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『パリのめぐり逢い』 Vivre pour vivre (1967)

パリのめぐり逢い

作品メモ

2つ前のエントリー『男と女の詩』の鉄板コンビ、クロード・ルルーシュ監督と音楽フランシス・レイによる大人の男女の物語。不倫がテーマで、中年夫婦と夫の浮気相手である若い女性の三人三様が描かれます。
『男と女』の直後の作品で、おサレで斬新なタッチはそのまま。『男と女』がお気に召した方は、こちらもきっとOKでしょう。

このあたりのルルーシュ監督作は、学生時代に「ぴあ」や「シティロード」でチェックして名画座で結構好んで見ていました。
思えば所帯を持つはるか以前のぺーぺーの学生が、妻と愛人の間で揺れるリッチな中年男の話や、相手に先立たれた子連れ同士の恋愛を描いた映画にウットリとなっていたのですから、どれだけリアリティを感じていたかははなはだ疑問……

この映画本国ではDVDとなっていますが、残念ながら日本ではなぜか出ていません(2013年6月現在)。
良い画質でのソフト化、切に希望します。

キャスト

世界を駆け巡るテレビキャスター、ロベール・コロンにイブ・モンタン。暴力渦巻く世界の紛争地帯を精力的に取材していますが、国に帰れば妻がいながら若くて美しいお相手を見つけてはいろいろ楽しんでいるというキャラ。
妻の立場からすれば悪い男ですが、バレバレの嘘をつくときの視線の泳ぎ方がなんとも憎めないところもあったりします。

最近会話が途切れがちな妻カトリーヌにアニー・ジラルド。夫に不審と不信を抱きつつ、夫への思いも断ち切れずにいる妻を好演。
ルルーシュ監督作では『あの愛をふたたび 』(1969)も記憶に残りますね。

ロベルトの新しいお相手、才色兼備のアメリカ人キャンディスにキャンディス・バーゲン。
劇場用映画は『グループ』(1966)、『砲艦サンパブロ』(1967)に続いて3作目。最近ドラマの『Dr.HOUSE』で元気な姿を見ることができました。

他に、最初の方のボクシングの試合で、観客の中に『男と女』のアヌーク・エーメが1カットだけ登場。
ダンナといちゃいちゃしてます。

常連キャラ?

最初の方のホテルのフロント係は、IMDbのクレジットではJean Collombということで、撮影監督のジャン・コロンのようです(顔知らないので未確認)。ちょっとネタバレになりますが、後の方でも意外なところで出てきます。
この人って、『男の女』のラスト近くの名場面、部屋も一緒に注文されちゃうギャルソンに似てませんかね? そちらのクレジットでは名前が見当たらないので何とも言えませんが。
さらにこの次のエントリー予定『あの愛をふたたび』にもバーテン役で登場しているように見えます(クレジットでは確認できず)。
で、IMDbで(出演者としての)フィルモグラフィーを見ると、ルルーシュ監督の『愛と死』でホテルのオーナ役としても登場している様子。
もし全部同一人物だとすると、ルルーシュ監督作でホテル関係の接客業役として欠かせないキャラとなっているようですが 🙂 真相ご存知の方ぜひ教えてください。

音楽

ルルーシュ監督作を好んでチェックしていたと書きましたが、フランシス・レイのベスト盤を聴いて、曲が気に入ったらその映画を名画座やテレビでチェックしていたと言った方が正確かもしれません。
中でもこの『パリのめぐり逢い』は今でもよく記憶に残る名曲。(※2014/09/26動画差し替え)

 
 

男のこころ~由紀さおり フランシス・レイを歌う(紙ジャケット仕様) フランシス・レイの曲集っていったいどれだけ出ていたのでしょうね。
今回初めて知りましたが、当時は由紀さおりさんもアルバム出していたようです。
『パリのめぐり逢い』も収録。

ベスト盤は今でもいろいろ入手可能かと思いますが、アレンジされているとちょっと映画とイメージが違ってきて、あれれ?と思ったりすることがあります。
iTunesストアで言うと、このあたり↓はオリジナル・サウンドトラックが多く収録されているようで、安心して聴ける感じ。

ストアでの人気を見ても、『パリのめぐり逢い』は『男と女』や『白い恋人たち』に並んでいるのがわかります。
(この記事ではいろいろ動画を貼り付けていますがあくまで参考のためですので、こういったところできちんとお金を出してお楽しみください♪)

