目次
作品メモ
『ダーティハリー』、『狼の挽歌』ときてアクション映画をもう1本。
実は『夜の大捜査線』のエントリー書いたときに、「捜査線」つながりでこちらもエントリーを書き始めたのですが、当時ロミー・シュナイダーものをまとめて書いていた流れで結局そのまま放置。今回補完の後晴れてアップとなった次第。
ロミー・シュナイダーものは止めてしまったわけではありませんが、録ってあったはずの『地獄の貴婦人』がどうしても見つからず中断中。手持ちは残り『ルートヴィヒ』、『審判』、『追想』、『枢機卿』、『何かいいことないか子猫チャン』等々、ぼちぼち手がけていこうと思っています。
で、『野獣捜査線』。
チャック・ノリス様の勇姿に萌えるのはもちろんですが、最後にトコトコ出てくるアレも含めて、全体になんだか手作り感が漂っているのがまた愛おしい映画です。
今の時代どちらを向いてもデジタル処理でコテコテに作り上げた映像ばかり。そんなときに昔のジャッキー・チェンの映画を見るとほっとするのと同じようなものでしょうか。
ことアクション映画に関しては、デジタルなVFXを使えば使うほど見ている方は「どーせCGでしょ」と冷めてしまい、逆効果となるような気がしてなりません。
チャック様のフィルモグラフィ的には80年代半ば、『地獄のヒーロー』、『デルタ・フォース』とヒット作連発で、ノリにノッていた時期。
師匠が演じるのは、シカゴ市警の孤高の刑事エディ・キュサック。仲間の不正を暴いてしまったことから署内で浮いてしまい、麻薬組織と単独対峙するハメとなるキャラです。
もともとはクリント・イーストウッドのための企画だったようですが、年齢考えるとアクションはほとんどボディダブルとなっていたでしょうし、代わりにチャック師匠の体張ったアクションを堪能できたのでとても良かったと思います。第一クリント・イーストウッドだったら最後のアレはなかったでしょうし(あ、でも『ファイヤーフォックス』は結構「なんちゃって」だったかも……)。
出演は他に、麻薬組織のボス、ルイス・コマチョ役にヘンリー・シルヴァ。
男子が好むようなタイプのアクション映画でおなじみの顔ですが、個人的には『復活の日』の将軍役がいかりや長介さんに似ていたのが印象に残っています。先日ヘプバーン出演作をまとめてチェックしたとき、『緑の館』にも登場していてビックリしました。もちろん(?)現地住民役。
それから最初の捕り物で清掃車を運転していた同僚のドナート刑事役に、元シカゴ市警警察官のデニス・ファリーナ(Dennis Farina)。
Wikipediaによると1985年まで勤務していたとのことで、この『野獣捜査線』がもしかすると専業デビューかもしれませんね。その後は映画やテレビで活躍。転身して大成功の例でしょうか。
あまり関係ありませんが、テレビの「Law & Order」でやたら羽振りの良い刑事を演じていましたが、なんであんなにリッチだったのでしょう??
