『13F』 The Thirteenth Floor (1999)

13F [Blu-ray]  

我思う、故に我有り

作品メモ

ロサンゼルスのとある高層ビルの13F。
そこでは1937年のLAを仮想世界で完全に再現するシステムが開発されていましたが、ある夜チームの上司が殺されてしまいます。
容疑者扱いされた部下は、事件解明のカギが仮想世界の中にあることを知り、潜入を試みますが……

前のエントリー『アヴァロン』同様ヴァーチャル・リアリティものですが、『アヴァロン』のようなゲーム感覚や『マトリックス』のような派手なアクションとは趣向が少し異なり、むしろ前年の『ダーク・シティ』にベクトルが重なるでしょうか。
「フェッセンデンの宇宙」的な興味に満ちていて、とても面白く見ることができました。
レンタルで見て十分満足した1本。

模造世界 (創元SF文庫) 原作は、ダニエル・F. ガロイの『模造世界』。

監督・脚本ジョゼフ・ラズナック……は初めて見る名前でしたが、製作のひとりがローランド・エメリッヒ。
VFXはドイツのCentropolis Effects等で、他にもスタッフの中にドイツ系の名前が見られます。
おそらく予算などに制約があったことと思いますが、かなり頑張って良い仕事しています。

出演者もやや地味な面々ですが、同僚を演じたヴィンセント・ドノフリオが主役以上に印象に残ります。
『フルメタル・ジャケット』の「微笑みデブ」ですね。
この映画でも微笑みながらアヤしい雰囲気をたっぷりかもしだしています(金髪ロン毛は彼自身のアイデアだとか)。
翌年の『ザ・セル』でも仮想世界で大活躍していて、バーチャルものの怪優という地位を不動のものにしたような……

ネタばれ的メモ

この世の果て

13F コレクターズ・エディション この世の果てまでいくところも『ダークシティ』っぽいですが、アーサー・C・クラークの『都市と星』を思い出しました。
この場面、もうちょっとビジュアルを頑張ってくれればさらに盛り上がったのですが。
しかもジャケットで思い切りネタばれしてるし……

登場人物

ややこしいのでネタばれ的まとめ。

俳優 現代 1937年  
クレイグ・ビアーゴ Douglas Hall(開発者) John Ferguson(銀行勤務) David(?)
グレッチェン・モル Jane Fuller(Fullerの娘)
Natasha Molinaro(レジ係)
?(?)
ヴィンセント・ドノフリオ Jason Whitney(開発者) Jerry Ashton(バーテン)
アーミン・ミューラー=スタール Hannon Fuller(上司) Grierson(骨董店主) ?(?)
デニス・ヘイスバート Larry McBain(刑事)

ロケ地

IMDbでは

777 S. Figueroa Street, Downtown, Los Angeles, California, USA
Ambassador Hotel – 3400 Wilshire Boulevard, Los Angeles, California, USA
Biltmore Hotel – 506 S. Grand Avenue, Downtown, Los Angeles, California, USA
Ennis-Brown House – 2655 Glendower Avenue, Los Feliz, Los Angeles, California, USA
RMS Queen Mary – 1126 Queens Highway, Long Beach, California, USA

DVDには監督たちのコメンタリーがついていて、参考になりました。

ホテル

冒頭フラーがいたところ。
その後も登場します。
設定ではウィルシャー・ホテル(Wilshire Grand Hotel)という名前。

外観、車寄せのあたり(丸い屋根のあるところ)は、様々な映画のロケ地として知られているこちら。

800px_USA_Los_Angeles_Ambassador_Hotel.jpg Ambassador Hotel
3400 Wilshire Boulevard, Los Angeles, California, USA

Photo from Wikimedia Commons (public domain).

