目次
作品メモ
ひとつ前のエントリー『ヒッチコック劇場2007/仕返し』 Myster Mocky présente: Service rendu (2008)から、リシャール・ボーランジェつながり。
今ではあたりまえの「ディーバ」という表現も、もしかしたらこの映画で最初に耳にしたかもしれません。
「ディーバ」シンシア・ホーキンズにリアルソプラノ歌手ウィルヘルメニア・ウィギンズ・フェルナンデスW。
彼女の大ファンである郵便配達夫ジュールにフレデリック・アンドレイ。
レコード店での万引きをきっかけに知りあった東洋系の少女アルバにチュイ・アン・ルウ。
「悟りの境地にいる」その同居人ゴロディッシュにリシャール・ボーランジェ。
監督ジャン=ジャック・ベネックス、製作セルジュ・シルベルマン、撮影フィリップ・ルースロ、音楽ウラディミール・コスマ。
クルマ
登場する車については、例によってIMCDbに完璧なデータがありますので、そちらをどうぞ。
http://www.imcdb.org/movie_82269-Diva.html
ロケ地
IMDbでは、
Bassin de la Villette, Paris 19, Paris, France
Boulevard Barbes, Paris, France
Gare St Lazare, Rue St-Lazare, Paris, France (where prostitute is murdered)
Hôtel Royal Monceau – 35 Avenue Hoche, Paris 8, Paris, France (the diva’s hotel)
Lighthouse, Gatteville-le-Phare, Manche, France
Paris, France
Porte des Lilas, Le Métro, Paris, France
Théâtre des Bouffes du Nord – 37 bis, Boulevard de la Chapelle, Paris 18, Paris, France (concert at start of film) Théâtre du Châtelet, Place du Châtelet, Paris 1, Paris, France
と撮影は大半がパリ。
この映画はマニアックなファンがいそうですしロケ地も詳細に解明されていることと思いますが、答えを見てしまうとつまらないので、今回もIMDbのリストとウェブマップを頼りに、画面とにらめっこでチェックしていきました。
答え合わせはしていませんので、間違えていたらごめんなさい。間違いのご指摘大歓迎です。
OP
最初のショットはパリ・オペラ座(ガルニエ宮)Wのてっぺん。
地上からは建物から少し離れないと見えなさそうですね。
リサイタル
カットの流れ的にはそのままオペラ座かと勘違いしそうですが、ポスターにちゃんと劇場名が書かれてあります。
パリ北駅そばにあるこちら。
Théâtre des Bouffes du Nord(ブッフ・デュ・ノール劇場)W
http://www.bouffesdunord.com/
ここでのアリアは、カタラーニのオペラ「ラ・ワリー」から。
歌声は本人。
ホテルの部屋でピアノの弾き語りで歌うグノーの「アヴェ・マリア」も同様。
駅
朝の駅、裸足の女性(ナディア)が降りてくるのは、サン・ラザール駅W。
構内はこんな雰囲気。
こちらはmilouさんご提供の写真(いつもありがとうございます♪)
※13/7/9追記
こちらもmilouさんご提供の写真です(撮影は2002年10月)。
『ディーバ』と向きは逆ですが同じ時計が見えます。
ナディアが出てきたのは、東側の出口。
ジュールとぶつかったのは、そのすぐ外側。
ナディアを待っていた男女(情報屋と刑事)がいたカフェは、出口のすぐ東側。
現在L’ATLANTIQUEというお店。
この位置関係ではとてもナディアが出てくるところは見えないはずですし、2人の視線も別の方を向いていますが、編集で自然につなげられています。
ナディアが飛び道具で倒れたのはこのあたり。
位置関係はこのSVが一番わかりやすいでしょうか。
郵便局(13/7/5追記)
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
0:09頃、仕事仲間とバイクにまたがって喋っていたのはここ。
レコード店
Lido Musiqueとあります。
調査中。
※13/7/9追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
68 Champs-Elyseeで現在Guerlain、ということでマップではこの位置。
確かに歩道の部分が少し疑問ですが、アーチ部分の形や、店内から外(向かい側)を見たショットが現況とほぼ一致しているので、場所としてはここが正解かもしれません。
刑事の回想
0:20頃。
