『はなれ瞽女おりん』 (1977)

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作品メモ

ひとつ前のエントリー『竹山ひとり旅』がボサマの世界なら、こちらは瞽女(ごぜ)さんの世界。
水上勉さんの原作をもとに、篠田正浩監督がひとりのはなれ瞽女の運命を描きます。

はなれ瞽女とは、瞽女グループの掟をやぶり追放されてしまった瞽女のこと。こうなると決まった住まいもなく、たったひとりで各地を門付行脚し、破れたお堂などで夜露をしのぐという厳しい生活を余儀なくされます。
原作では「はなれ瞽女」の他に「はぐれ瞽女」「落し瞽女」という言葉も紹介されていますが、「はぐれ」と言ってしまうと「はぐれメタル」や「はぐれ刑事純情派」を連想してしまうので、「はなれ瞽女」というタイトルで実に良かったと思います。

そんなことよりお話の方は、大正7年、シベリア出兵や米騒動で暗い影が落とされた世相を背景に、はなれ瞽女であるヒロインと謎めいた男との束の間の幸福な日々が描かれます。
男は実は脱走兵でしかも……という展開となり、これはもうバッドエンドが約束されてしまったようなものですが、二人の切ない心情が各地の美しい風景とともにきめ細やかに綴られ、見る者の琴線に幾度も触れることとなります。

『竹山ひとり旅』も『はなれ瞽女おりん』も1977年の公開で、監督自身の独立プロによる製作、監督の奥様である人気大女優が出演、しかもどちらにも殿山泰司さんがご出演という(笑)、いくつもの共通点が見られます。
もちろん比べれば、自伝的作品とフィクションという違いはありますし、おりんさんの方が時代が少しさかのぼること、舞台が青森に対して、北陸方面となることなど、背景の違いもあれこれあろうかと思います。
なによりできあがった作品のたたずまいがまったくの別世界。どちらが良い悪いとかそういうことではなく、どちらも作り手の作家性と技術がしっかり込められた、見応えのある映画となっています。

参考までに、その年の賞取りレースでは、キネマ旬報ベストテンで、『竹山ひとり旅』が2位、『はなれ瞽女おりん』が第3位。その年に始まった日本アカデミー賞の作品賞でも、両作品はノミネートのみ。
なにせこの年は『幸福の黄色いハンカチ』が各映画賞の作品賞のみならず個人賞までもほぼ独占してしまっているので、それ以上は行けなかったという感じ。個人的にはこちらの2本の方がずっと満足度高かったのですが……
その中で、岩下志麻さんは両賞で見事主演女優賞受賞。事実それに十分値する素晴らしい演技でした。

キャスト&スタッフ

主役おりん役の岩下志麻さんは、すべての場面で目をつぶり、厳しい境遇にもかかわらず、いつも穏やかな笑みを浮かべています。そのお顔は拝みたくなるような尊いものがありました。

いつの間にか同行するようになった謎の男実は脱走兵平太郎に原田芳雄さん。
大男という設定で、体もいつもにまして鍛えて撮影に臨んだような雰囲気があります。 原作では5尺7,8寸という描写で、昔はこれでも十分大男。
70年代は『竜馬暗殺』あたりからいよいよ絶好調になってきますが、その勢いを保ったまま、本作では熱い情念を秘めた男をぐっと抑えた演技で表現。こちらのハートをわしづかみにしてくれます。

この二人のマッチングがとても良かったと思いますが、他にも樹木希林さんなど個性的な脇役たちの演技を堪能できる映画で、以下「ロケ地」の方でできるだけメモしようと思います。

