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『衝撃の告発!QBセブン』 QB VII (1974)

Qb VII [DVD] [Import]

You are the plaintiff here, not the defendant.

作品メモ

ひとつ前のエントリー『アリ/ザ・グレーテスト』の監督トム・グライス(トム・グリース Tom Gries)が演出したアメリカのテレビドラマ。

QB VIIとはQueen’s Bench Court Room No.7 (of the Royal Courts of Justice)、英国王立裁判所第七号法廷のこと。
そこで繰り広げられる法廷ドラマ。それもナチスが強制収容所で行った人体実験が背景にあるという、かなり骨太の内容となっています。

舞台はロンドンですが、製作はアメリカでABCで放映。
いわゆるミニ・シリーズの先駆けとなった作品で、テレビドラマとはいえ多額の予算をかけて映画のようにしっかりと製作、短期間に数回にわたって放送するスタイルをとっています(放送日は1974年4月29日と30日)。
反響も上々で、エミー賞の16部門にノミネート、6部門で受賞。

お茶の間の日本人もこれで初めてアメリカのミニシリーズなるものを目の当たりにしたわけで、その後の『ルーツ』のルーツといいますか、露払いの役目を果たしていたと思います。
放送前後には毎回白井佳夫さんが登場し、日本映画名作劇場的スタイルでクールに「きゅうーびーせぶん、くいーんずべんちこーとるーむなんばーせぶん」とおまじないのように唱えてから、解説をしていました(ここらへん、記憶違いだったらごめんなさい)。
その後何度か地上波で放送されていますが、ビデオやDVD化はされていないようで、今から見るとなるとなかなか難しいかもしれません。
欧米では2枚組DVDが出ていますし今でも入手可能ですので、再生機器の問題がない方は円高の今ぜひお手元にいかがでしょう?

手元にあるのは以前買ったイギリス盤DVDで、この記事もそれをもとに書いています。
スタンダードでモノラル収録。PCで見る限りリージョンコードの問題もありません。
英語字幕付きですので、むずかしい用語も一時停止で調べたりしてなんとかついていけました。
ただし収録時間が5時間程度。
実際には6時間半程度あるようなので、かなり編集されているのかもしれません。

※2014/04/06追記
放送日について、新聞社のデータベースで調べてみました。
朝日新聞東京版のテレビ欄によると、フジテレビで1977年9月28日(水)23:55 から3夜連続で放送されたようです。
上で「『ルーツ』の露払い」と書きましたが、『ルーツ』の放送は同年10月上旬ですから、系列局こそ違えどその直前の放送だったことになります。

スタッフ

監督は前述のようにトム・グライス、製作マーティン・スターガー、脚本エドワード・アンハルト。

Qb VII 原作はレオン・ユリスの同題の小説。
『栄光への脱出』の原作『エクソダス』の著者、ということで、ユダヤ人問題を扱った作品が多いようです。
ドラマの中でベン・ギャザラ演じる作家に重なるものがありましょう。
……といいますか、ストーリーそのものも実際にレオン・ユリスの身に起きた裁判沙汰を基にしているようです。

日本でも翻訳は出ていましたが、とっくに絶版で図書館か古書店で見つける他ありません。

音楽ジェリー・ゴールドスミス。
これが実に素晴らしいスコアで、今聴いても戦慄を覚えるほど。
当時家庭用ビデオなんて持っていませんでしたが、音声部分はカセットテープに録音して繰り返し聴いたものです。

   

※14/11/12 動画差し替え。

サントラ

※18/3/8項目追加

コメント欄(18/3/7)でカイムさんから情報寄せていただきました。
ニューレコーディングで2枚組CDが出ているそうです。

http://www.tadlowmusic.com/2013/12/qb-vii/

 
 
 

米Amazonではこちら↓
https://www.amazon.com/QB-VII-OST-2CD/dp/B00HJ8HD74/

QB VII (1974 Television Mini-Series) (1995-05-23) こちらはオリジナルサントラでしょうか?(未確認)

キャストと物語

キャストを物語にからめながらざっくりご紹介しますと……

舞台は1973年ロンドン。
裁判所の前にこれから争う2人の男たちが現れ、大勢の取材陣に取り囲まれます。

原告はポーランド系イギリス人医師サー・アダム・ケルノ Adam Kelno(アンソニー・ホプキンス)。
被告はアメリカ人作家エイブ(エイブラハム)・ケイディ Abe Cady(ベン・ギャザラ)。
ケイディの書いた本に、ケルノがかつて強制収容所でナチスに協力して非人道的な手術を行っていたことが書かれていたため、ケルノが名誉毀損で訴えたのがこの裁判です。

