『砲艦サンパブロ』 The Sand Pebbles (1966)

砲艦サンパブロ [DVD]

作品メモ

NHK BSのスティーヴ・マックィーン特集。
『ゲッタウェイ』『ブリット』『パピヨン』に続いて、11月10日に放送された『砲艦サンパブロ』をチェックしてみます。
昔テレビで何度か見ただけでしたので、ハイビジョンで録画鑑賞は初めて。
途中に休憩が入る長尺ものですが、まったく飽きることなく最後まで見続けることができました。

舞台は1926年の中国。 国家統一の気運が高まり排外運動が激しさを増してきたその時代、揚子江流域でアメリカ人の保護にあたるサンパブロ号の乗員たちを描きます。

スタッフ

監督・製作ロバート・ワイズ。
リチャード・マッケナの原作をロバート・アンダーソンが脚色。
撮影ジョセフ・マクドナルド。
音楽ジェリー・ゴールドスミス。

キャスト

主演ジェイク・ホールマンにスティーブ・マックイーン。アカデミー賞にノミネートされたのはこの役が最初で最後。
同僚フレンチーに監督業に乗り出す前のリチャード・アッテンボロー。
ヒロイン、シャーリーに同年『グループ』でいきなり主演で映画デビューしたキャンディス・バーゲン。46年5月生まれなので、撮影当時はまだ19~20歳。
中国人乗組員ポー・ハンにマコ(岩松)。アカデミー賞助演男優賞にノミネート(マックィーン同様、これが最初で最後)。
コリンズ艦長にリチャード・クレンナ。
同僚のひとりに『ブリット』で上司となるサイモン・オークランド。
フレンチーが愛する現地の女性メイリーにマラヤット・アンドリアンヌ。この後エマニュエル・アルサン W の名で「エマニュエル夫人」を書いています。

タイトル

サンパブロ “San Pablo” の愛称が”Sand Pebble”。
英題”Sand Pebbles”はその乗員たちを表しているらしいです(Wikipediaから)。

ロケ地

IMDbでは、

Hong Kong, China
Malibu Creek State Park – 1925 Las Virgenes Road, Calabasas, California, USA (war zone)
Stage 16, 20th Century Fox Studios – 10201 Pico Blvd., Century City, Los Angeles, California, USA (studio)
Taiwan
USS Texas [BB-35], Houston, Texas, USA

エンドクレジットでは、

FILMED IN TAIWAN AND HONG KONG

ということで、舞台は大陸南部の揚子江流域という設定ですが、撮影は台湾と香港。
1965年11月22日に台湾で撮影開始。66年3月に香港へ移動して3ヶ月の撮影。6月からアメリカのFOXスタジオ、といった流れのようです。

『砲艦サンパブロ』についてはこちら↓のサイトにとても多くの情報が集められています。

http://www.thesandpebbles.com/

ロケ地に関してもある程度整理されていましたので、その他の記事やスチル写真などをあわせて参考にしつつ、いつも通り画面とにらめっこしながら具体的な場所をひとつずつチェックしていきました。

上海

賑わう上海の港。
撮影は台湾北部の基隆市基隆港 W で、具体的にはこのあたり。

  • Google Maps ↓


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港に面した広場で多くの人々が行き交うショットは、SVで再現するとこういった感じ。


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背景のビルは、右側が海港大樓。

左側は陽明海洋文化藝術館(現在)。

ジェイクが命令書を見せるショットで背景に特徴的な建物が映りますが、これは少し離れたこちら。


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今では高速道路が前をさえぎっていますが、背景の建物はまだ残っています。
正式名称はわかりませんが、「林開群洋樓」や「美琪酒吧」で検索するといろいろ記事や画像がヒットします。
どうやらあちらでは「出る」物件扱いされているようでして……

漢口

ジェイクがシャーリーたちと別れて降りるところ。
「豆~腐」を売っている桟橋の正面に”HANKOW GODOWNS CO. LTD.”の文字が見えます。
設定としては漢口 Wですが、場所は調査中。

ドック

サンパブロ号が係留していたところ。
撮影は上記基隆港の近く。

長沙

メイリーの店があるところ。
設定としては長沙 W
桟橋の正面にある2階建ての大きな建物の屋根には、よく見ると “CHANGSHA(長沙) WHARF CO.LTD”という看板が出ています。