監督は篠田正浩監督。
白状しますと、名作からへっぽこZ級SF映画まで、どれもウェルカム、たいていの映像作品なら楽しんできたつもりの自分にも苦手な監督さんがいまして、代表格が(申し訳ありませんが)篠田監督。『心中天網島』から『スパイ・ゾルゲ』に至るまで、どうもなかなか波長があわないまま監督を引退されてしまいました。
でもこの『はなれ瞽女おりん』だけは別格。
好きな原田芳雄さんが出ているということもあり、当時のこのこ見に行きましたが、結果大満足。
気になった事と言えば、クレジットで、例のお魚の目みたいな◉記号◉が使われていることぐらいでしょうか(汗)。
まあ自分ごときが気に入る気に入らないなど関係なしに、間違いなく監督の(そして主演のおふたりにとっても)代表作になっていると思われます。
ちなみに『はなれ瞽女おりん』の前が『桜の森の満開の下』(75)。う~む……
その後が『夜叉ヶ池』(79)。う~む……

撮影は名匠宮川一夫さん。そのカメラで切り取られた各地の風景は絶妙で、映画の奥行きをぐっと倍増させていました。第1回日本アカデミー賞の技術賞を受賞。

音楽は武満徹さん。
NHKドラマの『夢千代日記』で「おりん」の既視感があったのですが、樹木希林さんが出ているという他に、武満さんの音楽が伝える繊細な世界も連想するものがあったのかもしれませんね。
またクレジットには、瞽女唄として杉本キクイさんのお名前があります。

こちら↓は予告編。
サムネイルが岩下さんに迫る西田敏行さん之図となっていますが、おりんがはなれ瞽女となったのもこれのせい。

ロケ地

例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

『竹山ひとり旅』は地元感といいますかご当地感がありましたが、こちらはとにかく物語上のリアルな場所とは切り離して、使える場所はみな使う、的なところが見受けられます。
40年以上前の映画で、まして変化の激しい日本の町並み、しかも設定上の場所とは別かも……ということで探索としては苦戦。
それでもいくつか収穫がありましたので、自分的には満足となりました。

生家

設定では若狭。
母親がいなくなりぽつんと残された6歳のおりんを囲んで、村人が鳩首中。
そこへやってきたのが浜村純さん演じる富山の薬売り斉藤。おりんを預かり、雪の中旅を続けます。

タイトルバック

0:02
雪道をこちらへやってくる二人。
道端に魚を入れる木箱のようなものが大量に積み上がっていますので、やはり海沿いの漁村でしょうか。
背景の山並が特徴的なので、粘ればわかるかも。

農家

0:05
出征祝いが開かれている豪農の家。
門のあたりがそのまま蔵になっている造りでしょうか、横一直線に延びた姿が美しく捉えられます。

座敷で踊っている2人組は漫才なのですね。後の方善光寺でも出ているような。
エンドクレジットに、尾張知多万才保存会とあります。

加藤嘉さんが登場。使用人頭みたいな感じでしょうか。
集まりの中に、初井言榮さんのお顔も見えます。『竹山ひとり旅』と違ってはっきり写りますね 😉

雁木造の通り

0:09 0:15
厳しい冬の海岸の場面に続き、斉藤と幼いおりんが歩いて行くところ。
設定は高田。

原作でも描写がありますが、長屋のように連なった家々の軒先が長く出てアーケードのようになっているいわゆる雁木造(がんぎづくり)W
歩行者は雪が深いときでも楽に通ることができ、住まいの方も戸口が直接雪でカチンコチンに固められることがないので、互いにウィンウィンでしょうか。
余談ですが、台北の街とかでも同じようにお店が軒先を伸ばしていて、歩行者はその下を歩けば強烈な日差しや突然の雨にたたられずにすんだりします。ついでにお店から涼しいエアコンの風が出てくるので、助かりますね。ただ軒先を伸ばすというよりは、その上に2階以上が乗っかっているので、むしろ1階部分がへこんでいて回廊状態になっているといった方が正確でしょうか。