第1部では原告の半生が描かれます。

第2次大戦末期、ソ連軍の侵攻にともない辛くもポーランドの強制収容所から脱出したアダム・ケルノは、その後イギリスで優秀な外科医として活躍。海外でも長年献身的に医療活動を続けて、今やサーの称号も持つ身。
ところが戦後まもなくの時期、ヤドヴィガ収容所で非人道的な手術を行った容疑で彼は一度逮捕されたことがあるのです。その時は彼をポーランドに引き渡すかどうかの審判が開かれ、結局無罪放免となったのですが、同じ件で再び名誉を汚されるのはたまらない、ということで裁判を起こしたのでした。

妻として看護婦として長年連れ添ってきたアンジェラ(Angela)にレスリー・キャロン。
やはり医者となった息子スティーブン(Stephen) にアンソニー・アンドリュース。

第2部では被告のこれまでが描かれます。
作家アブラハム(エイブ)・ケイディ は第2次大戦中イギリス空軍でエースパイロットとして活躍。戦後は映画界へも進出し華やかな生活を送っていましたが、20年以上の時を経て妻との関係は冷え込み、新しい恋人ができたところでした。
ある日父親が倒れたという知らせを受けて初めてイスラエルの地を踏んだアブラハムは、そこでユダヤ人としてのルーツにめざめます。
ホロコースト博物館を見学して衝撃を受けた彼は、作家としてライフワークをものにすることを誓い、タイプライターに向かうのでした。

元看護婦の妻にジュリエット・ミルズ。
セレブな恋人マーガレット Margaret Alexanderにリー・レミック。

第3部はいよいよ法廷での対決です。

被告を弁護する弁護士Tom Banniesterにアンソニー・クエイル。かつての審判でケルノを追い詰め切れなかった因縁のある人物ですが、マーガレットの頼みもあって難しい裁判を引き受けます。法廷の場面はどうしてもアンソニー・ホプキンスが目を惹きがちですが、アンソニー・クエイルも素晴らしい好演だったと思います。
原告側の代理人で、かつてケルノの弁護士として無実を勝ち取ったRobert Highsmith にロバート・スティーブンス。
裁判長はジャック・ホーキンス。1973年の7月に亡くなっていて、これが最後の出演作です。

収容所の生存者で証人として登場するDr.Parmentierにエディス・エヴァンズ。

ケルノ側を打ち砕くためには、なんとしても当時の医療記録を手に入れなくてはなりません。
それはどこにあり、どうやって手に入れられるのか。
答えを見つけるために、ケイディはポーランドへと飛びます。

鍵を握るポーランド人のEgon Sobotnikに、ヴラデク・シェイバル Vladek Sheybal(『謎の円盤UFO』のドクター・ジョンソン)。
ポーランド政府の Igor Zaminskiに、ジュリアン・グローバー。以前の裁判でケルノを引き渡してもらうためにロンドンまで出向いて立ち合ったことがあり、因縁浅からぬ人物です。
手懸りとなる女Lenaにシグネ・ハッソ。

ケイディの探索は果たして裁判に間に合うのか? そしていかなる判決が下されるのか??
それは見てのお楽しみ。

……といったお話です。

名誉毀損で訴えた原告が逆に被告側に追い詰められていくという展開がまず非常に優れたアイデアで、細かい伏線や鮮やかなラストに至るまで法廷ドラマとして抜群の面白さを持っています。
1部と2部でそれぞれの人生を描き、後半は一気に緊迫した法廷シーンを積み重ねていくという構成もわかりやすく、浮ついた生活を送っていた男が高名な医師に迫っていくという皮肉もうまく効いています。

ドラマとは思えない豪華なキャストですが、特に法廷の場面はほとんどアンソニー・ホプキンスの独壇場。
神がかりとはこのことかという演技で、深い業を背負った初老の医師を三十代半ばにして見事に演じきっています。

ホロコースト

問題となったケイディの著書はタイトルが『ザ・ホロコースト』”THE HOLOCAUST” 。
恥ずかしながらこのドラマで「ホロコースト」と言う言葉を知りました。
もっとも一般に定着したのは数年後のミニシリーズ『ホロコースト』ではないかと思われます。

