目次
作品メモ
今さら説明するまでもない永遠の名作にしてヒット作。
自分の中でもかなりのヒット作で、男と女が出てきてなんたら的な映画の原点と言いますか、基本形のような位置づけになっています。
昔名画座で何度か見ましたが、ラストはクレジットがないためいつも途中でスクリーンが閉じてきてしまい、一番最後の映像をきちんと見ることができませんでした。
後にテレビ放送やビデオでようやく確認することができましたが、劇場で観る方が完全じゃないって、なんだかおかしな気がします。
クロード・ルルーシュ監督&フランシス・レイ<男と女>まとめ
ルルーシュ監督&フランシス・レイという黄金コンビによる類似タイトル品のまとめ(制作順)。
『パリのめぐり逢い』 Vivre pour vivre (1967) イヴ・モンタン、キャンディス・バーゲン、アニー・ジラルド。
『あの愛をふたたび』 Un homme qui me plaît (1969)
ジャン=ポール・ベルモンドとアニー・ジラルド。『男と女の詩』 La Bonne année (1973)
リノ・ヴァンチュラとフランソワーズ・ファビアン。
『男と女』とはまったく無関係ですが、実は劇中に『男と女』の映像が登場したりします。 😉
時間軸を前後した構成が斬新と言えば斬新……ですが、昔名画座で見た時ちょっと混乱しました。
日本ではビデオの入手が難しいためアメリカ盤DVDをamazonでゲット。
私がかろうじて記憶している音楽の入れ方がちょっと違っているようで、真相がとても気になります。
『続・男と女』 Un autre homme, une autre chance (1977)
ジェームズ・カーンとジュヌヴィエーヴ・ビジョルド。
それぞれ連れ合いに先立たれた男と女が出会い恋におちるという骨格はそのままに、アメリカの西部開拓時代に設定を置き換えた米市場向けセルフリメイク。蛇足度数が少しあります。『男と女II』 Un homme et une femme, 20 ans déjà (1986)
本当の続編はこれ。20年後の物語です。蛇足度数は意外と高くありません。
いくつになっても主演の2人はあまりにも素敵で、並行して歳をとったはずの自分も勇気づけられます……
まとめてみるとそうそうたるタイトル。
これに「白い恋人たち」を加えれば、昔何種類も出ていた「フランシス・レイ、ベストアルバム」のできあがりですね。
あっと、おまけ。
お役に立つ
これはどうみてもお役に立ってますよね。
ロケ地
IMDbではたったこれだけ。
Deauville, Calvados, France Paris, France
というわけで、ドーヴィルとパリが主なロケ地となっています。
ドーヴィルはパリの北西170kmほどのところにある港町。
DVD特典のメイキング映像で、監督は「ドービルにしたのは雨や霧や風を求めてだ」と言っています。
冒頭、赤ずきん
アヌーク・エーメが娘にお話をきかせている場所。
2本ある桟橋の西側の方です。
(※16/4/2 ストリートビューに差替え)
- Google Maps
- Live Search Maps
- WikiMapia ……16/4/2追加
この場所はその後頻繁に映ります。
タイトルバック
「だばだばだ~♪」が始まるときに映っているのが上記桟橋のすぐ近くにあるこちら。
Promenade des Planches , Deauville
その後ジャコメッティの話の時にも映ります。
©1986 milou アルバム「フランス西海岸」から |
※12/11/3 追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は1986年とのことです。
©1986 milou アルバム「フランス西海岸」から |
こちらは真横から。
テストコース
DVDの特典映像でテストコースの場面の撮影風景が収録されていますが、「モンレリ」と説明されていました。
Montlhéry
http://www.ville-montlhery.fr/
テストカーをフォローで撮る場面は、かなりのスピードで走る併走車の上に監督自らむきだしで乗っかりハンディカメラを構えているという、相当スリルのある撮影方法です。
この映画全編に言えることですが、若い監督のやる気と野心がびしびし感じられて気持ちいいです。
アンヌの家(13/1/12追記)
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
初めて一緒に帰るときに18区のラマルク通り(Rue Lamarck)と言いますが、そこに実在しています。
プライベートな物件でしょうから建物の明示は避けますが、通りがあるのはモンマルトル北側のこちら。
ウリアノフというロシア人の話はホントでしょうかね?
