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『マイ・ラブ』 Toute une vie (1974)

作品メモ

最近クロード・ルルーシュ+フランシス・レイ作品を何本か取り上げましたが、こちらもその一本。
今週水曜日(19日)WOWOWで放映されるようなので、ちょっと先回り。

『男と女の詩』ではミレイユ・マチューがテーマ曲を歌い本人もちらりと登場していましたが、こちらはジルベール・ベコーが本人役で登場、ヒロインの運命を左右する結構重要な役回りで演技と歌を披露しています。
名曲「そして今は」(Et Maintenant)も流れますが、「マイ・ラブ」なんて邦題よりいっそ「そして今は」にしてしまった方がお洒落だったかも。

かんじんのお話ですが、三世代にわたる家族とその恋愛ドラマを映画技術の進歩とシンクロさせて描いたもの。
テーマといい長さといい後年の『愛と哀しみのボレロ』に通じるものがありそう。
見終わった後の感想においても似ているような気がしますが、まあこのあたりは見る人によって違ってくることかもしれませんので……

ヒロインとその母・祖母をひとり三役で熱演したマルト・ケラーは、『ボビー・ディアフィールド』や『悲愁』など、この時期の作品で記憶に残る女優さんです。
(話だけ聞いていた『ブラックサンデー』は数年前にようやく見ることができましたが……)
フィルモグラフィーを見てみたらその後も活躍は続き、最近も『インストーラー』や『ヒアアフター』に出ていた様子。
あれ? どこに??と見返してみたところ、確かにいっぱい登場していましたね……気づかなかった……

このところチェックしているルルーシュ監督作品同様、『マイ・ラブ』も日本ではDVD未発売。
手元にあるのは、10年ほど前にアメリカでまとめてルルーシュ監督作がDVD化となり、そのときごっそりゲットしたもの。
アメリカ盤は本国盤と違って英語字幕がついているので(当たり前?)、フランス語が全くわからなくてもなんとかなるのでありました。
日本語字幕付きで見るのはん十年ぶりということで、今回のWOWOWでの放送を楽しみにしているところです。

ラスト

ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックすると開きます。

この映画のオーラス、2人のスーツケースが重なって出てくるところは、おそらくヒッチコック監督の『北北西に進路をとれ』のラストに匹敵するような堂々たる描写ですが、劇中マリリン・モンローがとある形で登場していることもあり、映画とは全く無関係にひとつ思い出したことが。

その昔、テレビ朝日の夜放送されていたCNNニュースで、直木賞を受賞された胡桃沢耕史さんがゲストにいらした時のこと。
確かキャスターは、久和ひとみさんだったでしょうか。

マリリン・モンローがお好きという胡桃沢さん、彼女のお墓がロッカー式になっていてその上の箱が空いているらしいという話を披露、「自分が死んだらその上に入れてもらおうと思ってるんですよ」と語ったあとで、「うつぶせでね」とうれしそーに付け加えられました。
会心の?おやじギャグでキャスターを「あららっ?」とさせた胡桃沢さん、満足そうに小さい目をさらに細くされていたことは言うまでもありません。

実際には胡桃沢さんは直木三十五のお墓のお隣に眠られているとのことですが(胡桃沢耕史W)、それはさておき、『マイ・ラブ』のラストで上に乗っかったスーツケースがうつ伏せだったかまではDVDの解像度ではわかりませんでしたので、今回のHD放送でぜひ確認したいと思います。 🙄

ロケ地

IMDbでは、

Jerusalem, Israel
New York, USA
Turkey

としかありませんが、父が娘を連れて世界中をめぐる場面だけでも、ヴェネツィア、香港、ニューヨークなど、各地で撮影されていることがわかります。

逃げるシモン

0:30頃。

スタートはこのあたり。

つかまりかけたのはここ。

……とオペラ座周辺を走っています。

ラスト少し前

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ご覧になった方はおわかりの通り、最後近くになってとんでもない展開になりますが、その場所。
太鼓の体操(汗)の集会が開かれていたのはカッパドキアですね。

※13/7/2追記
コメント欄であるまいとさんから情報寄せていただきました。
(どうもありがとうございます♪)
下をクリックして開いてください。

ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックすると開きます。
水が流れ落ちる白い段々テラスは、同じくトルコのパムッカレW

ロケ地マップ

クロード・ルルーシュ監督のパリ。


より大きな地図で クロード・ルルーシュ監督作品 を表示

資料

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フランシス・レイ

コメント

  1. あるまいと より:

    はじめまして、
    私もWOWOWで録画していたのを、今観終わったところです。
    ラストの展開に…?しかもあらっ?トルコかしら?
    ロケ地が気になり、こちらを読ませていただきました。
    やはりトルコ・カッパドキアなんですね。
    それなら真っ白な段々テラスの上を水(実は温泉)が流れ落ちてるシーンは
    パムカッレですね。
    作成当時は大人数でこんな撮影も許されたのかと、眼を疑いました。
    10年前出かけた時は保全のため厳しく入場制限されてましたから…。
    世界遺産ですものね。
    WOWOWのクロード・ルルーシュの特集、今回は放送されなかった
    「しあわせ」「男と女アナザストリー」も見たくなりました。
    ホント彼の映画は長尺の楽しみです。

  2. inagara より:

    あるまいとさん、いらっしゃいませ。
    コメントありがとうございました。
    パムカッレの方、確認して後ほど追記させていただきますね。どうもありがとうございます。
    実際にいらしたことがあるとのことで羨ましいです。一度は行ってみたいところなのですが、最近の政情不安が気になりますね。
    確かに撮影許可もよく降りたものだと思います。

    WOWOWの録画実はまだ見ていないのですが、できればもう少し本数を増やして特集を組んでくれたら良かったのにと思いました。

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