ロケ地

IMDbには記載がありません。

OP

ドラマは毎回ロンドンの中心部、テムズ川に沿った空撮から始まっていました。
ウェストミンスター橋の上空から北のウォータールー橋に向かってカメラは進んでいきます。
今ならロンドン・アイが右下に見えるはずですが、もちろん当時は影も形もありません。

川沿いは取り壊し中の建物や現在のものとは違った建物が見受けられ、昔から変わっていないようなロンドンの街並みも数十年というスパンでは少しずつリニューアルされていることがわかります。

裁判所前

空撮カメラが近づいていくのが、舞台となる王立裁判所(Royal Courts of Justice)W

河畔

キャディがマーガレットと歩くテムズ川沿いの道。

ロッド空港

ベン・グリオン国際空港W

嘆きの壁

嘆きの壁W

ヤド・ヴァシェム

ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem)

病院

ケルノ親子が勤務する病院。
外観はこちらで、写っていたのは西側部分。向かいの建物は今でも建っています。

Charing Cross Hospital

出版社

おそらく出版社という設定かと思いますが、ケイディがが記者たちに質問を受けていたところ。
トラファルガー広場に面したこの建物。

石橋

マーガレットがトム・バニースターに弁護を依頼しているところ。
場所は調査中。

TRINITY COLLEGE

Trinity College, Oxford

エイブが歩いてくるのはここ。西へ向かっています。

入っていったのはここ。上記と同じ通りですぐ近くですが、逆方向から来て入っていきます。

アメリカ大使館

マーガレットがやってきたロンドンのアメリカ大使館。
ホンモノです。

ワルシャワ

エイブのクルマがやってきた広場。
“WARSAW THE POLISH PEOPLE’S REPUBLIC”とテロップが出ますが、ワルシャワではありませんね。
この時代の東欧のロケは、なかなか難しいものがあると思います。

どこかで見覚えが……と思ったら、以前のエントリー『尼僧物語』で画像を調べたことのあるところでした。
ベルギー、アントウェルペン(アントワープ)のこちらの広場。


大きな地図で見る

ホテルという想定の旗がいっぱい立った建物は実際には市庁舎。

※18/3/10追記

Bill McCrearyさんから画像を提供していただきました。
ご自身のブログ「ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)」に多くの画像がアップされていますので、リンク先もぜひご覧ください。

2012-13 ベネルックス(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)紀行(10)

向かって右側の建物。
劇中、クルマがやってくる場面で写っています。

収容所跡

※18/3/10項目追加
エゴンを落とすために連れてきたところ。
設定ではポーランドのヤドヴィガ強制収容所(Jadwiga concentration)。架空の名称です。
撮影に使われたのは、アントワープの南約20kmのこちら。

Fort Breendonk(ブレーンドンク要塞)W

1906~13年に作られたベルギーの要塞ですが、ナチスドイツ占領時代に強制収容所として使われていたとのこと。

現在はそのまま保存され展示されているようです。
画像は他にこういったところ↓

Wikimedia Commons > Category:Fort_van_Breendonk

エゴンをここに連れてきて自白させるというのは原作にはない描写です。
映像の力で非常にうまく表現していたように思いました。

資料

更新履歴

  • 2018/03/10 「ワルシャワ」にBill McCrearyさんの画像を追記 「収容所跡」項目追加
  • 2018/03/08 「サントラ」項目追加
  • 2014/11/12 動画差し替え
  • 2014/04/06 放映日について追記

コメント

  1. hamlet2601 より:

     ありがとうございます。QB7を見たのは私が十台半ば頃でした。テレビで放送したものです。
    たしか2週連続の放送でした。すごい重厚な作品でした。DVDが出てないのが残念です。
    グーグルでQB7を検索したら、このサイトがヒットしました。あの医師がアンソニー・ホプキンスだと初めて知りました。あのハンニバルや羊たちの沈黙の、あの方ですよね。驚きです。ほんとの名優なんですね。
    こういうドラマを見ると、日本のドラマ創りにがっかりしてしまいます。テーマが何も無いですもの。
    せいぜい自衛隊や警察を悪者にして、巨悪を描いたつもり。情けなくなります。巨悪は人間の内面にあるなんてドラマは創れないもんなんでしょうか。
     

  2. inagara より:

    hamlet2601さん、いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
    ご覧になった方と出会えて、心強いです 🙂
    2週連続でしたか。そこらへんの記憶はほとんど薄れてしまっていますが、解説が白井佳夫さんだったのはたぶん間違いないのではと思います。
    日本でDVDが出ていないのは本当に惜しまれますよね。今からDVD化は難しいかもしれませんが、衛星放送やネット放映などで、見られる機会が少しでも増えれば良いなと思います。