監督は当サイトで言えば『逃亡者』、他に『沈黙の戦艦』、『刑事ニコ/法の死角』と、いかにもなフィルモグラフィーのアンドリュー・デイヴィス。
撮影フランク・タイディ、音楽デヴィッド・フランク。
チャック・ノリス・ファクト
チャック様を語る上で、「チャック・ノリス・ファクト」は欠かせません。
世界中のファン?がいじりにいじって、師匠は都市伝説から宇宙伝説へと飛翔中。
無数の「ファクト」は本家のサイト(http://www.chucknorrisfacts.com/)にまとめられていますが、英語ですので、ネイティブ以外にはどうしても壁が。
でも日本語版Wikipediaがかなりよくまとまっているので、こちらで十分楽しむことができます。
Wikipediaの情報はけっこーいい加減なものもありますが、この項目に関してはすべてがファンタジー、いい加減というより良い加減となっております。
傑作な「ファクト」はいくつもありますが、当サイトはGoogle先生のお世話になることが多いので、やはりGoogleで”Chuck Norris”を検索したときに上の方に出てくるこちらのページでしょうか。
わざわざドメイン用意して、ほんとにもう。
ロケ地
IMDbでは、
Chicago, Illinois, USA
River Forest, Illinois, USA
主な舞台はシカゴ。監督の出身地です。
タイトルバック
川の夜景。
カメラ位置はこのあたりで、南東向き。
SVの映像と比べると、ここ四半世紀のうちに高層ビルがにょきにょき建ったことがわかります。
駅
刑事たちの作戦がスタートするところ。
シカゴ(を舞台とする映画)名物、高架線シカゴ・Lのこちらの駅。
高架脇の家
大立ち回りとなった家。
上記駅の周辺をマップでうろうろしていて見つけました。
駅の北側、大ざっぱにこのあたり。
取引が行われた建物と「ペンキ屋」たちが陣取った左隣の建物、どちらも今でも確認できます。
普通のアパートかと思われますので、マップでの特定はこのくらいで。
動物園
おそらくリンカーン・パーク動物園。
ダイアナの勤め先
シカゴ文化センター(Chicago Cultural Center)W
This work is licensed under a Creative Commons Attribution 2.0 Generic License.(CC BY 2.0)
写るのは北側の出入り口。
この建物(南側)は『アンタッチャブル』でも登場しています。 → 『アンタッチャブル』
マリーナ
背景にSoldier FieldWが見えますが、改修前のもの。
現在とはだいぶ形が違います。
植物園
死体(コロンビア・ネクタイ仕様)が発見されたところ。
リンカーン公園植物園(Lincoln Park Conservatory)W
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高架線
中盤の見せ場、シカゴでアクションといえば高架鉄道。
今まで取り上げた作品で言えば『フューリー』や『イーグル・アイ』(『ブルース・ブラザース』もエントリー追加しました)。
チャック様の体を張ったアクションで、非常に見応えのある場面となっています。
突き当たりに駅が見える交差点
右側の建物入口に”TALMAN HOUSE”という表示が見えますが、それはこの交差点。
乗った駅
チャック様が駆けてくる道と、ホームへの階段。
この駅はまさに『イーグル・アイ』で一大アクションシーンが撮影されたところ。
ホーム
ホームもおそらくQuincy Stationと思われます。
ただし、発車前に一瞬写る駅前方のカット(線路が右にカーブ)は、映画冒頭の駅、Sheridanです。
屋根の上1
悪役がひとり屋根の上にいるカット。
Quincy駅の近辺と思われますが、レンズの圧縮効果が強いのと、線路沿いのビルの多くが建て替えられていて厳密な場所は特定できません。
屋根の上2
手前から奥に向かって突き進む列車。
その上ではチャック様がようやく屋根の上に乗り、悪い奴を追いかけようとしている図。
この迫力あるカットは、乗った駅Quincy Stationからの眺めと一致。
おそらくQuincy駅のホーム北端、W Adams St.の上あたりにカメラを据えてとったものと思われます。
発車してからずいぶんたっているようですが、実は全然進んでいなかったのでした。
列車は北向きで、カメラははじめ西向き固定、その後列車を捉えながら北向きへパン。
最初に写る”222 W ADAMS”と書かれたビルはまだありますが、手前に別のビルが建ったため線路側から確認することはできません。
屋根の上3
チャック様が左手を前に出しながら、悪者をじりじりと追い詰めていく図。
カメラは列車にあわせて左から右へ大きくパン。
