目次
作品メモ
2つ前のエントリー『呪われた者たち』のジョセフ・ロージー監督作。
やはりWOWOWの同監督特集で放映されましたが、この作品は以前よりDVDになっていて放送も何度かあり、この監督では比較的接しやすい環境にあるかと思います。
WOWOWの特集での放映リスト。
- 『呪われた者たち』
- 『エヴァの匂い』
- 『鱒』
- 『スチームバス/女たちの夢』
今のところ当サイトでとりあげたジョセフ・ロージー監督作は以下の通り。
- 『暗殺者のメロディ』 The Assassination of Trotsky (1972)
- 『夕なぎ』 Boom (1968)
- 『呪われた者たち』 These are the Damned (1963)
- 『エヴァの匂い』 Eva (1962)
小説がヒット、映画にもなって富と名声を手に入れた新進作家が、ひとりの女性に翻弄され、身を滅ぼしていく姿を描きます。
男たちを次々虜にする魔性の女エヴァにジャンヌ・モロー。
彼女と出会い、堕落を加速させる作家タイヴィアン・ジョーンズにスタンリー・ベイカー。
作家の恋人フランチェスカにヴィルナ・リージ。彼女で何故ダメなのか全然わかりません……
撮影ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ、音楽ミシェル・ルグラン。
ジャンヌ・モローは当サイトで言えば『突然炎のごとく』の翌年の作品。脂の乗り切った時期にあたります。
この映画での役、ハタから見ていると魅力を感じる前に我が儘さや傲慢さにイラっときてしまうかもしれませんが、実際ハマってしまうとまた別なんでしょうかね~
余談ですが、ジャンヌ・モローは一度ホンモノを見たことがあります。それもかなり間近で。
といっても基本「居ながら」ですから、フランスまで出かけていったわけではなく、向こうから来てくれたのですが(汗)。
種明かしをすると、2002年にフランス映画祭で団長として横浜にやってきたのを、のこのこ見にいっただけのこと。
サイン会があり、ごく間近でお顔を拝見することができましたが、なんとなく感じていた厳しくて怖そうなイメージとは逆に、気さくでニコニコ、それでいながら堂々たる風格を漂わせていて、さすがの貫禄でした。
ロケ地
IMDbでは記載がありません。
一目瞭然、ヴェネツィアやローマが舞台であることはわかりますが、詳しくは画面とにらめっこでチェックしていきました。
OP
OPやラストはヴェネチアのサンマルコ広場。
ぐるぐるカメラは、このパノラマ画像で追体験できます。
(それにしてもこのhtcの巨大広告はいったい……)
- http://www.360cities.net/image/pano-246
水辺のバー
エヴァが船でやってきたところ&タイヴィアンが飲んでいたところ。
場所はサンマルコ広場の西側、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂を向こう岸右手に見るあたりで、具体的にはおそらくこちら。
Harry’s BarW
Calle Vallaresso, 1323, 30124 Venezia Italy
Wikimedia Commonsで店内の画像を見ると、カウンターなどが映画と同じです。
http://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Harry%27s_Bar_(Venice)
※13/3/9 追記
©1990 milou アルバム「ヴェネツィア」から |
milouさんからサンタ・マリア・デッラ・サルーテの画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
こちらの撮影は1990年とのことです。
©2010 milou アルバム「ヴェネツィア」から |
こちらの2枚は2010年。
©2010 milou アルバム「ヴェネツィア」から |
※13/3/24追記
コメント欄でmilouさんからご指摘いただきました。
店を出たときに扉にはっきり”HARRY”という文字が見えますので、ここで正解でした。
パーティー会場(夜景)
内部もここでの撮影かどうかは不明。
タイヴィアンの住まい
2人が出会ったきっかけ。
窓を破って他人の家に勝手に入ると言うのは、翌年の『呪われた者たち』でも再現されています。
エヴァの住まい
ローマ。
市街を見下ろす小高い山の上にある集合住宅。
サンピエトロ大聖堂との位置関係で場所がわかりました。
マップでの明示は避けますが、北側のだいたいこのあたり。
今となっては築50年以上の物件となりますが、なかなかお洒落な作りです。
教会
0:39頃。
2人が車でやってきたところ。
調査中。
噴水のある広場
0:47頃。
タイヴィアンのローマでの住まいが面しているという設定。
噴水は浴槽の形をしています。
This work is licensed under a Creative Commons Attribution 2.0 Generic License.(CC BY 2.0)
2つありますが、フランチェスカが出てきたとき写っていたのは南側のものでしょうか?