2度目に寄ったとき(小舟の集団による抗議運動が起こっているとき)周囲が映されたためロケ地がわかりました。
撮影は台湾北部、淡水河 Wの河口近く。河口北側の淡水鎮 W
手懸りになったのは2つの建物。

これらがロングショットで確認できます。
この位置関係から、サンパブロ号が接岸したのは現在星巴克(スターバックス)があるこのあたり(あるいはもう1ブロック西側)ではないかと思われます。


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保山

木製の簡易な桟橋があるところ。
設定では保山(ほざん) W (セリフから)。
ここではポー・ハンをめぐって事件が起きますが、昔テレビで見たとき記憶に焼き付けられたその場面。
ハイビジョンで見るとなおさら正視に耐えないものがありました……

撮影場所ですが、川岸からサンパブロ号を映したショットで背景に山が見えます。

  • http://www.panoramio.com/photo/2911553
  • http://www.panoramio.com/photo/2911577

觀音山を北側から見た形ですので、場所は淡水鎮で上記スターバックスよりもう少し北西側、河口寄りと思われます。
大ざっぱにこのあたりでしょうか?

岸壁ギリギリまで家々が並んでいますが、これはセットかもしれません。
また家々の背後の山や建物などはマットペイントで、よく見ると合成部分がズレてしまっているカットがあります。

伝道所

宣教師ジェームソンやシャーリーがいたところ。
寺院のような広い中庭を持った建物で、ロングショットでは山間の棚田のようなところの遠くの方にあります。

撮影場所ですが、どうやらこれがIMDbのリストにある、Malibu Creek State Park W のようです。
つまりカリフォルニア州FOXランチのセット。
ロングショットの外観は、同じようなアングルのスチル写真には何も写っていないのでマットペイントと思われます。

伝道所の位置関係を本編やスチル写真で見ていくとちょっと面白いことが。
これら↓はみな同じようなアングルで撮られていますが(直リンクごめんなさい)……

  • 伝道所に向かって山を登るジェイク、フレンチーたち
    http://www.thesandpebbles.com/belgium_photos/belgium_photo16.jpg

  • 伝道所の入口に着いたジェイクたち
    http://www.thesandpebbles.com/photo_week/chinalight_stairs.jpg

  • シャーリー (本編にはない場面)
    http://www.thesandpebbles.com/i_lobbycards/italian12.jpg

  • シャーリーと2人の兵士 (ラストに相当)
    http://www.thesandpebbles.com/f_lobbycards/french12.jpg
    http://www.thesandpebbles.com/belgium_photos/belgium_photo10.jpg

これですとカメラの手前に伝道所があるようですが、伝道所に向かっていくロングショットも同じようなアングルで撮られています。伝道所は画面奥の山上にマットペイントで描かれているのに……。

伝道所のセットは実際にこれらロングショットの手前側にあったものと思われます。
具体的には周囲の地形から見てこのあたりかもしれません(確証なし)。

カメラはほぼ真南向き。

撤退する部隊

国民党軍に領事館を接収され、すごすご港に戻る部隊。
沿道の中国人から罵声をあびせられる場面で、途中の建物に「香甘李」の表示がありました。
右から読んで、「李甘香」。
ちょうどこちらのブログの一番上にある写真と同じです。

  • http://ccrpf.org.cn/bbs/read.php?tid=8303

ということで、撮影場所は台北市大同区 W迪化街 W

マップではこのあたり。

※18/9/5追記
SVが使えるようになっていました。

籠の鳥

鳥を買って逃がすところ。
背景のお寺のような建物が手懸りとなってすぐに見つかるかと思いましたが、似たような建物があちこちにあり意外と手こずってしまいました。
結論としては、台北市内の有名な龍山寺(艋舺龍山寺) W で、画面に写っていたのは正殿の背後にある後殿ではないかと思います。

マップではこちら↓

2人が居るのは正殿の北西の角で、カメラは北~北東向き。
シャーリーをとらえるカメラは東向きで、背後に正殿の北側が写っています。

ネットで探しても「これ」というアングルの画像が見つかりませんでした。
このお寺ですとどうしても中心のお堂が被写体となるようで、後殿の画像そのものがとても少ないですね。
参考画像として、例えばこちら↓

  • http://www.tabitabi-taipei.com/youyou/200310/ron/index2.html

私も「居ながら」にしては珍しくこのお寺へは行ったことがありますが、正殿の裏はあまり広くなくて、後殿を「引き」で撮れなかったのを覚えています。そういった撮影ポイントの問題も後殿の画像が少ない理由となっているのかもしれません。それに信者の方たちがとても熱心に参拝されていて、パチパチ写真を撮るのははばかれたような……。

