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『ストロンボリ』 Stromboli (Terra di Dio) (1950)

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私を求めなかった者たちが
今 私を見つけ出した
    イザヤ書 第65章

作品メモ

『情事』の後しばらくAXNミステリーのシリーズをチェックしてきましたが、ここからまたシチリアで撮影された映画に戻ることに。

こちらは、シチリアと言っても本島ではなく、タイトル通りストロンボリ島が舞台。
シチリア本島から北へ60km、『情事』でアンナが行方不明となった孤島からでも20kmは離れている、シチリア州最北の島です。
第2次大戦後のイタリアで、戦火をからくも生き延びた難民の女性が漁師と結婚して島へやってきますが、そこでの暮らしになじめず、悩みが増していく……というのが主なストーリー。

この映画は、内容よりもむしろロベルト・ロッセリーニ監督とイングリッド・バーグマンの初顔合わせであり、その後私生活でもパートナーになるきっかけとなった一本として知られているかもしれません。

2人の組み合わせはこちら↓ 漏れがあったらご指摘ください。

  • 『火刑台上のジャンヌ・ダルク』 Giovanna d’Arco al rogo (1954)
  • 『不安』 La Paura (1954)
  • 『イタリア旅行』 Viaggio in It (1954)
  • 『われら女性』 Siamo Donne (1953) (オムニバス)
  • 『ヨーロッパ一九五一年』 Europa ’51 (1952)
  • 『ストロンボリ』 Stromboli, terra di Dio (1950)

監督から見ると、『無防備都市』(1945)『戦火のかなた』(1946)『ドイツ零年』(1948)という濃密な戦争三部作とくらべて作品のモチーフやトーンに変化が見られますし、俳優から見ると、それまでのハリウッド製とは一線を画す内容となって、化学反応は明らか。
これらの映画が、興行的なことを含めて成功したかどうかは別として、個人的には十分見ごたえがある作品群ではないかと思います。

製作監督原作ロベルト・ロッセリーニ、撮影オテロ・マルテリ、音楽レンツォ・ロッセリーニ。

こちら↓は本編0:13頃、上陸後ヒロインの「コレジャナイ」感がレベルアップしていく様子。

お嫁さんがこういう表情になったら、気をつけましょう 😇

ロケ地

IMDbでは、

Farfa, Fara in Sabina, Rieti, Lazio, Italy
Stromboli Island, Aeolian Islands, Messina, Sicily, Italy

例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

冒頭除いて、ほぼ島でのロケ。
もはや70年以上前の映画ですが、思ったより収穫がありました。

0:09
出港する港。

ストロンボリ島

ストロンボリ島(Stromboli)

大きさは5kmx5kmぐらいですから、桜島のタテ・ヨコ半分ぐらい。
島の東西に居住地が分かれていますが、船が向かうのは東北側。

上陸

0:13
山をバックにぞろぞろ移動するところ。

背景の白い建物(2階建てで正面に階段)は現存しています(「作品メモ」掲載動画、最初のカット)。

この建物の右側は映画では平屋の建物ですが、現在こちら↓のホテルになっています。

La Sirenetta Park Hotel

教会

0:13
司祭が迎える場面で、背景に見える教会。
他に0:55等

Chiesa di San Bartolomeo

したがって、司祭が出迎えたのはこのあたり↓

  • 38.8080720,15.2291408

奥さんを連れて
戻ってくれたのは君だけだ
皆 出て行ってしまう
アルゼンチン オーストラリア……

行きたかったアルゼンチンの名を聞いて、カーリンの眉が曇ります。

岩場

0:57
子どもたちと魚を捕るところ。

灯台守がボートでやってくる背景に岩山が見えますが、こちら↓

Strombolicchio LighthouseW

教会内部

1:04
これは実際に上掲教会の内部。

Chiesa di San Bartolomeo

こちら↓の1分20秒

洞穴

1:26
灯台守とやってきたところ。

上掲「岩場」の隣(東側)。
マップで”Grotta d’Eolo”と示されているところ。

滞在先(参考)

こちら↓の建物が、撮影中ロッセリーニとバーグマンが滞在した家とのこと。

↓プラーク

建物の形や周囲の景色から見て、マップではこちら↓と思われます。


こちらは↓ 8mmホームムービー。

ロケ地マップ

資料

更新履歴

  • 2022/04/21 新規アップ

コメント

  1. 豆猫 より:

    昔、スカパーでみたこの映画を懐かしく思い出しました。
    2022年にストロンボリのとても詳しい記事、ありがとうございます。

  2. 居ながらシネマ より:

    豆猫さん、コメントありがとうございます。
    こういった昔の映画でコメントいただけると嬉しいものですね。
    私も記事を書くのに久々の鑑賞とあいなりましたが、映画の内容はもちろん、ロケ地チェック的にも収穫があり、自分としては結構満足のゆくエントリーとなっているかもしれません。
    マニアックでへんてこりんなことを続けているサイトですが、またいつでもお立ち寄りください。
    ありがとうございました。

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