こちらは↓カトリーヌのテーマ。
『モン・パリ』で、深夜放送の「カトリーヌ・コーナー」のことをちょっと書きましたが、そこで流れていたのがこれ。
本編ではこんな風にトランペットがメロディを奏でていましたが、「カトリーヌ・コーナー」はオルガンでした。

 
 

ロケ地

IMDbでは、

Amsterdam, Noord-Holland, Netherlands
New York City, New York, USA
Paris, France

とこれだけです。
タイトルとは裏腹に意外とパリの場面は少なく、邦題は誇大広告気味。
やはり「パリ」という地名のブランド力は絶大です。

空港

オルリー空港でしょうか。

ホテル

浮気相手をセコい手で遠ざけた後、すかさず(?)キャンディスと出会ったところ。
「パリのめぐり逢い」ってこのこと??(笑)

パリなのかどこなのか、場所全く不明。

跳ね橋

0:59、1:14頃。

実はこのエントリー、『男と女』を書いた時に一緒に手がけたのですが、いちばん知りたかったこの跳ね橋がどこだかわからず、下書きのままずっと放って置いたものでした。
アムステルダム市内もGoogle SVやBingの外観図が使えるようになってきましたので、今回改めてチェックし直しましたが、やっぱりわかりません。orz
よく見ると、角度によってはアムステルダム市内ではないような気もしてきましたので、もうギブアップ。
おわかりになる方、ぜひ教えてください。

参考までに、一瞬写るゴッホのアルルの跳ね橋Wのモデルとなった橋を再建した橋はこちら(ややこしい……)

Langlois BridgeW

こちらはもちろんオランダではなく南仏。

跳ね橋とホテル(14/1/16追記)

画像検索を繰り返して、ようやく場所がわかりました。
やはりアムステルダムではなく、アムステルダムから南東へ20km弱のところにあるフレーラント(Vreeland)Wという町。

跳ね橋はこちら。
Wikimapiaでは”Van Leer Brug”とあります。

ホテルは跳ね橋の西側にあるこちら。

De Nederlanden
Duinkerken 3, Vreeland 3633 EM
http://www.nederlanden.nl/

ホテルを跳ね橋の側からSVで見ると↓


大きな地図で見る

レストランもこのホテルと思われます。
2人が食事をしている時にキャンディスがやってくる場面で特徴的なアーチ型の内装が写りますが、こちら↓の写真で確認できます(最後から4枚目など)。

http://www.nederlanden.nl/nl/fotos.html

跳ね橋の場面で背景に見えた塔は、北東側にある教会のもの。

美術館

そのゴッホの跳ね橋などを二人で鑑賞するところ。
ここでは外観は映りませんが、展示されている作品から見て、後述のクレラー・ミュラー美術館(Kröller-Müller Museum)Wと思われます。

駅前

1:11
列車に乗ると見せかけるために車から降りたところ。
トラムが行き来する道路。

アムステルダム中央駅Wの前

翌朝駅舎全体が写りますし、後の方ではホームも登場します。

※18/8/21追記

Bill McCrearyさんから画像を提供していただきました。
ご自身のブログ「ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)」に多くの画像がアップされていますので、リンク先もぜひご覧ください。

ベネルックス(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)紀行(2)
ベネルックス(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)紀行(3)

撮影は2012年とのことです。
(ありがとうございます♪)

駅に向かったロベールが、妻が去って行くのを見届けてUターンしたセコい(再)場面は、この駅舎の中央正面と思われます。

VICTORIA HOTEL

映画でも描かれているように、駅前にどーんと建っています。

彫刻のある庭園

カトリーヌがひとりで見て回るところ。

クレラー・ミュラー美術館(Kröller-Müller Museum)W

ホーム

アムステルダム中央駅W

屋上ヘリポート

キャンディスが戻ってきたニューヨーク。
ヘリコプターが降りたのは、こちらのメトロポリタン生命ビル。

キャンディスの部屋

セントラルパークの南側、Hampshire Houseのあたりではないかと思われるのですが、どうでしょう??
キャンディスさん、リッチすぎ……

乗馬

セントラルパーク、湖の西岸のこのあたり。

電光ニュース(13/6/12追記)

コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
電光ニュースが流れるのはひとつ前のエントリー『モン・パリ』と同じくサン・ラザール駅正面。