裏の仕事(13/1/12追記)
0:35頃。
表向きはテストドライバー、実は……の場面。
こちらもコメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
サクレクールに通じる階段ということですが、確かに画面をよく見ると階段の上に寺院が見えていますね。気づきませんでした。
凱旋門が見える交差点(13/1/12追記)
こちらもコメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
1:08頃、アンヌの乗ったバスがやってきたところ。背景に凱旋門が見えます。
交差点は、シャンゼリゼ通りの中央 Rond-Point des Champs Elyseesで、ショットの最初はこのあたり。
降りたのはここ。
尖塔(12/11/9追記)
©1986 milou アルバム「フランス西海岸」から |
ジャコメッティの話のときに写るトゥルーヴィルの尖塔。
同じようなアングルの画像をmilouさんから提供していただきました。
カメラ位置はPont des Belges。
撮影は1986年とのことです。
モンテカルロ(12/11/9追記)
©2000 milou アルバム「ヨーロッパ各地」から |
こちらもmilouさんご提供。
映画で1カット登場したモンテカルロの夜景と同じようなアングル。
撮影は2000年とのことです。
ホテル(12/11/3追記)
2人が無言で出て行くところ。
久々にこのエントリー見返したら、ドーヴィル周辺でストリートビューが使えるようになっていたので、画像からホテルの場所を確認できました。
Normandy Barrière
http://www.lucienbarriere.com/fr/hotel-luxe/Deauville-Normandy-Barriere/accueil.html
※14/6/2追記
ドラマ『名探偵ポワロ』の「ゴルフ場殺人事件」でもポワロたちが泊まった宿として登場していました。
ドラマの中では、«HOTEL DU GOLF»という設定。
駅(ラスト少し前)
トルーヴィル・ドーヴィル駅 Gare de Trouville-Deauville
Place Louis Armand, 14200 Deauville
©1986 milou アルバム「フランス西海岸」から |
※12/11/4 追記
こちらもmilouさんから画像を提供していただきました。
駅の構内はこういった感じ。
“Tour 1920″とある展示はツール・ド・フランス。
レストラン(12/11/3追記)
2人を真横から捉えたレストランの回想シーン。
やはり前述のホテルのレストラン。
La Belle Epoque
http://www.lucienbarriere.com/fr/hotel-luxe/Deauville-Normandy-Barriere/La-Belle-Epoque.html
画像はたとえば、
- http://www.flickr.com/photos/carlosmelia/8064569683/
駅(ラスト)
サン・ラザール駅 Gare Saint-Lazare
13, rue d’Amsterdam, 75008 PARIS
©milou アルバム「パリの駅」から |
※12/11/3 追記
こちらもmilouさんから画像を提供していただきました。
(ありがとうございます♪)
※13/6/3追記
milouさんから画像を追加提供していただきました。
©1977 milou アルバム「パリの駅」から |
こちらは1977年撮影。
奥に見えるのがラストで駆け上がる階段。
©1986 milou アルバム「パリの駅」から |
1986年。
©1986 milou アルバム「パリの駅」から |
駅前ビル(1986年)。
かなり汚れていますが、現在はこんな感じ↓
※2013/6/6追記
引き続きmilouさんから情報いただきました。
サン・ラザール駅は左右対称で、空撮やSVでは似たような入口が両側に見えますが、車がやってくるのは西側で駆け上がる大階段も西側。
そもそも大階段があるのは西側だけで、現在は(駆け上がっていった)中央部分はエスカレーターに替わっています。
こちらのサイトも教えていただきました(Gares360というSNCFのサイト)。
フルスクリーンモードにすると臨場感たっぷり♪
ロケ地マップ
※13/6/14追加
クロード・ルルーシュ監督作品 ドーヴィルを中心に(※16/4/2 差替え)
クロード・ルルーシュ監督作品 パリを中心に(※16/4/2追加)
資料
関連記事
フランシス・レイ
- 『あの愛をふたたび』 Un homme qui me plaît (1969)