従って出入口は北東側の建物。
フランチェスカがエヴァと会うところ
0:52頃。
日当たりの良い高台で、リゾート風に高い木が並んでいるところ。
おそらくエヴァの住まいの近くに見られる公園かと思われますが、調査中。
吹き抜けホールのあるホテル
0:57頃。
「ヴェネツィアの一流ホテルで」というエヴァの要望でキープしたところ。
1:12頃の窓からの眺めで場所がわかりました。
サンマルコ広場の東側。
http://www.danielihotelvenice.com/
吹き抜けホールの画像↓
- http://it.wikipedia.org/wiki/File:Venezia,_danieli,_cortile.JPG
- http://www.flickr.com/photos/7905288@N03/6172519253/
- http://www.flickr.com/photos/allenrockwell/2510783600/
- http://www.flickr.com/photos/sonomapicman/7005067561/
- http://www.cosmopolis.ch/travel/venice/hotel_danieli_e0000103.htm
カラーで見るとさらに雰囲気出てきます。
でも泊まると高そう……
余談ですが、昔の紙幣はなんでまたあんなに大きいんでしょうね。
トルチェロでの住まい
トルチェッロ(Torcello)Wというのはセリフからわかります。
向こう岸に見える高い鐘楼の教会はこちら。
Cathedral of Santa Maria AssuntaW
- Google Maps
- Google Maps(45°) ……14/8/8追加
- Bing Maps(概観図)
- Wikimapia
葬儀
※2014/08/08項目追加
葬儀の船が近づいていくのは、サン・ミケーレ島W
ロケ地マップ
※2014/08/08追加
ヴェネツィアを舞台にした他の映画とまとめて。
『エヴァの匂い』についてはローマのロケ地も記載してありますので、スクロールするか大きく表示してご利用ください。
より大きな地図で ヴェネツィアが舞台の映画 を表示
資料
関連記事
ジャンヌ・モロー関連作
- 『エヴァの匂い』 Eva (1962)
- 『デュラス 愛の最終章』 Cet amour-là (2001)
- 『ニキータ』 Nikita (1990)
- 『マドモアゼル』 Mademoiselle (1966)
- 『危険な関係』 Les liaisons dangereuses 1960 (1959)
- 『地獄の高速道路』Gas-Oil (1955)
- 『大列車作戦』 The Train (1964)
- 『天使の入江』 La Baie des Anges (1963)
- 『巴里の気まぐれ娘』 Julietta (1953)
- 『恋人たち』 Les amants (1958)
- 『愛人 ラマン』 L’amant (1992)
- 『撤退』 Disengagement (2007)
- 『死刑台のエレベーター』 Ascenseur pour l’échafaud (1958)
- 『現金に手を出すな』 Touchez pas au grisbi (1954)
- 『突然炎のごとく』 Jules et Jim (1962)
- 『雨のしのび逢い』 Moderato cantabile (1960)
- 『鬼火』 Le feu follet (1963)
更新履歴
- 2018/03/11 タグ「ジャンヌ・モロー」追加
- 2017/11/04 画像のリンクをPicasaからGoogleアルバムアーカイブへ変更
- 2014/08/08 「葬儀」「ロケ地マップ」追加。「トルチェロでの住まい」教会のマップ情報追加。
- 2014/04/20 milouさんの画像をpicasaウェブアルバムからのリンクに切替
コメント
冒頭のバーは Harry’s Bar で正解ですが店を出たときスイング・ドア(?)に
はっきりとHarry’s という文字が見えるので “おそらく”どころじゃないですね。
ラスト近く99分頃からフランチェスカの棺を乗せて向かうのは
言わずと知れた“墓だけの島”サン・ミケーレで
Chiesa di San Michele が映ります。
ローマのタイヴィアンの住まいの “出入口”は Piaza Farnese の北東側の白い建物に間違いない
と思われますが、室内はというと…
48分頃バルコニーで朝食を取っているとき後ろに尖塔が見えます。
ところが北東側の建物にバルコニーはないようだし尖塔の右隣の建物との距離も近すぎる。
さらに尖塔のバックの建物との直線角度から見てもバルコニーは北隣の赤い建物の屋上で
テーブルの場所は南の角(男側からのショットで奥がない)。
屋上に部屋らしきものは見えるが常識的には誰かの住居とは思えないのでが屋上にセット
を組んだのかもしれない
ちなみに尖塔のある建物は表からは想像しにくいがChiesa di Santa Brigida という教会。
またアパート向かいの白い建物は Farnese 宮で現フランス大使館。
さすがに Google Map での写真を見ても、その2つの建物ばかりで映画の建物の写真は
ないに等しい(当然でしょうが)。
やっぱり左の赤い建物で正解でした。
バルコニーのあとフランチェスカは螺旋階段を降りカットが変わると正面階段を降りて広場に出ますが
そのとき赤い建物のアーチ型の門の石で確認でき、さらに映画同様に出てすぐ左手にKioskもあります。
白い建物の方は中庭に続く通路で当然室内階段などありません。
とここまで書いて、最初から“北東側”というのは赤い建物のつもりで書いている、ともとれるので
それなら失礼しましたということです。いずれにしろ入口正面が(北側の)噴水なので階段を降りて
来たときから噴水の音が大きく聞こえるがカメラは正面を映さず出て左に行くので、この場面では
南側の噴水しか見えない。だから知らずに見たら噴水の音が不自然に思えてくる。
ちなみにシネフィル・イマジカ録画分はフランス語ですが各種資料を見ると(撮影は)英語ですね。
imdb でも使用言語は英語とイタリア語になっている。
milouさん、レス遅れてすみません。
扉のHARRY’S、ちゃんと写ってますね。気づきませんでした…… orz まだまだ修行が足りません。
アパートの出入口の方はSVで確認できるのでわかりましたが、バルコニーの方は全然チェックしていませんでした。室内はセットだと思い込んでいたのかもしれません(まだまだ修行が……)。
バルコニーがどこかは、出入口のある建物が現在リフォーム中のようで、屋上が白くスッキリしてしまっているので、なんだかよくわからない状態になってしまっていますね。
Bingの俯瞰図や、Google Earthのタイムラインで遡ると(2007/7が比較的良く見えます)、もともと屋上は赤く、造作も北隣の建物とほとんど同じようで、そうなるといよいよ判別が難しい感じです。
http://www.bing.com/maps/?v=2&cp=qzg9bmj15bfj&lvl=19.57&dir=92.13&sty=o&form=LMLTCC