ジュールのバイクが走り去っていったのは、刑事たちがいたカフェの右側の通り。
露店(13/8/3追記)
0:27頃。
情報屋の再就職先。
milouさんから似たようなお店の画像を提供していただきました。
撮影は1974年3月、場所はバスチーユ広場の一角とのことです。
ホテル
0:37頃等。
Hôtel Royal Monceau – 35 Avenue Hoche, Paris 8, Paris, France (the diva’s hotel)
Wikipediaではこちら → Le Royal Monceau Raffles ParisW
夜明けの散策
あこがれのディーバと散策する夜明けの街。
公開当時、この場面でやられてしまった人も多かったことでしょう(自分もそのひとり)。
凱旋門
アップになった彫刻は、東側の右側のもの。
※13/8/3追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は2002年12月。
こちらは参考までに、入口(右)と内部(下2枚)。
撮影は1979年1月とのことです。
彫刻
頬杖をついた女性や2人の女性の彫刻。
※13/7/9追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
チュイルリー庭園内のものとのことで、頬杖をついた女性像は画像も見つけてくださっています。
この↑画像で手前にある横たわった女性像はこちら↓(そんなとこで寝るな~!)
この2枚から頬杖の女性像の場所が特定できました。
もう一つ、逆向きの女性像はこちらかもしれませんが、場所は調査中。
※13/7/14追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
逆向きの女性像は上記画像で正解で、先の横たわった女性像とともにJardin du Carrouselにあるマイヨール作品。
マップではこちらでしょうか?
左から右に歩く通り
※13/7/9追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただいています。
マップではこちらでしょうか?
横切る通り
※13/7/9追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せられています。
リヴォリ通り(Rue de Rivoli)を横断中で、カメラは東南東向き。
かなり圧縮効果がかかっていますが、できるだけSVで再現するとこんな感じでしょうか?
池のほとり
そっぽをむいて座った2人がゆっくり近づくところ。
メインビジュアル的場面ですが、今回ここのロケ地を特定できたので、映画半ばにしてすでに達成感でいっぱいです(笑)。
寄り添った2人を捉えたカメラがゆっくり上がっていきますが、その時背景に見える白い彫刻はチュイルリー庭園Wにあるこちら。
マップではここ。
パノラマではこちら↓
<br/>Paris – Pond in the Jardin des Tuileries in Paris
北側を向くと、上記の白い彫刻が見えます。
となると2人が座っていたのもこのパノラマカメラの位置(の少し南側の角)ぐらいではないでしょうか。
さあ、パリへ行ったらここに来て、人が少ない時間帯を狙って映画の2人になりきりましょう♪
※13/7/10追記
milouさんからいろいろ画像提供していただきました(いつもありがとうございます♪)。
映画に登場した8角形のBassin Octogonalをコンコルド広場側から。
撮影は86年7月。
2人が座っていたあたりも写っているはずですね。
こちらは映画に登場した角がある方ではなく円形のGrand Bassinですが、置かれている椅子は『ディーバ』と同じように見えます。
撮影は78年7月。
上記と同じ円形のGrand Bassinで、撮影は2006年1月。
椅子は変わってしまっています。
彫像の前
別の白い彫像が右手に見える遠景ショット。
DVDの解像度では像がはっきり見えないので断念。
帰り道
雨の中、公園を去る2人。
行く手にエッフェル塔がおぼろげに浮かび上がる印象的なショット。
チュイルリー公園からコンコルド広場に入ったあたり。
バイクチェイス
夜警察に追跡される場面。
スタート(13/7/11追記)
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただいています。
バイクチェイスのスタートはマドレーヌ寺院の南東でその後R.Royaleを南下。
※13/8/3追記
こちらはmilouさんから以前提供していただいた画像。
コンコルド広場からR.Royaleを通してマドレーヌ寺院を見ている構図です。
寺院がすぐ近くに見えますが、実際には噴水から400mほどの距離があります。
広場
前出コンコルド広場のあたりをぐるぐる回っているようですね。
爆走する回廊は、左側の方でしょうか??
