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『ニューヨークの怪人』 The Colossus of New York (1958)

Colossus of New York (1958) [Blu-ray]

作品メモ

『原子怪獣現わる』(53)『大海獣ビヒモス』(59)『怪獣ゴルゴ』(61)とユージン・ローリー監督作を見てきましたが、劇場用映画の監督作品はこの他にもう一本……ということでこちらもチェック。
『ニューヨークの怪人』は2本目の監督作。お得意の怪獣ものではありませんが、ちょっと大きめの「怪人」がニューヨークを徘徊します。

世界の平和に貢献する優秀な科学者が交通事故により急死。
息子の死を惜しんだその父親が、彼の脳を大きな金属ボディに移植してよみがえらそうとしますが……
巨人はだんだん人間らしい心を失っていき、しまいには目から怪しげな光線を放って人を殺めるまでに至ります。
彼の暴走を止められるのは、愛する幼い息子だけなのでした……

……といった内容。
脳をそっくり金属筐体に移植するというアイデアは、小説ならニール・R・ジョーンズの「ジェイムスン教授」シリーズが古典となっていますが、あんな陽気さはみじんもなく、フランケンシュタインやらロボコップやら、そのあたりの傾向に近いものがあります。
人によっては『ドノヴァンの脳髄』やら『ドウエル教授の首』あたりを連想するかもしれませんね。
こういう実験は、残念ながらたいていはよろしくない結果に終わるのでございます。

ユージン・ローリー監督作の中では、ビジュアル的にはどー見ても一番の低予算。
音楽もピアノだけですが、妙に味があったりします。

家族の目の前で交通事故死したジェレミー・スペンサー博士にロス・マーティン。
その父で息子の脳を取り出し保存する優秀な脳外科医ウィリアム・スペンサー博士にオットー・クルーガー。
父に協力して金属ボディを作りあげるジェレミーの弟ヘンリー・スペンサー博士にジョン・バラグレイ。
ジェレミーの妻アンにマーラ・パワーズ。
息子ビリーにチャールズ・ハーバート。

製作ウィリアム・アランド、脚本セルマ・シュニー、撮影ジョン・F・ウォーレン、音楽ヴァン・クリーヴ。

ユージン・ローリー監督については、『大海獣ビヒモス』でメモしてありますのでそちらをどうぞ。

 
 
 

中の人

邦題は「怪人」ですが、原題は”Colossus”ですから、まあ巨人ですね。

The Colossus Of New York (1958) - Official Region Free PAL release, plays in English without subtitles by John Baragrey

この手の映画は宣伝ビジュアルなどでは「盛る」ことが多いですが、こちらの画像はだいたい本編に登場したのと同じくらいのイメージでしょうか。
2メートル半はありそうで、実際に動いているところはなかなかの迫力です。

気になるのは巨人の(文字通りの)中の人。
Ed Wolff(エド・ウルフ)Wという人で、IMDbのBiographyによると、身長7’4″ (2.24 m)とのことです。
同じくIMDbに拠れば、ダースベイダーの中の人、デヴィッド・プラウズは、6′ 6″ (1.98 m)。
007のジョーズでおなじみリチャード・キールは、7′ 1½” (2.17 m)。

リチャード・キールより背が高かったことになります。
どうしても着ぐるみ、かぶりものが多く、素顔で出演している映画も中にはあるようですが、実際のルックスは未確認。

ちなみにドリフのジャンボマックスWは3メートルとのこと。

チャールズ・ハーバート

息子役のチャールズ・ハーバートは、5,60年代に活躍した子役スター。
同年の『ハエ男の恐怖』でも科学者の息子役でした。

ウィリアム・アランド

製作のウィリアム・アランド(1916–1997)は、『それは外宇宙からやって来た(イット・ケイム・フロム・アウター・スペース)』(53)、『大アマゾンの半魚人』(54)、『宇宙水爆戦』(55)など。
俳優としては『市民ケーン』(41)の記者役。

ロケ地

IMDbでは、

Paramount Studios – 5555 Melrose Avenue, Hollywood, Los Angeles, California, USA

設定はニューヨークですが、撮影はロサンゼルスのスタジオ。

この映画については、ロケ地的なネタはほとんどありません。
舞台となる国連ビルもまるで絵に描いたように登場。

街角

0:08頃、ホンモノのニューヨークの街角が挿入されます。
中央左手に”CROTONA”と看板が出ている劇場らしき建物が見えますが、こちら↓のようです。

Crotona TheatreW

住所は、”453 East Tremont Avenue, in Bronx, New York”。
ということで場所はブロンクスで、劇場の建物も健在。これでカメラ位置やアングルも判明。

 
 
 

カメラは東向き。
映画では奥に高架線が見えますが、今はありません。これは地下鉄でしょうか?

驚いたことに、上掲Wikipediaには『ニューヨークの怪人』に写っていたことも書かれています。
こんなん気にしている物好きは自分だけかと思ったら、みんな仲間♪

ロケ地マップ

ニューヨーク市ブロンクスで撮影された映画のロケ地マップ

資料

更新履歴

  • 2016/10/10 新規アップ

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