作品メモ
『恋ひとすじに』に続いて、ロミー・シュナイダーとアラン・ドロンの共演作をもう1本。
熱烈恋愛だったはずのふたりですが、『太陽がいっぱい』で一大ブレークを果たしてその後もヒット作を連発するアラン・ドロンと、故郷や家族と離れ作品的にも苦戦していたロミーとは次第にすれ違いが嵩じるようになり、やがて婚約解消、アラン・ドロンの結婚によって完全に終止符が打たれることになります。
『太陽が知っている』は久々の共演。
どうしても下世話な興味がわき起こってしまいますし、映画の方もそんな観客の心を見透かしてか、いきなり2人の濃密なラブシーンとサービスカットからスタート。
プロデューサーのドヤ顔がフィルムの向こうに透けて見えるかのようです。
ロミー自身は66年に結婚、息子を授かり比重を家庭に置いたため、女優としては空白期間が生まれた状態でした。
『地獄のかけひき』(1968)で復帰、演ずることへの渇望が生まれていた時期にあたるわけで、共演者云々よりもとにかくスクリーンや舞台で活躍して評価を得たい、そういう気持ちであったろうと思われます。
もしも、一緒に暮らしたことのある俳優同士は決して共演してはならない、なんていう決まりができたりしたら、すぐに映画なんか一本も作れなくなってしまうだろう。
(『ロミー・シュナイダー 恋ひとすじに』)
原題は「プール」。
プール付きの豪邸で繰り広げられる心理サスペンスです。
『太陽が知っている』ってかなり商魂たくましい邦題ですが、モーリス・ロネも出ていますし、このくらいの「盛り」はいたしかたないでしょうか。
出演は他にジェーン・バーキン(モーリス・ロネの娘役)。
監督ジャック・ドレー、撮影ジャン=ジャック・キルベス。
allcinemaやキネ旬DBではなぜか製作者の名前がありませんが、クレジットやIMDbではジェラール・ベイトゥ(Grard Beytout)とちゃんと出ています。
「太陽」がいっぱい
アラン・ドロン「太陽」三部作(汗)。
- 太陽が知っている (1968)
- 太陽はひとりぼっち (1962)
- 太陽がいっぱい (1960)
ロケ地
IMDbではこれだけ。
Ramatuelle, Var, France
Saint-Tropez, Var, France
設定は南仏のサントロペとその周辺で、撮影も同じ。
舞台となる別荘
この映画に関しては興味はこの一点、「あのリッチな邸宅はどこよ?」ですが、冒頭のプールサイドで寝そべるアラン・ドロンをとらえたショットで、背景に海と岬、それに灯台が見えます。
サントロペの南東にある岬を北西から見ているようですので、そのあたりをGoogle Earthでさまようこと数分、なんとか見つけることができました。
地名としてはRamatuelle となるようで、IMDbのリストと一致します。
高級そうな別荘が多く立ち並んでいるこのエリアでもひときわ抜きんでて立派な物件。
個人宅とは思いたくないほどの大きさですが、ホテルというわけでもなく、やっぱり個人宅でしょうかね~。
なんだか文字通り住む世界が違いすぎて、orzする気にもなりません。
一応プライバシー尊重の観点からマップでの明示は避けることにしますが、真四角のプールの一角に東屋のような建物があるという特徴的な形なので、比較的簡単に見つけることができると思います。
ここで泳がせてもらうというのは無理かもしれませんが、1kmほどはなれたところにホテルを見つけました。
同じような眺望が期待できますので、アラン・ドロンやロミー・シュナイダーになりきりたい方はこちらをご利用になるのはいかがでしょう?
Hôtel Les Bouis Ramatuelle
http://www.hotel-les-bouis.com/
空港
ニース・コート・ダジュール空港(Aéroport Nice Côte d’Azur)
資料
関連記事
ロミー・シュナイダー出演作
- 『すぎ去りし日の…』 Les choses de la vie (1970)
- 『サン・スーシの女』 La passante du Sans-Souci (1982)
- 『スカンポロ』 Scampolo (1958)
- 『ラ・カリファ』 La califfa (1970)
- 『何かいいことないか子猫チャン』 What’s New Pussycat (1965)
- 『夕なぎ』 César et Rosalie (1972)
- 『太陽がいっぱい』 Plein Soleil (1960)
- 『太陽が知っている』 La piscine (1969)
- 『恋ひとすじに』 Christine (1958)
- 『暗殺者のメロディ』 The Assassination of Trotsky (1972)
- 『華麗なる相続人』 Bloodline (1979)
- 『追想』 Le vieux fusil (1975)
- 『離愁』 Le train (1973)
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