©1977 milou  パリの駅

『モン・パリ』で使わせていただいたmilouさんの画像ですが、電光ニュースの装置が見える珍しいものなので再掲させていただきます。

スキー場

『シャレード』のオープニングのようなスキー場。
調査中。

※16/6/12追記
コメント欄でParis Gingerさんから情報を寄せていただきました。

スキー場はAlpe d’huez (アルプデュエーズ) W、コースはSignal(シニャル)。

一瞬写るフラグにAlpe d’huezとある他、その前の空撮で最初に写る大きなホテルがLes Grandes Roussesとあるので、それで判定できるとのことです。

マップで確認すると、空撮のスタート位置はこちら↓。

その後東に向かって移動していきます。

ロベールがクルマでやってきた店は、”ZOOM”とありますが、マップ上ではおそらく上記ホテルの前の道Route du Signalを100mほど進んだこの位置↓

空撮でもしっかりとらえられています。

クルマから降りた時に写る背景は↓

ロケ地マップ(13/6/14追記)


より大きな地図で クロード・ルルーシュ監督作品 を表示

資料

関連記事

フランシス・レイ

更新履歴

  • 2018/08/21 「駅前」にBill McCrearyさんご提供の画像をアップ
  • 2016/06/12 「スキー場」追記
  • 2014/09/26 「音楽」でテーマ曲の動画差し替え
  • 2014/01/16 「跳ね橋」追記

コメント

  1. milou より:

    ロベール行方不明、の電光ニュース。またしてものサン・ラザール駅ですね。
    真っ暗で何も見えないが時計や窓の形、下部の階段前のアーチの形など同じ。

    60年代に電光ニュースが流行したか分からないが、ふと思い出すと
    『勝手にしやがれ』(ル・グラン・ホテルだろう)でも派手に流れていた。

  2. inagara より:

    milouさん、コメントありがとうございます。
    確認しました。たしかに同じですね。
    画像また使わせていただきました。画像の呼出方法はちょっと変えましたが、レイアウトが決まるまではしばらく試行錯誤でやってみようかと思います。

  3. Paris Ginger より:

    スキー場はAlpe d’huez (アルプデュエーズ)ですね。フラッグに一瞬映ります。また、コースはSignal(シニャル)という古くからあるコースと思われます。このスキー場はフレンチアルプスにある比較的大規模なところで、グルノーブルオリンピックの会場の一つにもなっています。パリに住んでおり、過去何度かスキーで訪れました。

  4. 居ながらシネマ より:

    Paris Gingerさん、いらっしゃいませ。
    貴重な情報ありがとうございます!
    今出先なもので、明日戻りましたら本編を確認して記事の方に追記させていただきます。
    パリにお住まいとのことで、『パリのめぐり逢い』に限らず拙サイトの内容でなにか気づかれましたら、ぜひご遠慮なくツッコミ入れてください。

  5. Paris Ginger より:

    居ながらシネマさん、
    もうひとつ確定的なのが、ホテル街の(ヘリコプターから?)航空撮影で、今もあり比較的評判のよいホテルのLes Grandes Roussesの文字がはっきりと分かります。
    その後に映し出されるスキー場の山全体がSignalコースです。
    このホテルで昔からのマダムがいればひょっとしたら撮影当時のことを覚えているかもしれませんね。まだ、行ったことないですが、機会があれば、泊まってみたくなりました。
    (スキー場オフィシャルサイト)
    http://www.alpedhuez.com/en/winter/accomodation/hotels.html?item=142092#ad-image-0

    ちなみに、Alpe d’huezはツール・ド・フランスの時に下からスキー場までを駆け登るタイムトライアルのコースとしても有名なところです。

  6. 居ながらシネマ より:

    Paris Gingerさん、引き続き情報ありがとうございました。
    マップでも確認できましたので、記事に追記させていただきました。
    フラグもそうですが、空撮がおっしゃるとおり確定的ですね。マップとぴったり照合できました。ありがとうございます。

  7. Bill McCreary より:

    ムステルダム中央駅の写真で協力ができます。

    https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/0e6c57de6f4193fa5db1a172d2f95e3c

    https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/bdd510e68e691c649863cb9223d75a51

    https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/bdd510e68e691c649863cb9223d75a51

