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『恋するガリア』 Galia (1966)

恋するガリア [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『スローターハウス5』ではバッハの器楽曲が印象的に使われていましたが、「ピアノ(チェンバロ)協奏曲第5番ヘ短調 BWV1056 第2楽章」については、こちらの映画が先駆け。
本来のチェンバロの他、ストリングスやスウィングル・シンガーズのだばだばにアレンジされて流れます。
特にだばだばは、おサレな雰囲気を醸し出し、ストーリーは忘れても(汗)、モノクロのヴェネツィアの映像とともにあたかもPVのように記憶に残ることとなります。

Going Baroque

セカンドアルバム”Going Baroque”(1964)W収録。

 
 

 
ヒロインの恋するガリアにミレーユ・ダルク。
彼女あってのこの映画。ツンとした美人さんではなく、どこか親しみやすい可愛らしさ。それにコケティッシュな魅力もしっかりとフィルムに収められていて、映画としてはこれで十分かと。
大きなお世話ですが、まだアラン・ドロンとお付き合いする前でしょうか。

セーヌ川に飛び込んだところを助けた女性ニコルにフランソワーズ・プレヴォー。
その夫で「株式會社日証印刷」のハッピがステキすぎるグレッグにベナンティノ・ベナンティーニ。

監督ジョルジュ・ロートネル。ミレーユ・ダルク出演作は本作の他、『女王陛下のダイナマイト』(66)、『太陽のサレーヌ』(67)、『牝猫と現金』(68)、『狼どもの報酬』(73)、『愛人関係』(75)、『チェイサー』(78)等々。
撮影モーリス・フェルー、音楽ミシェル・マーニュ。

気になるクルマがいろいろ出てきますが、例によって驚異のサイトIMCDbをご覧ください。

http://www.imcdb.org/movie_192056-Galia.html

▼23/8/7 追記
milouさんから、公開当時のパンフレットの画像を提供していただきました。
いつもありがとうございます♪

milouさんからご提供
milouさんからご提供
milouさんからご提供
milouさんからご提供

ロケ地

IMDbでは、

Étretat, Seine-Maritime, France
Paris, France

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

タイトルバック

海辺はモノローグでも伝えられるように、こちら↓

Étretat(エトルタ)W, Seine-Maritime, France

最初のカットはこちらの浜。

奇巌に圧倒されますが、まさにルパン・シリーズの『奇巌城』Wのモデル。
原題は«L’Aiguille creuse»(空ろの針、尖峰)ですが、なんとも素晴らしい邦題です。

奇巌城―怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック) これはなつかしいですね 🙂
文庫サイズの復刻版ですが、子供の頃夢中になって読んだのは、同じ装幀のもう少し大きい判型でした。

映画に戻りまして、モノローグはこの眺めから始まります。

※16/3/2追記
milouさんから画像を提供していただきました。
いつもありがとうございます♪

撮影はすべて86年7月とのことです。

海岸から右に見えるアモンの断崖。

断崖の上の教会はChapelle Notre-Dame de la Garde 。

断崖にある記念碑。

映画と同じ眺めですね。

セーヌ川

ニコルを助けたのは、ドゥブル橋の西側。
『突然炎のごとく』でジャンヌ・モローが飛び込んだのも同じ橋(東側)。

※16/3/2追記

こちらはmilouさんから以前提供していただいた画像です。
撮影は77年7月とのことです。

グレッグのオフィス

0:18
ガリアが偵察に行ったところ。
台詞ではヴァンドーム広場近くのギャラリー。

クルマを停めていたのは南西側このあたり。

バックミラーで後ろをチェックしていますから、グレッグの店は南西の奥にありそうですが、実際に女性連れで出てくるカットは、南東側のこちら。現在Diorがあるところ。

クルマで尾行したのは、南側のこちら↓

進入禁止のためバックで曲がっていったのはここの角↓

グレッグがアルファロメオを停めていたのはどこでしょうね??

