作品メモ
いつもなら、
<ひとつ前のエントリー『カオス・シチリア物語』は……>
と始めるところですが、割り込みで一本。
このあとまたタヴィアーニ兄弟かシチリアを舞台にした映画に戻る予定です。
ゴールデンウィーク中は真面目にステイホームしていましたが、NHK地上波で「小田和正 Tour 2018〜19 ENCORE!! ENCORE!!」なるものを流していて、ついつい最後まで見てしまいました。
収録の時点でおそらく70歳ぐらいのはずですが、あの澄み切った声は衰えることなく、詰めかけた様々な世代の観客をすっかり魅了していたのはさすが。
その小田和正さんの初監督作品が『いつかどこかで』。
企画監督脚本そしてもちろん音楽を担当と、映画作りに注力した作品です。
物語や配役についてはWikipediaにやたら詳しく載っていますので、そちらをご参照ください。
簡単に紹介するなら、いわゆるフジテレビの月9が映画になったようなもので、『東京ラブストーリー』と言いますか「ラブ・ストーリーは突然に」の勢いそのままに作り上げたような内容となっています。
残念ながら世評は芳しくなく、もしかすると失礼ながらご本人にとっては黒歴史となっているのかもしれません。
当時しっかりデートムービーとして使わせていただきましたが、正直やはり物語や人物の描き方など、シナリオのレベルでいろいろ足りない部分があったように感じてしまいました。
さらに一部俳優さんの演技がちょっと……で、逆に記憶に焼き付けられたような 😅
一方で映像や音楽は美しく仕上げられていて、そのあたりの満足感はあったように思います。
Wikipediaによれば1991年9月にクランクインして翌年2月に公開。
時代的にはバブルの余熱が十分残っていた頃でしょうか。
80年代後半に見られた珍妙なファッションはだいぶ落ち着きを取り戻しているようですが、ダブルのスーツはまだまだ幅を利かせているようですね 😇
ロケ地
例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
キャンプ場
冒頭のキャンプ場。
エンドクレジットに、<田貫湖キャンプ場>の名前があります。
- Google Maps(SV)
- 35.341493, 138.559995
海辺の店
正木まもる(時任三郎)が小林冬子(藤原礼実)を見初めたお店。
冒頭や中盤、ラストなどで登場します。
撮影場所はエンドクレジットに名前が出ている北海道の豊頃町(とよころちょう)W。
お店の建物は全部セットだと思いますが、地形や道路構成などから場所をピンポイントで推定するとこのあたり↓
- Google Maps(SV) ……バスが来る方向
- Google Maps(SV) ……バスが行く方向
- 42.595422,143.545323
停留所とお店は東側(海側)。バスは冒頭もラストも南向きでやってきます。
道路は北海道道1051号湧洞線W。
海と反対側(西側)は湧洞沼(ゆうどうぬま)W。
オフィスビル
橘建設と新日本計画ビルというライバル同士が軒を連ねるオフィスビル。
外観は、東京都港区芝浦のシーバンスW(N館とS館)。最寄り駅は浜松町駅。
- Google Maps(SV)
- 地理院地図・電子国土Web(1988-90) ……建設中の様子
- 35.6498174,139.7565694
エントランス部分は、東京都品川区南大井にある大森ベルポートWのアナトリウム。最寄り駅は大森駅。
- Google Maps(SV)
- 地理院地図・電子国土Web(1988-90) ……建設中の様子
- 35.5882164,139.7314253
どちらも竣工は1991年ですので、できたてほやほやの物件。
当時どちらも遊びに行きました。😇
丸い池
0:26
冬子に尾行がバレたところ。後半でも何度か登場します。
丸い池とそれを囲むゼーレの会議のような壁が特徴的。
横浜市保土ヶ谷区の横浜ビジネスパークW。
- Google Maps(SV)
- 地理院地図・電子国土Web(1988-90) ……建設中の様子
- 35.4539119,139.5983094
池を中心とした公園部分は、今回初めて知りましたが「ベリーニの丘」というらしいです。
Wikipediaを見るとできたのは1990年とのことで、これまたホヤホヤの物件ですね。これも確か映画より前、できた当初に行った記憶が。
最寄り駅は相鉄線の天王町駅。
さらに遡ること10年以上前の学生時代、しょっちゅう横浜で遊んでいましたが、このあたりは工場が建ち並んでいました。駅の反対側にあった天王町ライオン座という名画座は、何百円かで3,4本見ることができたので、よく通ったものです。
クルーズ船
エンドクレジットに<東京ヴァンテアンクルーズ>の名前がありました。
夜景
この映画のクライマックス。
運転中の冬子が泣き顔に変わっていくのをワンカットで捉えた後(前をちゃんと見てほしい……)、東京の空撮夜景が広がっていきます。
甲州街道(首都高速4号新宿線)の上空から新宿副都心を捉えている感じ。
ここで流れるのは、♪「あなたを見つめて/冬子のテーマ」。
こういうのをやりたかったのだろうなーというのがひしひしと伝わってくるシーンでした。
この曲を含め、映画で使われた歌は、アルバム『Sometime Somewhere』に収録されています。これが事実上のサントラでしょうか。
配信なら、例えばAmazon Prime Music ではこちら↓
資料
更新履歴
- 2021/05/10 新規アップ
コメント
2023年10月15日に記入
長年 ロケ地を知りたく調べていました
心残りがスッと消えました
本当にありがとうございました
確か映画館で私が中学生の頃に同級生と3人で見て、大人になったらスーツ着て、素敵な女性と恋愛して、東京のど真ん中でキラキラな生活しよと夢見ながら帰途についたのを覚えています。
現在は40代半ばで、千葉の地元で焼き鳥屋を営んでいます(笑
同級生の1人は早くも他界し寂しいです
北海道に旅行に行った際は長年の夢のロケ地観光しようと思います。
本当にありがとうございました。
匿名さん、コメントありがとうございます。
拙記事がお役に立ったのでしたら、本当に嬉しいです。
自分は振り返れば場所も時代もど真ん中にいたことになりますが、キラキラしていたかはわかりません(笑)。スーツは一着も残っていませんし、残っていたとしても、もうウエストが入りませんがな……
今はご地元でしっかりお仕事されているとのことで、何よりです。
ぜひ北海道ロケ地観光、実現してください。
ありがとうございました!