『シンシナティ・キッド』 The Cincinnati Kid (1965)

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作品メモ

ひとつ前のエントリー『アメリカ上陸作戦』はノーマン・ジュイソン監督の1966年の作品ですが、その前年に撮ったのがこちら。
この監督さんは結構好みなので、もういくつか続けてみようかと思います。
年代順に整理すると、この『シンシナディ・キッド』のヒットで注目され、以後『アメリカ上陸作戦』(66)、『夜の大捜査線』(67)『華麗なる賭け』(68)と、毎年のように優れた作品を連打していたわけですね。

『シンシナディ・キッド』は昔からテレビで何度も楽しませてもらいました。オチがわかっていても実に面白く、同じく60年代出演作が粒ぞろいのスティーヴ・マックイーンでもお気に入りの一本となっています。

マックイーンが演じるのはポーカー賭博のプロ、エリック・ストーナー、通称「ザ・キッド」。ニューオーリンズでは向かうところ敵なしの腕を持っています。
いったんテーブルに着いたら、カメラが捉えるのは上半身だけ。得意のアクションなしの文字通りポーカーフェイスの世界となりますが、それでも見る者を存分に惹きつけるのですから、目力を含む演技力とスターの存在感のたまものでしょうか。

キッドが挑むのは、レジェンド的名手ランシー・ハワード、通称「ザ・マン」あるいは「キング」。演じるのはエドワード・G・ロビンソン。
もしかすると当サイトで出演作をとりあげるのは初めてかもしれませんが、一度見たら忘れられないルックスとただ者でない「圧」の力が、この映画でも遺憾なく発揮されています。こちらもこの映画が代表作の一本と言って良いのではないでしょうか。
まったくの余談ですが、彼のお顔を見るといつもフライシャーのアニメ『バッタ君町に行く』を思い出してしまいます。と言うのは、ん十年前、手塚治虫さんをゲストに招いてアニメの上映会が開かれたとき、憎まれ役のカブト虫がエドワード・G・ロビンソンそっくりでモデルにしたのでは? というお話をされていて、以来事実かどうかは別として、その連想が自分の中ですっかりできあがってしまいました。
ついでに、お茶の水博士はやはりフライシャーの『ガリバー旅行記』のとあるキャラをヒントにしたとか実に嬉しそうに話されていたように記憶していますが、そういえばこういうのはあまり書かない方が良いのかも 😅
後にも先にも手塚さんを間近で拝見できたのはその時一度きりでしたが、その場で模造紙にさ~らさらさらと何人かキャラクターを描いて見せたりして、お客さんは大盛り上がり。もちろんメモやカンペなしにフライシャーのアニメについて数十分熱く語られていて、やっぱこの方は神様だ……と心底思いました。(出番が来るまで控え室で原稿を描き続けられていたとのことで、神様といえどもベースは人間で、働き過ぎは良くなかったのかもしれませんね……)

映画に戻りまして、他の出演者は……
ディーラー、シューターにカール・マルデン。かつてランシーと勝負して手もなくひねられたことがあります。今は信頼できるディーラーとしてランシーに指名されるほど。
その奔放な妻メルバにアン・マーグレット。
キッドの彼女クリスチャンにチューズデイ・ウェルド。

この映画、特に後半はほとんど勝負の場面となりますが、その直前、彼女の実家へ行くところが印象に残ります。
最初は警戒心むき出しの両親を、カードの手品で和ませる場面がいつ見てもほっこり。マックイーンのこういう一面にぐっとやられてしまうファンも多そうですね。

そのクリスチャンについて……

ラストネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
今回チェックしたのはWOWOW放送版(2013年)ですが、そこでは少年との勝負に負けた後、ホテルの角を曲がると彼女が待っていてハグする場面で終わっていました。以前から親しんでいた地上波テレビ放送では、確かそうした部分は含まれず、少年が去った後呆然としたところで終わっていたかと思います。
英語版Wikipediaの”Alternative versions”に拠れば、プロデューサーの意向で彼女との場面が追加されたとのこと。追加しない方が断然良いように思えますので、監督としては悔しいところでしょうか。

 

原作はリチャード・ジェサップ(Richard Jessup)の同題小説。

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製作は2つ前のエントリー『いそしぎ』のマーティン・ランソホフ。撮影フィリップ・H・ラスロップ。

