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『CHILDHOOD’S END -幼年期の終り-』 Childhood’s End (2015)

Childhood's End/ [Blu-ray] [Import]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『メッセージ』は、ある日突然巨大な宇宙船でやってきた異星人とのコンタクトを描いていましたが、おそらくそのテーマで古今東西、山手線ゲーム(死語?)をやったら真っ先にタイトルがあがるのが、アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』。
SF小説における永遠不滅の金字塔ですが、その気宇壮大な世界を大胆不敵といいますか無謀といいますか、あっさりテレビドラマシリーズ化してしまったのがこの『CHILDHOOD’S END -幼年期の終り-』。

いざできあがったものを見ると、お話は原作をなぞるのがせいいっぱいで、ビジュアル面でもやはりテレビドラマの域にとどまっていたような気がしますが、そのあたりは想定内でしょうか。
ただオーバーロードたちの造形を大まじめにやってくれて、これはこれで嬉しくもあり、見応えもありました。一番の見どころかもしれません。

製作はSyfyチャンネルで、2015年12月14日~16日に放送(全3話)。
日本ではAXNで2016年5月1日に一挙放送。日本語吹き替えでした。

 
 
 

キャラクター&原作との違い

リッキー・ストルムグレン (Ricky Stormgren) /マイク・ヴォーゲル
カレルレンに選ばれてメッセンジャーとしての役割を担わされる。原作では国連事務総長だが、ドラマではごく普通の農夫。E2以降のお話はドラマオリジナル。
マイロ・ロドリックス (Milo Rodericks)/オシ・イカイル(成人)
原作ではルパート・ボイス博士の夫人でアフリカ系の美女、マイア・ボイスの弟という設定だったが(名前はジャン)、ドラマでは貧しい地区の生まれで下半身が不自由な少年として登場、後に天体物理学者として、ボイス研究所で勤務するという設定。
エリー・ストルムグレン (Ellie Stormgren)/デイジー・ベッツ
リッキーの現在の妻。ドラマオリジナル。
アナベル・ストルムグレン (Annabel Stormgren)/ジョージナ・ヘイグ
リッキーの死別した妻。ドラマオリジナル。
ヒューゴー・ウェインライト (Hugo Wainwright)/コルム・ミーニイ
メディア王。カレルレンによる支配に反撥してフリーダムリーグ(自由連盟)を率いる。原作では名前はアレクサンダーで、誘拐については関知していない。
ペレッタ・ジョーンズ (Peretta Jones)/Yael Stone
心理カウンセラー。ドラマオリジナル。
ルパート・ボイス (Rupert Boyce)/ジュリアン・マクマホン
南アフリカにあるボイス研究所の所長。
レイチェル・オーサカ (Rachel Osaka)/Charlotte Nicdao
マイロの研究所仲間。アジア系のルックス。原作に名前だけ登場するロジータ・チェン(昔の恋人)に相当?
ジェイク・グレグソン (Jake Greggson)/Ashley Zukerman
E2で登場するパサデナ在住のゴルフコース設計者。トミーの父親、エイミーの夫。原作ではジョージで、テレビスタジオの設計者。
エイミー・モレル (Amy Morrel)/Hayley Magnus
ジェイクの妻。トミーの母親。原作ではジーン。
カレルレン (Karellen)/チャールズ・ダンス
好きな俳優がこの役というのが、とても嬉しいですね。顔がそっくりですが、顔の型だけ提供したのではなく、実際に特殊メイクで文字通り中の人になっています(動き回るショットはおそらくボディダブル)。なお、Karellenの綴りは誰がどうやって決めたのか、昔も今も謎。

 
 
 

ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。

 

エピソード&ロケ地

オリジナルは全3話。
AXNでは前篇・後篇に分けて、全6話として放送。

IMDbでは、シリーズ全体のロケ地として、

Melbourne, Victoria, Australia

設定ではアメリカ、南アフリカ、それからニューアテネ(笑)といったところですが、撮影は主にメルボルン。

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

第1章「オーバーロード」(E1 “The Overlords”)

