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『遠雷』 (1981)

遠雷 [Blu-ray]

ペロリだな

作品メモ

ひとつ前のエントリー『青春の蹉跌』は、にっかつロマンポルノ出身神代辰巳監督の一般映画第一作でしたが、同じようにロマンポルノで活躍した後一般映画へ進出した監督さんは当時けっこういたように思います。
今から振り返れば、日本映画が厳しい状況にある中で、映画制作現場の力を保持・伝承し若い才能を育てるという役割の一端をロマンポルノが担っていたわけですね。

この『遠雷』は、根岸吉太郎監督の最初の一般映画作品。『狂った果実』と同年です。
立松和平さん原作で、舞台は栃木県宇都宮市。
急速な人口増加と都市化が進む中で、農地を守りトマト栽培を続けようとする若者を描きます。

時代も場所も異なりますが、ついつい同じATGの『祭りの準備』と並べてみたくなる作品で、そうと思って見ていると江藤潤さんが急に出てきてビックリ(友情出演)。
どちらも肩の凝らないATG映画として、自分の中では良き印象が残っている作品です。

キャスト、スタッフ

主人公和田満夫に永島敏行さん。
『祭りの準備』は「ここから出て行かないとダメだ」と思わざるを得ないような世界でしたが、『遠雷』は「ここでしがみついてやっていくんだ」感が濃厚で、永島さんのキャラにぴったり。

お見合い相手花村あや子に石田えりさん。
天真爛漫なようでしたたかな面もしっかりあるキャラがとても魅力的。
最後は、頑張る2人の前途に幸あれ、と素直に思いたくなるような……
……とムズかしい話よりなにより、『スペースバンパイア』のマチルダ・メイと並んで、思わず拝みたくなる美しさは永遠のもの。

急に思い出しましたが、当時私が読んでいたような映画雑誌は、「キネ旬」や「スクリーン」「ロードショー」ではなく肌色写真満載の「EIGANO TOMO」とかでして(滝汗)、引用されていたセリフも「ペロリだな」だったような 😉

満夫の家族は……
一緒に住む祖母に原泉さん。演技なのか素なのか、ふとわからなくなるぐらいの名演でした。
母に七尾伶子さん。
東京に出て行った兄和田哲夫に森本レオさん。口ひげは珍しいかも。
その妻和田敏江に鹿沼えりさん。お懐かしや。にっかつ時代好きな女優さんでした。
満夫の父に先頃亡くなられてしまったケーシー高峰さん。長い間楽しませてくださってありがとう、グラッチェ。
そのお相手チイに藤田弓子さん。この2人は怪演といいますか、非常にインパクトありました。

満夫の友人中森広次にジョニー大倉さん。
広次と一緒に通っていたスナックのカエデに横山リエさん。
カエデの夫に蟹江敬三さん。ビニールハウス前での演技は、一瞬でキャラクターを表現していてお見事。
あや子の母に『アナタハン』の根岸明美さん。

カメオ的に友情出演するのが、農協職員役の江藤潤さん。
また原作者立松和平さん自身が、市役所職員(かな?)役で登場。地元感たっぷりのアクセントでセリフもあります。

……と並べてみても、半数以上がすでに鬼籍に入られています。
このところのエントリーで、「先頃惜しくも」をしばしば使うようになってしまっていますが、自分が親しんできた俳優さんがすでにこの世を去られていることに気づくと、やはり寂しいものがあります。

脚本荒井晴彦さん、撮影安藤庄平さん。
音楽はここでも井上尭之さん。

 
 
 

ロケ地

例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

ビニールハウス

団地のそばのビニールハウス。
2棟が少し斜めにずれて並び、通りを挟んで別の棟が同じように並んでいます。
今のところ判明していませんが、当時の空撮画像で鋭意調査中。

0:29頃蟹江敬三さんが登場する場面で、背景の山が写ります。これが手がかりになるかも。
他に1:19 1:26 2:11等で登場。

※19/7/31追記
宇都宮市にお住まいのnorichanさんからメールで情報を寄せていただきました。
なんと宇都宮市から40kmほど離れた足利市のこちら↓でした。

