りばてぃ~!
作品メモ
ひとつ前のエントリー『太陽に灼かれて』同様、ソ連邦崩壊後の90年代に製作されたロシア・フランス合作映画。
同じようにスターリン時代を扱っていますが、表現はまったく別世界。こちらは動きずくめでマシンガントークが炸裂するハイテンションな小劇場演劇を見ているような、あるいは胸焼け起こしそうな濃厚な密室芸を見ているかのような趣があります。
とても気楽には見られない映画ですが、映画の作りそのものはデタラメとかいい加減というのとはまた別で、むしろきちんと緻密に作り込まれているように感じられました。
光と闇のコントラストが強烈なモノクロ映像とあいまって、一度見ると記憶にずっと残ってしまう映画となっています。
監督脚本アレクセイ・ゼルマン(Алексей Герман)。生涯6本(単独監督作5本)の監督作のうち、最後から2番目の作品。
なお、なにげに猫が時々登場しますが、びっくりするような場面もありますのでご注意を。
撮影ウラジーミル・イリン(Владимир Ильин)、音楽アンドレイ・ペトロフ(Андрей Петров)。
ロシア語原題は邦題と同じ意味。
ちょっとネタばれになるかもしれませんが、だいぶ後の方で出てくるセリフです。
ロケ地
IMDbには記載がありません。
作品内容を解説する能力はありませんが、ロケ地なら解明できるかも……ということでご笑覧ください。
OP
ボイラーマン受難の場面。
どこか『太陽に灼かれて』のトラック運転手を連想します。
彼が出てきた門はリアルではこちらの庭園のもののようです。
Саду им. Баумана (Bauman Garden)W
http://sadbaumana.ru/
なのでマップで示してしまいますと……
- Google Maps(SV) ……通り
- Google Maps(SV) ……門
- WikiMapia
通りの向こうに見えるスターリン様式の大きな建物は、セブンシスターズのひとつRed Gates Administrative BuildingW。
これのおかげで撮影場所がわかりました。
少将の住まい
上記のすぐ西側。
こちらもマップで示してしまいますと……
「時計をなくした」と言っているショットがわかりづらいですが、門の中に入って建物の様子をうかがっていた後ですね。なので門を内側から捉えていて、その向こうに通りと男たちの車があり、さらに通りの向こう側の建物を写している構図になっています。
- Google Maps(SV) ……通りの向かい側の建物
- Google Maps(SV) ……傘を持つベレー帽の男が歩いて行ったところ
スケート場
0:30。
子供たちを追いかけながらスケート場に向って行ったカメラが、今度は左へ移動すると銅像を捉え、さらに通りに出ると大きなビルを写し出します。
最後のカメラ位置はここ(カメラ東向き)。
途中の銅像は不明。
前半部分のスケート場は別の場所かもしれません。
通りの向こうに見える大きな建物は、『モスクワは涙を信じない』で留守を預かった高級物件。やはりセブンシスターズのひとつ。
トラムが走る通り
0:45。
両脇に彫像が建ち、アーチのような入口がある建物。
建物はこちらの設計。
通りの向こうに見える大きなスターリン様式の建物は、モスクワを舞台にした映画ではおなじみ、モスクワ川沿いのこちら(次項目)。
玄関前
0:59。
高級車が並ぶ玄関前。
上掲項目で、通りの奥に見えていた大きな建物。
ソ連時代のお偉いさん向けの高級物件なのでしょうけど、Wikipediaではこのような項目になっています。堤防の名前のようですね。
Жилой дом на Котельнической набережной (Kotelnicheskaya Embankment Building)W
駅
1:23。
不明
ロケ地マップ
資料
更新履歴
- 2015/11/03 「ロケ地マップ」追加
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