映画に戻って、撮影場所はエンドクレジットの協力に上越市の名前がありますから、実際に高田の町で撮影されたとしても不思議はありません。

こちらはあくまで参考画像ですが、雁木造の通りを中からみるとこういった感じ。

この画像の位置は、このあたり↓

参考までに、ここから東へ2ブロックのあたりに、こういった施設があります。

瞽女ミュージアム高田
http://www.goze-museum.com/

雁木造の家々は、もともと間口が狭くて奥行きがあり、それらが連なると空撮ではまるで寄せ木細工のように見えて特徴的。
上越市の空撮でも、一目でどのあたりがそうなっているかわかります。
ミュージアムの周辺もそうですが、こちら↓の通りのあたりなどは壮観ですね。

明示は避けますが、杉本キクイさんのお宅もこちらの方面にありました。

瞽女屋敷

おりんが預けられたのは、「里見の瞽女屋敷」。
ほぼ室内しか写りませんが、実際のどこかの家のようでもあり、セットのようでもあり。資料がないとちょっと無理で詳細不明。
外観は、0:25頃カネ子がこっそり戻ってくるショットや、ラスト近くにおりんが再び訪れる場面で登場します。
ここはロケと思いますが、場所不明。

屋敷を仕切るテルヨに奈良岡朋子さん。存在感はさすがです。
叱られたカネ子に横山リエさん。
カネ子にイジワルするツギ子に神保共子さん。

瞽女たちが行く雪の道

0:19
小さいおりんをはさんで、一列縦隊で進むところ。この場面だけで映画の世界に引き込まれます。
並んだ冬木の光景が印象的ですが、撮影場所不明。
門付けした農家はどれも立派なので、現存しているかもしれません。

踏切

0:32
横山リエさんさん演じるカネ子がお腹を抱えてひとり渡ったところ。蒸気機関車が通過します。
エンドクレジットの協力に大井川鉄道の名前がありましたので、たどって探してみました。
地形や道路構成的に、福用駅北側のこちら↓ではないでしょうか?

水車小屋

0:32
はなれ瞽女状態のおりんが、行軍中の小隊とすれちがうところ。
不明。

お座敷

0:33
おりんが落とされるきっかけとなる出来事があったところ。

最初のカットで、お屋敷の天井からカメラがティルトダウンしてきます。
スタジオセットというよりは、ホンモノの屋敷の中のように見えます。
エンドクレジットにあるこちら↓ですね。

吉島家住宅(高山市大新町)

国指定重要文化財。

おりんにからんできた若い杜氏は、西田敏行さんと塚本信夫さん。

雨宿りの門

0:39
茅葺き屋根の下で雨宿りしながら、それぞれが過去を回想する場面。
お寺の山門の裏側のように見えます。

以下チェックしましたが、違うみたい。調査中。

  • 大泉寺仁王門(柏崎)
  • 真楽寺(塩野)

おりんの回想で、そそくさと帰るオヤジに殿山泰司さん。短いですがこれはわかりやすい登場。
同じく回想で、手引きをしつつ海辺の小屋におりんを連れ込んでいた男に阿藤海さん。引きのショットで確認しづらいですが、でもそう思って目をこらして見ると、確かに阿藤さんですね。エンドクレジットが登場順になっていなかったら、探しようがない場面でした。

平太郎の回想で、あらぬところを息子に見られてしまった下駄屋の母親に小林トシ江さん。
少年時代の平太郎が駆けてくる雁木造の通りも、もしかすると高田かもしれませんね。

水浴びする川

0:50
ここで無理に吹き替えを使わなくても、岩下さんは十分お美しかったような……

大工道具屋

0:50
下駄屋を始めるための道具をゲット。
向かいの建物が特徴的ですが、今から探すのは難しそう……

2階のお座敷

0:51
坂道にある建物で、2階ではおりんがお座敷を勤め、下では平太郎が下駄を直しています。
なかなか合理的な共稼ぎのスタイル。 場所は調査中。

縁日の山門

0:53

設定場所、撮影場所ともに不明。

おりんと平太郎は山門の下で下駄屋を営業。

ここで登場する香具師の面々は……
太鼓たたいて往復している飴売りに不破万作さん。『竹山ひとり旅』でも戸浦六宏さんの飴売りで和んだばかりですので、つい出で立ちや口上が気になります。
私はリアルタイムで見たことはありませんが、いつ頃までこうしたスタイルが残っていたでしょうね。