団地の建物は、今でも同じように建っています。
冒頭ハウスを出発したトラクターは左折して街道に入りますが、リアルでもつながっているこちら↓の交差点。

映画本編でも歩道橋の影を通過していますので、ここで間違いないと思われます。 街道は現在では片側2車線に拡張されていますね。

トラクター

タイトルバックで、出荷に往復するトラクターの進路。
路傍をトコトコ走るさまは、なんだか『ストレイト・ストーリー』みたい♪

赤い橋

こちら(下反町町)↓  カメラ西向き。川は田川というようです。

大きな建物

※19/7/26項目追加
宇都宮市にお住まいのnorichanさんからメールで情報を寄せていただきました。
「赤い橋」の次のショットでトラクターは茶色い大きな建物の前を通過しますが、これは「宇都宮市 川田水再生センター」とのことです。

次の「新幹線高架」のすぐそばですね。

画像も提供していただきました。

norichanさんはこれまで『遠雷』のロケ地をいろいろと探訪されてきたとのことです。
そういった方に拙記事を読んでいただき情報を寄せていただけるとは、本当に嬉しいです。
おかげさまで今回何カ所か追記できました。ありがとうございました。

新幹線高架

左折してくぐるところ。

1974-78の空撮では、新幹線が見当たりません。 WikipediaWによると、東北新幹線は1982年6月22日に大宮駅・盛岡駅間が暫定開業とのことで、映画の当時はまだ建設中あるいは試験走行中ということになります。

学校

※20/1/18項目追加

こちらの学校前を通過します。

この映画で何度か登場する校舎も、こちらの以前のもの。

カエデのスナック

※19/7/26項目追加
こちらもnorichanさんから情報を寄せていただきました。

今も営業されているか不明ですが、実際のお店だったということでマップで示してしまいますと……

店内でも「和」のお皿?が飾られていますし(0:55)、お地蔵さんを玄関前に置く場面で、よく見ると画面の右端に店名の看板が写っていますね(0:56)。

お昼を食べていた2人は救急車で飛び出していきますが(0:08)、「救急車が来た団地」はここから南へ300mほどですから、結構リアルな位置関係です。

救急車が来た団地

0:08
何棟も並んでいるマンモス団地。ビニールハウスの側の団地とは別。
救急車の場面の他、トマトを売りに来る場面やお地蔵さんを運ぶ場面(笑)など、何度か登場します。
場所はこちら↓

建物の他、バス停や電話ボックスもほぼ同じ位置に現存。
バス停には「瑞穂二丁目」とあります。名称は瑞穂野団地で良いのでしょうか?

満夫の家

0:09 0:46 他

※20/1/18 項目追加

手がかりをいただき、マップで見つけることができました。
現在のSVでも映画と同じたたずまいを確認できますが、おそらく一般の個人宅と思われますので、ここでマップで明示するのは控えることにします。

夜の街

※19/8/5項目追加

0:14頃、2人で繰り出す夜の街。
norichanさんからメールで情報を提供していただきました。
客引きが声をかけてきて店へ入るまでの1カット、背景に見える円い窓の特徴的なビルは、後ほどお見合いをしたレストランの窓の外に見えるビルでした。
場所は、東武宇都宮駅の近くのこちら↓

スナックあざみ

藤田朋子さん演じるチイの店。
現存していました。
お店の名前は違いますが、やはりスナックの看板が出ていますので書いてしまいますと……

0:15頃満夫が川縁をやってくるアングル↓

0:42頃公次と2人で橋を渡ってやってくるアングル↓

橋は架け替えられていますが、背景の塗装会社の看板は(きれいにはなりましたが)同じように出ています。

お見合いのレストラン

※19/8/3項目追加

norichanさんからメールで情報を寄せていただきました。

0:30頃のお見合いのレストランですが、最初の円卓を囲むショットで窓の外に見えるのは、東武宇都宮駅(東武百貨店)近くの「ヒカリ会館」というこちらのビル(とその右隣)↓

