『結婚しない女』 An Unmarried Woman (1978)

結婚しない女 [DVD]

“Independent ?”
“Trying to be…”

作品メモ

一つ前のエントリー『愛情物語』を書いていて、後半に登場する歩道橋がどこかで見たことあるな~とずっと引っかかっていました。
ようやく思い出したのがこの映画。
空撮から入る冒頭の場面に登場していました。

というわけで久々に見返した『結婚しない女』。
ニューヨークを舞台に、突然夫に浮気を告白され離婚するハメになったヒロインが紆余曲折を経て精神的に自立していく様を描きます。
当時も指摘されていましたが、「結婚していない女」を「しない」と主体的に訳した邦題は、なかなか巧み。
ちょっとあぶなっかしいけど自分の意思でしっかりと生きていこうとするヒロインを、マザースキー監督は淡々と……でも優しい視線で描いていきます。
となると出世作『ハリーとトント』と同工異曲のようですが、大きく異なるのがニューヨークがもうひとつの主役となっていること。
女友達同士のあけすけな会話、それなりのステータスがあるくせにダメダメな男たち、心理カウンセリングの様子等、ニューヨーカーたちの生態が織り込まれ、マンハッタンの様々な街角の描写もあいまって、かの地の空気と言いますか、雰囲気をうまく伝えてくれる映画となっています。

ヒロイン、エリカにジル・クレイバーグ。
夫マーティンにマイケル・マーフィー。
憎まれ役チャーリーにクリフ・ゴーマン。
画家ソウル・カプランにアラン・ベイツ。『まぼろしの市街戦』から10年。
娘パティーにリサ・ルーカス。
気が置けない友人たちは、スー(パット・クィン)、エレイン(ケリー・ビショップ)、ジャネット(リンダ・G・ミラー)。

監督・脚本ポール・マザースキー。
製作もマザースキーとトニー・レイ。
撮影アーサー・オーニッツ。
音楽ビル・コンティ。

マザースキーは、全米映画批評家協会賞、ニューヨーク批評家協会賞、ロサンゼルス批評家協会賞で脚本賞受賞。
ジル・クレイバーグはカンヌ映画祭主演女優賞受賞。
その他、アカデミー賞では、作品賞、脚本賞、主演女優賞にノミネート。
ゴールデングローブ賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、作曲賞、にノミネート。

マザースキー監督にとっても、ジル・クレイバーグにとっても代表作。
なのになかなかDVDが登場せず、昔の地上波放送の録画やレンタルVHSの画質でガマンを強いられてきました。
ようやくアメリカでは数年前、日本でも昨年DVD化。
同時に『ハリーとトント』や『グリニッチ・ビレッジの青春』もDVDで登場し、マザースキー監督作品のソフト状況は一気に好転。
残念ながらレンタルはされていないようですが、画質は上々ですので購入しても損はないかと思います。

ビル・コンティ

マザースキー監督とは『ハリーとトント』、『グリニッチ・ビレッジの青春』に続いて3本目。
『ロッキー』同様、ひとつのテーマをアレンジしながら繰り返し使う手法で、特にラストの盛り上りではアレンジが冴え渡っていました。
彼の音楽、ニューヨークという町にとても良く合っているような。
(『ロッキー』はフィラデルフィアですけど……)

ビル・コンティが曲を書いたニューヨークが舞台の映画で、当サイトでとりあげているもの。

『結婚しない女』と『ふたりでスローダンスを』はサントラLP買って繰り返し聴いたものでした。

女性映画ブーム

確か77~78年頃、女性を主人公にした「女性映画」なるものがブームとなっていました。
思いつくままに並べると、『愛と喝采の日々』、『ジュリア』、『ミスター・グッドバーを探して』等々(『グッバイガール』も入るかな??)。
『結婚しない女』はその代表選手。

その一方で70年代後半は『スターウォーズ』に端を発したSF映画ブームもありました。 ということは、『エイリアン』(1979)は女性映画ブームとSF映画ブームが合体した最強の映画なのかも……

ジル・クレイバーグ死去 (2010/11/7追記)

5日に慢性リンパ性白血病のため亡くなったとのこと。66歳。
エントリー書いたばかりのところで訃報に接してしまいました。
近年ではテレビドラマの『ダーティ・セクシー・マネー』で元気な姿を見せていたのですが、残念です。

ロケ地

IMDbでは、

New York City, New York, USA

とこれだけ。
例によって映像をじ~っと見ていく他ありません。

冒頭の歩道橋

これが『愛情物語』に登場したところ。
形や位置は『愛情物語』と同じで、現在のものとは違います。
最初に映る橋は、クイーンズボロ橋 Queensboro Bridge W

スニーカーを投げるところ

上記歩道橋から800mほど北側。

こちらの歩道橋は映画中盤にまた登場します。

自宅

眺めが良いので周囲の建物などから位置がわかりました。
最初の歩道橋から西へ700mほどのところにある高層マンション。
おそらく最上階……ということで、暮らし向きは相当リッチです。
SVではタクシーを停める場所まで確認できますが、さすがにそこまでは不要だと思いますのでマップは割愛。

マーティンが浮気を告白するところ

調査中。

中華レストラン

友達がエリカに男性を紹介しようとするところ。
撮影場所はチャイナタウンのこちら。

お店の表側のガラスにマンハッタン橋のアーチが反射していたので場所がわかりました。
このあたり中華レストランがひしめいていますが、右隣の2階は、『誰かがあなたを愛してる』でチョウ・ユンファ(周潤發)が働いていたところ。

この場面、気がついたことをちょっとメモ。
友達の彼氏ハルを演じていたのはマザースキー監督。

それから映画の広報の仕事をしているというボブ。
「ベトナム帰還兵が300人を射殺する話」ってこれは『ランボー』ですね。

マーティンの職場

証券マンか銀行マンといった設定でしょうか。

Marine Midland Building (現HSBC Bank Building) W
140 Broadway, New York, NY 10005

エリカが入っていったのは南東側の入口。

アイススケート

ロックフェラー・センター W でしょうか。

ソウルと歩く夜道

ソーホー地区。

アイスクリーム&公園

ソウルのアトリエ

ソーホー地区のグリーン・ストリート(Greene Street)。
ラスト近く、絵を降ろす場面で場所がわかりました。


大きな地図で見る

映画に登場した建物は今もSVで確認できます。
絵を抱えた彼女は北向きに進んでいき、Spring St.に出ます。

ラストシーン

Spring St. がBroadwayと交わるところ。
北側の角。


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ロケ地マップ

※16/6/9 差替え

 

資料

更新履歴

  • 2016/06/09 「ロケ地マップ」差替え

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