おりんたちのはす向かいで自称絹のシャツを売っている山下に山谷初男さん。
その隣、おりんたちの真向かいで薬の効能をアピールしている別所彦三郎に安部徹さん。合間になにやらふたりの様子を伺ったりしています。目つきが既に悪役ん十年のそれ。
不破さんや山谷さんは今見ると「若い!」と思いますが、安部さんはこの頃60歳近いでしょうか、筋金が入り過ぎといいますか、板に付きすぎといいますか、すっかりラスボス感ができあがってます 😆

長い木橋

0:55
大八車をゲットしたところでこちら↓の有名な橋を渡ります。
平太郎は「右手が海で、こっちが米山さんだ」と言っていますが(原作にもある台詞)、撮影場所は静岡県ですからこれはもうリアリティより「絵」になるところを選んでいると捉えた方が良いでしょうね。

逢来橋 (大井川)W

引いている原田さんは大変でしょうけど、日傘をさした岩下さん、気持ちよさそう 🙂

海岸沿いの道

0:56

その後大八車で進む道。
設定場所は不明ですが、柏崎へ向かう途中ということでしょうか。
撮影場所は、静岡県からぴょんとワープして、佐渡島の北端に近いこちら↓でした。

右手のボコっと盛り上がった岩山は大野亀と言うそうです。
映画では二人の心象を表すかのようにお天気が良く海もおだやかで、美しい景色でしたね。
この場面は最初見たときにとても印象的でしたので、今回見つけられて大満足となりました。

続く落石の場所は不明ですが、この場面にどういう意味があるのか、いまいち分かりません……

たわらや

0:58 1:03
祭りの間宿泊するところ。原作でもこの名で登場します。
外観が少しだけ写りますが、撮影場所は資料がないと突き止めるのは難しそう。

ここで安部徹さん演じる別所がさっそくおりんに接近します。
おりんは親切な人だと思い込んでいるようですが、観客には彼が腹に一物手に荷物状態であることは明らか。

祭り・往来

1:01
巨大な行灯みたいな山車で勇壮に町中を巡るお祭り。
石川県七尾市石崎町のこちら↓

石崎奉燈祭(いっさきほうとうまつり)W

最初のショットはこちらの道のこういったアングル↓ カメラ東向き。

ここは設定上は柏崎で、お祭りの映像をそれっぽく編集でつないでいる感じですね。

祭り・境内

引き続き祭りで賑わう神社の境内。
監察札を用意しなかったばかりに、平太郎がその筋の男たちに連れて行かれてしまいます。
原作では柏崎の薬師堂。
撮影場所は、鬼太鼓がパフォーマンスしていた事から、そちら方面の神社をあれこれ画像でチェックしたところ、直江津のこちら↓であることがわかりました。

八坂神社(上越市)

映画では瓦葺きですが、現在は改修を経て少し雰囲気が変わっています。

平太郎が連れて行かれた時におりんが触れている狛犬は、こちら↓のブログ様で確認できました。

阿吽探訪 狛犬と仁王像 > 直江津・八坂神社 <新潟県上越市>
https://aunkomainu.at.webry.info/201110/article_3.html

こちら↑の中ほど、3対の狛犬の右下の画像が映画とほぼ同じアングルで、背景も一致しているので、これで正解かと。
すっかり顔の部分や胸元の紋様がとれてしまっていますが、狛犬って40年でこんな風になってしまうものなのでしょうか?

