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『アルタード・ステーツ 未知への挑戦』 Altered States (1980)

アルタード・ステーツ~未知への挑戦~ [DVD]

作品メモ

タンクに満たした液体に胎児のように浮かび、外部からの刺激を断って瞑想により生命の起源を探ろうとする科学者を描いた異色SF。
独特の映像で異色作を連発するケン・ラッセル監督が、瞑想、ドラッグ、トリップ、深層心理といったテーマに挑んだわけですが、見どころはやはりトリップの場面。
奔放なイメージを数コマ単位の細切れのカットでたたみかけて観客の知覚をマヒさせ、トリップを疑似体験させようとするかのような仕上がりとなっていました。

画像処理だけでなく、特殊メイクも体がデコボコに変形するところなどうまくできていたような。
ただ、そのあとさらに「ステーツ」が深化し、とある状態に変身して動物園にちん入するあたりで、映画の評価そのものが微妙になってしまったかもしれません。

Altered States (1980 Film) 音楽はコンテンポラリーのジョン・コリリアーノで、これが映画初仕事です。
特にストリングスから多彩な音を引き出していて、さすがの技巧。
そのまま現代音楽の作品としても通るような出来映えだと思います。
アカデミー賞にノミネートされていますが、受賞したのは『フェーム』のマイケル・ゴア。
コリリアーノは20年後に『レッド・バイオリン』で受賞しています。

キャストは主役の科学者エディにウィリアム・ハート、その妻エミリーにブレア・ブラウン。
エディの同僚アーサーにボブ・バラバン、同じくメインンにチャールズ・ハイド。

苦悩する天才科学者を好演したウィリアム・ハートはこれが映画デビュー作。
ルックス良し、演技良し。専門用語をさらさらと口にする様はクールでかっこよく、高い評価を得ました。

もうひとり、ドリュー・バリモアの映画デビュー作でもあります。
エディとエミリーの娘マーガレット役で、この時(単純計算で)5歳。
ちゃんと台詞もあります。

作品メモ(ネタばれ)

SFもので、男がはるか遠くの別世界へ行ってしまうのを女が呼び戻すという構図はその後『ブレインストーム』でもありました。
古くは(小説で)レンズマン・シリーズあたりもそういう場面ありませんでしたっけ?

ロケ地

IMDbでは、

Beacon Hill, Boston, Massachusetts, USA (Eddie relocates to Boston)
Biltmore Hotel, Manhattan, New York City, New York, USA
(Primal Regression scenes)
Boston Logan International Airport, Boston, Massachusetts, USA
(Eddie returns to Boston after visit to rock formations)
Boston, Massachusetts, USA
Bronx Zoo, Bronx, New York City, New York, USA
(Eddie visits the animals at the zoo)
Columbia University – Broadway & 116th Street, Manhattan, New York City, New York, USA
Harvard Medical School, Roxbury, Massachusetts, USA
(Eddie continues his experiments)
Manhattan, New York City, New York, USA
Massachusetts, USA
McCracken County, Kentucky, USA
Mexico (Rock formations visited by Eddie)
New York City, New York, USA
Sepulveda VA Hospital – 16111 Plummer, Sepulveda, Los Angeles, California, USA
Warner Brothers Burbank Studios – 4000 Warner Boulevard, Burbank, California, USA (studio)

また、”The Worldwide Guide to Movie Locations”にも記載されていますが、これはweb版で見ることができます。
http://www.movie-locations.com/movies/a/AlteredStates.html

冒頭、大学を出て地下鉄へ降りて行く場面

ニューヨークの場面はコロンビア大学周辺で撮影されています。
この場面も大学周辺のBroadway Aveだと思いますが、具体的な場所は調査中。

エディとエミリーの歩きながらの会話

3379605366_614c53f759_b.jpg これもコロンビア大学。
背景に見えるのは、Columbia University Low Library

ボストンでの住まい

Beacon Hill, Boston, Massachusetts, USA

おそらくふつうのマンションだと思いますので、建物は特定しないでおきます。
ざっとこういった場所です。

西側のチャールズ川に向かって長い下り坂になっています。

ボストンでの仕事場

研究仲間3人が建物を出て向かったのはこちらの建物。

800px_Hms.jpg

Harvard Medical School
Roxbury, Massachusetts, USA

画像はWikimedia Commonsから(パブリックドメイン)。
これは北側で、3人は南側から向かっています。

マップ↓

メキシコ

動物園

Bronx Zoo
Bronx, New York City, New York, USA
http://www.bronxzoo.com

クライマックス

IMDbでは、

Biltmore Hotel, Manhattan, New York City, New York, USA
(Primal Regression scenes)

ですが、”The Worldwide Guide to Movie Locations”では、

The scenes with Jessup regressing further to some kind of primal blob were filmed at the Millennium Biltmore Hotel, 506 South Grand Avenue, on Pershing Square, downtown Los Angeles,

で、ホテル名は同じですが、違う場所を示しています。
いずれにせよ、外観が映っているわけではありませんので、これ以上は判断材料がありません。

この場面、2人ともたいへんなことになってしまうわけですが、変身?した状態もちゃんとウィリアム・ハート自身が特殊メイクの薄皮をかぶって演じています。
(確か当時の海外のSF映画専門誌で制作現場を見た記憶があります)。

資料

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