※13/7/11追記
……そうは簡単ではなかったようで、コメント欄でmilouさんが詳しく解析されています。ぜひそちらをご覧ください。
※13/8/3追記
milouさんから画像を提供していただきました。
リヴォリの回廊ですが、『ディーバ』のチェイスよりかなり東でルーブルを出たPlace du Carrousel との角、172番地。
撮影は2006年1月とのことです。
階段
バイクで駈け降りたのは左側の回廊の手前。
地下鉄駅
バイクごと乗ってしまった駅は、設定ではコンコルド駅W。
駅名標示もそうなっていますが、実際の撮影が同駅かどうかは未確認。
降りた駅は、設定ではオペラ駅W。
8号線で2駅隣。
これも実際の撮影がここかは未確認。
IMDbのリストでは地下鉄駅として、Porte des LilasWの名前があります。
※13/7/11追記
地下鉄部分もコメント欄でmilouさんが詳しく解析されています。ぜひそちらをご覧ください。
エスカレーター
四角い広告が手すりのそばに並んでいる長いエスカレーター。
未確認。
- http://www.flickr.com/photos/26748957@N00/279222246/
- http://francetrotting.canalblog.com/archives/2010/03/10/17194138.html
動く歩道
赤い壁面の動く歩道。
未確認。
※13/7/11追記
コメント欄でmilouさんが詳しく解析されていますが、この部分は Havre – CaumartinW ではないかとのことです。
上り階段
ヨレヨレになった刑事がゼイゼイ上っていったのは、オペラ座正面のこちらの階段。
※13/7/11追記
milouさんご提供の画像。
撮影は2006年1月とのことです。
娼婦に話しかけたところ
1:12頃。
おなじみアールヌーヴォー調のメトロ入口の前。
似たような入口が多いので厳密には特定できませんでしたが、この形(放射状の庇の途中に輪?がある)で周囲には緑がいっぱいというところは意外と少なく、画像検索を繰り返しても出てくるのがこちらの駅ぐらいでした。
ただしこちらだとすると街灯の位置が映画と現在では少し違っているようです。
なので保留ということで。
引き続き調査中。
※13/7/11追記
コメント欄でmilouさんが詳しく考察されています。
この後娼婦の家から逃げる道も、上記地下鉄入口があるAv.Fochのようです。
地下駐車場(13/7/11追記)
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
地下駐車場は Parc Etoile Foch。
殺し屋の車が降りていったのはこちらの入口。
ボウリング場(13/7/11追記)
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
ボウリング場はなんと今も健在とのこと。
入口はこれでしょうか?
- Google Maps(SV)
- WikiMapia
- http://www.leduplex-event.com/
灯台
1:23頃。
Lighthouse, Gatteville-le-Phare, Manche, FranceW
アコーディオン弾きが歩く水辺
1:29頃。
アコーディオン弾きが歩いていく運河のような直線の水辺。
背景に特徴的な細く高い橋が見えます。
Bassin de la VilletteWのこのあたり。カメラは南西向き。
その前アコーディオン弾きがアピールしていた場所がゴロディッシュのいる建物(△が2つ連なったような形)という設定ですので、この場面のおかげで建物の場所までわかりました。
ここはWikimapiaでは Residence universitaire Quai-de-la-Loire (Paris)Wとなっていますね。
屋上駐車場(13/7/11追記)
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
1:30頃の屋上駐車場はこちら。
最後に警視の車は西端の螺旋スロープに向って去って行きます。
背景の白い横長のビルの後ろにサクレクールがぼんやり見えますが、この時カメラは南西向き。
警視の車が渡る橋
1:31頃。
警視が乗った車が渡る橋は上記の建物のすぐそばに架かっているもの(北西側から進入)。
ラストの劇場
IMDbのリストにあるこちら。
Théâtre du Châtelet(シャトレ座)W, Place du Châtelet, Paris 1, Paris, France
※13/8/3追記
milouさんから参考画像を提供していただきました。
シャトレ座の向かいにあるThéâtre de la Villeで、双子のようにそっくりな2つの劇場が東西に向き合っています。
撮影は1993年9月とのことです。
ロケ地マップ
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コメント
この映画には思い出が2つあり好きな作品でもあり隅々まで分析したこともあるが細かく見れば信じられないほど雑な映画で“スタイリッシュ”な雰囲気だけで押し切った作品。だが多くの人に高評価で嫌いだという人は少ないようだ。そんなわけで映画については色々突っ込みたいところだが、ここは抑えて抑えて別の機会に?
