『記憶のはばたき』 Till Human Voices Wake Us (2002)

記憶のはばたき [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『月下の恋』で、思い出したと書いたこの映画。ついでにエントリーも作ってみました。
久々に見返してみましたが、冒頭以外はあまり似ていなかったかも(汗)。
ホラーじゃないし。

少年時代に幼なじみを水の事故で失った男が主人公。
淡い恋心をいだいていた彼女は遺体すら見つかることがありませんでした。
事故のショックと彼女を失った悲しみで、精神分析医となった今もトラウマにとらわれています。
二度とその地に戻るつもりはありませんでしたが、父親の葬儀のために久々に帰郷。
その夜、川でおぼれかけた女性を救出します。
どうやら記憶を失っているようなのですが、彼女の言動からあの幼なじみなのでは、と思うようになり……

といったミステリアスで幻想的なお話。
不思議な物語にふさわしく、映像は美しく繊細。映画は静かなタッチで主人公の心の揺れを描いていきます。
ぼーっと見ていると何だかよくわからない話ですが、独善的な放置プレイ映画というわけでもなく、わけわからないなりに心に染みてくる詩のような映画です。

喪失感を抱き続ける精神分析医サム・フランクスにガイ・ピアース。抑えた演技がとても良かったですね。
記憶を喪った謎の女性ルビーにヘレナ・ボナム・カーター。
心に残る少女シルヴィ・ルイスにブルック・ハーマン。
サムの少年時代を演じたリンドレイ・ジョイナーは、好演だったと思いますが、他にはほとんど出演作がないようです。

監督・脚本マイケル・ペトローニ。

この映画、長いことイギリス映画だと思い込んでいました。
舞台はオーストラリアで、オーストラリア・アメリカ映画。
そういえばガイ・ピアーズはイギリス生まれのオーストラリアの俳優さんでしたね。(→ 『プリシラ』

原題

「人の声が我等を起こすまで」という謎めいた原題は、シルヴィが読んでいたT.S.エリオットの詩「プルーフロックの恋歌」”The Love Song of J. Alfred Prufrock”の最後の一文。

名刺

サムの肩書きは、
“MB.B.S.F.R.A.N.Z.C.P.”

これについてIMDbのgoofsで細かいツッコミが。

Sam’s business card has him as ‘MB. B.S. F.R.A.N.Z.C.P.’. It should be presented as ‘M.B., B.S. (Melbourne – or other University name), F.R.A.N.Z.C.P.’.

これだってわかりませんって。
フルスペルなら、きっとこうですね。

Bachelor of Medicine, Bachelor of Surgery, Fellow of the Royal Australian and New Zealand College of Psychiatrists

ロケ地

IMDbでは、

Australia
Castlemaine, Victoria, Australia
Maldon, Victoria, Australia
Melbourne, Victoria, Australia

エンドクレジットの謝辞では、以下の町の名前がありました。

Castlemaine, Harcourt, Shepparton, Maldon and Ballart

ということで、オーストラリアの南東部、ヴィクトリア州のいくつかの町が撮影地となっています。

着いたのはジェノア(GENOA)という駅。
撮影はおそらく Maldon の駅W

これらの画像は映画とほぼ一致しています。

マップでは、

駅からの道(像のある交差点)

ピックアップトラックが町の中心部に向かっていく道。
これもやはりMaldonのこちら。


大きな地図で見る

クルマはこのストリートビューの奥(南西)に向かって走っていきます。
この交差点から先は町のメイン・ストリート。

ポイントは、その後何回か写る兵士の像がないこと。
ここの交差点あたりに建っているはずなのですが、見当たりません。
撮影用の小道具だったのでしょうか?

辛い記憶となってしまった小さい桟橋のある川。
憶測ですが、おそらくエンドクレジットにあるSheppartonWを流れるゴールバーン川(Goulburn River)ではないかと思われます。

鉄橋

自転車の2人乗りで渡るトラス型の鉄橋。上部がやや湾曲しているのが特徴的。
その後も大事な場所として何度か登場します。
いろいろ画像検索を繰り返してみた結果こちらではないかと思われるのですが、いかがでしょうか?
上記Sheppartonから南へ約30km。Murchisonという町の北側にかかる橋で、下を流れるのはやはり上記Goulburn Riverです。


大きな地図で見る

画像はたとえば、

商店街

鉄橋の直後、2人乗りで通り過ぎる商店街。
これはMaldonで、カメラ位置はちょうどここ(西向き)。

木製の橋

2人乗りの場面で1カットだけ写る木製の橋。
かなり年季が入った橋で、印象に残ります。
よく見ると自転車は下を走っているだけで、橋を渡っているわけではありません。

この橋はおそらく上記Maldonの南西30kmあたりにあるこちら。

Foley’s Bridge

ブログの記事によると、2010年9月に豪雨による増水で流されてしまったとのこと。
こちらのPanoramioの画像は流される3日前のものだとか。とても貴重ですね。

  • http://www.panoramio.com/photo/40793733

マップではこちら。

次にマップ画像が更新されたら、もう見られなくなる……ということですね。

ダンスホール

調査中。

街角

過去から現在に切り替わった際に写るトラムが走る街角(0:35頃)。
おそらくメルボルンでしょうけど、場所は不明。

※2013/04/28追記
コメント欄でmilouさんが解決してくださいました。
メルボルン市内、Victoria Parade と Gisborne St.との交差点の南南東側を見ているアングルでした。

これでスッキリ♪♪ ありがとうございました。

©milou アルバム「オーストラリア」から

画像も提供していただきました。
こちらは映画に登場したものと同じタイプのトラム。

©milou アルバム「オーストラリア」から

こちらは映画とは別ですが、コメント欄で触れられていたリッチモンド駅。

ロケ地マップ

※17/5/19追加

オーストラリアで撮影された映画

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2017/05/19 「ロケ地マップ」項目追加
  • 2014/05/07 milouさんの画像をPicasaウェブアルバムに切替

『記憶のはばたき』 Till Human Voices Wake Us (2002)” への2件のコメント

  1. トラム判明。
    トラムが走っている場所はVictoria Parade の Gisborne St.との交差点から南南東を見たもの。

    メルボルンのトラムの種類は多いようだが映画に出てくる緑のトラムは古いタイプらしくSVで線路をかなり追いかけたが数は少なかった。
    94年に行ったときは中心から少し遠いYHに滞在し毎日トラムで街に出たが鉄ちゃんではないし、どのタイプだったか覚えていない。

    メルボルンは1週間しかいなかったが映画館が多く住んでもいいなと思うほど気に入った。ここでの(映画の)記録はしっかり残していて『父、帰る』や『堕天使のパスポート』など短編を含め16本見ている。ちなみに当然ながら英国と同じ地名が多く、電車でどこかへ行った帰りRichmond という駅があった。

  2. milouさん、返信遅れてすみません。
    よく場所がお判りになりましたね。これは凄いです。
    久々に見返してみたら、わずか2,3秒のカットでしたね。自分でタイムスタンプ書いていなかったら、どの場面なのかわからなかったかもしれません……。そんなところまでチェックしていただいて、恐縮です。

    画像のご提供もありがとうございました。
    同じ地名ってマップをチェックするときややこしいですよね。
    なんでカナダにロンドンやテムズ川があるんだ、みたいな。

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