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『行きずりの二人』 L’amour avec des si (1964)

行きずりの二人 [VHS]

作品メモ

昨年末のエントリー『ランデヴー』を書きながら、こちらを思い出しました。
やはりクロード・ルルーシュ監督作によるモノクロ映画で、クルマをぶんぶん走らせるお話となっていいます。

IMDbの監督としてのフィルモグラフィーで、劇場用長編としては、『Le propre de l’homme』(61)、『女を引き裂く』(64) に次いで3本目にリストアップされています。
64年ということで、『男と女』のスマッシュヒットの2年前。
日本での公開は、映画サイトに拠れば68年2月10日。
ソフトはVHSが出ていますが、DVDはおそらく未発売。

雪におおわれたドーバー海峡近くをクルマでひた走る男と、途中で乗せた女が織りなすドラマですが、カーラジオが脱獄した凶悪犯のニュースを伝え、通報を受けた警察が二人をマークするということで、展開はサスペンス寄り。

1968年映画パンフレット 行きずりの二人 クロード・ルルーシュ監督 ギィ・メレス ジャニーヌ・マニャン

「行きずりの二人」という邦題と監督名、さらにビジュアルがこんなんですから、『男と女』っぽいロマンティックな物語を期待してしまいますが、実際にはそんなわけでちょっと違う感じ。
でも監督独特の映像表現がすでにたっぷり盛り込まれているのを確認できて、その点は納得の内容でしょうか。

クルマを走らせる男にギイ・メレッス。

ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
IMDbで役名が「ロベール・ブラム」になってますけど、これって映画のラストはそういう意味だったということでしょうか??
以前見たときは全然オチに気づきませんでした(汗)

途中で乗せた女にジャニーヌ・マニャン(Janine MagnanW)。真知子巻きが似合いますね 🙂

監督・脚本クロード・ルルーシュ、撮影パトリス・プージェ、音楽ダニエル・ジェラール。

これは最初の部分ですが、カメラがいそがしいですね。

 
 

クルマ

男が乗っていたのは、1963年式シトロエンDS 19とのこと。

http://www.imcdb.org/vehicle_300337-Citroen-DS-19-1963.html

その他、登場するクルマについては、例によって驚異のサイト、IMCDbをご覧ください。

http://www.imcdb.org/movie_142082-L-amour-avec-des-si.html 

 

ブルートス

ラジオで「オランピア公演大失敗の変テコ5人組」と紹介されてしまっていたグループですが、全然知りませんでした。
動画はYouTubeなどにたっぷりアップされていますが、ほぼ閲覧注意レベルです。

ロケ地

IMDbには記載がありません。 例によってウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

大半が雪景色。
方向を判定するのに重要な手がかりとなる日差しもほとんど見られず、苦労しました。

V字谷と海岸

0:11

男がクルマを停めたのは、突き当たりが谷といいますか、V字型に裂けている、ちょっと怖いところ。

ウェブマップでうろうろして見つけましたが、マップでは« Cran d’Escalles »となっています。
Escalles(エスカル)Wは近くの村の名。
この場合のcranってどういう意味でしょうね?

そのまま男は海岸へ降りていきますが、これまた絶景。
AXNミステリーで放送中のフランス絶景ミステリーシリーズに登場しても不思議はなさそう。

十字架

0:13
神父を乗せたところ。
調査中。

SVでも、このあたりでこういった十字架が立てられているのを確認できます。
ここではないと思いますが、一例として↓

男が車中で神父さまに何を話したのか、気になりますね 🙂

神父が降りたところ

神父の行く手に塔のようなものが見えますが、おそらく後述するオベリスクではないかと思われます。
となると場所は推定でこちら。

もしここで正解だとすると、この道を反対へ進んでいけば、すぐに最初に出てきたV字型の谷間へ出てしまいます。
この映画、一見ロードムービー風ですが、リアルな位置関係とは無関係に場面をつないでいる感じですね。

タイヤ交換

0:29
近くの道路標識はこうあります。

N 40
WISSANT 2
BOULOGNE 24

これがホンモノだとすると、このあたりのはずですが、未確認。

ヒッチハイカーを無視したところ

0:35
残念ながら乗りそびれた兵士の背景に、WISSANTという標識が見えます。

WissantW

おそらくこちら↓か……

あるいは、こちら↓かもしれません。

公道バトル

0:43

長いバトルの果てに入っていった村は、直前に標識を確認できたので判明しました。

Escalles(エスカル)W

この村は、V字の谷、オベリスク、神父が降りたところ等、これまで出てきた物件がすべて近くに集まっています。

2台のクルマは、村の北側から突入し、こちら↓でようやくブレーキをかけています。

人歩いてるし、GTAじゃないんだから(汗)

バトルの相手は、IMCDbに拠れば、63年式プジョー404 グランツーリスモ。

http://www.imcdb.org/vehicle_300340-Peugeot-404-1963.html

 
 
 

レストラン

主人が警察に知らせた店。

0:50頃外観が写ります。
場所は不明。
なんだか『フリック・ストーリー』で最後に張り込んでいたところみたいですね。

オベリスクがある崖

0:51
レストランの後、立ち寄った崖。

Cap Blanc NezW

前述のようにこれも最初の方のV字型の谷間のすぐそばです。

ホテル

0:58
暗くなってからやってきたのは、前述Wissantのこちらのホテル。

Hôtel de la Plage
http://www.hotelplage-wissant.com/

刑事たちの会話

1:16
会話が流れる間映し出されているフロントガラス越しのショットは、このあたり↓の下り坂。
やはり例のオベリスクが写っています。

灯台

ラスト、やってきたのは、カレー港の桟橋と航路標識。
オベリスクから10kmほど。

Port of CalaisW

カラーでは、こういった感じ。

ロケ地マップ

「フランス北西部のロケ地マップ」から、『行きずりの二人』の撮影地域を拡大

資料

更新履歴

  • 2017/01/11 新規アップ

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