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『サガン -悲しみよこんにちは-』 Sagan (2008)

サガン-悲しみよ こんにちは- [DVD]  

こちらは『サガン-悲しみよ こんにちは-』(2008)の記事です。
1958年の映画『悲しみよこんにちは』は別に記事がありますので、そちらをどうぞ。
 → 『悲しみよこんにちは』 Bonjour tristesse (1958)  
 

作品メモ

このところ『夏に抱かれて』『悲しみよこんにちは』とフランソワーズ・サガン原作の映画をチェックしてきましたが、こちらはサガンその人の伝記映画。
原題はシンプルに「サガン」です。

少し前にまとめて出演作をチェックしていた山口淑子(李香蘭)さんも波瀾万丈の人生であったかと思いますが、サガンのそれはジェットコースターのような激しい動き。凡人には近づくことすらかなわない世界がそこにあります。
IMDbのトリビアによると、もともとは90分×2部作のテレビドラマとして制作されたもののようです。
一本の映画として見るとエピソードの羅列に終始している面も感じられますが、オリジナルの長さでも到底描ききれる人生ではなかったことでしょうね。
最晩年の燃え尽きたような姿が印象的。

サガン、本名フランソワーズ・クワレーズにシルヴィー・テステュー。この後ジョニー・トー監督の『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』に出てましたね。
車係に間違えられたベルナール・フランクにリオネル(ライオネル)・アベランスキ。
給仕に間違えられたジャック・シャゾにピエール・パルマード。
最初の夫ギイ・シェレールにドゥニ・ポダリデス。
友人フロランス・マルロー(アンドレ・マルローの娘)にマルゴ・アバスカル。
身内故に時には辛口なことも言ってしまう兄ジャックにギヨーム・ガリエンヌ。
大切な女性ペギー・ロッシュにジャンヌ・バリバール。
サイン会場の外で知りあったパオラにアレクシア・ストゥレシ。

監督ディアーヌ・キュリス、撮影ミシェル・アブラモヴィッチ、音楽アルマンド・アマール。

 
 

ロケ地

IMDbでは、

Casino Barrière – 2 Rue Edmond Blanc, Deauville, Calvados, France
Deauville, Calvados, France
Hotel Raphaël, Paris, France
Hôtel Regina – 2 Place des Pyramides, Paris 1, Paris, France
Normandie, France
Paris, France
Place des Pyramides, Paris 1, Paris, France
Quai de la Seine, Paris, France
Restaurant-Bar La Closerie des Lilas – 171 Boulevard du Montparnasse, Paris 6, Paris, France
Trouville, Calvados, France

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

デビューが決まって

※15/3/29項目追加 0:05過ぎ、デビューが決まった後クロワッサンを買ってくるところ。

コメント欄でmilouさんに情報寄せていただきました。
17区の Rue Puvis de Chavanneということで、マップを見ますと確かにこちらですね(カメラ南向き)。
これはお見事でした。

書店

フロランスに様子を見にいってもらったところ。
その後(0:36頃)サイン会が行われた書店と同じでしょうか。
リュクサンブール公園の西側にあるこちら。

Librairie Giraud-Badin

「ジャガーとアパルトマンを買うわ」の言葉通り、ジャガー(XK120)を走らせるところ。
ロワイヤル橋(Pont Royal)Wを南から北へ。

『勝手にしやがれ』で先輩記者が乗っていた車もJaguar XK120 Roadstarでした。

ホテル

0:08

パーティーが開かれていて、ベルナール・フランクと知り合います。
ホテル名がはっきり写りますが、『夏に抱かれて』でも登場したHOTEL REGINA。

カジノ

カジノ・ド・ドーヴィル(Casino de Deauville)W

現在は看板が«Casino Barrière de Deauville»ですが、映画では«Casino de Deauville»。VFXかもしれません。

「クロワッサン代」を持ってきた海岸のはこちら。

その後車を走らせていくのは、『男と女』でも登場したボードウォーク。

800万持ってサントロペへ
カジノがないから安心だ

※15/3/3追記

milouさんから以前提供していただいていた画像です。
(どうもありがとうございます♪)
撮影は1986年7月とのことです。
この時点では「Casino de Deauville」