しっかり捉えたそのお顔はまさしくチャック様ご本人。スタントマンを使わずに体張っています。
さすがの師匠も腰が少し引けていますが、かえってしっかりと臨場感を生み出しているような。
このカットも「2」とほぼ同じ場所、厳密にはビルひとつ分ほど北寄りの位置から撮られているようです。
列車は北向き。
屋根の上4
四つん這いの悪者とチャック様を正面から捉えたカット。
上記Quincy駅からもう少し北へ進んだところ。
列車は北向き、カメラ南向き。
屋根の上5(歩道橋)
列車の屋根の上でのアクションときたら頭上の危機がお約束。
チャック師匠なら頭で陸橋を粉砕してほしいところですが、そうもいかずギリギリのところで回避。
これはQuincy駅の隣駅Washington/WellsWで、ホームの南側に架かっていたもの。
現在は見当たりませんのでその後撤去されたと思われます。
(『ブルース・ブラザース』でちらりと写っていました。→ 『ブルース・ブラザース』)
歩道橋が写るのは3カットですが、よく見るとおかしなことが。
最初のカットは2人を後ろから捉えていますが、それまでとは逆で列車は南向き、カメラも南向き。
左側にWashington/Wells駅の屋根が見えていて、正面(南側)に歩道橋、さらに奥の方に隣のQuincy駅が見えているという構図。
次のカットは、さっと伏せる師匠を正面から捉えていますが、列車は北向きに進行中で、カメラは南向き。
奥の方にやはり隣のQuincy駅が見えていいます。
最後に連結部分にいた悪者をひょいとつまみ上げて屋根に降ろすカット。
これは2カット目と同じで、列車は北向きに進行、カメラ南向き。
なので2カット目と3カット目のつながりはおかしくありません。
3つのカット、列車はどれも東側の線路(内回り線)を走っています。
つまり列車は歩道橋の下で行ったり来たりを繰り返し、カメラは常に2人の北側にあり、向きはずっと南向き。
チャック様と悪者だけが必要に応じて向きを変えてテイクを重ねていったと思われます。
川へダイブ
そのまま北へ進んで、Wells Street BridgeWから東側へダイブ。
その前に悪者が車両からぶら下がるカットを見ると、その車両だけなぜか屋根に手すり?が付いています。
カメラは常に手すり?のある車両の上にあったことになりますが、もしかするとこの手すりがスタッフや機材の固定の役目も果たしていて、カメラ位置を他に動かすことが出来なかったのでは?
まったくの想像ですが、そういう状況ならば前項のおかしなカメラワークの説明がつくかも、と思ったりしたのでした。
シカゴLのスタント
この手すり?や屋根に張られた板状のものやが本来列車に備わったものなのかどうかが気になったので、同じくシカゴの高架線をアクションに使った先輩映画、スティーブ・マックィーン主演の『ハンター』(1980)をチェックしてみました。
疾走する列車の上でマックィーンがトラムのパンタグラフみたいな金具にぶらさがる場面。
その車体にはやはり板状のものが載っていて、手すりやらパンタグラフみたいな金具が付いていました。
同様の板は1両隔ててもう1両にもあり、撮影用にあつらえたというより本来の装備のようにも見えます。
でもシカゴLはパンタグラフではなく線路脇の軌条から電気をとっているので、そもそも屋根の上にそんなものがのっているのはおかしい……となると、やはり撮影用のものなのか?
このへんはもう鉄っちゃんに訊くしかないかもしれませんね。
カーチェイス
トンネル入口
チャック様のお車は、IMCDbによれば、1975 Pontiac FirebirdW。
http://www.imcdb.org/vehicle_323211-Pontiac-Firebird-1975.html
結末
カーチェイスのど派手な結末はここ。
決戦
シカゴの周辺の港湾施設をマップでざっくり探したところ、市中心部から南へ20kmほどのあたりに見つけることができました。
橋
決戦の前にトラックで渡る橋はおそらく Chicago Skyway BridgeW。
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まだエントリーを書いていませんが、すぐ近くに『ブルース・ブラザース』で登場した橋(中古パトカーでジャンプしたところ)があります。
(追記 エントリー書きました。→ 『ブルース・ブラザース』)
港湾施設
チャック様がトラックを停めた時に背景に見える施設。円柱を並べたような形をしています。
付近に似たような施設がいくつもありますが、おそらくこちらではないかと思われます。
トコトコ動くアレの一撃で吹っ飛んじゃった手下がいたのは、南側の方。
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