満夫のバストショットの背景に、袖看板の「ヒ(カリ会館)」の字が見えます。

なので、レストランがあったのは、東武宇都宮駅のすぐ東側に建つ、ニュー108というビルと思われます。
映画で写っていたのは、おそらく4階のこの窓↓

※20/5/18追記
コメント欄(2020年5月18日 15:10)で鬱飲み屋さんから情報を寄せていただきました。
もうなくなってしまいましたが、場所はやはりニュー108(トーヤ)ビルで、「大晃大飯店」とのことです。
ありがとうございました♪

ホテル

0:33
「モーテルいくべ」でやってきたところ。
調べても仕方ないと思いましたが(汗)、場所はこちら↓

現在は別の名前に変っています。
本編では、田んぼの中にぽつんとホテルがあり、右折した後背景に新幹線の高架と鉄塔が見えるという位置関係でしたが、今や同じ趣向の建物が所狭しと軒を連ねています。

夜の川

0:41
コイを採ったところ。
背景の看板に「香蘭」とありますが、こちら。

ただ位置関係が合わないので、おそらく移転?

チイの店もこの川のほとりにありました。
マップを見ると、「かまがわプロムナード」となっています。今は下に降りて散策できるのでしょうか?
「かまがわ」は漢字では「釜川W

夜の公園

0:55
お地蔵さんを盗む直前にやけ酒あおったところ。
前掲マンモス団地の中の公園。

公次の家

※20/1/18項目追加

0:58
田植えを手伝うところ。

zrx88さんからコメント欄(2020年1月13日 18:51)で情報を寄せていただきました。
おそらく一般の個人宅と思われますのでここではマップでの明示を控えますが、ご興味おありの方はぜひコメント欄をご参照ください。

ガソリンスタント

1:09
あや子の勤務先。
この位置↓にありましたが、もう無くなっています(宇都宮市越戸)。

2人並んで会話するショットで、背景に見える3階建ての建物(1階が駐車スペース)は現存していて、「越戸クリニック」となっています(外壁の色は変っています)。

ステーキ店

その後2人で入ったステーキ店は、同じ通り(越戸通り)、向かいの少し東側。
店名が同じかどうかはわかりませんが、現在もステーキ屋さんのこちら↓と思われます(建物自体は建て替えられています)。

宇都宮駅

1:32
兄と家族を迎えにきたところ。

駅前はペデストリアンデッキが出来てすっかり様変わりですが、通りの向かいの建物はそのままですね。

※19/4/29追記
Bill McCrearyさんから画像を提供していただきました。

ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
宇都宮で餃子を食べる

宇都宮駅西口向かい側の南側の角。
映画ではクルマがやってきたカットで背景に写っていたビルで、その時は1・2階がそば・うどんの店でした。
現在はいかにも宇都宮な餃子の店となっています。

警察署

※19/8/6項目追加

2:04
広次を出頭させたところ。

向かいが税務署のようでしたので、それを手がかりに見つけました。
鹿沼市のこちら↓

今は建物はなくなり、駐車場となっています。
ホンモノの警察署だったのかは不明。

ロケ地マップ

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2020/05/19 「お見合いのレストラン」追記
  • 2020/01/18 「学校」「満夫の家」「公次の家」項目追加
  • 2019/08/06 「警察署」項目追加
  • 2019/08/05 「夜の街」項目追加
  • 2019/08/03 「お見合いのレストラン」項目追加
  • 2019/07/31 「ビニールハウス」追記
  • 2019/07/26 「大きな建物」「カエデのスナック」項目追加
  • 2019/04/29 「宇都宮駅」SVのリンク修正 Bill McCrearyさんの画像をアップ
  • 2019/04/20 新規アップ

コメント

  1. 赤松 幸吉 より:

    「キネマ旬報ベストテン」に権威も重みもあった時代での堂々たる第2位である。

    この映画では80年代の栃木の町の様子がよく分かります。
    映画のシーンを思い出しながら、居ながら様のGoogle Mapsをひとつひとつ開いて楽しんでいたところ、「宇都宮駅」のGoogle Maps だけ映りません。