ここだという証拠としては、この場面をよく見るとお寺の建物の上に隣のビルが頭をのぞかせているのですが、このビルは今でも建っていてSVで確認できます。

象の像

調査中。

背景の建物からするとどこかの孔子廟のようにも見えますが、撮影の合間にマックィーンが象の下でくつろいでいるスチル写真があるので、もしかすると象自体はセットかもしれません。ボートに乗る池とともに、引き続き調査中(2010年12月追記)。

※追記 2010年12月末

場所がわかりました。
台湾の庭園の画像をいろいろ見ていてたどり着けました。
孔子廟ではなくて、正解はこちら↓

板橋林家花園 (林本源園邸)
http://www.linfamily.tpc.gov.tw/

象の像を正面から見たアングルで背景に見える建物(「三落大厝」という名)はこちら。

したがって像はマップでこのあたりにあったことになります(カメラは東南向き)。

この庭園のこの場所に象の像というのはちょっと考えにくいので、確証はありませんがやはりこれは撮影用のセットなのではないでしょうか? 

河での戦い

繋がったジャンク船と戦うところ。
撮影場所は香港のこちら。メイキング映像で確認できます。

西貢 Sai Kung W

ロケ地マップ(2011年2月追記)


より大きな地図で 砲艦サンパブロ を表示

資料

更新履歴

  • 18/9/5 「撤退する部隊」SV追記

『砲艦サンパブロ』 The Sand Pebbles (1966)” への7件のコメント

  1. 初めまして。素晴らしいサイトですね。
    現在台北に滞在しています。
    油化街、龍山寺、林家花園と訪問して来ました。
    林家花園は残念ながら修復工事中で肝心な象の場所に入れませんでした。マックィーンの立った場所に立ちたかったのですが‥
    ロケ地巡りが大好きで今までは寅さんロケ地ばかり巡ってきたのですが何より大好きなマックィーンのロケ地を訪問出来て最高です。
    このサイトのおかげです。
    ありがとうございます。

  2. 田中元樹さん、いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
    拙サイトがお役に立ててうれしいです。
    台北にいらっしゃるのですね。
    「居ながら」にしては珍しく観光で行ったことがあり、龍山寺やら九份やらの定番はこなしているのですが、林家花園はまだで、ぜひ次回には行ってみたいと思っているところです。
    寅さんのロケ地巡りは、全国津々浦々とても楽しめそうですね。確か海外ロケもあったと思いますので、その分極めるのは大変かもしれませんが。

  3. コメント頂きましてありがとうございます。
    そうなんです、取り上げておられる映画が私のドンピシャが多くてワクワクします。
    大脱走なんてその最たるものでしていつかは訪問したいと思っております。
    勝手なお願いで誠に恐縮なのですが西部劇を何か取り上げて頂けると大変嬉しく思います。

  4. 田中元樹さん、ドンピシャが多いって、また嬉しいお言葉です。
    時代やジャンルが偏らないように取上げているつもりですが、やはり好みってじわじわ出てしまいますよね。
    西部劇だとどのあたりの作品でしょうか?
    多くはセット撮影だったり、州境が直線で描かれるような州の大平原だったりで、なかなか場所の特定は難しいかもしれませんね。
    『荒野の決闘』のIMDbのロケ地に『未知との遭遇』のラストの山が書かれてありますが、そんな手掛かりがあってもいざ映画を見ると気づかなかったりします。

  5. ありがとうございます。
    ジョンウェインなどのオールドウェスタンも
    大好きなのですが、少し古めのシルバラードや
    最近の3時10分決断の時なんてのがとても気になります。
    勝手なお願いで恐縮です。もしお暇が有れば取り上げて頂けると幸いです。

  6. どちらも難易度高そうな……。何か特徴的な場面がありましたでしょうか?
    町並がセットであとは大平原か大荒野が舞台……となると、特定はかなり難しいかと思いますが、もし何かわかりそうでしたら記事アップさせていただきますね。
    あっと、私スコット・グレンが好きなので、『シルバラード』もお気に入りです♪

  7. スコットグレン良いですよね〜
    レッドオクトーバーやバックドラフト何かとても印象に残っています。
    特徴的な場面を見直してみてまたご連絡させて頂きたいと思いますのでその際はよろしくお願い致します。

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