『ふたりでスローダンスを』 Slow Dancing in the Big City (1978)

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Rocky Road

作品メモ

少し前に書いたエントリー『ウィークエンド・ラブ』でとても良い味出していたポール・ソルヴィノ(Paul Sorvino)の初主演作。他に主演作があるかどうか知りませんが……

この映画で彼は新聞のコラムニストを演じています。
都会の片隅で生きている人たちの様々な姿を取材しては記事にする人情味あふれるキャラです。
そんな彼が近くに引っ越してきた美女と知り合いになります。
バレリーナの彼女はリンカーン・センターでのステージを控え猛練習にはげむ毎日。
しかし実は足に痛みを抱え、これ以上続けると二度と踊れなくなってしまうと医者から言われているのです。
次第に心を寄せ合う2人。
はたして彼女は当日ステージに立つことができるでしょうか、そして2人の恋の行方は?

といったけっこうベタな物語です。

なによりこの映画を特徴付けているのが、監督がジョン・G・アヴィルドセンで音楽がビル・コンティというところ。
アヴィルドセン監督にとっては『ロッキー』に続く作品。
監督だけだった前作と違って、製作、編集も担当する張り切りよう。
つまりは『ロッキー』の成功を受けて、自分でもいっちょうやってみるか、という流れですね。
そうなると嫌な予感がするわけですが(汗)、肝心の出来映えはと言いますと、やはり少々惜しいところが出てしまっているような気がします。

なによりシナリオが練り切れていなくて、ご覧になった方はおわかりかと思いますが、主演の(ヒロインとは別の)相手の女性のことや少年のエピソードなど、御世辞にもお話がうまくころがっているようには見えませんでした。
ラストのリング、じゃなかったステージに向けてもっと盛り上げて欲しかったのに……

当時の『TIME』の映画評で”Rocky Road”と皮肉られていましたが、 1)November 20, 1978 そのへんが妥当な評価かもしれません。

それでもエントリーを残しておきたかったのは、やはりビル・コンティの音楽が印象に残っているから。
オープニングの朝まだきの場面でオーボエが静かに奏でるテーマ曲。そしてそれに続くピアノの優しいタッチ。
もしかするとこの映画は傑作なのではと錯覚させるのに十分な雰囲気を持っていました。

クライマックスのステージ場面では、長めの渾身のスコアで盛り上げます。
それに乗って、いつ足が「ピシ」っというかわからないヒロインが踊り続けるのです。
最初で最後の晴れ舞台。頼むから感動して。ここで泣かないでどーするの的場面となっておりましたが、ここでも(しつこく)テーマ曲が顔をのぞかせていたことは言うまでもありません。
まあ正直バレエ曲という感じがあまりしませんでしたが、映画全体のノリからすればむしろこれで十分。
そのままエンドクレジットの音楽(もちろんテーマ曲の情緒纏綿たるアレンジ)へと流れ込んでいきます。

全体として当時のビル・コンティの勢いを感じさせるなかなかのお仕事ぶり。
サントラ(LP)買いましたが、ジャケットがメイン・ビジュアル――2人がビルの屋上でニューヨークの夜景をバックに見つめ合う図式――だったので、レジで結構恥ずかしかった記憶があります。

Giselle Ballet [DVD] [Import] ヒロインのアン・ディッチバーン(Anne Ditchburn)は新人で、ホンモノのバレリーナだそうです。
IMDb見る限り映画の世界ではあまり作品数がないようですが、きっと本業の方で活躍を続けたことと思います。
当時のステージはこういったDVDで今も見ることができます。

さて、あれこれ書いてきましたが、今からこの映画を見るとなると少し難しいかもしれません。
日米ともにおそらくビデオはないと思います。
アメリカでもほとんど忘れられている映画でしょうから、今後のDVD化も望めず。
私自身むか~し名画座で見たことがあるだけです。
ビデオもなく記憶のみに頼ったエントリー。間違いがありましたらご容赦を。

追記

「忘れ去られている」とか書いてしまいましたが、どっこい少なくとも音楽は意外なところで生きていました。
いつまであるかわかりませんが。

ひとりでスローダンシング! 😀

ちなみにこの曲はラストシーンからエンドクレジットにかけて流れる曲です。

音源は?と気になりますが、『F.I.S.T. 』とカップリングでCDが出ていたようです。もう入手できないみたいですが。
http://www.amazon.com/gp/product/B000N6JYRG/

ロケ地

The Big Cityとはもちろんニューヨークのこと。
プログラムには「ドラマを高揚させる第3の”主役” ニューヨーク・シティ」という文章があります。
市内のロケを効果的に使っていたようですね。
残念ながら具体的にどこだったのか、ほとんど覚えていません。
せめてメインビジュアルの屋上だけでも場所がわかるとうれしいのですが。

ラストのステージ

ヒロインが目指した舞台は、リンカーン・センター(おそらくメトロポリタン歌劇場)という設定です。
実際の撮影は、ニュージャージー州のニューアークにあるNewark Symphony Hallで行われました。
http://www.newarksymphonyhall.org/

ホントのリンカーン・センターはこちら。
http://www.lincolncenter.org/

資料


References   [ + ]

1. November 20, 1978

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