    よく見ると(SV)の横に「↑」のような標章がこれだけにはありませんでした。

    関西人には栃木は首都圏(関東地方)の一部だと思っているので、80年代でもまだ若者が「~だべぇ」「~だわぁ」という方言で喋っていたのに驚く。

    それはそうと、関東地方の各県の県庁所在地は極めて覚えにくく、関西人ですべてを正しく答えられる人は地理の教師を除いてはまずいないのではないか。

    社会の試験で(全国の)小学生をいつも悩ます地域だ。

    石田えりよりも横山リエ(日本人には珍しい二重まぶた)の方が小生には魅力的。
    スナックの女の子を演じさせれば、リエさんにとどめを刺す、というより、この役なら彼女の等身大、ありのままの姿で演技の必要もないぐらいです。

    ビニールハウス前の蟹江敬三には、本当にゾクゾクとしましたね。
    思わず「巧いな~」と唸ってしまいました。

    紹介に「アナタハン」の根岸明美と、いきなりこのマニアックな映画(「アナタハン」)が出てきたのにびっくり。

    この映画を知っている人は少ないでしょうね。

  2. 居ながらシネマ より:

    赤松幸吉さん、コメントありがとうございます。
    宇都宮駅前のストリートビューが開かずにすみません、リンク修正しました。
    手前にペデストリアンデッキができていますが、駅舎そのものは今でも同じようですね

    宇都宮が首都圏の一部かどうかはともかく(汗)、確かに近隣でないと県庁所在地は難問となることがありますね。
    群馬県の県庁所在地は、関東の人間でもけっこう間違えたりします。
    私は新幹線が走る前の宇都宮は全然知りませんので、空撮画像を並べて眺めるだけで結構楽しめました。その発展ぶりは凄いものがありますが、おそらく現在ではいわゆる空洞化が進んでいるのでしょうね。

    赤松さんは『旅の重さ』でも横山リエさんを推していらっしゃいましたね。確かに目がぱっちりで、こんな人がカウンタの向こうに居れば、通ってしまいそうです。

  3. Bill McDreary より:

    >群馬県の県庁所在地は、関東の人間でもけっこう間違えたりします。

    高碕でしたっけ?(笑)ていうか、埼玉県も、現在は合併しましたが、以前は「大宮」と思っている人もいたんじゃないんですかね。基本関東は、県名と県庁所在地が完全一致するのって、千葉しかないですからね。特に北関東は、日本でも地味な県ということになっていますから、ますますわかりにくいのでしょう。

    なお拙ブログに宇都宮駅から写した写真がありました。よろしければお使いください。2010年の写真です。

    https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/9e2fad3db5e8f193bc1cc71e79135b7f

    この映画って、ATG青春映画路線の代表作ですよね。ATGは1992年に活動を停止してしまいますが、たぶんこの青春映画路線がなければもっとはやく行き詰っていたのではないかという気もします。前にも書きましたが、ATGはセットよりロケ撮影中心ですから、貴サイトの趣旨にはいいですよね。

    ところで鹿沼えりについて、こんな記事がありましたね。

    https://www.news-postseven.com/archives/20190428_1359885.html

    RPって何? と一瞬思っちゃいましたが(すみまえん、世代でないもので)、病気、DV、借金、破産とあらゆる苦労をされたと思いますが、ぜひ頑張ってほしいものです。

  4. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、画像さっそく頂戴しました。ありがとうございます。
    私も宇都宮へ行ったときは餃子をいただきました。
    『遠雷』は餃子で町おこしより前の時代ですね 🙂

    > ATGはセットよりロケ撮影中心ですから、貴サイトの趣旨にはいいですよね

    仰る通りで、しかも自分が名画座でせっせと見ていた作品ばかりなので、愛着もあり、それで好んでとりあげている面もあるかもしれません。

    「RP」は当時そんな表現無かったと思います。たぶん記事のタイトルに文字数を収めるためか、あるいはロマンポルノという語がタイトルに含まれるのを避けたかでしょうか。
    それにしても、鹿沼さん懐かしいですね。いろいろご苦労されたとは思いますが……

  5. zrx88 より:

