『イヤー・オブ・ザ・スネーク 第四の帝国』 Die vierte Macht (2012)

イヤー・オブ・ザ・スネーク-第四の帝国- [DVD]

作品メモ

『レッド・ブル』『テレフォン』と、「なんちゃってモスクワ」が登場するアメリカ映画をチェックしてきましたが、こちらはつい最近撮られた映画。
ドイツ映画で、舞台はモスクワ、セリフはほとんど英語というちょっと珍しい作品です。

モスクワにやってきたドイツ人ジャーナリストがテロ事件に遭遇、そこにはやはりジャーナリストであった亡き父親が調べていたチェチェン紛争がらみの陰謀が潜んでいた……といったサスペンスもの。
ドイツ語原題は「第4の権力」。邦題は「第三帝国」的雰囲気を漂わせていますが、英題も”The Fourth State”ですし、内容から言ってもマスコミや報道を表わす「第4の権力」のことかと思われます。
「イヤー・オブ・ザ・スネーク」はなぜ付けられたのか、なんだかよくわかりません(汗)。

主人公のドイツ人ジャーナリスト……というより大衆受けする記事や誌面作りの腕を買われてロシアのゴシップ誌に招かれた記者、ポール・イェンゼンにモーリッツ・ブライブトロイ。
『es エス』のジャケットでおなじみの顔ですが、最初に顔を覚えたのは『ルナ・パパ』か『ラン・ローラ・ラン』のおそらくどちらかだったでしょうか。今やドイツ語圏だけでなくあちこちに出ていて活躍しているようですね。

現地で知りあった訳ありの女性カティヤにカシア・スムートニアック。
彼の国にやってきた外国人が現地の女性と仲良くなると、たいていの場合なにやら陰謀が隠されているというのは、五木寛之さんの「蒼ざめた馬を見よ」あたりからのお約束。

監督デニス・ガンゼル、撮影ダニエル・ゴットシャルク、音楽ハイコ・マイレ。

こちら↓はDVDの発売元ミッドシップのプロモーション映像。ほとんど中身がわかってしまいますのでご用心……

ロケ地

IMDbでは、

Berlin, Germany
Landshut, Bavaria, Germany
Ukraine

ところどころホンモノのモスクワの映像が挿入されますが、俳優が出ているショットは主にウクライナのキエフなどをモスクワに見たてて撮影されているようです。
チェチェン紛争がらみの社会派サスペンスということで、やはり現地での撮影は難しいものがあったかもしれません。

この映画詳しくチェックするつもりはなかったのですが、当サイトではじめてのキエフということで、気がついたらこまごまと見てしまっていました。

OP

モスクワ1990年代後半。
……というテロップとともに、夜の集合住宅が大変なことになります(上掲プロモーション映像2分5秒頃)。

映画の冒頭に

The story of the following film and the events and characters depicted in the film are fictitious. (登場人物や出来事はすべてフィクションである)

と断り書きが出ますが、明らかにこちら↓の事件を連想させる描写。

Russian apartment bombingsW

『テレフォン』同様ビルの解体に便乗しているのか、あるいは全部VFXなのか不明(おそらく後者)。
撮影場所も不明。

空港

調査中。

ポールのアパート

おそらくウクライナのキエフ市内と思われますが、調査中。

出版社前

0:07頃。
後ほど事件が起きるのもここ(上掲プロモーション映像0分24秒頃)。

撮影はキエフ市内のこちら。

«Дом Издательства»(出版社ビル)と書かれていた建物は、リアルではこちらのホテル。

Готель Дніпро (ホテル・ドニプロ, Гостиница Днипро, Dnipro Hotel)
http://www.dniprohotel.ua/‎

夜のモスクワ

行く手にSONYの広告が見える夜の街(上掲プロモーション映像1分40秒頃)。
撮影場所はやはりキエフ。

カメラ位置はフレシチャーティク通り (Хрещатик)Wの南端、Bessarabska Square (Бессарабська площа)Wの向かいあたり。
カメラは東→南。車は南向き。
SVでもSONYの広告を確認できますね。

From Wikimedia Commons (public domain)

パンが止まったときに背後に見える大きな建物は、アリーナ・シティ(ARENA CITY)。
右画像やSVで見ると、建物側面に«АРЕНА СІТІ»とあります。
また北側最上階には”ARENA CITY ● АРЕНА СІТІ”という様に英語と併記したネオンの看板が。

«АРЕНА СІТІ»はウクライナ語表記で、英語っぽいですがみんなキリル文字。
それならロシア語でも同じ綴りになりそうですが、ロシア語なら(«І»は使わないので)«АРЕНА СИТИ»となるはず。
このまま映画で看板を写してしまうと撮影地がロシアでないことがバレてしまうわけですが、映画では(おそらくVFXで)ネオンの右半分、ウクライナ語表記部分を消しています。
上掲プロモーション映像でも見られますので、おヒマな方はどうぞ確認してみてください(1分42秒あたり)。

クラブ

調査中。

バスが通り過ぎる建物

0:20頃。
カティヤが乗っている(という設定の)黄色いバスが通り過ぎる建物。
円形の屋根が特徴的。
調査中。

そのカティヤにポールが電話をかけていたのは、モスクワ赤の広場の南側、このあたり。

これは実際に現地で撮影しているようにも見えます。

集会が行われていた広場

調査中。
直後に挿入されるスターリン様式の建物は、モスクワ大学。

パーティー会場

0:34。
後ほども登場します。
やはりキエフ市内。

地下鉄入口

大事件が起きるところ。
おそらくキエフと思われますが、調査中。

釈放後

1:05。
釈放されて車で送られる道のり。

高層マンション

キエフ市内のこのあたり。
カメラ北向き。

ドモジェドヴォの標識

«Домодедово»(ドモジェドヴォ空港)の標識がある通り。
周囲の標示はみなウクライナ語のようです。
場所は調査中。

地下鉄駅

男を追ってエスカレーターを下っていった先。
やはりキエフ市内のこちら。

Золоті ворота (Zoloti Vorota, ゾロチ・ヴォロタ駅)W

降りた駅

画像から突き止めました。

Харківська(Kharkivska, ハルキフスカ駅)W

地上に出たところ

上がってきた階段と尾行を続けた場所は、そのまま上記ハルキフスカ駅の地上出口。


大きな地図で見る

道を横断する2人

モスクワ川やクレムリンの間近。
実際に撮影しているようにも見えます。

俯瞰ショットはこちらの通りから。

夜の街

1:19頃。
俯瞰で捉えた夜の街。
モスクワのロシア政府庁舎を、おそらくウクライナ・ホテル上階から撮ったもの。

設定ではモスクワのどこかの駅と言うことでしょうか。
実際の撮影はやはりキエフ市内のこちら。

キエフ旅客駅W

By Jorge Láscar via Flickr (CC BY 2.0)

駅舎のてっぺんに«ВОКЗАЛ»とあります。
ロシア語なら「ヴァグザール」で「(主要)駅」のこと。
ウクライナ語でも同じように綴るようですね。
なのでここではVFXの出番はなし。

By Jorge Láscar via Flickr (CC BY 2.0)

構内。
映画でも登場したエスカレーターが奥に見えます。

広場

ラスト近く、カティヤがいたところ。
やはりキエフで、聖ソフィア大聖堂Wの前。

From Wikimedia Commons (public domain)

馬にまたがった人物はウクライナの英雄ボフダン・フメリニツキーW

資料


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