作品メモ
フランソワーズ・アルヌールの特集からまた離れてしまいますが、割り込みで別件を。
ふたつ前のエントリー『フランス式十戒』の第3話「なんじ殺すなかれ」の冒頭で女が身を投げるのが、この「北ホテル」の目の前の運河。
『北ホテル』では実際の撮影はほとんどがセットかと思いますが、もちろん運河は水をたたえ、両岸には建物が並び、人々や車が行き交うぶホンモノそっくりの仕上がり。
カルネ監督+アレクサンドル・トローネのセットでは 『夜の門 ~枯葉~』のメトロ駅であやうくだまされる(?)ところでしたが、『北ホテル』はショット数も多いですし時間帯も様々とあって、いかにしてセットを作りそれをさらにホンモノっぽく撮影するか、いろいろ勉強できる映画ともなっています。
出演は、アナベラ、ジャン・ピエール・オーモン、ルイ・ジューヴェ、アルレッティ他。
監督・脚本マルセル・カルネ、撮影アルマン・ティラールとルイ・ネ、音楽モーリス・ジョーベール。
ロケ地
IMDbでは、
Hôtel du Nord – 102 Quai de Jemappes, Paris 10, Paris, France
Canal Saint-Martin, Paris 10, Paris, France
Paris 10, Paris, France
Paris, France
Quai de Jemappes, Paris 10, Paris, France
Studios Pathé-Cinéma – 6 rue Francoeur, Paris 18, Paris, France
Studios de Billancourt – 50 Quai du Point du Jour, Boulogne-Billancourt, Hauts-de-Seine, France (studio)
北ホテル
映画に登場したのはセットですが、ホンモノの北ホテルはこちら。
Hôtel du Nord – 102 Quai de Jemappes, Paris 10, Paris, France
©2006 milou アルバム「パリ」から |
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
ずいぶん前にアルバムに登録していただいたのに、紹介が遅れてしまってすみません。
撮影は2006年1月。
右隣の建物もセットできちんと反映されていますね。
©2006 milou アルバム「パリ」から |
こちらは北ホテル1階のレストランとのことです。
ホテルの公式サイトにも、当然ながら映画のことが触れられています。
1912年にできたこの4階建ての建物は、解体の危機を乗り越えて今日に至っているようですね。
ホテル自体は1ショットたりともホンモノは写っていないかもしれませんが、これ以上はホンモノの画像で比べてみるか、映画の資料にあたらないとわからないかもしれません。
当時の北ホテルの画像をざっくり探してみましたが、うまく見つかりませんでした。
運河
運河は全部セットというわけではなく、一部ロケ撮影をうまく混ぜてリアリティを出しているようです。
たとえばタイトルバックのいくつかのショットはホンモノでしょうね。
また0:39頃、橋がぐるりと回転するのを捉えた俯瞰ショットもホンモノ。
歩行者用のアーチ橋は、WikipediaではPasserelle de la Grange-aux-BellesWと言う項目ができています。
今までのエントリーで言えば、『東京⇔パリ 青春の条件』で橋幸夫さんが居たのがここ。
0:50頃も同様。
背景の輪郭がカクカクしたビルは今でも建っています。
0:58↓
資料
更新履歴
- 2014/07/30 新規アップ
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