こちら↓は予告編

音楽

音楽はラロ・シフリン。
サントラCDは入手可能。

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配信もされています。
例えばAmazon Music Unlimitedで聴き放題。

テーマ曲など、ちょっとウエスタン調のメロディラインですが、ノリの良さで聴かせてくれます。

こちら↓はラストに流れるボーカルバージョン。サントラCDでは先頭に収録。 歌詞はDorcas Cochran。
歌はレイ・チャールズ。『夜の大捜査線』もレイ・チャールズでしたね。

操車場の場面ではテーマ曲をアレンジしたインストバージョンが流れますが、マックイーンのアクションと音楽がマッチして、とてもポーカー映画とは思えない方面の盛り上がり ♪
いっそこの音楽を基にして、マックイーン主演でもう一本、文句なしに格好良い、元気が出るアクション映画を撮ってほしかったかも。 (『ブリット』もラロ・シフリンでしたが、あちらは曲想がクール過ぎたので……)

こちら↓はテーマ曲のインストバージョンですが(サントラ7曲目)、操車場の場面とはまた別。
これはこれで、聴いていて気持ち良いです 🙂

ロケ地

IMDbでは、

New Orleans, Louisiana, USA
Redondo Junction Roundhouse, Los Angeles, California, USA
600 St Charles Ave. New Orleans, Louisiana, USA (Lafayette Hotel)

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

舞台はニューオーリンズ。

OPの墓地

フレンチ・クオーターの西端にあるこちら↓

ラファイエット墓地

ついでの話となりますが……
セントルイス墓地Wにも書かれてある通り、ニコラス・ケイジはピラミッド型の自分のお墓を用意しています。

ノーマン・ジュイソン監督がらみで、『月の輝く夜に』も取上げる予定♪

タイトルバック

THE CINCINEATI KIDのタイトルが出る通り。

操車場

冒頭の見せ場。
マックイーンがひたすら駆ける操車場のアクションシーンは、格好良すぎて『ブリット』の一コマのように見えてしまいますが、こちらの方が3年先。

回転する円形の操車場に飛び移って反対側へ渡ったり、列車が行き交う中をスレスレで走り抜ける場面をスタントなしで演じてしまうのですから、プロデューサーや監督はさぞヒヤヒヤしたことと思います。
きっと本人がやりたがったのでしょうね……

フェリー

0:12

最初のショットは、現在のスペイン広場のあたり

降りたのはここ↓

ウィンドウ・ショッピング

クリスチャンがメルバと水着のマネキンを見ていた店。
フレンチ・クォーターのSt.Peter St. 624番地↓ カメラ北西向き。

話しながら歩く時の背景↓

靴みがきの街角

0:23

クリスチャンとメルバが、キッドと合流したところ。
少年に靴を磨いてもらっているキッドは、なにやら紋様が施された黒光りする重厚な柱に寄りかかっています。
柱の意匠と通りの向かい側の”FERNANDEZ’S WINE CELLAR”がヒントになりました。

St.Ann Stが Decatur Stにぶつかるところ。
ワイン店は現在はMonty’sというレストランになっています。

キッドが寄りかかっていた柱は、こちら↓の東端。

Jackson SquareW

こちら↓の画像では、キッドは左端にいて、女性2人組は横断歩道を渡ってきます。

雨の公園

0:46
勝負の段取りが決まった夜、雨の中歩いて行くのは、前項目ジャクソン・スクエア(Jackson Square)の中。

背後にそびえる教会はセント・ルイス大聖堂W
これまでのエントリーで言えば、『愛のメモリー』で結婚式を挙げる予定だったところ。

こちら↓は『愛のメモリー』でも使わせていただいたmilouさんご提供の画像です。
馬にまたがった人物の銅像はアンドリュー・ジャクソン。公園の中央にあります。

ラファイエット・ホテル

0:58
大勝負の舞台。
この名前で実在しますが、2時間サスペンス的タイアップだったりして。

Lafayette Hotel
600 St Charles Ave. New Orleans, Louisiana, USA (Lafayette Hotel)
https://www.lafayettehotelneworleans.com/

ロケ地マップ

ニューオーリンズが舞台の映画

資料

更新履歴

  • 2020/12/20 新規アップ

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