別荘

キャッシュ800万ぽーんで一棟買いしたところ。設定ではサントロペ(※15/3/3訂正。サントロペではありませんでした)。
場所は調査中。
サラ・ベルナールが住んでいた部屋があるらしいですがホントでしょうか。

ニューヨーク

アメリカでの営業。
ニューヨークの映像はおそらくニュース映像等。
階段ホールはフランスでしょうか? 調査中。

カジノで800万フランとか印税5億フランというセリフがあり腰を抜かしますが、60年に1/100のデノミを行う前の旧フランの話。
にしても大金かと。

病院

0:26

ピティエ=サルペトリエール病院(Hôpital de la Salpêtrière)WチャペルW

海岸

0:39
シャゾと話すところ。
ドーヴィルの隣のトルーヴィル。

Trouville, Calvados, France

波打ち際を歩いているショットで彼方に見える(はずの)桟橋は、『男と女』の冒頭の桟橋のすぐ隣のもの。

並んで腰を降ろしていたのはこのあたり。

ラストも同じ場所。

息子と海辺を歩く自分を想像するの

※14/3/3追記

milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)

撮影は2013年6月とのことです。
まさにこの場所ですね。 🙂

駐車違反

※15/3/29項目追加
コメント欄でmilouさんに情報寄せていただきました。
Rue de Furstembergということで、こちらですね。ありがとうございました♪

5月革命のニュース

※15/3/29項目追加。

0:47
白黒テレビが映し出す5月革命の様子。
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。

«GARE DE LUXEMBOURG»と書かれたものが横になっていますが、これはバス停の表示。
Rue Gay-Lussac では? とのことですが、ストリートビューでどんぴしゃりの場所が見つかりました。
大正解で、バス停から推理されたのがまたお見事でした 🙂

ホテル・ラファエル

0:50
ペギー・ロッシュと親しくなるところ。

Hotel RaphaëlW, Paris, France

セーヌ河畔

1:03
破産に直面して歩くところ。
背景の橋はポンヌフ。

ラ・クロズリ・デ・リラ

1:28

La Closerie des LilasW

『何かいいことないか子猫チャン』でも登場。

噴水

1:38

リュクサンブール公園の南端。
上記ラ・クロズリ・デ・リラの北側すぐ近く。

天文の泉(Fontaine de l’Observatoire)W

この画像は映画と同じくカメラ南向き。
背後に見えるのはパリ天文台。

海岸

0:39頃と同じ場所。

Sagan Françoise. Fit son apparition en 1954, avec un mince roman, Bonjour tristesse, qui fut un scandale mondial. Sa disparition, après une vie et une œuvre également agréables et bâclées, ne fut un scandale que pour elle-même.

資料

更新履歴

  • 2015/03/29 「デビューが決まって」「5月革命のニュース」項目追加
  • 2015/03/03 「海岸」「カジノ」にmilouさんの画像を追加。「別荘」訂正
  • 2015/02/28 新規アップ

コメント

  1. milou より:

    まず800万で買った別荘はサントロペではありません。
    ドーヴィルでのカジノ通いのため滞在していた別荘です。だから退去するためのインベントリー・チェックでスプーンが足りない(つまり弁償する必要がある)とかの話になるわけで直前の車でも“ノルマンディ”が気に入ったから数日残るといいます。

    場所はまだ見つけていないがカジノに向かうときと帰るときに同じ山道(?)を通ります。分かりやすい14分頃の帰りで言うと右手にノルマンディ風の木組みの家や屋根の4つの尖塔(?)などが見える。
    これはトゥルーヴィルから降りてきた Route de la Corniche A Hambourg の最後近くで家はLes Roches という名で大きな銘板があるから有名人ゆかりの家らしい。

    つまりカジノへの行きと帰りの方向が逆になっているが恐らく別荘はトゥルーヴィルからオンフルールの間だろう。

    ちなみにサラ・ベルナールがトゥルーヴィルで定宿にしていたのが、すぐ下にある元 Hôtel de Paris だが別荘とは一致しない。デュラスで有名なHôtel des Roches Noires もすぐそば。サラとノルマンディは色々因縁があるようです。

    それからカジノは僕のアルバムにも遠景で86年の姿が写っているが やはり Casino de Deauville と書かれているようで調べると1990年からCasino Barrière de Deauville になっている。

    パリの住まいなども判明したが次回にするとして、キャスト紹介で重要な Astrid 役のアリエル・ドンバルを外したのはなぜかな?