- 『パリのめぐり逢い』 Vivre pour vivre (1967)
- 『マイ・ラブ』 Toute une vie (1974)
- 『個人教授』 La leçon particulière (1968)
- 『男と女』 Un homme et une femme (1966)
- 『男と女の詩』 La bonne année (1973)
- 『雨の訪問者』 Le passager de la pluie (1970)
更新履歴
- 2016/04/02 「ロケ地マップ」で「クロード・ルルーシュ監督作品 ドーヴィルを中心に」差替え 「クロード・ルルーシュ監督作品 パリを中心に」追加
- 2014/06/02 「ホテル」に追記
コメント
☆アンヌの家は台詞で18区のRue Lamarck だといい、朝迎えに行ったとき番地が映る。
2軒左隣(番地は同じ)の白い格子は今も変わっていない。
相変わらず設定通りの場所で撮影していますね。
ちなみにこのアパルトマンは1930年建造エレベーターなしの20室、
1平方メートルあたり9929ユーロだって(高い!?)…
☆すぐあとのヒモの場所のバックもすぐそばのサクレクールに通じる階段。
☆64分頃遠くに凱旋門が見えアンヌが降りたバス停は Rond-Point des Champs Elysees
80番のバスですね。
milouさん、大変遅くなって申し訳ありませんが、コメントでいただいた情報を本文に反映させていただきました。
確かにこの頃の映画、物件がセリフと同じ場所に実在しますね。
電話番号も言っていますが、まさかこれもホンモノとか??
今年は上映されてから50周年です。ラマルク通りの界隈は有名なショコラテイエの店があり、散歩がてら、お土産を買うのもいいようです。モネの日の出を見に行くついでに、11月の中旬に出かける予定です。高校生の時に初めて見てから、ルルーシュの映画は日本でもかなりはやり、2番目に好きな映画は、マイラブです。ピエールバル―のコンサートにも出かけました。ドービルは3回目の訪問になります。
ガブリエル小松さん、コメントありがとうございます。
今年が50周年だということは、ニースのあの事件の時、日本のフランス大使館での(「男と女」50周年に関連する)イベントが中止になったという記事を読んで初めて気づきました。
個人的には40周年ぐらいになるかと思いますが、いまだに印象は古びませんし、やはり永遠不滅の一本という気がします。
三度目のドーヴィルとのことで、余裕で映画の世界にひたれますね。良い旅となりますように。
このサイトに感謝です。
先日「男と女」製作50周年記念デジタル・リマスター版 とルルーシュ監督 の短編「ランデヴー」を観ました。
このサイトのおかげで感慨倍増です。
めにるさん、コメントありがとうございます。
このエントリーは最初に書いたのは9年も前ですね。
その後画像や情報をいろいろ寄せていただき、内容を充実させていただくとともに、とても愛着のあるエントリーとなっています。
知りませんでしたが、50周年記念デジタル・リマスター版が今劇場公開されているのですね。しかも「ランデヴー」が同時上映。しかもしかも恵比寿ガーデンシネマって、もう無くなったのかと思っていました(←映画館から遠ざかりすぎ……)
「ランデヴー」スクリーンでご覧になって酔いませんでしたか?
これのロケ地マップ作っても面白そうですね 🙂
20年後の男と女があったんですね!知らなかったです。私はいきなり53年後を見てしまいました。(Les plus belles annee d’une vie男と女人生最良の日々)初めは少しショックでしたが、すぐに若い頃の面影が重なり、やはり美男美女でした。同窓会現象ですね。
ロケ地は、今回もドーヴィルとパリのようです。53年も経っているので、行動範囲が広がると思ったのですが、、最近覚えたクレジットを使って、老人ホームだけでも特定したいと思ったのですが、文字が不明瞭で、すぐにあきらめました(汗)
えめさん、コメントありがとうございます。
53年後の方は、実はまだ見ていません。
やはりちょっと見るのが怖いといいますか、腰が引けてるところがありまして……。
でもコメントを拝見して、「ダイジョブかも」という気がしてきました。一度見てみることにします。いや、ぜひ見届けたいと思います。ほとんど米寿の2人がいかにして物語をしめくくったかを。
俳優さんに加齢を感じて「あっ」と思ってしまうということは、自分もその分歳を重ねているわけで、ブーメランですね。
ワクチン打っても痛みが出ないし、蚊に刺されてもかゆくないしで、このところだいぶ生命体として枯れてきているのを実感しています。