    このエントリー書くのに久々に見返しましたが、アンソニー・ホプキンスの演技には再び引き込まれました。他の俳優さん達ももちろん素晴らしく、演出含めて、凄いテレビドラマを作るんだという意気込みがびしびし伝わってくる作品ですよね。

  3. kulingon より:

     一度、東京12チャンネルで昼の洋画劇場の時間に数日にわたり放送していたのを記憶しています。こういった優れた作品を、日本でもDVD化してほしいものですね。アンソニー・ホプキンスのプロフィール欄にも、この作品は載っていないことが多い。
     

  4. inagara より:

    kulingonさん、いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
    おお、東京12チャンネルのお昼ですか。毎日のように洋画を放送していた枠ですよね。
    私も最初の放送以後もどこかで見た記憶があったのですが、もしかするとそれかもしれませんね。
    アンソニー・ホプキンスのプロフィール欄に載っていない場合もあるなんて信じられません。プロフィールはどうしても劇場用映画に偏ってしまうからかもしれませんが、自分にとっては間違いなく代表作の1本です。

  5. Mtt より:

    高校生の頃、本作を見ました.たしか、季節は真冬でした.たぶん年末だったようにおもいます.
    大阪に住んでおりましたが、深夜に2回に分けて放送されテレビの前で毛布にくるまりながら感動と寒さで震えていたことを思い出します.私が見たときは、解説はなかったとも思います.最初の放送の反響をうけた再放送だったのでしょうか.ルーツとかの放送があった時代のことと覚えています.

  6. inagara より:

    Mttさん、いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
    部屋は寒くとも心は感動でアツくなる、そんなドラマですよね。
    昔放送されたドラマって、当時の自身の環境と合わせてなつかしく思い出されるものですね。
    上の本文でカセットに録音したと書いてますが、たぶんラインではなくてレコーダーをテレビに近づけて録ったような記憶が有ります。

  7. Mtt より:

    inagara さん はじめまして.
    QB7について検索したら当サイトがひっとしたのでコメントさせてもらいました.
    前に書いたように、私が見たのはルーツの日本の放映の後でした.ルーツの日本放映は1977年10月だったようですので、たぶんその年の冬とおもいます.もっとも、次の年の冬だったかもしれませんが...まだ第四次中東戦争からそんなに経っていない頃ですね.

    日本でも放映当時は結構反響があったのではないでしょうか.当時、原作の翻訳を本屋で見かけましたし、丸善とかでは原作の原書のペーパーバックを見かけました.いま、DVD日本語版が無いのでは残念です.

  8. inagara より:

    Mttさん、日本での最初の放映日気になりますので後で調べておきますね(どうやって調べりゃいいんだろう……??)。
    私もテレビで見た後たしか原書のペーパーバックを買った記憶があります。
    10年ほど前まで持っていましたが、表紙はこういった↓感じでした。
    http://www.amazon.co.jp/Q-B-VII-Leon-Uris/dp/0552088668/

    ただ自分の語学力から考えて翻訳本が出ているのにわざわざ原書を買うとは思えないので(当時のドル円レートではお金の節約にもならないですし……)、もしかすると最初の放映時にはまだ翻訳本がなかったのかもしれません。

  9. inagara より:

    最初の放映日、まだわかりません。
    朝日新聞のデータベースで調べようと思ったら、70年代はカバーされていないみたいです……
    翻訳本の方は、初版が1980年3月15日でした(新潮社、宇野利泰訳)。
    引き続き調査進めます。

  10. 居ながらシネマ より:

    朝日新聞のデータベースで放送日がわかりましたので、追記しておきました。(全文検索は85年以降でしたが、縮刷版の見出し&キーワード検索はそれ以前も可能でした。勘違いしていてすみません)。

  11. カナル太郎 より:

    ネット検索 QB7 でここまでたどり着きました。
    皆様と同じく日本TV放映で当時たいへん感動した思い出あり、わが町の図書館に分厚い翻訳本あり、2週間掛けてゆっくり読書した記憶がありました。
    個人的にはベンギャザラが非常に印象に残っております。
    今回こちらの記事でアンソニーホプキンスが出演したいたとは、、個人的に羊飼いの沈黙シリーズは大好きで、おかげでその映画使われているバッハ、コルドベルク変奏曲、グレングールド演奏まで派生しておりました。
    なにか非常に縁を感じるTVドラマ情報たいへんありがとうございました。
    また、ゆっくりと青春の一ページを一枚めくった心休まる気持ちで訪れます。
    資料収集ご苦労さまでした。