原作では第2部の冒頭に置かれた衝撃的な場面(出オチともいう……)が、ドラマではE1のラストに置かれています。
その代わり、原作の第1部ラストで描かれた叙情的な描写はなくなっていますが、E2以降ストルムグレンをめぐる別のエピソードに引き継がれます。

IMDbによる撮影地はこちら↓

Melbourne Water Western Treatment Plant, Werribee, Victoria, Australia (Ricky Stormgren’s farm)
Strathmore, Victoria, Australia (Greggson’s house)

リッキーの農場

Melbourne Water Western Treatment Plant, Victoria, Australia (Ricky Stormgren’s farm)

ウェインライト・グローバル・メディア社

前編0:07頃

Wainwright Global Media
New York City

とテロップが出ます。
幾何学的に構成された吹き抜けが特徴的。

National Australia Bank Docklands

 
 
 

クルマ移動

前編0:34
シークレットサービスの車で町中を移動する場面。
車は右側通行で往来していますが、よく見ると地面に描かれた道路標示は左側通行のものになっていますので、撮影はオーストラリアでしょうね。
この通りは、粘ればわかるかも。

事件現場

後編0:07
マイロの母親が立っているところ。のちにとある事件の現場となります。

グレッグソン宅

後編0:35
設定ではパサデナ。IMDbのE3の撮影地リストによればこちら↓

Strathmore, Victoria, Australia (Greggson’s house)

第2章「偽りの日々」(E2 “The Deceivers”)

IMDbによる撮影地はこちら↓

Strathmore, Victoria, Australia

広場

前篇0:02

人々が楽しく過ごす平和な一コマ。
背景にSUN THEATREという建物が見えます。
場所はやはりメルボルン。

Sun TheatreW
http://suntheatre.com.au/

ボイス研究所

前編0:03
BOYCE INSTITUTE。マイロがヘリコプターでやってきたところ。南アフリカという設定のようです。
実際の撮影はこちら↓

メルボルン博物館W
11 Nicholson Street. Carlton, Victoria, 3053

最初に入っていくショットは、北側のこちら↓

入口のショットで、左手に『ラ・ジュテ』に出てきた木の輪切りのようなものが展示されていますが、こちら↓

0:20
3人が入ってくるのはこちら↓

その前にオーバーロードの贈り物が届くのは、この突き当たりの部屋ですね。

……この他、E2後半ではパーティー会場として大活躍♪(原作ではルパートの自宅)

この博物館はSF映画では(まだ取上げていませんが)『ノウイング』でも登場しています。

第3章「子供たち」(E3 “The Children”)

IMDbによる撮影地はこちら↓

Strathmore, Victoria, Australia (Greggson’s house)
Melbourne, Victoria, Australia (Entrance bridge to New Athens)

競技場

0:04

Lakeside StadiumW

ニューアテネ

0:16
ニューアテネへと続く橋はこちら↓

市長が迎えに来て一緒に歩いて行くのを望遠で捉えたショットは、

映画館

後編0:08

Palais TheatreW
Cnr Lower Esplanade and Cavell Street, St Kilda, VIC 3182
https://palaistheatre.com.au/

※19/8/5追記
milouさんに以前作っていただいたアルバム「世界の映画館」に、この映画館の画像もアップしていただいていました(気づかずにすみません)。

撮影は2004年8月。

このお写真を含む2004年のメルボルンの旅行記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご訪問ください。

墓地とチャペル

後編0:13

Melbourne General CemeteryW

世界各地で子供たちが手を左右に広げて空へ飛んでいきます。
これはもう携挙ですね。
「みんなぱらいそさいくだ!」でもいいですが……

原作自体がどこかしらキリスト教的世界観が感じられる内容でしたが、こういう映像化を見るとよけいにその印象が強まります。

ロケ地マップ

オーストラリアで撮影された映画

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2019/08/05 「映画館」にmilouさんの画像をアップ
  • 2019/08/03 新規アップ

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