ロケ地については調べたことはないが簡単そうで結構難しい。
☆まずは郵便局の場所の特定にも苦労したが何とか見つかった。映画の流れでは駅敷地あるいは隣接地だと思われ壁面に黄色いポストが2つあり(その隣は切手の販売機)トラックが何台も入って行けるほど広い建物と言うより通路のような入り口の前に4人の配達員がたむろしている。道は結構な下り坂でそれほど広くはない。ところが駅には郵便局はなく8区と9区の全郵便局を調べたが該当する場所が見つからなかった。
しかし、そのあとのジュールが動き出すバックの建物がヒントになり特定できた。建物は駅裏(?)の2 Rue Berne にある Comité des Directions Transverses で通りの北側を見ている。この建物が郵便局でないのは確かだがSt.Petersburg側の通路にある矢印にSNCF(国鉄?)PTT(逓信省?)とあり黄色いPTTの車が何台かあるので関連施設であることは間違いない。ちなみに壁面のポストは4つに増えている。
☆サン・ラザール駅のホームも気になる。この駅はパリの他の駅と違い、原則国際列車の発着はなく近郊及びノルマンディ地方専用の駅で近郊線は左側のホーム。
映画では朝の通勤ラッシュで大勢の乗客が列車番号541から左側に降り(カットが変わると右側、つまり別の電車495?でこの辺の繋ぎもデタラメ)左に電車が停車中で向こうが壁面なので3番線に入ってきたと思われるがカーブがきつすぎる(12番線ぐらい?)のが引っかかる。最終的にナディアが出てくるのは東側出口だが駅の東半分は大がかりな改装がなされ映画のような階段もなくなったようだ。
殺し屋が車を駐めた正確な場所は分からないが19 Rue Amsterdam の前あたりで警察手帳を見せるバックの建物はSVでは入れないが Gare 360 でレンタカー(Loueur de voitures)のあるCour d’Amsterdam の奥。
☆Lido Musique だが、鈴木布美子「映画で歩くパリ」によるとレストラン(Montecristo)に変わったと写真付きで載っている。番地は記載されていないが調べると68 Champs-Elysee になるが、そこは現在は香水のGuerlain でHPを見ると1914年からそこにある。現在は3つあるアーチすべてがゲランだがレストランの写真は左端なので後から買い取ったことになるが、建物の構造から見てちょっと考えにくいので不可解。
http://kawaiilabo.blogspot.jp/2012/03/guerlain-in-paris.html
しかし映画のでは店の前の歩道がせまく、すぐ車道になっているのでシャンゼリゼではあり得ないと思われる。ただし確かにLido Musique という店がシャンゼリゼにあったようで、いくつかのフランスのブログに出てきたが番地は書かれていないので特定はできなかった。
http://www.ashdodcafe.com/2012/12/10/musique-patrick-bruel-son-retour-avec-un-nouvel-album/
長くなったので、ひとまずここまで。
milouさん、コメントありがとうございます。
郵便局追記させていただきました。
数日留守しますので以後更新遅れてしまうかもしれませんが、戻ってきたらまとめて手がけますので、引き続きよろしくお願いします。
☆夜明けのデートの場面で最初に見える凱旋門、アングルが低いとはいえ向こうに建物は見えないのでカメラは東の Av.de la Grande Armée からで2人は右(北)から画面に入ってくる。従ってレリーフのアップが東の右側は自然で正解。
ちなみに僕は初めてのパリでシャンゼリゼではなくワグラム通りのカフェにいた。向こうに凱旋門らしき門が見えたが実物を見るのは初めてなので四方にアーチがあるとは思いもよらず見慣れた写真と違うので凱旋門ではないと思った…
☆彫刻も無数にあるチュイルリー庭園内だろうが1つしか画像は探せなかった。実際にはチュイルリーと言うよりルーブル南西端の前だが映画ではバックは建物に並行に設置されている。ただ写真では向きが映画と一致しないのだが…
http://fineartamerica.com/featured/jardin-des-tuileries-mick-burkey.html