  12. 居ながらシネマ より:

    カナル太郎さん、いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
    このエントリーはいろいろな方からコメントいただいて、あらためて作品の重さや衝撃度を感じているところです。
    私にとっても青春の1ページです。
    実は主役はアンソニー・ホプキンスが主役だったというのでビックリ、まだ30代であの役をこなしていたというので2度ビックリの作品ですね。

  13. あまかざり より:

    不慣れなネットで検索してましたら、たやすくたどり着きました。感激しています。20代後半だったと思いますが、それこそ「瞬きもせず」観たことを覚えています。その後40年、内容の記憶はとぎれとぎれになってますが「QB7」というタイトルはいつも記憶の中にありました。そうですかCDは出来ていないのですか、、、残念ですね。 でも当時あの映画を観て今でも話題にしている方々がおられる事、とてもうれしく思います。

  14. 居ながらシネマ より:

    あまかざりさん、コメントありがとうございます。
    最初の放送でご覧になったのですね。
    何十年と経った今でも皆さんからコメントいただいて、作品の持つインパクトを改めて感じています。

    日本語字幕付きや吹替えでは現在なかなか見る機会にめぐまれないのが残念ですが、今見たらYouTubeに全編アップされているようですので、雰囲気だけでも味わえるかもしれません。

    https://www.youtube.com/watch?v=oQLXkod0bZI
    https://www.youtube.com/watch?v=DbGV6q-ERXg

  15. つきみ より:

    リアルタイムで観ましたよ‼︎ 『キュービーセブン』……ベン ギャザラと、貧しくとも気高い医者、があのアンソニー ホプキンスだとは当時は知りませんでした。ギャザラの放埓な生き方より、戦地から帰り妻と子供を連れてアラブに医療奉仕に出向くA ホプキンスの痛々しさっ!に惹かれました。どうしてここまで自分を追い詰めるのか、その秘密が暴かれるラスト。しかし、イギリスの法廷は裁判を起こしたB ギャザラにたった硬貨1枚しか認めなかったですよね。
    戦時下の罪をそこまで追求する民族性が日本人にはいささか遠すぎる印象がありましたっけ。勿論、『栄光への脱出』も見ています(淀川長治の洋画劇場で)。
    昔は痩せていたんですね、A ホプキンス。この人『冬のライオン』でもゲイの王子様という変わった役してましたね。
    それで『 あんまり感動したので原作『QB7』も読んじゃいました。これはこれで良かったと思います。

  16. 居ながらシネマ より:

    つきみさん、コメントありがとうございます。
    どんどん仲間が増えていくようで、とてもうれしいです。
    偉そうにエントリー書いてますが、私も当時はアンソニー・ホプキンス知りませんでしたよ(笑)
    『栄光への脱出』は今ではDVDもレンタルされていますし比較的容易に接することができますが、『QBVII』は困ったことに日本語字幕付きで見たくても見られない状態が続いてしまっています。
    このエントリーの皆さんの熱いコメントが、ソフト化への後押しになれば良いのですが。

  17. ふぬけ より:

    アンソニー・ホプキンスの映画だったら、これと“タイタス”だと思います。
    ベン・ギャザラは、“ドッグビル”と“明日なき男”かな……

  18. ふぬけ より:

    追伸:
    そうそう、“sir”の称号を持っていても、
    カギ十字にかかわっていたら、その名誉は、
    ワンペニー程度なんですね。
    東洋のどこぞの大国と違って……

  19. 居ながらシネマ より:

    ふぬけさん、コメントありがとうございます。
    俳優の代表作が何かは人によって違ってくるものとは思いますが、『QBVII』はアンソニー・ホプキンスの出演作では本当にお奨めですよね。毎回書いていますが、何とか日本でソフト化なり放送なりしてくれないものかと思います。

  20. あじあのよろずや より:

    超名作だと思います。
    原作は単に”ユダヤ人にふりかかった悲劇” といった内容でした。
    しかし本作は、さらに一歩深めて”戦争という異常な状況下における誰にでも起こり得る悲劇”という内容になっていたと思います。
    このような作品には、現在においてもまだ出会っておりません。

  21. 居ながらシネマ より:

    あじあのよろずやさん、コメントありがとうございます。
    このドラマは、裁かれているのは実は原告側だったというあたりがとてもうまい構成でしたよね。これがただ非人道的行為を行った被告を糾弾するだけの内容であれば、これほど印象に残っていなかったかと思います。
    当サイトの他のエントリーで言えば『ニュールンベルグ裁判』あたりも同様の重みがありました。

  22. masabo より:

     私はこのドラマを小学生の時に関西で見ました。土曜日13時ごろから夜遅くまで続いていたのを思い出します。最初見た時途中で外に遊びに行き家に帰ってくるとまだドラマが終わっていなく父親が見ていました。法廷内のシーンが面白く最初からきっちり見ていたらよかったと後悔しました。

     中学生になったころ夜中にやっているのを気がつき再放送として全部見ました。
    最近になってみたくなりアマゾンで購入しましたが、一番頭に焼き付いていた部分がカットされていました。ホロコースト博物館の実写フィルムがだいぶカットされていました。やはり残酷な部分はアメリカでもカットするんですね。双子の実験。頭を何回もたたいてどのぐらいでダメージがひどくなるか、何度もやけどさせてどのぐらいまで皮膚移植できるか、何回も足を骨折させたり、電気ショックを与えどのぐらいまでたえられるかなど。私の記憶が確かであればですが。大学に入りゼミ旅行で教授にその話をすると、日本でもあったといわれ初めて知りました。恥ずかしい話です。ドイツはひどいことやるなーっと思っていたら日本もか。っと戦争は嫌だとつくづく思います。

  23. 居ながらシネマ より:

    masaboさん、コメントありがとうございます。
    ホロコースト博物館ということは、第2部の最後のあたりですよね。
    手持ちのUK版DVDで見てみましたが、実写映画の場面でそのたぐいの描写がありました。日本でのテレビ放映の時にどうだっかまではさすがに覚えていません。
    このエントリーは皆様からコメントをいろいろいただき、本当にインパクトがある作品だったことを改めて感じています。

  24. Stanford より:

    はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいています。私も海外旅行に行った時は、勤めて映画のロケ地を探すようにしています。このドラマは、当時東京12チャンネルで放送されたので、ここ福岡では見ることができませんでした(原作は読みましたが)。いいソフトが発売されることを切望しております。このドラマはちょうどテレビ朝日で「ルーツ」が放送され、ブームとなっていたのと同時期に放送されたはずです。このドラマの解説をしていた映画評論家の白井佳夫氏とお会いした時に、こっちの方が断然面白いと力説されていたことを憶えています。

  25. 居ながらシネマ より:

    Stanfordさん、コメントありがとうございます。
    本当に日本でのソフト化切に希望ですね。あるいはネット配信でいつでも見られるようにしていただくとか。
    白井佳夫さんが解説されていたというのは、正解だったでしょうか。年々記憶が怪しくなってきていますが、「くいーんずべんち」という発音は、なんだか覚えているのですよね。

  26. 猫めん より:

    見ました❗見ました❗
    中学生ぐらいの時かな。
    裁判には勝ったけど………のラストが衝撃でした。
    重要なのは「どこの誰それが悪い」ではなく人間の内面にこそ存在する、どこの民族でもどこの国でも起こり得ることだ、ということだと思います。
    今はあまり見られないんですね。残念……。

  27. 居ながらシネマ より:

    猫めんさん、コメントありがとうございます。
    あの判決は決着のつけ方として見事なものでしたね。裁判費用をどう負担するのかは気になりますが。
    猫めんさん他皆様からコメントいただき、あらためて見る者に強い印象を残すドラマだったのだと思いました。

  28. カイム より:

    はじめまして。
    たまに思い出したように『QBⅦ』で検索をかけるのですがこのサイトにたどり着いたのは今夜が初めてです。この作品について熱く語る方々に接し嬉しい限りです(私の周りにこの作品を観た人はいないのです)。
    私はフジテレビの日本初放送をリアルタイムで観ました。高校2年生でした。何でこの作品を観ることができたのか、今となってはよく思い出せませんが、たぶんTVドラマのミニシリーズという体裁に興味を持ったのだろうとぼんやり記憶しています、テレビ少年だったので。
    ナチスによるユダヤ人虐殺のことなどほとんど知る由もなかった高2のあまちゃんにとってこのドラマはあまりに重く、当時非常に衝撃を受けました。しかし法廷ドラマとしても抜群に面白く、原作が翻訳されたと知るや本も購入し今も大切にしまってあります。
    その後VHS、DVDと輸入物を購入してきましたが、ユニバーサルプレイヤーを持っていないのでDVDを観ることができません。皆さんと同じく、何とか日本でも日本語字幕付きでソフト化されないものかと願っております。レクター博士の前日譚として観ても面白い気がするのですが。(先日、WOWOWに70年代の米TVドラマミニシリーズの発掘をリクエストしてみましたが…)。
    長くなってしまいすみません。嬉しいサイトだったもので。どこかで放送されるかソフト化されるのを気長に待ちましょう。