    2012年で、前に協力させていただきましたアントワープの前に訪れたものです。駅の外観、構内、周囲で協力ができます。

    なおこの映画ですが、私もクロード・ルルーシュの映画音楽を特集したCDを某公立図書館で借りてその音楽に魅了させられました。さすがフランシス・レイです。私が聴いたCDはこちらです。

    https://www.amazon.co.jp/dp/B00005GY96

    『男と女』で始まって、ラヴェルのボレロで終わるのも少なくとも発売当時としてはいい選択だったのかもです。

    >この映画本国ではDVDとなっていますが、残念ながら日本ではなぜか出ていません(2013年6月現在)。

    そうなんですよね。VHSですら日本版が未発売なのが謎です、私も未鑑賞なので、海外から英語字幕のついているDVDを取り寄せたいくらいです。でもあるのかどうかは未確認です。

    ニューヨークやパリの写真でも協力したいのですが、デジタルデータ変換をしていないので現段階できません。変換が完了しましたら、あらためてご連絡します。

  8. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、遅くなってすみません。
    中央駅の画像1枚アップさせていただきました。

    ホントはトラムの横顔の美人さんが写っている画像が、ロベールがホテルにUターンして向かう時の背景と近いので使わせていただきたいところだったのですが、一般の方のアップの画像は避けることにしていますので、涙をのんで駅舎の横顔の方を使わせていただきました。(毎度街頭スナップの接近戦が凄いですね~ きっとこういう時はコンパクトカメラの方が警戒されないのでしょうね)

    追記した部分の上の方でゴッホの跳ね橋に触れてましたが、そういえば次の新規エントリー予定は『炎の人ゴッホ』でした。ほとんど書き上げていたのに、もう3ヶ月ぐらい更新してませんね……

  9. Bill McCreary より:

    すみません、すでに確認済みでいらっしゃるかもですが、念のためということでの情報提供です。

    >最初の方のホテルのフロント係は、IMDbのクレジットではJean Collombということで、撮影監督のジャン・コロンのようです(顔知らないので未確認)。ちょっとネタバレになりますが、後の方でも意外なところで出てきます。
    この人って、『男の女』のラスト近くの名場面、部屋も一緒に注文されちゃうギャルソンに似てませんかね? そちらのクレジットでは名前が見当たらないので何とも言えませんが。

    IMDbにはいまだ出ていませんが、『男と女』の英語版やフランス版のWikipediaに出ていますので、どうもそのようです。

    https://en.wikipedia.org/wiki/A_Man_and_a_Woman

    https://fr.wikipedia.org/wiki/Un_homme_et_une_femme

    >さらにこの次のエントリー予定『あの愛をふたたび』にもバーテン役で登場しているように見えます(クレジットでは確認できず)。

    フランス語版Wikipediaによるとこちらも出演している模様です。ただ、こちらでは、

    >Le réceptionniste de l’hôtel

    になっています。

    https://fr.wikipedia.org/wiki/Un_homme_qui_me_pla%C3%AEt

    >顔知らないので未確認

    このような顔のようですね。

    https://mubi.com/cast/jean-collomb

    ご当人のフランス語版Wikipediaでは、

    >1972 : L’aventure c’est l’aventure de Claude Lelouch : Le Pape

    とありますので、『冒険また冒険』にも出演していたみたいですね。

    しかし私、ルルーシュの映画はほんと観ていません(残念)。ソフト化もされていないので、NHKあたりがBSで放送することを期待ですかね? なお、モンタンの役名は、「Colomb」で、これやっぱりJean Collombを意識しているのかもですね。

    ホテル関係で突然思い出しましたが、映画『人間の証明』で、森村誠一がホテルのスタッフをやっていたのは、あまりにあからさますぎるなあという気が。

  10. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、情報ありがとうございます。
    お~、これは正解だったようで嬉しいです。
    この記事を書いたとき、それぞれの出演カットをキャプチャーして、並べて合成した画像を作り、密かに楽しんでしまいました。
    (映画のキャプチャーが「引用」の範囲で使って構わないならアップしたいところなのですが、どうも映像に関しては文章のように自由に「引用」できない雰囲気のようでして……)

    『あの愛をふたたび』もちょっと見返してみましたが、レセプションは別人でやはりバーテン役の方ですね。
    アップになるカットが、ちょうど『男と女』で部屋を頼まれちゃう時の少しかがんだ姿勢と同じで、これは同一人物だろうと判断しました。

    クロード・ルルーシュ監督作は一世を風靡した割に日本でのソフト化があまり進んでいませんよね。
    何ヶ月か前フランシス・レイが亡くなったとき、何かちなんだ放送があるかと期待?していましたが、特になにもなく残念でした。

