『赤い影』 Don’t Look Now (1973)

赤い影 [DVD]

作品メモ

このところヴェネツィアが舞台の映画を取上げていますが、ひとつ前のエントリー『旅情』を見て現地に行ってみたいと思った方は多いでしょうけど、この『赤い影』でそんな気分になるのは奇特な方かもしれませんね 😉

愛する娘を水の事故で亡くしてしまった夫婦が、水の都ヴェネツィアで体験する不思議な出来事を描く幻想的なサスペンス・ホラー。
ニコラス・ローグ監督の『美しき冒険旅行』に続く作品です(間にドキュメンタリーを挟む)。
前作以上に技が冴え、魔球を次々繰り出していてはバッターを翻弄。濃密なカメラワークと編集に疲れ果てこんなピッチャーと二度と対戦したくないと思うか、またぜひお手合わせ願いたいと思うか、おそらく好みが分れる投球内容となっています。

この映画、てっきり新宿のシネマスクエアとうきゅう、いわゆる「シネスク」のこけら落とし作品だと思い込んでいました。今でも記念にプログラムを持ってるんだから、ぐふふん♪ と引っ張り出して見たら、『ジェラシー』でした。orz
何年も勘違いしていたわけで、記憶なんていい加減なものです。

1973年の映画ですが日本公開は83年8月だった模様。
最初にいつどこで観たのかは覚えていませんが、確かボカシが入っていたような??
それも(この映画の見どころのひとつである)濃厚なベッドシーンの方ではなく、すっぽんぽんのドナルド・サザーランドが「太ったかな」とかお腹をつまんだりしている場面。
今手元にあるのは輸入盤DVDで、当然ボカシなし。今回再確認しましたが、別段大した場面ではありません。
『スペース・カウボーイ』に比べたらお腹も凹んでるし(そういうことじゃなくって……)。

というわけで、ヴェネツィアで教会の保全作業に携わる主人公ジョン・バクスターにドナルド・サザーランド。
その妻ローラにジュリー・クリスティー。

撮影アンソニー・リッチモンド。

原作

“Don’t Look Now”はヘンリー・カットナーの短編(邦題「「今、見ちゃいけない」「いま見ちゃいけない」)もありますが、原作となっているのはダフネ・デュ・モーリアの方。
『真夜中すぎでなく』(三笠書房 1972年)の冒頭に収録されている短編で、邦題は「今見てはだめ」です。
映画の方は凝った描写で一見わけわからめ的内容となっていますが、お話そのものはオチに至るまで原作をかなり忠実になぞっています。
ラストが説明抜きで唐突にああなるのも原作通り。監督のせいではありません。

納涼ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。

※14/12/3追記
いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫) 創元推理文庫から新たに登場(2014年11月21日)。
本のタイトルにもなっています。
これでぐっと接しやすくなりましたね 🙂

音楽

音楽はデ・パルマ監督作でおなじみピノ・ドナジオですが、これが映画音楽作曲家としてのデビュー作。
『キャリー』や『殺しのドレス』『ミッドナイトクロス』で魅せてくれた「スリラーに美しい音楽」という持ち味は、すでにこの作品で片鱗どころか十分発揮されていますね。

 
 
 
 
「ドナッジョ」「ドナッジオ」「ドナジオ」と表記が揺れがちですが、お国の人たちがどのように発音しているかはこちらをご覧ください。

 
 
 

ロケ地

IMDbでは、

“The Canals”, Venice, Veneto, Italy
Chiesa di San Nicolo dei Mendicoli, Campo San Nicolo, Dorsoduro, Venice, Veneto, Italy (Church Baxter is restoring)
Broxbourne, Hertfordshire, England, UK (Baxters home in opening scene)
Grand Canal, Venice, Veneto, Italy
Hertfordshire, England, UK
Hotel La Fenice et des Artistes – 1936 San Marco, Campiello della Fenice, Venice, Veneto, Italy (hotel where the elderly sisters stay)
Palazzo Grimani at Santa Maria Formosa, Castello, Venice, Veneto, Italia (where Baxter finally meets the red-cloaked figure. The location – Palazzo Grimani – became a museum in 2008)
Ristorante Roma, Cannaregio, Venice, Veneto, Italy (restaurant where Baxters meet the elderly sisters)
San Stae, Campo San Stae, Santa Croce, Venice, Veneto, Italy (church for funeral at end of film)
Santa Maria Formosa, Castello, Venice, Veneto, Italy (where Baxter finally meets the red-cloaked figure)
St. Mark’s Square, Venice, Veneto, Italy
Venice, Veneto, Italy

OPバクスターの家

Broxbourne, Hertfordshire, England, UK (Baxters home in opening scene)