    田植えの場所と思われます。
    遠目に田川の土手があると思い。民家の門の位置を南向きと考え、田川の東側かなと思いgoogleマップで探しました。
    母屋と門の屋根の形状と赤い屋根が同一だと思います。

    https://www.google.co.jp/maps/@36.4467061,139.8907084,3a,75y,312.29h,92.79t/data=!3m6!1e1!3m4!1sK3PBp0NAp5TocWjFMWHYpQ!2e0!7i13312!8i6656

  6. 居ながらシネマ より:

    zrx88さん、コメントありがとうございます。
    これは確かに広次の家ですね。よくぞ見つけられました。
    全然気づきませんでしたが、奥は川の土手なのですね。これに気づかれたのがポイントですね 🙂
    後ほど本文に反映させていただこうと思いますが、完全に一般の方のお家と思われますので、ズバリは書かずにコメント欄参照みたいにさせていただこうかと思います。
    ありがとうございました!

  7. 鬱飲み屋 より:

    現在はもうありませんが、お見合いのレストランはニュー108(トーヤ)ビルの中に入っていた中華料理店大幸だと思います。1981年当時宇都宮の小学生でしたが、親族の会食で良く利用していたから覚えています。

  8. 居ながらシネマ より:

    鬱飲み屋さん、コメントありがとうございます。
    もうなくなってしまったのは残念ですが、店名もおかげさまでわかりましたので、これで完全にスッキリです。
    宇都宮にお住まいでしたか。「親族の会食で良く利用していた」とのことですが、映画でもお見合いでしたし、そういったイベントごとに使いやすいお店だったのでしょうね。

  9. Bill McCreary より:

    ビルのSVなど拝見しました。実は今年の2月、ちょうど東武宇都宮駅を利用しました。当該のビルの写真は撮らなかったので記事へのご協力はできないのですが、ただかなり周囲も荒れ果てていたし、またSVで観た限りでは、該当のビルも、ほぼ空いている現状ですね。空き家も目立ちました。

    モータリゼーション化が進んだとか、上の鬱飲み屋さんのような団塊ジュニア世代が子どもの時代は、このような場所で一家で食事というのが今より多かったのでしょうが、もはやそういう時代でもないのでしょうね。

    例の『恋は緑の風の中』も、商店街のさびれ方は信じられないですよね。都内のように郊外店の進出に限界があるところでないと、このような商店街や駅近くの雑居ビルなどは存続が厳しいところがあるのかもです。宇都宮のような県庁所在地でこうなのだから、その他の街ではなおさらです。

    https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/4df8ee075d06659e71cf9bf6ac90d886

  10. 鬱飲み屋 より:

    申し訳ございません。お店の綴りを間違えました。大晃大飯店だったと思います。New108ビル開業当初(1980年)から入っていたお店のはずです。自分にとって初めてガチの中華料理を食べたお店で、今でも忘れられず、残っている別の店舗で良いからまた食べたいと思っていたら、10年ほど前になくなっているようです。ちなみに私が宇都宮に住んでいたのは88年頃までで、以降は年に1回里帰りする程度。遠雷を観る度にジョニーの強引な栃木弁?などツッコみどころもありますが(笑)、都市化してゆく田園の中に開業直前の東北新幹線の高架線が映り込むのがまさに1981年で、毎日自転車で走り回っていたあの町に帰ってきた気がするものです。

  11. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    以前JRの駅前の画像拝借しましたが、今度は東武線の方ですね。映画ですと夜の街はなかなかの盛り上がりでしたが、今はもう面影がないようで……どこも同じでしょうけど寂しいものがあります。
    ブログに掲載されたスパルタンな廃屋の向こう側の通りが映画に登場した夜のネオンきらきらのお店が並んでいたところで、まっすぐ右へ進むと、やはりブログに掲載された教会にぶつかるようです。世俗的煩悩の果てに教会があるという、なかなかディープな構成です。
    実は去年この記事を更新した際に、この教会が地元の名産?大谷石でできていることを知り、ぜひ行ってみようと思っていましたが、今回の騒ぎもあってまだ実現できていません。

