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作品メモ
ロミー・シュナイダーの出演作をチェックするシリーズ(→ タグ「ロミー・シュナイダー」)。
こちらはひとつ前のエントリー『サン・スーシの女』同様、ミシェル・ピッコリとの共演作。
撮影は69年で、10年以上前の作品となります。
物語はいきなりアルファロメオが横転する交通事故現場から。
瀕死の重傷を負った男の脳裏に、これまでの人生のあれこれ、”Les choses de la vie”が去来します。
恋人のこと、別居中の妻のこと、息子のこと……
回想が入り組んだり、事故の様子が時間軸をずらして繰り返し再現されたりと編集が凝っていますが、それほど複雑な物語ではないので、雰囲気だけでも十分作品に浸れることと思います。
つまりは『クラッシュ』ではなくて、『あの胸にもういちど』の中年男性版と言ったところでしょうか。
主人公ピエールにミシェル・ピッコリ。
一緒に住んでいる恋人エレーヌ役がロミー・シュナイダーで、この2人がクレジットでもトップ。
他に、妻カトリーヌ役にレア・マッサリ。当サイトでとりあげた作品では『狼は天使の匂い』に登場しています。
監督クロード・ソーテ、撮影ジャン・ボフェティ、音楽フィリップ・サルド。
知らなかったのですが、日本でもDVDが出ていた模様。ただすでに廃盤のようで、今から見るとなると機会はけっこう限られそうです。
手元にあるのはずいぶん前にゲットしたVHSのレンタル落ちで、あまり画質はよくありません。
このあたりのフランス映画はDVDマーケット的にもそれほど大きくないでしょうし、せめてBSやCSあたりで放送していただければと思います。
La chanson d’hélène(エレーヌの歌)
劇中何度か流れるテーマ曲は、いかにもフィリップ・サルド的美しくも哀しい旋律。
当サイトでチェック済みの『帰らざる夜明け』あたりに近いセンでしょうか。
こちらは主演2人によるPV。
少なくとも私の手元にあるバージョンでは、この歌は本編で使われていません。
なんとなく「パローレ、パローレ(あまいささやき)」を連想しますが、こちらの方が先輩。
収録中もタバコを手放さないミッシェル・ピッコリが渋いです♪
(※14/10/23動画替えました)
リメイク
アメリカ映画『わかれ路』Intersection (1994)はリメイク。
むしろこちらをご覧になった人の方が多そうですね。
ピエールがヴィンセントとなり、演じたのがリチャード・ギア。
カトリーヌがサリーとなり、演じたのがシャロン・ストーン。
エレーヌがオリヴィアとなり、演じたのがロリータ・ダヴィドヴィッチ。最近『コールドケース』の最終シーズンで久々にお目にかかりました。
ロミーとミシェル
ロミー・シュナイダーとミシェル・ピッコリの共演作。
- 『サン・スーシの女』La passante du Sans-Souci (1982)
- Mado (1976)
- 『地獄の貴婦人』Le trio infernal (1974)
- 『はめる/狙われた獲物』Max et les ferrailleurs (1971)
- 『すぎ去りし日の……』Les choses de la vie (1970)
- La voleuse (1966)
漏れはないと思いますが、もう少しあるように思ってました。
『地獄の貴婦人』のインパクトが強かったせいかも……
ロミーとクロード
ロミー・シュナイダー出演作でクロード・ソーテ監督作。
- 『ありふれた愛のストーリー』 Une histoire simple (1978)
- 『夕なぎ』César et Rosalie (1972)
- 『はめる/狙われた獲物』Max et les ferrailleurs (1971)
- 『すぎ去りし日の……』Les choses de la vie (1970)
というわけで、3人が組んだのはこの『すぎ去りし日の……』だけのようです。
ロケ地
IMDbでは、
La Rochelle, Charente-Maritime, France
Paris, France
Quai Valin, La Rochelle, Charente-Maritime, France
手懸かりがあまりにも少なく、大したネタはないです。すみません。
事故現場
調査中。
これは突き止めるのは難しいでしょうか。
ピエールとエレーヌの住まい
後の方で電話番号が「バビロンのXXXX」であることがわかりますが、それ以上の手懸り無し。
実家
息子が開発中の機材。
点滅する灯りが『エクソシスト2』を連想させますが、あちらは1977年の作品ですからこちらが先輩。
港町
家族でヨットを楽しむところ。
美術品を競り合ったことでエレーヌと知りあったところでもあります。
場所はラ・ロシェルで、ロミー・シュナイダーの『離愁』でもチェックした港町。
ヨットが戻ってきたカットは、ちょうどこの画像のアングル。
二つの塔のうち、左側が『離愁』にも登場したTour de la ChaîneW。
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手紙を書いたカフェ
この場所、ぜひ知りたいのですが、難しそう。
資料
関連記事
ロミー・シュナイダー出演作
- 『すぎ去りし日の…』 Les choses de la vie (1970)
- 『サン・スーシの女』 La passante du Sans-Souci (1982)
- 『スカンポロ』 Scampolo (1958)
- 『ラ・カリファ』 La califfa (1970)
- 『何かいいことないか子猫チャン』 What’s New Pussycat (1965)
- 『夕なぎ』 César et Rosalie (1972)
- 『太陽がいっぱい』 Plein Soleil (1960)
- 『太陽が知っている』 La piscine (1969)
- 『恋ひとすじに』 Christine (1958)
- 『暗殺者のメロディ』 The Assassination of Trotsky (1972)
- 『華麗なる相続人』 Bloodline (1979)
- 『追想』 Le vieux fusil (1975)
- 『離愁』 Le train (1973)
更新履歴
- 2014/10/23 「エレーヌの歌」動画を変更
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