列車から降りた人々が歩いて行くのは、このあたり↓
- Google Maps(SV)
- WikiMapia
- 43.396707,5.025993
採石場
IMDbでは、
Châteauneuf-les-Martigues, Bouches-du-Rhône, France (quarries)
教会
0:32頃
Église Sainte-Madeleine-de-l’Île de MartiguesW
- Google Maps(SV)
- WikiMapia
- 43.405365,5.054239
80年以上前の映画と、な~んにも変わっていません。
葬列が渡る橋
0:38頃
Jonquières Swing Bridge
https://structurae.net/structures/jonquieres-swing-bridge
1962年に無くなったようです。ぐるりと回転するところを見たかったかも。
場所としてはこちら↓
- Google Maps(SV)
- WikiMapia
- 43.404280,5.055111
ラスト近く
トニは北側から南側へ走っています。
最後はたもとのここ。
ロケ地マップ
南フランスが舞台の映画
資料
更新履歴
- 2018/11/11 新規アップ
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