    鬱飲み屋さん、追加情報ありがとうございました。
    当時お住まいだった方に拙記事を見ていただきコメントをいただけるとは、本当にうれしいです。
    となりますと青春時代の想い出がつまった街となりますでしょうか。
    そしてこの映画は、想い出のタイムカプセル映画となっているのでしょうね。

  12. 鬱飲み屋 より:

    返信有難うございます。
    餃子の香蘭の看板も懐かしいですね。かまがわ付近はよく自転車で走り回ってました。宇都宮にはなぜか、香蘭、紅蘭などの店名が多かったです。夜の街でロケされた東武駅裏通りは、小学校の時分では風俗店街で、怖いもの見たさに友達数人と良く歩きまわりました。東武駅のホームからも派手なネオンが見える場所でしたので、少年達は気になって仕方なかったようで。やがて地図と店名が頭に入ってしまい、時々教室の黒板に地図を描いて、クラスの男子達で店名を埋めていく作業をよくしました。外に書いてある料金表なども覚えてました。(笑) ちなみ二人がポン引きに連れ込まれるお店は「セーラー服サロン、夜間学校」のはずです。料金表は授業料になってます。(笑) ヒカリ会館から真っすぐ下ってきて、通りの角地にあったお店です。この映画で初めてダンシングオールナイトが流れる店内を見る事が出来ました。少年時代の記憶と異なり、女の子がセーラー服で無い事にショックを覚えましたが、映画だからそのままでは無いですね。
    自分にとっての宇都宮は青春とは違います。危うい少年時代を過ごした想い出の町です。

  13. 鬱飲み屋 より:

    「夜間学校」の会った位置をグーグルマップで調べてみましたが、今は面影すらありません!お好み焼き店が入る店舗みたいです。

    https://www.google.com/maps/@36.5590952,139.8815539,3a,75y,325.97h,83.76t/data=!3m6!1e1!3m4!1sDx4ANepq2Sp_I1r2R_rm5A!2e0!7i16384!8i8192

    ちなみに、客引き男性と3人で歩く背景に映り込む「シンカンセン」は当時あったパチンコ店です。ヒカリ会館の隣りの窓が特徴的なビルの1階ですね。お見合いのレストランの窓からも見える建物です。

  14. 鬱飲み屋 より:

    上の項目で確認しましたが、お店のあった場所は既に特定されていたんですね。さすがです!
    ATG時代の永島映画は名作揃いですよね。「サード」も大好きな映画です。

  15. 鬱飲み屋 より:

    追加情報です。
    あやこの勤務先のガソリンスタンドの斜向かいにあるステーキ屋さん(ランチを食べるお店です)の店名は変わっておりません。旧ロゴのステーキ宮の看板が確認出来ました。ロケに使われた越戸店は行った事ありませんが、近所にあった店舗を子供時代に家族で良く利用したので懐かしいです。
    また国土地理院の宇都宮市の航空写真(1974年~1978年)の撮影日は1975年1月29日と確認出来ました。単写真から確認しました。当時の実家、幼稚園、近所、親戚の家を全部確認したところ、1976年以前というところまで画像から特定出来ましたが、撮影日まで解り感動しました。本当に凄いですね。

  16. 居ながらシネマ より:

    鬱飲み屋さん、追加コメントありがとうございます。
    なんと香蘭まで覚えていらっしゃるとは。
    宇都宮が餃子の街としてプッシュするようになったのはついここ20年ぐらいのイメージでしたが、実際にはその前から餃子の街だったのですね。

    きらきらネオン街情報もありがとうございます。
    まさか当時小学生がそんな自由研究をしていたとは 😆
    しかも覚えていらしゃった店名がここにきて発表の機会に恵まれるとは、三つ子の魂百まで、お前百までわしゃ九十九までとはこのことかと思われます(もはや意味不明)。

    国土地理院の地図についてはおっしゃるとおりで、普段は扱いやすい電子国土webを記事で使っているのですが、空中写真閲覧サービスの方がより正確に年月日を特定できるので、要所要所で併記するようにしています。
    宇都宮ですと1975年の1月のがカラーでしかも同じ画像でも電子国土webよりクリアですね。この映画は81年なので、より近い82年2月の方を記事で載せていますが、ご覧になるなら75年1月の方がわかりやすいかもしれませんね。(ただたとえばステーキ屋さんがまだ田んぼだったりします……)