  29. 居ながらシネマ より:

    カイムさん、コメントありがとうございます。
    ここにコメント寄せてくださっているみなさんも検索して来てくださっているようで、昔のドラマなのにそれだけ記憶に残る作品だったと言うことですよね。
    扱っているテーマが重厚であるだけでなく、おっしゃるとおり法廷ドラマとして抜群に面白く、そのあたりも高い評価につながっているのかと思います。
    私も当時見て何十年かぶりでこのエントリー書いたことになりますが、参考にしたのは(本文でも書きましたが)イギリス版のDVDでした。
    これですとリージョンコードは日本と同じ2で、PALですがパソコンなら見ることができると思います。
    でもやはり日本語字幕付きで見たいですよね。私もあちこちリクエストしてみようかなと思っています。

  30. カイム より:

    居ながらシネマさん、応答ありがとうございます。
    私が持っているDVDはアメリカ版で、リージョンコードが日本と異なるのです。日本でソフト化されていないマイフェバリッツが他にもありますので(貴サイトでも取り上げてくださっている『赤ちゃんよ永遠に』です、まだ未購入ですが)、いずれユニバーサルプレイヤーを買いたいと思っています。
    もしも日本でソフト化される際は、ぜひ吹き替え音声も組み込んでいただきたいですね(笑)。
    ちなみに、昨夜偶然『QBⅦ』のオールスコアニューレコーディングCDが発売されていることを知りました。もちろん海外版です(たぶんアメリカでしょう)、二枚組です。このCD、発売が2013年ということのようですが、本編初放送が1974年であることを考えると、なんか凄くないですか? 新録音ですよ。いくらジェリー・ゴールドスミスのスコアが素晴らしいとはいえ… もちろん速攻でポチってしまいました。
    連日失礼しました。

  31. 居ながらシネマ より:

    カイムさん、そうなりますと、リージョンフリーのプレーヤーが必要になりますね。私もこれのおかげでだいぶ助かりました(やっぱりアメリカ盤とかヨーロッパ盤とか手を出したくなりますよね)。
    いろいろ情報ありがとうございます。
    『赤ちゃんよ永遠に』の米盤DVD、知りませんでした。エントリー書くときに使ったのは日本語字幕VHSで画質が(今の基準では)ダメダメでしたので、DVDが気になります。最近少し円高になってきているので、ポチりたくなりました(Blu-ray盤もあるみたいですね)。
    『QBVII』の2枚組CDも確認しました。放映後40年近く経って新録音というのは、本当に凄いですね。この情報、あとで本文に追記させていただきます♪

  32. Bill McCreary より:

    アントワープの写真がありました。市庁舎の写真はこちらの記事です。

    blog.goo.ne.jp/mccreary/e/a835d2b5697042604c626ac733de3ddd

    2012年12月31日です。市庁舎がなかなかいい建物だった記憶があります。ミュンヘンの市庁舎とかも侮れません。欧州はいい市庁舎があります。よろしかったら写真をお使いください。

    >この時代の東欧のロケは、なかなか難しいものがあると思います。

    このドラマは未見ですが(すみません)、当時は合作でないと東側(というのもすでに過去の言葉ですよねえ)でロケーションするのは無理でしょう。

    ところで当時は日本のテレビ局もこういうドラマを放送してくれたんですね。いまはなかなか難しいですよね。なお私はそうではありませんが、日本人でアントワープに行く人は、「フランダースの犬」で行く人が多いといわれます。

  33. カイム より:

    居ながらシネマさん、こんばんは。
    ニューレコーディングCDのことを本文に追記していただき、どうもありがとうございました。私は発売元?のサイトまではアクセスしませんでしたが、居ながらシネマさんが貼付してくださった演奏風景を観ることができ、感涙です。あの曲はドラマのラストに流れていた曲ですよね、なんとも胸に突き刺さってくる哀しくも美しい、慟哭の旋律と合唱です… 本当にありがとうございました。
    発売元?サイトの説明によると、本CDはどうやらゴールドスミスのアーカイブシリーズの一つのようですね。そのCDが本日手元に届いたのですが、開封するのがもったいなくてまだ開けていません(笑)。明日、心の穏やかな時に聞いてみたいと思います。