☆銅像の後で左から右に歩くのはリヴォリ通りの西側、装飾美術館あたりから北向き。横断するのはリヴォリからヴァンドームに抜けるR.Castiglione との角から南東方向を見ているが右側の街灯が嫌に多いのと工事中なのか回廊のアーチが見えないのが気に掛かる。
☆バイク・チェイスはマドレーヌ寺院の南東からスタートする。その前のエンジンを掛けるバックに寺院の円柱が見えるのでデイトしたカフェの場所は現Joëlle Ciocco あたりだと思われるがSVで見るかぎりでは一致しない。入っていく小道の左にレストランParis Madeleine 右はRoyal O* と読めるが該当する店は見つからない。
逃走中もバックにマドレーヌ寺院正面が見えるのでR.Royale を南下、暗いし編集で正確には分からないがコンコルドのオベリスクを一周して追い詰めた(どういう意味?)所から回廊に入るのだが…
この回廊は延々と続くリヴォリ通りの回廊だと思いこんでいたが、最初に左折して突っ込むとき左手の柱(?)の形から記載どうり R.Saint-Florentin 左側の現在のSVでは入れない回廊に間違いない。道路標示も長く(多分) Place de La Concorde だろう。カットが変わると(再び)左折で回廊に入ってくるが突き当たりは建物ではなく道路らしいので、やはりリヴォリではない。そのあとのカメラの平行移動でも建物に店舗がないので、やはりリヴォリではない。
☆地下鉄の階段を降りるのは指摘どうりR.Royale 左手のコンコルド駅へ通じる階段なので撮影はともかく電車に乗り込むのは設定どうりコンコルド駅で正解。降りたのは画面では次の駅(2つ以上ならザトペックが乗り込める)だが実際は8号線2つ目のオペラ、しかし…このとき車窓から見える文字は終点のBALARD と読める。
☆地下鉄構内のチェイスは明らかに複数の駅で撮られているがムービング・ウォークの場面では pour la sortie ver les Grands Magasins という掲示が2回見える。つまり複数の百貨店に連結(?)する出口がある。僕にはオペラ方面は無縁で滅多に行かないが、この場面はオペラではなくプランタンとギャラリー・ラファイエットを擁する Havre – Caumartin に間違いないだろう。オレンジの壁の色もホームの色と近い。
☆黒人娼婦の家から逃げる道は広い未舗装の歩道から見てもAv.Foch に違いないが凱旋門の角度に少し違和感を感じる。
凱旋門周囲は徒歩での横断が困難で地下通路が多くジュールが降りていくのは(あとではっきり文字が見えるが)地下駐車場 Parc Etoile Foch でSVをみると歩行者用はAv.Foch両側に複数あるが車の入り口は道路左側一ヶ所で殺し屋の車は反対車線(左側)を走り正面から2台向かってきている。ボーリング場は今も健在で右側 R.de Presbourg 手前の入り口にはピンのマークが見えている。
ちなみに「映画で歩くパリ」では突っ込む駅はパレ・ロワイヤルと誤記、サンラザール駅の郵便局(前)も間違った写真を掲載している。
☆屋上駐車場だが映画の流れでは、すぐ橋を渡るからゴロディシュの家の近くになる。しかし車が走り出すと白い巨大なビルの向こうにサクレクールの東面が見えヴィレットでは少し南すぎる。画面をよく見ると裏向きの文字で“entrepot NEY”が、さらに大きな字で“*ERSON”、車の窓から黄色い看板に“*albers*”が見える。
Entrepot Ney で検索すると18区の3-5 Boulevard Ney の600の倉庫を有する面白い形の Calberson (現在はGEODIS というグループ企業) だと分かった。ただしGoogle Map ではバックに見える白いビルは消え、その向こうのより高いビルのみだがBing Map で見るとAlle Noir にしっかり残っていてサクレクールの場所も一致する。
なおゴロディシュの住まいだが Wikimapia からWikiに飛んでいくと、この建物(No.35)の落成が2007年になっているのは不可解。
milouさんのコメントを基に、毎日少しずつ追記中です。なかなか追いつけなくてすみません。
