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作品メモ
ひとつ前のエントリー『007 カジノ・ロワイヤル』で1シーン遭遇したピーター・セラーズとピーター・オトゥールが、その前に2人そろって主演していたコメディ。やはりウルスラ・アンドレスも出ていて、音楽はバート・バカラック。
美女を見ると声をかけずにはいられないマイケル・ジェイムズにピーター・オトゥール。
彼がカウンセリングを受けている精神科の先生フリッツ・ファスベンダー(Fritz Fassbender)にピーター・セラーズ。おかっぱロン毛黒縁眼鏡スタイルでテンション高く怪演してます。
マイケルの婚約者で外国人相手に英語を教えているキャロル・ヴェルナーにロミー・シュナイダー。
マイケルの友人でストリップ劇場の裏方ヴィクターにウッディ・アレン。
フリッツが夢中になった美女レネ・ルフェーブルに『ピンクの豹』に出ていたキャプシーヌ。
クレイジーホースの花形ストリッパー、リズに、ポーラ・プレンティス。
最後の方でウルスラ(アーシュラ)・アンドレス姐さんも『空から赤いバラ』的に強引に参戦。
こうした美女たちの対極に位置づけされてしまったようなフリッツのカミさんアンナに、フェリーニの『8 1/2』でも怪演していたエドラ・ゲイル(Eddra Gale)。……でもよく見ると(失礼)ぽっちゃりして可愛らしいんですけどね……
監督クライヴ・ドナー、撮影ジャン・バダル。
脚本は出演もしているウッディ・アレンで、これが劇場用映画の初脚本。
タイトルのアニメはリチャード・ウィリアムズ。
バート・バカラック
IMDbのフィルモグラフィーを見ると、この前は「音楽部門」では『マックィーンの絶対の危機』 The Blob (1958)のタイトル曲、「作曲家」では”Forever My Love”(ロミー・シュナイダーのシシー3部作をまとめた英語版のようです)がそれぞれあるだけ。
この『何かいいことないか子猫チャン』あたりで、映画音楽家としてのバカラックが本格始動したといえるかもしれません。
ジャケットの絵はフランク・フラゼッタによるもの。
フラゼッタと聞くとどうしてもヒロイック・ファンタジーものの重厚な絵柄が浮かびますが、『紳士泥棒 大ゴールデン作戦』のポスターもフラゼッタだったようです。
テーマ曲はトム・ジョーンズが歌っていました。
タイトルの動画が見つからないので、代わりにトム・ジョーンズのステージの動画を貼り付けようかと思いましたが、暑苦しいので略。
ロミー・シュナイダー
いっときロミー・シュナイダーの映画を続けてチェックしていましたが(→ タグ「ロミー・シュナイダー」)、60年代に何本か出ていた英語圏の映画はこういったところ。
この中でばりばりのハリウッド映画は『ちょっとご主人貸して』くらいでしょうか。
その後はヨーロッパ映画に戻っています。
- 『夜明けの鋪道』 My Lover, My Son (1969 英)
- 『地獄のかけひき』 Otley (1968 英)
- 『夏の夜の10時30分』 10:30 P.M. Summer (1967 米・スペイン?)
- 『何かいいことないか子猫チャン』What’s New, Pussycat (1964 英)
- 『ちょっとご主人貸して』 Good Neighbor Sam (1964 米)
- 『枢機卿』 The Cardinal (1963 米)
- 『勝利者』 The Victors (1963 米)
ロケ地
IMDbでは、
Paris, France
Château de Chaumontel, Chaumontel, Val-d’Oise, France
Luzarches, Val-d’Oise, France
Paris Studios Cinéma, Billancourt, Hauts-de-Seine, France (studio)
Villa Castel Henriette, Rue des Binelles, Sèvres, Hauts-de-Seine, France
舞台はパリ。
フリッツの住まい
なんとも独特でおサレなフリッツの家。
Villa Castel Henriette, Rue des Binelles, Sèvres, Hauts-de-Seine, France
エクトール・ギマール(Hector Guimard)Wの作とのことで、なるほどという感じです。
映画完成後4年後の69年4月に解体されたとのこと。建てられたのは1899年。
- http://openbuildings.com/buildings/castel-henriette-profile-38776
- http://lartnouveau.com/artistes/guimard/documents/castel_henriette.htm
- Google “Villa Castel Henriette”での画像検索結果
地形から見て、建っていたのは通り(Rue des Binelles)の中央の五叉路の東側、現在集合住宅があるあたりかもしれません。
いろいろな画像だと煙突だか塔のようなものが立っていますが、映画ではなくなっています。だいぶ傷んでいたのでしょうか。
昔この映画を見た時に気になったこの物件、今回解明できてスッキリ♪
カフェ
ヴィクターがチェスをしているところに、マイケルがクルマでやってきます。
クローズリー・デ・リラ(La Closerie des Lilas)W
http://www.closeriedeslilas.fr/
画像は1909年撮影のようです。
マイケルが乗っていクルマは、1935 Singer Nine Le Mans Special Speed。
のちほどヴィクターがここへ突っ込んでくるのは 1936 Cord 810 Convertible Coupe
その他登場するクルマについては、例によって驚異のサイトIMCDbをごらんください。
キャロルの住まい
カフェに続いてマイケルがやってきたところ。
調査中。
ストリップ・クラブ
設定ではクレイジーホースと思われますが、実際の撮影もそうなのかは不明。
「前に会いませんでしたか?」と声をかけてきたのはリチャード・バートン(クレジットなしのカメオ)。
『007 カジノ・ロワイヤル』のバグ・パイプ幻想シーンの元ネタと思われます。
ルネ・ルフェーブルの住まい
酔っ払った2人が下で声を上げるところ。
不明。
夜の橋
1:05
シャトー・シャンテル
Château de Chaumontel, Chaumontel, Val-d’Oise, France
http://www.chateaudechaumontel.fr/
資料
関連記事
バート・バカラック
- 『007 カジノ・ロワイヤル』 Casino Royale (1967)
- 『マックィーンの絶対の危機』 The Blob (1958)
- 『ミスター・アーサー』 Arthur (1981)
- 『何かいいことないか子猫チャン』 What’s New Pussycat (1965)
- 『幸せはパリで』 The April Fools (1969)
- 『明日に向って撃て!』 Butch Cassidy and the Sundance Kid (1969)
- 『最高の恋人』 Mr. Wonderful (1993)
- 『紳士泥棒 大ゴールデン作戦』 Caccia alla volpe (1966)
ロミー・シュナイダー出演作
- 『すぎ去りし日の…』 Les choses de la vie (1970)
- 『サン・スーシの女』 La passante du Sans-Souci (1982)
- 『スカンポロ』 Scampolo (1958)
- 『ラ・カリファ』 La califfa (1970)
- 『何かいいことないか子猫チャン』 What’s New Pussycat (1965)
- 『夕なぎ』 César et Rosalie (1972)
- 『太陽がいっぱい』 Plein Soleil (1960)
- 『太陽が知っている』 La piscine (1969)
- 『恋ひとすじに』 Christine (1958)
- 『暗殺者のメロディ』 The Assassination of Trotsky (1972)
- 『華麗なる相続人』 Bloodline (1979)
- 『追想』 Le vieux fusil (1975)
- 『離愁』 Le train (1973)
更新履歴
- 2014/10/02 新規アップ
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