海岸

おりんが平太郎と泣く泣く別れる松林は、資料がないと難しそう。

現場で捜査に当たる長岡警察の今西に桑山正一さん。次の場面でおりんに直接聞き込みします。

おたまと出会った寺

1:17
樹木希林さん演じるおたまと出会ったのは、原作での設定では黒川の六地蔵。
映画では廃寺にしか見えませんが、画像で絞り込んでいったところ、佐渡の現役のお寺でした。

清水寺(せいすいじ)W
http://www.sado-seisuiji.jp/

こちらの観音堂(救世殿 ぐぜでん)。
枯れ葉をまいて、荒れた感じを出したのでしょうね。

おたまは3年前に落とされた長岡瞽女という設定。
その後しばらくおりんと同行することになります。

尾行

1:20

おりんとおたまを今西が尾行する通り。
海のすぐ近くのようです。手前に特徴的な煉瓦の煙突。
粘ればわかるかも。

ここで「わからないわからない♪」と歌って踊っていた2人組。
エンドクレジットは出演順になっているようですので、それから考えると、ひとりは矢崎滋さんで、もうひとりは新井和夫(量大)さんとなるはず。
遠景だけなので、お顔はHD放送版でも判別できませんでしたが、「文明開化というけれど♪」の部分の声は矢崎さんのように聞えます。

長岡警察署

1:21
玄関内は雰囲気ありますが、不明。

ここで登場した陸軍憲兵中尉袴田虎三に小林薫さん。まだお若いですね。
安部さん演じる別所に比べると、こちらは権力そのものなので、より怖いしタチが悪いです。

老婆と孫

原作にもある絶望的なエピソード。
お婆さんは原泉さん。

発見された海岸は、おそらく佐渡のどこか。粘ればわかるかも。
そこで説明した地元の人に伊達三郎さん。

石灯籠

1:30
おりんとおたまが後ろ姿で通り過ぎるところ。

佐渡の春日崎(かすがざき)。

善光寺

原作では、若狭の片手観音堂で再会しますが、そちらでは撮影は難しかったのでしょうか、映画ではホンモノの善光寺が登場します。
ここで善光寺とは唐突な印象もありますが、たしか映画の最初の方で善光寺のあたりも回っていることが台詞で示されていたように思います。

山門が写る前のショットで牛が通り過ぎていきますが、善光寺で牛って、ちょっとベタなような……
ここで最初の方に出てきた万才コンビがちらりと登場しています。

1:31

帰りがけに平太郎と感動の再会。
それを見届けて去って行く時の樹木希林さんの表情が完璧です。
樹木さんの出番はここまでですが、目を閉じてばかりの岩下さんに対して、目を開けてばかりの樹木さん。どの場面も本当に素晴らしい表情と演技でした。

鉄橋

1:38

大井川鐵道大井川本線青部駅と崎平駅の間。川は大井川。

「まばを(濱小) OBAMA」という設定。撮影場所は調査中。
『愛妻物語』でもメモしましたが、和文は右からでも英数字は左から書くというややこしさ。
そういえば、最近あまり見かけませんが、商用車の右サイドもよく社名が右から書かれていて、その場合も電話番号は左からだったような。

小舟が浮かぶ川

1:39
駅のショットの後、小舟が浮かぶ川を大八車を引きながら渡ります。
最初は景観から新湊市(現・射水市)の内川かと思いましたが、マップではうまく照合できませんでした。
エンドクレジットの<協力>にある氷見市のこちらが正解のようです。川は上庄川(かみしょうがわ)。

橋自体は架け替えられているでしょうか。
その後川沿いに歩きながら倉庫の前を横切り、お年寄りの一団とすれ違いますが、このあたり↓

橋を渡りきったところから、少し川上にバック。渡ったばかりの橋へ向かって進んでいます。

背景の倉庫は建て替えられているかもしれませんが(おそらく改修のみ)、フレーム右端にギリギリに見えるレンガ風タイル貼りの建物は、富山新聞の販売所のもので、現在もそのまま確認できます。

逮捕

1:41
逮捕された海岸は、周囲が写るショットがあるので粘ればわかるかも。

瞽女屋敷・再

久方ぶりに里見の瞽女屋敷に戻り、玄関を叩くおりん。
正面から外観が写るのはこれが初めてでしょうか?
これだけではさすがにどこだかわかりません。

話しかけてきたお婆さんは田中筆子さん。岩下さんと並ぶと、本当に小柄ですね。
いろいろな映画でお婆さん役をされていますが、この後エントリー予定の『夜叉ヶ池』(79)『津軽じょんがら節』(73)でも登場。どこに出ているかはお楽しみ♪

ところで屋敷にいた黒い猫様はいったい何歳??