凱旋門、確かに横からのアングルはあまりなじみなくて新鮮ですよね。
最近では『マイラブ』をチェックした時にやはり北側からのショットがありましたが、とっさに凱旋門だとわかりませんでした。
やっと屋上駐車場まで追記しました。
しかしこの場所よくわかりましたね。なかば呆れています(笑)。
今頃気づいたのですが、Google EarthだけでなくGoogle Mapsの方でも補助線を描けるのですね。
試しに屋上からサクレクールまでの視線を描いてみました(「ロケ地マップ」の青い線です)。
線を一本引くだけでだいぶわかりやすくなるので、これからもどんどん活用してみようと思っています。
2つめのブロンズ像は指摘のもので正解ですね。マイヨールの Les Trois Nymphes で顔は3人の女性の真ん中、なぜなら他の2人は髪を真ん中で分けています。
この場所(やはりチュイルリーではなくJardin du Carrousel)にはマイヨールの作品が18個あるそうです。しかし不思議なほど真ん中の女性の顔の写真が出てこない…
http://www.insecula.com/salle/MS02788.html
http://www.insecula.com/oeuvre/photo_O0020030.html
リヴォリ通りを横断する場面ですが、SVでも遠くをズームアップすると右手の街灯も詰まって見えるし左の回廊も柱が重なり、映画同様、まるで工事中の板の壁のように見えますね…
たまたま「写真紀行 巴里物語」というムック本を見ていたら、ほぼ同じ場所の写真があり、やはり回廊が工事中の壁のように見えています。
SVは便利ですが細かい視点の移動ができない場合が多いのが難点?
漏れがあるかもしれませんが、本文ひととおり追記しました。
マップも合わせて追加しましたが、これ一本でかなりのピンの数となっています。
提供していただいた画像もあわせると、おかげさまでなんだか凄いエントリーになってしまいました。
ストリートビューのカメラは焦点距離が短めなので、どうしても映画とは雰囲気が違ってしまいますよね。
カメラ位置もそれほど好きに選べるわけではないですから、せめて望遠効果を使ったりして実際の映画に近づけられればと思います。
Lido Musique の歩道(特に毎朝ゴミを散水車が下水に流す穴)だけは気になるが、ほぼ完璧。そうそう万引きのあとジュールとアルバが歩くのはシャンゼリゼではなくAv.Hoch だと思われる。理由は歩く両側だけでなく歩いている道も車が走るから。あとはジュールの家だが何も手がかりはないし探しても無駄だろう。原作ではオーディオ類に金を費やし金がないので、当然家賃の安い20区ペリフェールの20平米のワンルームで“かぐわしい香り”(これは共通?)がする寝るだけの最低限の部屋で映画のようなオシャレな空間ではない。
さて最初に“雑な映画”と書いたが、ロケ地探しも終わったことだし、書きたくてしかたない(?)文句を1つだけ…
そもそも映画の核心である2つのテープに重大な欠陥がある。
まずジュールは大きなナグラを鞄に入れ1階後部右(?)に座る(54分あたりでワインシュタットは中央3列目での録音と言うが)。そして録音を始めるがマイクは?
ナグラ(iv-S)に内蔵マイクはないと思うが、あってもカバンの中じゃ(僕もよくやったが??)雑音だらけでダメでしょ。プロもうらやむ“完璧な録音”らしいが、原作では1階中央前から3列目(ここだけ台詞に残ってしまった)に座り、あらかじめ方向・距離も計算して録音機とマイクを仕込んだバイオリンケースをひざの間に立てて録音する。そもそも、あんな雑な方法で隠し録りできるなら海賊版のプロのはずの台湾人(原作は日本人)たちが自分で録音すればいいはず。
次にナディアのテープだが警察署でサポルタを含む警察はナディアのテープの存在を初めて知ったはず。それなのにサポルタはテープを編集して“サポルタ”の部分を“地中海”に差し替えたテープを用意する。ってことは最初から、あるはずのないコピーを持ってるんだ。確かに最後でサポルタはテープが目的じゃなくナディアと一緒の写真が問題だとは言うが…
ところでサポルタはゴロディシュを殺したつもりで終わるけど大金を手にしたゴロディシュとアルバは国外逃亡でもするのかな?
