『輪舞』 La ronde (1964)

ジェーン・フォンダ 写真(中) Portrait Photograph #17 映画

作品メモ

『アルファヴィル』『ラ・ジュテ』ときて、しばらくは作家性の強いSFものを続けていこうと思っていましたが、多忙になったため中断中。
気がつけば年末も間近。
ぜひ書いておきたいことがあり、内容のないエントリーですみませんが、ひとつアップしておきます。

もう一月以上経ってしまいましたが、先月石上三登志さんがお亡くなりになりました。

当サイトでは、できるだけひとつ前のエントリーからのつながりで次のタイトルを決めるようにしています。 実際にはその時の気分でかなりいい加減につなげていますし、当サイトに来てくださる方のほとんどが検索サイトから直接各ページへいらしているので意味のないやり方なのですが。
実はこのつなげ方、70年代に『奇想天外』誌で連載されていた石上さんの「WHO’S WHO of WHO」(『地球のための紳士録』)からヒントをいただいています。
映画やその周辺にまつわる人名辞典なのですが、ひとつ前の人物となんらかの関わりがあった人物が次にきて……といった具合にバトンタッチといいますか数珠つなぎで並べられている構成が特徴的でした。
扱われた人物やジャンルは多岐にわたり、その博覧強記ぶりに圧倒されましたし、次にどこへつながっていくのかというリンクの面白さにも満ちていたように思います。
他にも映画雑誌などでSFやミステリー、さらには岡本喜八監督作など自分が好んで見ていたような映画に関して健筆をふるわれていて、楽しませていただきました。
なによりお書きになる文章にそういった映画に対する深い愛情とリスペクトが感じられて、とても親しみを覚えたものです。
自分のつたないサイトでも、内容は到底及ばないにせよ、せめてそういった気持ちだけは失わずにいきたいと思います。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

「ひとつ前からのつながり」スタイルとくれば、シュニッツラーの戯曲「輪舞」。
タイトルそのままの映画化はモノクロのマックス・オフュルス版(1950年)とカラーのロジェ・ヴァディム版(1964年)。
どちらもDVD化されていてレンタルもあるので気軽に見ることができます。
ただしほとんどスタジオ撮影に見えますので当サイト的には記事にしづらいところ。
ロジェ・ヴァディム版はかろうじて外の景色が写るので、今回はこちらをアップしておきます。

監督ロジェ・ヴァディム、脚本ジャン・アヌイ、撮影アンリ・ドカエ、音楽ミシェル・マーニュ。

物語と登場人物

この映画の人物紹介は時間軸に沿って並べていけば良いのでやりやすいですね。
原作はウィーンですが、映画は1913年のパリ。

通り過ぎる男達に営業を掛ける娼婦にマリー・デュボア。
彼女の相手となった兵士にクロード・ジロー。
彼とダンス・ホールで踊り夜の庭でさらに親密となったメイドにアンナ・カリーナ。
彼女が働く家の息子にジャン・クロード・ブリアリ。
彼のお相手の人妻にジェーン・フォンダ。
彼女のリッチな夫にモーリス・ロネ。
彼がレストランの「特別室」に連れ込んだ娘にカトリーヌ・スパーク。
彼女に街で声をかけてきた詩人にベルナール・ノエル。
彼がよりを戻した女優にフランシーヌ・ベルジェ。
彼女にアプローチしてきた若い貴族の将校にジャン・クロード・ブリアリ。
彼が目を覚ましたときに隣で寝ていた娼婦にマリー・デュボア。
……とこれで一周。

ということで、主な10人のキャストはなかなか豪華。
クレジットはアルファベット順になっているようです。
スターがいっぱい出演するこういった映画はアルファベット順か登場順にしておくのが無難なのでしょうね。

ロケ地

IMDbでは記載がありません。
本編中は大半がスタジオ収録と思われます。
何ヶ所かは屋外のようなカットもありますが、ほとんど判別不能。

OPタイトルバック

エッフェル塔に続いて、パリのいろいろな場所が細かいカットで登場。
たとえば、FRANCOIS DE LAMOTHEがクレジットされる時の背景は、シテ島を北東側から。

※2012/12/23追記
コメント欄でmilouさんに細かくチェックしていただきましたので、それをもとにこちらにまとめてみました(ぜひコメント欄もあわせてご覧ください)。

エッフェル塔

北西側シャイヨ宮方面からの眺め。

Schnitzlerのバック

調査中。

丸いシンプルな噴水

調査中。

Michel Magne のバック

後でも出るヴォージュ広場。

最初のセーヌ

前述通り、シテ島を北東側から。

続くセーヌ

Pont Carrouselを南西から見たもの。

Assistants のバック

Grand Palais をアレクサンドル三世橋の右端ぐらいから見たもの。

夜景

コンコルド広場北側の噴水Fontaine des Fleuves からマドレーヌ寺院を見たもの。

P1110024-tr 画像もmilouさんご提供のものです(いつもありがとうございます♪)。
撮影は2006年とのこと。

©2006 milou

アンナ・カリーナが手紙を書く直前の建物(12/12/23追記)

0:21頃の長く続く建物。 こちらもコメント欄でmilouさんにチェックしていただきました(コメント欄もあわせてぜひご覧ください)。

ヴォージュ広場。左のバルコニーが1つなので多分、広場の南西角から北を見る構図。

※参考画像
ヴォージュ広場が何度か登場しているので、milouさんから参考画像提供していただきました。 (いつもありがとうございます♪)

770821Voges-m どちらも広場の南の入口Rue de Birague からの写真。
こちらは、近くの店のウィンドウに飾ってあった100年ぐらい前の絵はがきとのことです。