マップはこちら↓ですが、既に解体されています。

玄関周り以外の外観全体や周辺の道路などはVFXの産物。
内部(ロビーや演奏しているホール)は、現在ホテルとして使われているクイーン・メリー号で撮影。

RMS Queen Mary
1126 Queens Highway, Long Beach, California, USA  
http://www.queenmary.com/

映画に登場したホールはクイーンズ・サロン。

http://www.queenmary.com/index.php?page=queenssalon

ダグラスの家

フランク・ロイド・ライト設計による有名なこちらの建物。

3763017379_482742ac45.jpg Ennis-Brown House (エニス・ブラウン・ハウス、エニス・ブラウン邸 )
2655 Glendower Avenue, Los Feliz, Los Angeles, California, USA
http://www.ennishouse.org/

『ブレードランナー』のデッカードのお家です。
→ エニス・ハウス

骨董店(書店?)

設定では”GRIERSON’S”という名前で、住所はパサデナの 117 W. Winston。
スタジオのオープンセットかと思いましたが、実際の街角を使っているそうです。
給食施設だとか。具体的な場所不明。
内部もここで撮影。

この世界の雰囲気が伝わるよう外も中も同じ建物で撮影した

コンピューター・ルーム

実際のサーバーセンターを借りたのではなく、それっぽく組んだセット。

ジェインの滞在ホテル

設定では「オムニ・ホテル」(Omni Hotel)。
ロビーはセット。

オフィス・ビル

空撮場面はCGではなくホンモノの空撮。
三日三晩ヘリで飛び続けて、「空撮はすべてその期間に済ませた」とか 。

空撮では高層ビルがまとめて映りますが、入口の場面はこの建物。

3186845278_71cb482dc9.jpg 777 Tower
777 S. Figueroa Street, Downtown, Los Angeles, California, USA

マップ↓

銀行

コメンタリーによると、「ユニカル・ビル」。
「中ぐらいの高層建築だった」とのこと。

30年代のLA

銀行から出たファガーソン(になりすましたダグラス)が目の当たりにする光景。
カメラ周辺の道路や建物の低い部分はセットで、それ以外はすべてCGと模型でしょう。
300人のエキストラと45台の車。

ブリジットの実家

タクシーでやってきたところ。
セリフでは”1257 Palo Alto Road, La Cienega Heights.”
ここに至る周辺の景色はすべてVFXの産物でしょう。
無数のやぐらは油井でしょうか(画像例1画像例2)。
タクシーに乗るとき「パサデナ」と言いますが、これは途中寄ったグリアソンのお店の場所。

この場面、なぜ手紙を渡したバーテンのところにまっすぐ向かわずに、ブリジットなる女の子を探したのか、最初はストーリー上のつながりがよくわかりませんでした。
「ブリジット・マニラ」(Bridget Manilla)の名前はセリフとしてはここで初めて登場しますが、フラーが接触した人間のリストのいちばん最後にありました。
リストには名前、職業、住所が並んでいて、それを頼りに、一番最後に接触した人間を捜そうとしたということだと思います。
せめてリストが表示されたときに字幕で「ブリジット・マニラ」と出していてくれればわかりやすかったのですが。

ちなみに、リストの最後はこんなふうです。

Charlie Smith  Chauffer
Gene Giunta  Maitre D
Erika Schmitt  Cigarette Girl
Jerry Ashton  Bartender
Mrs. Grierson  Wife
Bridgit Manilla  Dancer

「ブリジット」はDVDの英語字幕では”Bridget”ですがリストでは”Bridgit”となっています。

ハリウッド・サイン

ブリジットの実家からウィルシャーホテルに向かう道で背景にハリウッド・サインが見えますが、現在のものより少し長い”HOLLYWOODLAND”となっています。
昔はこうだったのですね。知りませんでした。
当時のものはオフィシャルサイトのこちら↓で見ることができます。
http://www.hollywoodsign.org/history-5.html

警察

撮影は「LAの繁華街にある本物の留置所」とのこと。

ジェイン(ナターシャ・モリナロ)の家

タクシーの運転手から聞き出してやってきたところ。
背景に見える橋は↓

Vincent Thomas Bridge

個人宅の外観をちょっと借りただけでしょうから場所の明示は避けることにしますが、橋の西南側の住宅街にあります。

スーパー・マーケット

ナターシャがレジで働いているところ。
店名が”JUNS”とありますが、場所不明。

資料


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