そうそう、ここも台湾人たちは、この倉庫にどうやって来たの? “自分たちの車で”ゴロディシュを尾行したはずでしょ。それを使わないのは高級車だから目がくらんだの?
女刑事がいう これだからやめられないのよ
これ ってのは 売春組織の黒幕であり 上司でもある
警視が死んだってこと
黒幕だけなら捕まえてなんぼだが マッチョな上司でもあるから 片付いてくれて嬉しいわけか
で この警察上司を ライトのスイッチをずらして
片付けたのがゴロディッシュだから 国外逃亡しなくて
いいでしょ?という設定かと
片付けるといえば 台湾人や殺し屋の方が片付けてしまうタクシー運転手とか ずいぶん乱暴な ところもあり
そっちの方が気になりましたねー
公開時から5回は観てるさん、コメントありがとうございます。
この映画ほとんどストーリーは覚えていなくて、見るとしても雰囲気優先で見てしまうでしょうから、ストーリーや設定をきちんと把握できたことは一度もないような(汗)
きちんと見ればあれこれ出てくる映画なのでしょうね。
(milouさんごめんなさい、コメント気づかず、5年近くほったらかしにしてしまいました……)
ロケ地とは何の関係もない雑談ですが
『ディーバ』の原作はデラコルタが1979年から85年にかけて出版したゴロディシュとアルバを主人公とする娯楽犯罪小説シリーズの2作目で「Nana」「Diva」「Luna」「Lola」「Vida」「Alba」とすべて4文字の6作からなる(邦訳は「Diva」のみ)。4作目が出るまで作者がダニエル・オディエであることは伏せられた覆面作家の作品だった。ちなみにアラン・タネール『光年のかなた(80)』の原作者がオディエ。
「Nana」はゴロディシュがアルバと出会い銀行強盗をしてパリに出るまでの話、「Luna」は実業家に誘拐され監禁されたアルバを救出し2人で血の復讐を遂げるホラー要素のある作品、「Lola」は失踪し死亡したとみなされていたパンクロック歌手を捜しだし一儲けする話。「Vida」(Divaのアナグラム)では2人はアメリカに渡りLAで探偵事務所を開く(だからコメントで国外逃亡でもするのかな、と書いた)。
映画『Diva』のイメージと違い小説はセックスや暴力を前面に出した通俗的“パルプフィクション”で当然ゴロディシュとアルバの人物像も映画と小説はかなり違う。
小説ではアルバは13才の金髪で万引・恐喝の常習犯。ノーブラ、ノーパンのボディコンで男を誘惑し金を巻き上げる不良少女。ゴロディシュはパン屋の見習いから、毎日10時間ラフマニノフばかりを練習しナイトクラブのピアニストになり店のオーナーであるギャングのボス、サポルタのお抱え運転手になり暗黒街に入る。だから映画でギャングのボスを手玉に取る智恵も持っていた(ちなみに小説では警察署長とサポルタは別人で署長はよくある情報を流し小金をせしめる小悪党)。
映画のゴロディシュは部屋に何も置かず物質的欲望を超越した夢想的な哲人のように描かれるが、小説では物質主義者で部屋を物で埋め尽くし、ジュールを騙してでもテープで一儲けしようと、海賊盤業者(日本人)と交渉する悪人(当然ジュールの人物像も違う)。
そういうわけで映画は、ある意味でジュールとシンシアが主人公の静的、美学的作品だが小説は、あくまでゴロディシュとアルバという2人の悪漢が主人公の動的、通俗的作品である。言うまでもなく映画の成功は人物像とイメージをを変えたことにあるのだが…
milouさん、返信遅れてすみません。
原作について全然知りませんでした!
これでは違いすぎてほとんど原作って何?状態ですね。『光年のかなた』の原作者というのも意外ですが。
原作読んでみたくなりましたが、Amazonで1円というのがまたなんとも……