作品メモ
ひとつ前のエントリー『愛人ラマン』でナレーションを担当したジャンヌ・モローが、今度はマルグリット・デュラス本人を演じたのがこちら。
デュラスが若きお相手と過ごした晩年の日々を描きます。
原作はお相手ヤン・アンドレア(Yann Andréa)Wによる『デュラス、あなたは僕を(本当に)愛していたのですか』。
なかなかの翻訳タイトルですが、原題は« Cet amour-là »とシンプルなもの。
映画の原題も原作と同じですが、これだど何が何だかわからないので、劇場公開タイトルは『デュラス 愛の最終章』。
ビジュアルもなんとなくBunkamuraル・シネマ的雰囲気が出ていますね 🙂
ソフト化タイトルは『愛人/ラマン 最終章』。
こちらになると、同じ画像を使っているのにル・シネマ的雰囲気が薄れてしまっているような(汗)
やっぱり「デュラス」より「愛人ラマン」の方が目を惹くということで、致し方ないでしょうか。
でもこのVHSのジャケットはちとやりすぎ。
背中の女性、誰?
ジャンヌ・モローはさすがにど迫力の存在感。
デュラスの話なのに、もはやジャンヌ・モローそのもののお話のようにも見えてしまいました。
お相手のヤン・アンドレアを演じたのは、エメリック・ドゥマリニーという俳優さん。
ほとんどこの2人だけの物語です。
大きなお世話ですが、デュラスとお相手の年の差は38歳だったとのこと。
映像化されるとキツいかと思いましたが、見てみると全然OKで、このあたりはキャスティングがとてもよかったのかと思います。
他に、キネマ旬報データベースで、大使夫人役がタニア・ロバーツとなっていてビックリしました。
IMDb見たらTanya Lopert ですから、もちろん全然別人。
キネ旬データベースでは、そのまんまタニア・ロバーツのフィルモグラフィーに本作が含まれちゃってますが、さすがにこれは凡ミス。
自分にとっては『007/美しき獲物たち』のボンドガール……というよりは、脳天気に楽しかった『ミラクルマスター 七つの大冒険』のヒロインとして印象深い女優さんです。
……とか書いていたら、急に見たくなっちゃいましたが、これDVD出てないんですよね。
監督脚本ジョゼ・ダヤン、撮影カロリーヌ・シャンプティエ、音楽アンジェロ・バダラメンティ。
シャンソン
「世界一美しいシャンソン」として流れたのは、エルヴェ・ヴィラール(Herve Vilard)Wの« Capri c’ést fini »(カプリ・セ・フィニ)W
原作にも出てくる曲です。
PVはカプリ島ではなくシャンボール城ですね♪
フランス映画祭
※18/3/10項目追加
これ書くのを忘れていました。
日本公開に先駆け、2002年6月に開かれた第10回フランス映画祭で上映。
ジャンヌ・モローは名誉団長として来日、エメリック・ドゥマリニーと舞台挨拶やらサイン会やらを行いました。
©2002 inagara |
極小ですが舞台挨拶の模様。
この後ロビーにて2人並んでサイン会となりましたが、さすがの貫禄と存在感でした。
ロケ地
IMDbには記載がありません。
例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
海辺の館
デュラスが住まうリッチな物件。
設定ではトルーヴィル(のはず)ですが、映画で登場したのはディナール(Dinard)Wのこちらのホテル。
Royal Émeraude
1 boulevard Albert 1er, 35800 Dinard France
http://www.royalemeraudedinard.com/
エンドクレジットの謝辞にDinardの文字が見えたので、判明しました。
参考までに、実際の住まいだったのは、トルーヴィルのこちらの高級アパルトマン。
©2013 milou アルバム「フランス西海岸」から |
こちらは以前『サガン -悲しみよこんにちは-』(08)のエントリーを書いた際にmilouさんから提供していただいた画像です(いつもありがとうございます♪)。
撮影は2013年6月で、ご友人によるものとのことです。
『デュラス 愛の最終章』でホンモノのこちらを撮影に使わなかったのは、やはりプライベートな物件だからでしょうか。
『サガン -悲しみよこんにちは-』でも、建物のぎりぎり端が写っている程度でした。
なんにせよ、撮影用に似た物件を良くぞ見つけたものだと思います。
海辺のカフェ
0:35頃
クルマでやってきてダンスをしたところ。
クルマから降りたのは、上記ホテルから東へ500m足らずのこのあたり。
テラスのテーブル席はここ↓
ダンスをしたのは、その真下の階。
資料
関連記事
ジャンヌ・モロー関連作
- 『エヴァの匂い』 Eva (1962)
- 『デュラス 愛の最終章』 Cet amour-là (2001)
- 『ニキータ』 Nikita (1990)
- 『マドモアゼル』 Mademoiselle (1966)
- 『危険な関係』 Les liaisons dangereuses 1960 (1959)
- 『地獄の高速道路』Gas-Oil (1955)
- 『大列車作戦』 The Train (1964)
- 『天使の入江』 La Baie des Anges (1963)
- 『巴里の気まぐれ娘』 Julietta (1953)
- 『恋人たち』 Les amants (1958)
- 『愛人 ラマン』 L’amant (1992)
- 『撤退』 Disengagement (2007)
- 『死刑台のエレベーター』 Ascenseur pour l’échafaud (1958)
- 『現金に手を出すな』 Touchez pas au grisbi (1954)
- 『突然炎のごとく』 Jules et Jim (1962)
- 『雨のしのび逢い』 Moderato cantabile (1960)
- 『鬼火』 Le feu follet (1963)
更新履歴
- 2018/03/11 タグ「ジャンヌ・モロー」追加
- 2018/03/10 「フランス映画祭」項目追加
- 2018/02/24 新規アップ
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