  2. 居ながらシネマ より:

    miilouさん、コメントありがとうございます。
    別荘サントロペではないのですね。セリフに引きずられてしまいました。ツッコミありがとうございます。
    キャストも確かに抜けてますね。毎回キャストやらスタッフやらはオマケといいますかそれこそメモ書きとして残しているだけなので別に他意はないのですが、このDVDは最後の方はほとんど早送りで見てしまったような(汗)

  3. milou より:

    パリのほとんどのロケ地は僕もよく歩いたモンパルナス界隈だがパリ市のロケ情報によるとポツンと離れた場所がある。

    ☆それは17区の Rue Puvis de Chavanne でデビューが決まったあとクロワッサンを買ってくる場面。道路左壁面下部にある電気か何かの箱も確認できる。少し後のバイクでジャガーとアパルトマンを買うわ、と言う場面から家は右側のようだ。

    ☆ジャガーでHotel Regina に乗り付けるとき Rue des Pyramides を北から来てPlace des Pyramides に入る。
    現在の Rue des Pyramides は北行き一方通行だが映画では双方向に走っている。70年代の地図を見ると確かに一方通行ではないが事実に合わせたのか単に絵的に北から走らせたかったのか…

    ☆Hotel Regina のあとMarie Chantal の初演を見に行く。ポスター上部の文字は La Villa d’Este と読める。調べると 4 Rue Arsène-Houssaye にあったミュージック・ホールで現在は同名のレストラになっているが当然映画の劇場とは一致しない。

    ☆5月革命のTV画面でGare Luxembourg という駅名の書かれた表示盤(?)が落ちているが左下に 81と27という数字が見える。つまりこれはバス停の表示で27はサン・ラザール駅とPorte de Vitryを結ぶ路線。81は現在は廃止されている Gare du Luxembourg 始発の Porte de St.Ouen を結んでいた路線。バスはどちらもBd.Saint Michel を北上するが、次の車でバリケードされた場面は両側が建物、突き当たりも建物らしいのでリュクサンブール公園にはかからずBd.Saint Michel ではないだろう。候補地としてはRue Gay-Lussac の25番地あたりから北を見たものではないかと思われる。

    ☆パリでペギーと暮らす家はペギー宛の手紙で現実にサガンとペギーが住んでいた 25 Rue d’Alesia と分かるが、やはり映画の家とは一致しない。ちなみに当時飼っていた犬はWherther 猫はGros-Minou という名前。ついでに麻薬犬(?)の名前はBanko。
    映画の家は本屋にも比較的近い Rue Coëtlogon で西を見た場面が何度か登場する。

    ☆フランスWiki によると8月8日に80,000フラン勝って別荘を買ったのは事実で場所はオンフルール近くの Équemauville らしい。映画でもあとからプールを造ったりはしているがパリ以外のほとんどの場面はこの別荘で撮られているのだが場所はまだ不明。

    ☆駐車違反で車が消えた場所は Rue de Furstemberg で突き当たりの建物はICP(パリ・カトリック大学)分校(?)。そのあとタクシーでモンパルナスの New Jimmy’s に行くがBd.Montparnasse と Rue Léopold Robert の角に61年にオープンしたディスコでサガンのお気に入りの店。シャブロルやヴァディムもよく来たらしい。

  4. 居ながらシネマ より:

    milouさん、詳しい情報ありがとうございます。
    済みませんが今週多忙につき、本文に反映できるのが週末になってしまいます。もう少しお待ちください。
    モンパルナス界隈といえば先日『クレオ』アップしましたので、そちらもご覧になっていただけると嬉しいです。
    あの映画もよく見ると現在一方通行のところを逆走しているように見えるところがありました。

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