最初の作業現場

0:08
サンタ・マリア・デッラ・サルーテが対岸に見える水辺の作業現場。
この像の下あたり。

©2010 milou アルバム「ヴェネツィア」から

以前milouさんに提供していただいた画像です。
(いつもありがとうございます♪)
ちょうどこのぐらいのアングルで見えていましたね。
撮影は2010年とのことです。

ローラが倒れた店

Ristorante Roma, Cannaregio, Venice, Veneto, Italy (restaurant where Baxters meet the elderly sisters)

店の前、大運河に架かる白い橋は、

Ponte degli ScalziW

現場検証が行われていた家

0:19
ゴンドラが迂回させられたところ。

By Abxbay via Wikimedia Commons
(public domain)

SVを見ると”PONTE DEI CONZAFELZI”と標識がかかっていますが、映画では違った名前になっていました。擬装もしれません。

立ち寄った教会

調査中。

作業中の教会

0:23。

Chiesa di San Nicolo dei MendicoliW, Campo San Nicolo, Dorsoduro, Venice, Veneto, Italy (Church Baxter is restoring)

By Godromil via Wikimedia Commons
(public domain)

滞在したホテル

0:25。
サン・マルコ広場の鐘楼が背景に見えています。
ホテルに入っていくカメラアングルから考えておそらくこちら。

Hotel Gabrielli
http://www.hotelgabrielli.it/

画像で見るとロビーの床や壁も映画と同じように見えますので、内部も撮影に使われているようです。

夜の運河

白いネズミの後、ローラが橋の上にいて、曲がった水際にジョンがいる場面。

運河はRio de San Zaninovo、橋はLe pont Stortoと言うようです。

その直後「赤い影」がとことこ走って行くのは別の場所ではないかと思われます。

海沿いの公園

ローラが姉妹と話したところ。
作業中の教会の物影で会ったはずですが、その後歩いていたのは遙かワープしたこちら。

Giardini della Biennale (Venice)W

腰を降ろしたベンチはここにあったはず。

背景の建物はWikimapiaでは”Russian pavillon”となっていますが、ヴェネツィア・ビエンナーレWの会場。
映画の中ではなんだか不可思議な雰囲気を出していましたが、明るい画像で見るとこういった感じ。

中はこんな感じ。

ベンチの向かいに見えた像はこちら。

公園のゲートからの道

0:41。
夫婦で話しながら通るところ。

出口はここ。

その先にある広場と井戸

船着き場

0:57
ローラを見送ったところ。

死体の引き揚げ

1:06
作業中の教会のすぐ近く。

小さい橋

その直後ジョンが上ってくるところ。

“PONTE DEI MIRACOLI”とありますが、これはホンモノ。

葬儀の船に乗るローラを見たところ

このあたり(カメラ北向き)。
冒頭作業していた建物のあたりですね。

船着き場

慌てて降りたところ。

降りた後この通りを駆けていきます。

運河沿いの道

その後ホテルへ向う運河沿いの回廊のような通りはこちら。

By Abxbay via Wikimedia Commons
(public domain)
Photo by Paolo Salviati
via Wikimedia Commons
(public domain)

こちらは1894年の写真とのこと。
何も変わっていませんね。

人形が転がっていた石段

調査中。
ここに限らず、ショットが断片的すぎて、粘れば場所がわかるかとは思いますが、いずれヒマな時にということで。

霊媒師と渡る橋と通路

1:33。
警察からホテルに連れて帰る場面。
『ベニスに死す』でも登場したこちらで、カメラ位置、向きがちょうど逆。

姉妹が泊まっていたホテル

入口が比較的はっきり写るのが、1:35頃。

Hotel La Fenice et des Artistes – 1936 San Marco, Campiello della Fenice, Venice, Veneto, Italy (hotel where the elderly sisters stay)

運河に向う通路と階段はこの先。

『ベニスに死す』で芸術家が物影から美少年を見ていたのがここ。

「赤い影」を追って渡った橋

1:42。

締めた門

Palazzo Grimani at Santa Maria FormosaW, Castello, Venice, Veneto, Italia (where Baxter finally meets the red-cloaked figure. The location – Palazzo Grimani – became a museum in 2008)

By Stefano Remo via Wikimedia Commons
(CC BY 3.0)

内部もここで撮影されているように見えますが、どうでしょう??

葬儀の教会

葬儀の船が着いたところ。

San Stae, Campo San StaeW, Santa Croce, Venice, Veneto, Italy (church for funeral at end of film)

By Patrice78500 via Wikimedia Commons
(public domain)

ロケ地マップ

ヴェネツィアが舞台の映画をまとめて。


より大きな地図で ヴェネツィアが舞台の映画 を表示

資料

更新履歴

  • 2017/11/04 画像のリンクをPicasaからGoogleアルバムアーカイブへ変更
  • 2014/12/03 「原作」に新刊情報追記
  • 2014/08/17 新規アップ
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