思い出の「もあテン」
※こちらはシドニー・ルメット監督の『約束』(1969)の記事となります。斎藤耕一監督の日本映画『約束』(1972)は別途エントリーがありますので、そちらをどうぞ。 → 『約束』 (1972)
作品メモ
前のエントリー『男と女』から、アヌーク・エーメつながりです。
監督はシドニー・ルメット。
「シドニー・ポラック」とよくごっちゃになるのですが、私だけでしょうか。
整理しますと……
シドニー・ルメット
1924年生まれ。『十二人の怒れる男』『セルピコ』『狼たちの午後』『評決』、そして、リメイク版『グロリア』(汗)シドニー・ポラック
1934年生まれ。『ひとりぼっちの青春』『追憶』『コンドル』。俳優として『アイズ・ワイド・シャット』に出ていた。……
整理したつもりが、やっぱり印象がごっちゃのままでした。
……というわけで、やっと本題、『約束』です。
一目惚れして結婚したのに妻が娼婦ではないかと疑ってしまった男の物語ですが、くわしいところは → キネマ旬報データベース
主演はオマー・シャリフとアヌーク・エーメ。
アヌーク・エーメの憂いを帯びた美しさはオマー・シャリフでなくても目を奪われます。
彼女の大人の女性としての魅力がこの映画のすべてといって良いでしょう。
ジョン・バリーのゆったりした音楽が心地よく、特に2人がどこかの島で楽しいひとときを過ごす場面は、空撮も使って詩情豊かな映像になっていたように覚えています。
いろいろネタばれとなりますが、草原で戯れる2人を捉えていたカメラがゆっくりと上っていき、2人が小さくなるまでワンカットで撮り続けるのです。まるで『惑星ソラリス』か「パワーズ・オブ・テン」。
昔(たぶん80年前後)テレビの深夜枠で何度か放送され、当時の「ぴあ」の「もあテン」 [1] … Continue readingでその時だけランクインしました。 それなりに反応があったわけですが、おそらく再上映やビデオ化はされなかったと思います。
現在アメリカでもビデオは出ていないようです。
幸いサントラは出ていますが、やはりもう一度観てみたい映画。
マイもあテン第1号ということで。
原作
こちらが原作でしょうか?
http://www.amazon.com/gp/product/B000RWFF74
作者はLeone Antonio Violaで英訳のペーパーバックです。
アメリカで放映
TCMで放映されたようで(2009年10月12日 06:00 PM)、IMDbの掲示板に反応がありました。
http://www.imdb.com/title/tt0064035/board
http://www.tcm.com/tcmdb/title.jsp?stid=67532
「約束」いろいろ
『約束』というタイトルは日本映画にもありますが、切なさにあふれた佳作でした(岸恵子&萩原健一)。
斎藤耕一監督作品のなかでは好きな部類に入るかもしれません。
この映画、実は韓国映画『晩秋』のリメイクです(1966年 イ・マニ 李晩煕 監督)。
ややこしいのですが、韓国にも『約束』というヒット作があります(1998年 チョン・ドヨン&パク・シニャン)。
日本未公開ですので正式な邦題ではありませんが、原題が「약속」なので「約束」以外の何ものでもありません。
さらにややこしいことに、日本で『約束』というタイトルで公開された韓国映画がありますが、こちらは原題が국경의 남쪽(国境の南側)で、上記『約束』とは別物です。
ロケ地
IMDbでは、
Bolsena, Viterbo, Lazio, Italy
Lake Bolsena, Italy
Rome, Lazio, Italy
※2012/05/19追記
動画サイトに全編アップされていたので、以下の項目追記しています。
上記TCMの透かし入りでした……
カルラを初めて見かけたところ
渋滞にハマったフェデリコがカルラを見かけたところ。
ローマ市内、スペイン広場(Piazza di Spagna)の西側、高級店が軒を連ねるコンドッティ通り(Via dei Condotti)W。
広場から通りに入って左側にGUCCI、BVLGARIと並んでいて、カルラが姿を消したのはその右側の出入り口。
- http://www.flickr.com/photos/acme401/2527428515/
島
IMDbのリストのこちら。
Bolsena, Viterbo, Lazio, Italy
Lake Bolsena, Italy
ローマの北北西約90kmのところ。
湖はボルセーナ湖Wで、島は湖の西寄りに浮かぶBisentina島。
島へ向かう桟橋は湖の南西部分のここ。
町としてはCapodimonteWというところのようです。
桟橋の背景も同じくCapodimonteで、画像ではこんな感じ。
桟橋の場所を厳密に特定できたのは、クルマが右折する際に背景に写るたばこ屋さんが今でも確認できるから。
空撮の草むらはBisentina島の東南部分。
資料
References
↑1 | 「モアテン」だったか「もあてん」だったか「もあ10」だったか……正確な表記忘れました。まあ「ぴあテン」をなぞっているので「もあテン」だと思います。とにかく読者投票によって決まる「もう一度見てみたい映画」のランキングのことで、私が「ぴあ」を買っていた頃は『2001年宇宙の旅』などが常連でした。 |
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