『幸福号出帆』 (1980)

幸福号出帆 [VHS]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『津軽じょんがら節』(73)は、70年代絶好調だった斎藤耕一監督の代表作ですが、こちらは80年代最初の作品。

原作は三島由紀夫『幸福號出帆』。

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確か当時出ていた集英社文庫版では帯に映画のスチルを使っていて、それに釣られて買い求めた記憶がありますが、もはや手元にないので確認のしようもありません。

なにせ三島文学というと、独特の文体やペダントリーが結界のように張り巡らされていて取っつきにくい印象がありますが、その中ではずいぶんと読みやすい部類に入るかと思います。おそらく新聞の連載小説だったということもあるかもしれませんね。
内容的に様々な登場人物が出入りして、とらえどころがない印象もありましたが、Wikipediaを見たら『鏡子の家』の原型のような立ち位置だったようで、なるほどと思いました。

で、その映画化である本編ですが、さらにとらえどころが無くなったといいますか、ちょっと何言ってるのかわからない状態。
原作通り様々なキャラクターが次から次に出てきて不思議空間を作っているのですが、感情移入しづらいため誰がどうなってもこちらのハートにはなかなか届きません。
主演藤真利子さんの他、加藤治子さん、岸田今日子さん、江波杏子さん、岡田英次さん、森本レオさん、佐藤允さん、中尾彬さん、高峰三枝子さんと、何気に凄いメンバーなのですが……

映像的にも、70年代の作品に見られた魔法のような魅力が薄れてしまっているような……。
そうなると斎藤監督の場合ちょっとつらいかも……。
残念ながらこの『幸福号出帆』のあとは、8年後の『青い山脈』(88) と、間が空いてしまうことになります。

三島文学はかなりの数が映画化されていると思いますが、この原作のように比較的映画化しやすそうなものに見えても、意外と難しいのかもしれませんね。
そのあたり原作者ご本人がどう感じているか聞いてみたい気もしますが、もはや望むべくもありません。
本日11月25日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地であの事件が起きて、ちょうど50年の歳月が流れてしまいました。

ロケ地

密輸の話が出てくるためか、横浜が多く登場しているように見えます。

展望台

望遠鏡で「兄さん」を見ていたのは、横浜のマリンタワー。

兄さんを演じたのは倉越一郎という方ですが、これ一本だけみたいですね。
設定では父親がイタリア人で母親が日本人ですが、そんな雰囲気をたっぷり漂わせたルックスでした。

長い階段

0:58
千代田区神田猿楽町の男坂。
映画に出てくるのは下の方。
猿楽通りの明治大学の校舎の傍を進むとここに出ます(そのまま上っていくと、とちの木通り)。

男坂、女坂という言い方も、そろそろポリコレ的にひっかかるのかも?? 🙄

幸福号が停泊していたところ

1:18
横浜のこちら↓

映画でも映っていますが、このあたりは貨物線が通っていたところで、鉄橋は今でも残っています。

税関

1:32
税関吏の富田が出てくるところ。
ホンモノの横浜税関。

1Fは博物館のようになっていて、ご禁制の品々(イケないお薬や、偽ブランドものなど)が展示されています。
前から気になっていますが、入口脇に立っている税関のマスコットは、見ようによってはまんまちゃんにも見えますが、もちろん偽ブランドとかではなく独自のキャラクターです ( ̄-  ̄ )

©2015 inagara

資料

更新履歴

  • 2020/11/25 新規アップ

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