    『サード』も良いですね 🙂 そのうち取上げるかもしれません。
    それから、本日緊急事態宣言が解除されたようですので、埼玉の関所を越えられるようになったら、いよいよ宇都宮探訪もしてみたいと考えています。

  17. 鬱飲み屋 より:

    是非宇都宮探訪して下さい。私は国外なので年内行けるか分かりませんが、海外出張が解禁になればまた頻繁に帰国します。

    遠雷の頃の宇都宮は国鉄(JR)の駅の西側が市内で、駅の東側は建物が少なく、農地が沢山残っていました。今は逆に市内が寂れ、郊外ばかり発展してますが、当時東口方面に行くのはちょっとした小旅行でした。
    例えがおかしいですが、大人になってから職場が東京駅界隈で、丸の内側と八重洲口の違いを、宇都宮の西口と東口と重ねてましたね。(笑) 江戸の中心は日本橋のある八重洲口で今も栄えてますが、ビジネス街は丸の内や大手町が中心的存在ですから。意外にその間の移動距離もあって。

    それにしても小学校の自由研究が役に立ち、人生で経験した事に無駄などないと改めて気付かされます。高学年にもなると男女ともそっちの興味が出てきて、学年の中でも事情通とされていた私は、下校中に他のクラスのグループにつかまり、質問攻めとかありましたね。小3の頃にクラスメイトに子供の作り方を教えた時は、信じてもらえず変態扱いでしたが、「それでも地球は回ってる」と地動説を唱えていたら、小5から急に支持率が上がり成績の良い優等生グループの女子が、食いついて聞いてくるようになり、週3くらい下校時間が勉強会になったりもしました。そんな事で天下取るなよって話ですが。(笑) 所詮小学男子の知識量では勉強熱心な女子の知識量には敵わず、逆に教わる事ばかりという、にこにこ相談会でした。(笑) 
    同じ宇都宮時代でも、中高となると遊びも地元より徐々に東京にシフトして、高校はバブル突入で地価が高騰し、町は急速に変わっていき、のどかな時代は終りを告げました。いみじくも遠雷のラストシーンの不動産ブローカーがその行く末を暗示してるようですが、それが更に30年も経過すると抜け殻のような街になっているとは、誰も想像しなかったでしょうね。
    遠雷はまだ小学校で、80年代とは言え、まだ70年代臭が随所に残るあの町、あの瞬間を絶妙な角度で切り取っていて、それが自分の原風景と重なるものだから、定期的に観てしまう作品となっています。
    いつでも良いので、是非サードもお願いします!

  18. 居ながらシネマ より:

    鬱飲み屋さん、海外在住でいらっしゃいましたか。
    それでいながらピンポイントでローカルな話もまた楽しいですね 🙂

    空撮で過去の町並みを見返すと、タイムトラベルをしているようで面白いですよね。
    特に日本はどの街もわずか数十年でシムシティのような変貌をとげていて、「この頃ここに土地を買ってバブルの頂点で売っておけば、今頃左うちわで……」と何度思ったことか。

    丸の内と八重洲とはなるほどですね。
    最近は八重洲もだいぶ再開発が進んで超高層ビルがにょきにょき建ち、下を歩いているとビルの谷間感が半端ありませんが、それでも線路隔てた雰囲気の違いは感じられます。千代田区と中央区の空気感の違いといいますか。
    全然関係ありませんが、建て替え後の大丸の上のレストラン階でトイレに入った時、男性用(小)の向こうが全面ガラス張り、真下が東京駅のホームで、正面には新丸ビルがそびえ立っているというあまりに開放的なデザインでビックリしました。これはもう丸の内に向かって空中から立ち○ョンしているようなものですが、これをきっかけに両者が険悪な関係になったとは聞きませんので、無問題なのでしょうね(外から丸見えでないことを祈る)。

  19. 居ながらシネマ より:

    『サード』書きました。
    https://inagara.octsky.net/saado

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