カフェ

何度か登場するカフェ。
店の名前をセリフで言った上に看板もしっかり写したりして、タイアップ感が強いです。

Le Select

『勝手にしやがれ』でも登場。

ベニス

バッハが、本来のチェンバロとだばだばで流れて雰囲気を盛り上げます。

ホテル・ガブリエリ

『赤い影』でも登場していました。

水辺のレストラン

『赤い影』で工事をしていたところ。

左手奥に見えるのはサンタ・マリア・デッラ・サルーテ。

以前milouさんに提供していただいた画像ですが、正にこのアングル。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は2010年とのことです。

夜の広場

だばだばが流れ始めるのは、サン・マルコ広場。

翌朝

朝もやの中で抱き合っていたのはこちら。

運河沿い

その後着替えたのはこちら。

ガリアの住まい

ヴェネツィアから戻ってきた時に、タクシーから降りてこのあたりを横切っています。

遺体安置所

クルマを停めたのはこちら

建物入り口は

この建物は『リスボン特急』で法医学研究所として登場。

橋は、オステルリッツ高架橋。

こちらも以前milouさんから提供していただいた画像で、1993年撮影とのことです(いつもありがとうございます♪)

ロケ地マップ

ヴェネツィアを中心に
(パリやエトルタはスクロールしてご覧ください)


より大きな地図で ヴェネツィアが舞台の映画 を表示

資料

更新履歴

  • 2023/08/07 「作品メモ」にmilouさんご提供の画像をアップ
  • 2016/09/29 各画像のリンクを旧Picasaウェブアルバムからアルバムアーカイブへ変更
  • 2016/02/29 新規アップ

コメント

  1. ほりやん より:

    今回ツタヤのレンタルで初めて観たのですが、ミレーユ・ダルクの魅力炸裂ですね。ストーリーもけっこうハラハラさせられましたし。

    (グレッグがアルファロメオを停めていたところ)

    グレッグの車をガリアの車が追いかけて行く時、背景の建物に「63」と読み取れるようなプレートがあるのですが、どこの通りかわからないので、パリの地図帳(通りの横に数字が付いているもの)を参考にして、ここかな、ここかなとSVにあたること十数回、目がしょぼしょぼするまで探し続けると、それらしきものを見つけました。「63」のプレートが付いている飾り物や、左前方に見える建物の形が似ていることから、ここだと思ったのですが。

    63 Rue Taitbout, Paris

  2. 居ながらシネマ より:

    ほりやんさん、こちらでもコメントいただけるとは、ありがとうございます。
    ホントこの映画、全体が彼女のプロモーションビデオですよね。

    アルファロメオを停めていたところですが、63 Rue Taitboutですとこちら↓となり……
    https://goo.gl/maps/tkvbWeEimvKYhS2X9

    残念ながら映画とはちょっと違うようですね。
    ただ「63」や前方の建物はたしかに大いなる手がかりになりそうですので、粘ればきっと判明するかと思います。
    あとは時間と目の疲労との勝負となりますが、くれぐれもしょぼしょぼする程度にとどめておいて、健康第一で余暇をお過ごしくださいませ。

    余談ですが、パリは街路がどこも似たりよったりで、住んでいる人は迷ったりしないのかと心配になります(だから日本と違って通りの標示がしっかりしているのかと思いますが)。

    さらに余談ですが、AXNミステリーで最近『ジュリアとノヴァク 幼馴染みの捜査ファイル』を見た時、ヒロインの実家からエトルタの「奇巌城」が見えたので、このエントリーを久々に見返したところでした。

  3. ほりやん より:

    違ってましたかー、 ざんねん!

    キャプテンはテレビ映画も詳しいですね。私は最近はあまり見ないですが、以前はウィーンの警察犬REXや聴導犬リーヴァイが活躍する刑事物とかが好きでした。モンクもよく見ましたが、20年ぐらい前に放送していた「エド ボーリング弁護士」が一番気に入ってました。

  4. milou より:

    何年か振り(?)のロケ地チェックです。
    その前に僕がこの映画を見たのは 1967年1月7日
    大阪梅田の東宝試写室だった。つまり見るのは
    半世紀以上振りだが、ほとんど覚えていなかった。
    ところが日本公開は 66年12月24日になっている。
    つまり今でも”田舎都市”大阪では公開が東京より
    1ヶ月程度遅れることがあるが、この映画も
    大阪では1月末ぐらいの公開だったのだろう…