最後の姿

1:54
抜け殻のようなおりんが去って行く街道。
街道沿いの建物は、みな年季が入っています。
奥の方にかろうじて電柱が頭を覗かせていますが、この通りには電信柱ひとつ立っていません。
このまま今も残っているとは思えませんが、とても気になるので調査中。

直前どこかの軒先で門付していますが、これが現在のDVDのジャケットになっている場面ですね。
どこかゼイラム……(#連想すると台無し)

トンネル

1:55

親不知隧道Wの北東側の出口。

親不知と言えば、「越後つついし親不知」ですね。昔から新潮文庫で「おりん」とセット。

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個人的にはこのラストは少々描きすぎにも感じました。
なんかこう……ひとり去って行くところで終わっても良かったような……。

その後おりんは、うまいこと逃げ出した平太郎と再会し、日傘を差して大八車に乗り、今も全国を二人で回っているんですよ、きっと。 (#夢想すると台無し)

資料

更新履歴

  • 2020/11/25 誤記修正(阿部→安部)
  • 2020/11/22 新規アップ

コメント

  1. 赤松 幸吉 より:

    「竹山ひとり旅」同様にこの映画も丹念にロケ地をまとめていただきました。何年経とうがこの映画に深く感動したファンが最終的にこのサイトを訪れることでしょう。

    篠田正浩監督作品で(個人的に)素晴らしいと思ったのは「心中天網島」と「はなれ瞽女おりん」2本しかありません。特に、後期の空虚な大作群は凡打の連続、「スパイ・ゾルゲ」(2003年)を最後に映画監督からの引退したのは賢明であった。
    これが新藤兼人や山田洋次のように百歳近くまで撮り続けていたとしたら、悪夢だったと想像する。

    カメラを通して見る「はなれ瞽女」の北陸(若狭)地方の風土や風景は、「竹山」の東北(津軽)地方に比べてマイルドな気がします。それだけ東北地方の方が気候条件や生活環境が厳しいということでしょう。

    「おりん」の初潮で、真っ白な雪の上に真っ赤な鮮血が流れるという印象的なシーンがあったと思いますが。

    安部徹(別所彦三郎)の表記が何か所か「阿部」になっていました。

    「夜叉ヶ池」は泉鏡花の幻想物語に世界各地の有名な瀑布(観光地)の映像を次々と挟み込んでいましたね(「兼高かおる世界の旅」ではないぞ)。

    こんな間抜けな映画があるものか、これには胃もたれしました。
    興行成績は大コケ、散々たる結果だった。当たり前だ!

    「津軽じょんがら節」はもう少し時間をください。じっくり読ませてもらいます。

  2. 居ながらシネマ より:

    赤松 幸吉さん、コメントありがとうございます。
    おお、赤松さんと波長があいました。そうなんですよね、この監督さんはどうもピンとこず……ただ映画や監督についての感想などは人それぞれが当たり前なので、ファンの方がお読みになって気分を害されたら、どうぞスルーしてやってくださいませ。
    にしても、『はなれ瞽女おりん』は堪能できた映画でした。今回見返してみても感想は変わらず。ロケ地情報が全然なくても、探索自体とても楽しめました。

    『夜叉ヶ池』の瀑布は各地の組あわせでしたか。イグアスで決め打ちしてしまいました。でももうこの映画についてこれ以上調べる気力がありません……

    それから「阿」の件チェックありがとうございました。誤表記はできるだけ減らしたいので、これからもびしびしチェックよろしくお願い致します。

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