『アリ/ザ・グレーテスト』 The Greatest (1977)

Muhammad Ali, the

The Greatest Love of All …

作品メモ

現在ロンドンパラリンピックがたけなわ。
放送時間が短いのが残念ですが、タイミングが合えば夕飯時にダイジェストを見ることができ、選手達のがんばりに感嘆する一方で、居ながらを決め込んでぐーたらしている自分を恥じ入ったりしています。

オリンピックの方は例年ヒマな8月が今年はどういうわけか多忙を極め、見ている時間がほとんどありませんでした。
今頃になってテレビの録画やYoutubeのオフィシャルチャンネルで復習しているところ。
開会式の演出はダニー・ボイルだったようですが、ケネス・ブラナーが主演?をつとめていたり、ローワン・アトキンソンが『炎のランナー』のテーマ曲で遊んだり、ダニエル・クレイグがやんごとなき方と一緒にスカイダイビングしたりと、イギリスの俳優たちがしっかり登場していて楽しめました。

その開会式の半ば、オリンピック旗が場内を巡るところで、モハメド・アリが登場していました。
以前のアトランタオリンピックでも病に負けない姿を見せ拍手喝采を浴びていましたが、もともとはオリンピックの金メダリスト。その場にとてもふさわしい人物と言えます。

そのアリの映画出演作が1977年のアメリカ映画『アリ/ザ・グレーテスト』。
ちゃんとチェックしたわけではありませんが、おそらくカメオを除く俳優としては、これ一本ではないでしょうか。
本人が本人を演じるという、珍しい究極の伝記映画となっております。

ローマオリンピックでの表彰台から始まり、実写の試合映像を交えながら、私生活や事件などもそれなりに描き、最後は74年のジョージ・フォアマンとの伝説的な試合でしめくくるという、そつのない内容。
特に映画として秀でているとは言えないかもしれませんが、アリ自身の姿や後述の音楽によって記憶に残る1本となっています。

キャストは、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・デュヴァル、ジェームズ・アール・ジョーンズ等となにげに豪華。

監督トム・グライス(トム・グリース Tom Gries)。
製作途中の77年1月3日に急死、別の人が監督を引き継ぎ、映画は亡き監督に捧げられています。

今から見るとなると、日本ではDVDが出ていないようですし、VHSもおそらく入手は難しそう。
手持ちはこちら↓のアメリカ盤DVDですが、これなら今でも入手できるみたいです。

http://www.amazon.com/gp/product/B00005NKSJ/

今時珍しい両面仕様で、スタンダード版とビスタ版が収録されています。
英語字幕付きですし、リージョンコードの壁がない方はいかがでしょうか?

音楽

音楽はマイケル・マッサー Michael MasserW
当サイトのエントリーで言えば『マホガニー物語』もそうですが、優しいメロディラインとさらりとしたアレンジが持ち味。
劇中使われた以下の名曲も彼の手によるものです。

The Greatest Love of All

まずは映画のオープニングをどうぞ。

   

タイトルバックで流れるこの曲。
どこから聴いても今年2月に急逝したホイットニー・ヒューストンの“The Greatest Love of All”Wですが、元はと言えばごらんの通りこの映画のテーマ曲。
歌はジョージ・ベンソンです。

ホイットニーでならおなじみのこの曲も、ジョージ・ベンソン版はどうでしょう?
まして映画の方はどう見ても音楽ほど知られていなさそう。
いっとき音楽だけ有名という映画をチェックしていましたが(→ タグ「音楽だけ有名」)、これも十分仲間入りの一本でしょうね。

タイトルや甘美なメロディラインだけ見ると、「ワタシたちはとっても愛し合っているの、世界で一番、もうサイコ~~」的なラブバラードに思えてしまいますが、歌詞はとてもディープでメッセージ性の強いものとなっています。
日本語訳はこちらでどうぞ。

     

……といった内容ですが、意味がわかると印象ががらりと変わりますよね。
ジョージ・ベンソン版は邦題が「愛は偉大なもの」と付けられていまますが、これだと歌詞とズレちゃうかも。

作詞はリンダ・クリード(Linda Creed)W
当時乳がんの手術を受けて1ヶ月後に依頼されて書いたとのことで 1)Songwriters Hall of Fame、メッセージ性が強いのはそのためでしょうか。
彼女はその後10年にわたる闘病生活の末、86年4月にまだ37歳の若さで亡くなっています。
偶然でしょうか、その前月にホイットニーのこのカバーがシングルカットされていて、作詞家がこの世を去った翌月には見事全米チャートトップに輝いています。

“The Greatest Love of All”という言葉はおそらく映画に合わせたものでしょうけど、復活を遂げつつあった矢先にこの世を去ってしまった歌手や、病と10年間闘った作詞家、そして同じように難病と闘い続ける偉大なボクサー、それぞれの人生に思いを馳せれば、またより深いものが感じとれ、あらためて良い曲だなあと思います。

ボンバイエ

上記”The Greatest Love of All”以外にも実はもう一曲、特に日本でとても知られている音楽がこの映画出身です。

   

個人的には「闘魂のテーマ」かと思い込んでいましたが、正確にはWikipediaによれば、

「イノキボンバイエ」のフレーズを持つ入場曲『炎のファイター 〜INOKI BOM-BA-YE〜』は、元々モハメド・アリの伝記映画『アリ・ザ・グレイテスト』の挿入曲であったが、猪木と対戦したアリから猪木に贈られ、それをアレンジしたもの。

だそうでして、「炎のファイター 〜INOKI BOM-BA-YE〜」が正解のよう。
(ちなみにアリと猪木の例の試合は映画の前年1976年のこと)

劇中この曲が使われるのは試合やトレーニングなどいかにも「ダァ~~」的な場面。
他にもスローなアレンジで流れたり、エンドタイトルではバラードでしっとり聴かせたりして、姿を変えて何度か登場します。

というわけで上記2曲によってこの映画は「音楽だけ有名な映画」の伝説的世界チャンピオンと勝手に認定しちゃったのでした。

ロケ地

IMDbでは、

Atlanta, Georgia, USA
Houston, Texas, USA
Liberty City, Florida, USA
Miami, Florida, USA
South Beach, Miami Beach, Florida, USA

今回は音楽ネタがメインなので、ロケ地はさらりと。

鉄橋

最初の方で時々写る鉄橋。
金メダルを投げ捨てたのは、アリの故郷ケンタッキー州ルイビルからインディアナ州ジェファーソンヴィルに架かるこちらの橋。

George Rogers Clark Memorial BridgeW

もしかするとホントにこの橋から投げ捨てたのかもしれませんね。
SVではこのあたり↓の欄干から。


大きな地図で見る

契約を結んだオフィスからの眺めはちょうどこんな感じ。

Photo from Wikipedia (public domain).

 

メダルを捨てた後、向こうに見えていたのは、Fourteenth Street BridgeW

Photo from Wikipedia (public domain).

 

水辺の公園

“WHITE”と”COLORED”の水飲み場がある公園。
調査中。

ホテルのロビー

タワーリング・インフェルノのエレベーターでしょうか?

Hyatt Regency Hotel
5 Embarcadero Center, San Francisco, California, USA

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