    さてロケ地探索だが、まずガリアが働いている(?)
    ブティックは最初に登場する時 ガリアの頭の上に
    Dorothee Bis という文字が見え 58分頃に服を買う店が、
    やはり Dorothee Bis で、やや不自然だが住所は
    39 Rue de Sevres と、ありえない不自然さで明示される。
    もはや建物は建て替えられ断定はできないが
    ウィンドウに写っている斜め向かいのビルの屋上の柵は
    確かに百貨店ボン・マルシェの柵に似ているし、しつこいほど
    何度も登場するセレクト同様、これも協力の宣伝だろう。

    さて グレッグのギャラリー(?)だが、記事は現 Dior(8番地)
    としている。しかし、SVを見ると店の左手通路入口下左右に
    1メートルほどの円錐形に近い石の何かがあるが、映画では
    金属らしき小さな円錐形しかない。そこで少し左に寄ると…
    隣の 10番地、現 Patek Philippe 横の通路下には映画と同じ
    金属の円錐形が見え、さらに左隣 12番地の Chaumet 横にも
    同じ金属の円錐形がある。
    ちなみに 18番地の Chanel には Dior と同じ石の円錐形がある。
    ただし 24分頃グレッグがギャラリー (宝石店?) から出てくる
    直前には、これ見よがしに8の標識を見せるし18:49 頃に
    ニコルは彼のオフィスは8番地だと言う(字幕には出ない)、
    カットは変わるので8番地の建物から出たと言い切れないし
    映画では8の標識からアーチのカーブが始まっていて
    現在の番地表示の場所とは異なっている。

    次にモルグの場面で車を駐める場所として記事のSVでは
    映画のように向こうの橋のアーチが見えていないので、むしろ
    https://goo.gl/maps/2kt9C3ZpUyLi1AVz5
    とすべきだろう。

    ところでグレッグ(ニコル)の自宅を字幕ではモンターニュ通り 44番地
    と出る。ところがパリの地図を調べても Montagne という通りはない
    (ただし2006年版の地図では Square Robert Montagne が登場している。
    音の近い地名では有名なモンテーニュ通り(Avenue Montaigne) が
    8区にあり、よく聞くと映画でも Avenue Montaigne と言ってるようだし
    次の日の夜、ニコルと家に行く前に凱旋門写る。
    つまりモンテーニュ通りが正解だろう。

    なおパリのすべての道路には名前が付けられ、1つとして
    同じ名前の通りはない。
    ただし、例えば Bd.St-Jacques、Rue St-Jacques、Pl.St-Jacques
    のように後ろが同じものは多く存在する。
    そして番地の付け方も多くの都市同様、道路の左右で奇数・偶数に
    分けられセーヌを中心に(一応)南北の通りはセーヌから離れるほど
    番地が大きくなり、(一応)東西の通りはセーヌ上流(東)が若番になる。
    つまり例えば東西に走るBd.サン・ジェルマンや南北に走る
    Bd.サン・ミッシェルにいれば地図がなくても方角が分かり
    ロンドンと違い住所が分かれば必ず目的地に到着できる
    (ガイドブックに、なぜこの基本ルールを載せないのか不思議)

  5. ほりやん より:

    milou様

    試写室で観られたとはすごいですね!

    (金属らしき小さな円錐形)

    よく見つけられましたね。それにしてもこれは何に使われるものなのでしょうか。

    (ウィンドウに写っている斜め向かいのビルの屋上の柵)

    柵に付いている文字が、「AU B*****CHE」と読めます。現在のSVを見ると定冠詞が付いているだけですが、映画のほうは前置詞が付いていましたね。服を買ったのはボン・マルシェの斜め向かいのお店で間違いないでしょう。

    (モルグの場面)

    二人がモルグに入る前のシーンは、

    https://www.google.com/maps/@48.845418,2.3672613,2a,75y,157.96h,90t/data=!3m6!1e1!3m4!1sqW1avTS8CWNPxWIlfMxbEQ!2e0!7i13312!8i6656?entry=ttu

    前方にモルグの入り口が見えます。画面を拡大すると右前方にオステルリッツ駅が見えます。

  6. milou より:

    オフィス(ギャラリー)の場所を整理してみると、
    まず台詞で Place Vendome,c’est la,numero huit と
    ヴァンドーム広場の8番地だと言い 8を大写しするので
    設定上は現 Dior に間違いない。
    (それにしても一目瞭然なのに、字幕では
    ヴァンドーム広場の近く、ってひどすぎない?)