  34. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、こちらでもどうもです。
    アントワープのお写真拝見しました。ぜひ使わせていただきたいと思います。
    作業は土日になるかと思いますので、もう少しお待ちください。

  35. 居ながらシネマ より:

    カイムさん、こちらこそありがとうございました。開封するのがもったないというのは、わかりますわかります ♪
    細かいツッコミですが、CDのジャケットの女神像、中央刑事裁判所のもので、ドラマに出てきた王立裁判所ではないですね(汗)

    レコーディング風景迫力がありますね。私も2枚組欲しくなってきました。

  36. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、画像使わせていただきました。ありがとうございます。
    ヨーロッパでも(東南アジアほどではないですが)けっこう接近してぱちぱちお撮りになっていますね 🙂

    エントリー書いた時から気になっていましたが、収容所の場面の撮影場所もベルギーであることがわかりましたので、項目追加しました。

  37. Bill McCreary より:

    どうもご使用くださりありがとうございます。実は貴サイトに提供できそうな写真を探しておりまして、コペンハーゲンなどの写真も提供できそうですので、またコメント欄やメールなどでお知らせできるかと思います。使えそうな写真がございましたら、ご都合のいい時に掲載していただければ幸いです。

    >ヨーロッパでも(東南アジアほどではないですが)けっこう接近してぱちぱちお撮りになっていますね

    やはり日本もふくめた「先進国」では、とくに子どもの写真などは危険ですが、私は、観光客が街や風景の写真を撮っているだけ(人物はたまたま写っているだけ)という建前で撮影をしております(苦笑)。個人的なことを申し上げますと、やはり地元の人が写っているほうが面白い写真になります。

  38. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、恐縮ですが、また何かよさげな画像がありましたら、よろしくお願い致します。
    私も街角や路地の写真を撮るのが好きですが、仰るとおり地元の人が写っている方が後から見ても楽しいですよね。「観光客が風景撮っているだけ」という「建前」大事かもしれません。
    そういうときは大きなカメラでは無く、小さいデジカメが向いているかもしれませんね。

  39. Stanford より:

    お久しぶりです。

    ついに観ました。YouTubeで。スペイン語字幕かつ口の動きとセリフがずれている画質の悪いversionで。ここ福岡も大雪で、雪用のタイヤを持ち合わせないため、前日から職場に泊まり込んだのを幸いに、一気に観ました。細かいニュアンスは伝わりませんでしたが(日本語字幕がほしい!せめて英語字幕でも)、長年の夢がかないました。壮大なテレビシリーズですね。サー・ジョン・ギールグッドやジョセフ・ワイズマンなど、脇役も贅沢でした。ベン・ギャザラとリー・レミックのコンビは、この十数年前の「或る殺人」のコンビの再現ですね。

  40. 居ながらシネマ より:

    Stanfordさん、コメントありがとうございます。コメントいただいてからほぼ4年越しで、とうとうご覧になれたのですね。
    YouTube見てみました。おっしゃるとおり音声が少し先に出ているようで、これではいっこく堂の衛星中継の逆ですね。 😆
    キャストについても、さすが渋いところに気づかれていますね。「或る殺人」、たしかにそうでした。すっかり記憶から抜けていました。

    今回大雪をチャンスに変えることができて、本当に良かったですね。自分は本文でも書きましたが英語字幕があってなんとかなったくちで、できれば次は良い日本盤ソフトを出してもらってそれでじっくり鑑賞といきたいです。

  41. クリヨン より:

    アンソニー・ホプキンスのウィキを見たらQB7がのっておらん。おかしいと調べたらここにやってきた。テレビで放映した時は確かキネマ旬報のTVムービーのコーナーで石上三登志さんあたりが紹介していたはず。

  42. 居ながらシネマ より:

    クリヨンさん、コメントありがとうございます。
    Wikipedia確認しました。確かに載っていませんね。
    さすがに英語版には載っていますが、こうしてみるとほんとに出演作が多いですね。
    なんだかんだいって結局はレクター博士になってしまうのでしょうけど。
    (ジェフ・ゴールドブラムがハエ男になってしまうのと同じような)

    石上三登志さんが紹介されていましたか。
    もはやお懐かしいお名前となっていますね……

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