©1977 milou

770822Voges-m こちらは現在(1977年)の写真。

©1977 milou

ラストの庭園

実はこのエントリー、本来この場所を見つけようとして何年か前に書き始めたのですが、手掛かり少なく下書きのまま放って置いたものでした。
はじめはヴェルサイユ宮殿の庭園かと思っていましたが、どうやら違うようです。
引き続き調査中。

というわけで、資料的には全く内容のないエントリーとなってしまいました。
(12/12/23追記 と当初書きましたが、milouさんのおかげでしっかり中身ができました。多謝です♪)
この際年末大掃除も兼ねて、このエントリー同様これまで下書き状態でずっとほったらかしだったものをまとめてアップしようと思います。
年内は前後のつながり無しで断片的な内容のものが多くなりますが、そうやっていったん下書きを空っぽにした上で、来年からまた新たに輪舞を始める予定。
少し早いですが、来年もまたよろしくお願い致します。

資料


『輪舞』 La ronde (1964)” への6件のコメント

  1. 「奇想天外」は何十冊か持っていたが日本を離れるときに全部処分。ただし単行本の「地球のための紳士録」と「男たちのための寓話」は今も持っています。

    さて『輪舞』をチェックしようと所有リストを見ると…持ってると思ったがなかった。
    偶然だろうがヴァディムの作品の漏れが多い。『輪舞』も『獲物の分け前』も当然録画しているはずなので放送されても録画しなかったのだが漏れていた。それでも10本ぐらいあったが多くは8ミリビデオでデッキが不調なのでノイズだらけ。トラッキングも(一応自動なので)調節できない。まあレンタルのあるものは、そのうち借りるとして、持ってないことに気づかせてもらって感謝??

  2. milouさん、『奇想天外』そんなにお持ちだったのですか。あれあまり紙の質が良くなくて変色も激しいので、私ももうほとんど処分してしまいました。

    『獲物の分け前』は録画したのを持っていてエントリーも書きかけたのですが、一番知りたかった場所がわからなかったので(確か彫像がごろごろしている公園みたいなところ)、うっちゃってしまいました。何かわかりましたら、エントリー立てることにします。

    8ミリビデオのままって、リスク高そうですね。膨大な数をお持ちなのでしょうけど、きっと貴重なものから順にデジタル化を進めていらっしゃるのでしょうね。
    私もここ数年VHSの山をどんどん変換し続け、かなり減ってきました。なんだか残り一生かかっても見切れないような気もしてきましたし、作業にかかった時間を考えると少し空しくもなってきたりしています。
    結局、寝っ転がってタブレットでhulu見ていられれば十分なのかもしれませんね。

  3. 早速レンタルで持っているものも含めヴァディムを5枚借りました。
    でもまあ…この作品は確かにタイトルバックの名所(?)も『ミッドナイト・イン・パリ』冒頭のように魅力的に見えるパリでもなく探しても意味がなさそう。とはいえ、まあ一応…

    まずはChams de Mars の Pl.Jacques Rueff の噴水前から見た定番のエッフェル塔。
    次のSchnitzlerのバック はGrand Palais にもレアルのBourse にも見えるが少し違い調査中。
    次の丸いシンプルな噴水はチュイルリー公園の真ん中 Allee Centrale を南東から見たもの、と思ったがバックがカルーセル門でもオベリスクでもなく再調査。
    次にMichel Magne のバックは後でも出るヴォージュ広場。
    最初のセーヌは記載どうりで続くセーヌはPont Carrouselを南西から見たもの。
    次のAssistants のバックは今度こそGrand Palais をアレクサンドル三世橋の右端ぐらいから見たもの。
    次の夜景は、これも定番のコンコルド広場北側の噴水Fontaine des Fleuves からマドレーヌ寺院を見る方向。

    本編が始まり最初の古そうな道路はいかにもオープンセット風だが60年代ならペリフェリック周辺に残っていたかもしれない。

    次に21分ぐらいアンナ・カリーナが手紙を書く直前の建物はヴォージュ広場。左のバルコニーが1つなので多分、広場の南西角から北を見る構図。さすがに右側の街灯(ガス灯?)も恐らく100年前から変わっていない。家はアンヴァリッド近くと言ったのは嘘?

    ラストの庭園も調査中ですが暗いので弧を描が芝生なのか池かが分かればヒントになるのだが…

  4. milouさん、もう5枚もレンタルされたって、展開早すぎです。
    ロジェ・ヴァディムはフランスの監督ではレンタルがそろっている方かもしれませんね。
    DVDが出ていなければ諦めもつきますが、エリック・ロメールみたいに高価なボックスセットのセル版しかないと、どうしたものだかかえって悩ましくなります。

    『輪舞』の細かいチェックありがとうございました。後で本文の方に反映させていただきます。

  5. milouさん、詳細な調査&画像提供どうもありがとうございました。
    短いカットでよくぱっぱっとおわかりになりますね。
    エッフェル塔の眺めは(向こう側に見えている建物から考えて)シャイヨ宮側からだと思われましたので、そこだけ手を入れさせていただきました。
    これチェックするときにGoogle Earthで建物を3D表示にしてみたのですが、噴水まで3D表現されていてびっくりしました。

  6. ありゃりゃ…
    エッフェル塔と噴水のアップとくれば普通は僕が書いたシャン・ド・マルスからの眺めが定番で
    シャイヨー宮からの風景はCMでよく使われる噴水は見えない高台の広いテラスからの眺め。
    だから噴水のアップに騙され確かめず “2つの”と書いたが、よく見ると噴水がたくさんある
    シャイヨー宮の小噴水(?)群でした。
    ちなみに20回以上パリに行ってもシャイヨー宮には一度も行ったったことがなく
    エッフェル塔も一度登っただけです。

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