    問題の石と金属だが広場を一周してみると
    通路に石があるのは 6,8,18,20,22,24 番地
    金属は 10と12 番地のみ(扉が閉まっている箇所は不明)

    何のためのものかは推測だが金属は馬(車)を繋ぐため
    日本語では 馬駐の鐶、というらしいフランス語は探せず…
    おそらく石はあとから設置されたもので車の進入防止用かも。
    つまり8番地の石の向こうに金属が隠れているかもしれない。
    そして現在のSVと撮影時の建物の構造が同じとは限らないが
    映画では門のすぐ右横が店の入り口のドアだがSVを見ると
    6,8,10,16,20,22,24 番地以外はドアを設置できる構造ではない。
    現在隣がドアなのは 16番地の Gucci と 20,22,24番地の Van Cleef のみ
    しかし通路に入った右手ドア横の円柱が8以外では確認できない。
    したがって結論としては設定通り8番地で撮影後に石が設置されたと…

  7. milou より:

    54分過ぎ、ガリアがヴェネツィアから自宅に戻る時
    (彼の車を降りてから、タクシーに乗ったようだが何か不自然)
    バックに見えているのはノートルダム寺院南側のバラ窓で
    アパルトマン入り口は 73 quai de la Tournelle になる。
    木のドアは今も変わっていない。ただ部屋の窓から見える
    景色にはサン・ジェルマン・デ・プレ教会の鐘楼に似た尖塔が
    見えるが周りの風景などは一致せず、おそらく室内は別の場所、
    あるいはセットの可能性もある(あの建物にしては広くて立派すぎる)
    ところで
    12分過ぎ、ガリアがグレッグの自宅に行った場面のモノローグで
    “亭主のベッドには探偵小説”とあり右側にはイタリア語の本で
    「Masters non ci vede chiaro di Ellery Queen」 とある
    検索すると、当然同じ本が見つかったが
    英訳すると”Masters doesn’t see it clearly” になるが
    クイーンの作品に該当するものが見つからない。
    妻の方は字幕では小説だけだが、台詞はヌーヴォー・ロマンで
    まさにロブ=グリエの「消しゴム」が置いてある

  8. ほりやん より:

    milou様

    エラリー・クイーンの小説は “Blow Hot, Blow Cold”ですね。

    https://archividiuruk.wordpress.com/2017/12/12/masters-non-ci-vede-chiaro/

    翻訳もありました。「熱く冷たいアリバイ」(森沢くみ子訳・原書房)

    Wikipediaによると「クイーン名義だが、実際にはミステリ作家のフレッチャー・フローラが執筆した作品である。」

  9. 居ながらシネマ より:

    milouさん、
    ロケ地チェック復帰ありがとうございます。
    自分の記事は間違いが結構あると思いますので、ご遠慮なくツッコンでください。
    詳細なレポート含めて、後ほど記事のほうに反映させていただきます。
    それにしても、そんな昔の(失礼)試写会からすでに鑑賞メモを付けられていたのですね。自分はその頃きっと近所の映画館で「大魔神」とか「ガメラ」を口をぽかんと開けて見ていたことと思います。

    ほりやんさん、
    いえいえいつも書き込みありがとうございます。
    自分はもう近眼、老眼、白内障、緑内障と役がそろってきましたのでペースダウンしていますが、少しずつでも記事を更新していきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

  10. milou より:

    ほりやん さん
    「熱く冷たいアリバイ」で正解ですね。

    ウィキを調べるときに英語版で“Masters”を捜したので
    該当しなかったがイタリア語版を見れば、そのまま

    Masters non ci vede chiaro の題名がありました(大失敗)
    ありがとうございました。
    ちなみに本がイタリア語であるようにグレッグはイタリア人(系)で
    台詞にもしばしばイタリア語が出てきます。
    imdb でも役名は Greg だけだが玄関マットに“GC”とあるように
    姓は C で始まるようです

  11. ほりやん より:

    milou様

    こちらこそ、クイーンの小説を教えてくださり、ありがとうございました。

    ガリアを征服したということで、Cesare ← Caesar のCではないですか?

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