    > ホテル関係で突然思い出しましたが、映画『人間の証明』で、森村誠一がホテルのスタッフをやっていたのは、あまりにあからさますぎるなあという気が。

    これ確か森村誠一さんがホテルマン出身だったことも含めてのカメオだったことが当時書かれていた記憶がありますが、『犬神家の一族』の横溝正史さんと並んで、いろいろと記憶に残りますね 🙂

  11. フランス映画大好き より:

    映画の中で、日中戦争に関する微妙な映像が流れ、それが日本でのTVオンエアやビデオDVD発売を躊躇させているのでは、という説がありました。

    20代で観たこの映画でのキャンディスバーゲンは非常に魅力的ですね。既婚者ですが60才を過ぎた今でも、どこか、この女性の幻影を追いかけている気がしますね。

  12. 居ながらシネマ より:

    フランス映画大好きさん、コメントありがとうございます。
    この映画のソフト化についてはいろいろ事情があったのかもしれませんね。
    この映画に限らず、クロード・ルルーシュ監督作は日本では『男と女』シリーズ?以外はほとんどDVD化されていないのが不思議です。
    今月末なぜか『あの愛をふたたび』がDVD化されるようですが、これもどういう事情なのか……。

    この映画の頃のキャンディス・バーゲンは確かに魅力的ですね。何をもって「知的な魅力」と言えるのか、いざ定義となると難しいですが、キャンディス・バーゲンやイングリッド・バーグマンといったあたりの名前を並べればそれだけで伝わってしまう気がします。

  13. フランス映画大好き より:

    半年ぶりに投稿させていただきます。

    数十年前まで日本にもルルーシュのような映像派、映像主義と呼ばれた監督が結構いたと記憶しています。
    斎藤耕一、工藤栄一、市川崑、大林宣彦など。
    彼らの中にはテレビドラマも手掛け、脚本は多少脆弱でも映像の美しさでぐいぐい魅せるドラマを提供してくれました。
    制作現場で監督が力を持っていると映像主義を貫け、ハリウッドのようにプロデューサーが絶大な力を持っていると脚本主義、スター俳優主義の作品に仕上がる場合が多いと感じます。
    現在の日本で木村大作のように粘って美しい実写映像を撮る作家は少数派かもしれません。宮崎駿、庵野、新海などアニメ作家のほうが自分の作りたい映像を作り易い時代なのかもしれません。
    往年のフランス映画や欧州映画の多くは実写映像の美学を提供してくれました。最近、元気が無いのが残念です。単にシネコンがハリウッドCG映画に偏ってしまっただけかもしれませんが。
    実写映像をワンカット、ワンシーン観ただけで「ああ、そこに行きたい」「なんて、格好良い」「凄く美しい!」と瞬時に感じさせてくれる映像作品をもっと作って欲しいと願っています。アニメやCGに負けない力が実写にはあるはずなのですがねぇ。どうして実写映像に凝る作り手が減ってしまったのか不思議です。ユーチューブ等にはいるのでしょうかねぇ?
    いずれにしても映像と音楽と物語を美しく融合させ、興業的にも成功させた天才ルルーシュのような作家は奇跡的なのかもしれませんね。

  14. 居ながらシネマ より:

    フランス映画大好きさん、コメントありがとうございます。
    確かに映像派となると勢いがあまりなくなってきているのかもしれませんね。
    PVやCMの演出出身なら個性的でセンスある映像世界を作りそうですが、最近はそういう経歴の方が少ないのでしょうか。
    でも今やスマホでも一丁前の映像作品を作り出せる時代ですし、ネットでどんどん発信できるわけですから、探せば個性的な作品はむしろぐっと増えているような気もします。
    そこからどうやって収益を上げていくかは別の話かもしれませんが、少なくとも見る側からすれば、昔なら短編映画祭とか、とにかく出かけなければ接することができななかった作品が、今なら家から一歩も動かず居ながらにして鑑賞できますのでとても便利♪
    個人的には、陰謀論や情報商材屋が跋扈するYouTubeより、vimeoの方がビビっとくる作品に出会えることが多い気がして、ヒマな時には次々クリックして楽しんでいます。
    今の世ならルルーシュもvimeoあたりで認められてからカンヌに乗り込んでいったかもしれませんね 🙂

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