作品メモ
ひとつ前のエントリー『鉄路の闘い』に続けて、ルネ・クレマン監督の戦中もの。
撮影はやはりアンリ・アルカン。音楽はイヴ・ボードリエ。
こちらは鉄道ではなく海が舞台。
大戦末期、要人を乗せ南米へ脱出しようとするUボートのお話です。
その計画には国の存亡をかけた大いなる目標があったようですが、潜水艦乗りでもない一般人が狭い艦内に閉じ込められるわけですから、予想通り人間関係がだんだんおかしくなっていきます。
乗船したキャラを並べますと……
作戦の責任者ハウザー将軍
親衛隊のフォスター(ヨー・デスト Jo Dest)
荒っぽい仕事ならおまかせのその部下ウィリー(ミシェル・オークレール)
何か役立つ研究をしているらしい北欧の学者エリクセン
その娘イングリッド(アンヌ・カンピオン)
イタリア人実業家ガロージ(フォスコ・ジアケッチ)
その妻でハウザーの愛人でもあるヒルデ(フロランス・マルリイ。拙サイトのエントリー済みでは『東京ジョー』、『東京ファイル212』)
協力的な記事を書いてきたフランス人記者クーチュリエ(ポール・ベルナール)
……と国籍民族言語が様々な「呪われし者」(原題)を密室にぎゅうぎゅう詰めにして描こうとした監督の手腕もまた凄いといえます。
途中治療のためにフランスの海岸から拉致されてしまった医師ギベール(アンリ・ヴィダル)の目を通して彼等の顛末が語られますが、個人的には猫様がどうなったかも気になります。
ロケ地
IMDbでは、
Port, Lorient, Morbihan, France
Royan, Charente-Maritime, France
Studios de la Victorine – 16 avenue Edoard Grinda, Nice, Alpes-Maritimes, France
例によって間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
オスロ・Uボート基地
0:05
Uボートが出航したのは、設定ではオセロの基地。
実際の撮影はフランス国内のUボート・ブンカーWと考えられます。
IMDbのリストにロリアン(Lorient)が入っているのでそちらかと思ってしまいましたが、画像を照合するとどう見てもブレストの方でした。ロリアンは間違いではないでしょうか??
クルマがドックに近づいていくショットはこういった感じ。
ロワイヤン
途中医者を求めて上陸したところ。
設定ではロワイヤンですし、IMDbのリストにも地名がありますが、潜望鏡で見えた陸地がそうなのかまでは確認できず。
あるいは拉致の場面も本当にロワイヤンなのかもしれませんが、これまた確かめようがありません。
ラルガがいた町
協力者ラルガ(マルセル・ダリオ)がサポートするはずの途中の港町。
南米という設定でしょうか。
調査中。
資料
更新履歴
- 2015/10/10 新規アップ
コメント