聖母たちのララバイ♪
作品メモ
元が映画音楽だとは知られていない曲と映画シリーズ。『ピアニスト』(曲はアンドレ・ギャニオン「想い出をかさねて」)、『ジョージー・ガール』(曲はシーカーズ「ジョージー・ガール」)、『ダイヤモンド作戦』(曲はフランク・シナトラ「夜のストレンジャー」)と見てきました。
今回は番外編といいますか変化球。
いきさつはあちこちで書かれているでしょうから割愛。
最新鋭巨大原子力空母が開戦直前の真珠湾にタイムスリップ! というアイデア1点で成り立っているような映画です。
お~戦国自衛隊じゃん、しかも原子力空母がタイムスリップなんて、さすがアメリカ、スケールが違う♪ と、私同様相手が日本軍であることを脇に置いて、無責任にwktkして見にいった若者も当時多かったことと思います。
結果感想はちょっと微妙といいますか、拍子抜けだったような……。
おそらくもうちょっと戦闘シーンを見たかったとか、ストーリーは結局どーゆーことだったのよ、というモヤモヤが残ったためかとは思いますが、それでもラストなどSF映画としての最低限のツボは押さえていたように思います。
空母はホンモノのニミッツ。
内部の撮影もホンモノ。
登場する乗員も多くがホンモノ。
IMDbのトリビアによると撮影当時ニミッツは大西洋上にあったため、撮影も大西洋で行われました。
F-14だけでも発艦、着艦、ドッグファイト、空中給油等々たっぷり見せてくれますし、エンドクレジットでも延々その姿を披露しています。やはり海軍全面協力による最新兵器の数々がこの映画の売りであることは確か。
でもそれならタイムスリップってあまり関係ないじゃんとこっそりイジワルに思ったりもします。
ゼロ戦はAT-6を擬装したものとのこと(IMDbのトリビア)。
コクピットの脇に何かカタカナらしきものが書かれてありますがDVDの解像度では読めませんでした。
真珠湾攻撃の場面は『トラ・トラ・トラ!』の流用(IMDbのトリビア)。
出演は、
マシュー・イーランド艦長にカーク・ダグラス。
タイドマン重工から艦内の視察に派遣されたウォーレン・ラスキーにマーティン・シーン。カーク・ダグラスはこの役を息子マイケルに演じてほしかったようですが、『チャイナシンドローム』にかかりっきりだったのでダメだったとか(IMDbのトリビア)。
歴史に詳しいリチャード・T・オーエンス中佐にジェームズ・ファレンティノ。
1941年のハワイ沖で船を浮かべて政策を練っていた上院議員サミュエル・チャップマンにチャールズ・ダーニング。大統領を目指す役のようですが、3年前の『合衆国最後の日』ですでに大統領を演じています。チャップマン議員はいかにも実在したようなキャラですが、架空のもの。
その有能なアシスタント、ローレル・スコットにキャサリン・ロス。
日本兵シムラを演じたのはオ・スンテク(Soon-Tek Oh, 오승택)。たどたどしいところもありますが、日本語はかなりマシ。
通訳のカジマ大尉にアルビン・イン(Alvin Ing)。こちらの日本語の方があぶなっかしいですが、これはこれで設定的にはリアルですね。
DVDを見返した後に出演者の最近の画像を検索すると、なんだかラストのマーティン・シーンのような気持ちになります。
時間というものが人間にとってままならないものである限り、時間テーマのSF映画は繰り返し作り続けられることでしょうね。
監督ドン・テイラー。
音楽ジョン・スコット。
今見返すと「聖母たちのララバイ」があちこちにちりばめられていて、微妙な気持ちになります。
Wikipediaによるとジョン・スコットの名前は現在作曲家としてクレジットが併記されているとのことですが、Music Forestを見る限り併記されていません。
ジョン・スコットにとって「ファイナル・カウントダウン」は代表的なお仕事でしょうから、ちゃんとした形でリスペクトしてほしいものです。
ロケ地
IMDbでは、
Naval Air Station, Key West, Florida Keys, Florida, USA (flight scenes/water scenes)
Norfolk, Virginia, USA
Pearl Harbor, O’ahu, Hawaii, USA (Stock Footage only)
Smathers Beach, Key West, Florida Keys, Florida, USA (Where CDR Owens was left at beach at end)
USS Nimitz, Atlantic Ocean
OP空撮
海岸沿いの道を走る高級車。
灯台が見えます。
場所は調査中。
海軍基地
タイドマンの車がやってきたところ。
ハワイ
観光客が乗っている白い船のようなところは実際の真珠湾のこちら。
メガネをかけて写真を撮りまくっているのはおそらく日本人という設定でわざと入れたのでしょうけど、やっぱりイタいですね……
浜辺
オーウェンとローレルが置いていかれるところ。
Smathers Beach, Key West, Florida Keys, Florida, USA
おそらくこの一画ではないかと思われます。
ラストシーン
ニミッツが接岸している埠頭。
当時のニミッツの基地であるバージニア州ノーフォークのこちらのようです。
具体的には、背景を見る限り、北端の桟橋でしょうか。
- Google Maps
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