『恋は緑の風の中』 (1974)

作品メモ

この(2018年)8月、日本映画専門チャンネルの蔵出し名画座枠で放送。
なつかしさのあまり思わずエントリーをアップです。
ソフト化が全然なかった(はずな)ので、ん十年ぶりの鑑賞となりました。
当時秋元文庫からノベライズ本が出ていて、映画のスチールがいろいろ掲載されていました。
これが唯一記憶の手がかりとなっていましたが、これからは焼いたBlu-rayにバトンタッチできるというものです。 恋は緑の風の中 (youngシリーズ)

原田美枝子さんのデビュー作で、このあと『大地の子守歌』『青春の殺人者』でめきめきという音が聞こえるぐらい頭角を現してきました。
お相手、といいますか主役は佐藤佑介さんで、この後『大地の子守歌』でも共演しています。
その両親役は水野久美さんと福田豊土さん。
他に保健の先生役で三田佳子さんが出演。

監督家城巳代治、脚本は奥様のいえきひさこ。 撮影佐藤昌道。
家城監督にとって最後の作品。日本映画の興行的な低迷にともない、このあたりのクラスの監督さんでも当時は厳しい状況であったでしょうか。
どういういきさつでこの映画が製作されたのか、気になるところでもあります。

テーマ曲はアリスの「黒い瞳の少女」。
映画のテーマ曲でアリスとなると、『帰らざる日々』などが記憶に残っています。でも谷村さんの「セイ!ヤング」聞いてたことは内緒♪

 
 
 

DVD登場♪

※19/1/12項目追加

コメント欄でBill McCrearyさんから情報を寄せていただきました(2019年1月10日 00:01)。
なんとこの(2019年)4月にDVDが初登場です。
恋は緑の風の中 [DVD]

販売元Happinetのサイトでの案内はこちら↓

http://www.happinet-p.com/jp3/releases/digs-1061

ロケ地

東京近郊という設定。
オープニングクレジットで「協力 埼玉県深谷市」と表示されています。
チェックしてみると、実際深谷市内のあちこちが登場していました。

以下例によって画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

中学校

校庭など、おそらく統合前の旧深谷中学校。

現在は市民文化会館など市の施設となっているようです。

商店街

0:11
水野久美さんがニコニコしながらやってくる通り。
道路構成や看板などからこちらと思われます。

残念ながら今やほとんど商店街としての面影はありません。
背景に見える「サンパルコ」という袖看板が出ている黄色い建物は、現在駐車場となっています。

自転車

0:20頃、自宅からいくつもの橋を渡り、書店に寄ってから雪子のいる青果店まで行くルート。

1つ目の橋
2つ目の橋
3つ目の橋

小山川に架かる小山橋(の以前の姿)ではないかと思われます。
煉瓦工場跡(後述)の北側。

0:40頃、やはり自転車で藤井先生と恋人を追い抜くのもこの橋。

昔の画像はこちら↓のブログで確認させていただきました。

http://nireya.wp.xdomain.jp/47/

※19/3/2追記
現在の姿です(撮影2019年1月)。

©2019 inagara
4つ目の橋

渡ってすぐ右折するところは、おそらくこちら↓

※19/3/2追記
これはおそらく0:55頃の「雪子を呼び止めた橋」と同じ場所。
そちらへ画像を追記しておきました。

書店前

場所はこちら↓

こちらの通りも残念ながらほとんど商店街としての面影はありませんが、かろうじてセトモノ店の看板は確認できます。

青果店

雪子の家である八百屋さん。
同じ名前で実在していて、今も営業していらっしゃいます♪
映画で堂々と写っていたのですから、書いてしまっても大丈夫でしょう。

自転車でやって来た通りは、「ちょうちん横丁」という名称はそのままですが、建物の多くは建て替えられています。

電車

0:33
酔っ払いに絡まれた電車は、深谷市からぴょんとワープして東京都を走る京王線。
青年が駅員さんを呼んでくれた駅は、平山城址公園駅。日野市ですから、だいぶワープしています。

その後青年が降りたのは、隣の南平駅。

ここで突然京王線が登場したのは、車内での撮影の関係ではないかと思われます。

喫茶店

0:35
電車での一件の後、純一が母親と話していたところ。
戸口に「アンデルセン」とあります。

場所は深谷駅前のこのあたり。建物は建て替えられ、別の店舗となっています。

昔の空撮で、お店の外観の特徴的な意匠(いかにも昭和♪)を確認できるほか、建物の南側にバスが何台か停まっているのも確認できます。

夕方の商店街

0:38
2人を後ろから捉えたショットは、こちら↓

他の商店街同様、今ではほとんど面影がありません。

このショットで、純一が雪子をクルマから守るように道路側に入れ替わったのが印象的で、当時まだ女子とデートしたことがなかった自分は、心の中で「なるほどー!」とメモメモしたのでした。

※19/3/2追記
現在の姿(撮影2019年1月)。

©2019 inagara

映画の頃に比べて、歩道が拡張されています。

©2019 inagara

「行人橋(ぎょうにんはし)」というようです。

©2019 inagara

川は「唐沢川」。
参考までに、架かっている橋はこういった名称。

青年を探していた駅

0:40
青年が降りた駅という設定ですが、上述の通り、車内のカメラでは日野市の京王線の駅でした。
この場面で水野久美さんがいたのは、埼玉にもどってこちらの駅。

寄居駅W

藤井先生が恋人といた橋

0:49
小山川に架かる小山橋(橋自体は架け替えられています)。
最初の方で、やはり自転車で渡った橋(3つ目)もこちら。
三田佳子さんたちは北向きに歩いていますが、追い抜くところを正面から捉えるショット(カメラ南向き)では、煉瓦工場の煙突が見えてみます。

北側に見えるビニールハウスは、今もそのままですね。

雪子を呼び止めた橋

※19/1/12項目追加

0:55
前述「4つ目の橋」(右折したところ)と同じ橋。
雪子がいたのは南西側の橋のたもと。
手すりは架け替えられているようですが、たもと部分や橋脚は現在でも映画と同じものを確認できます。

※19/3/2追記
現在の姿(撮影2019年1月)。

©2019 inagara

署名運動をしていた駅

0:52
高崎線深谷駅W。昔の駅舎ですね。

現在の駅舎はレンガ造りっぽく見せていますが、次項目の煉瓦工場にちなんでいるようです。

煉瓦工場跡

日本煉瓦製造W

工場跡の施設

管理人の浜村純さんが大ざっぱだったおかげで、勝手に模様替えできたところ。
映画では特に説明されていないようですが、ノベライズ本では変電室と言っています。
リアルでも変電室だった施設で、なんと今でも建物は残されていました 🙂

By 京浜にけ
via Wikimedia commons
(CC BY-SA-3.0)

※19/3/2追記
現在の姿です(撮影2019年1月)。

©2019 inagara

以下、周囲を回ってみます。

©2019 inagara

実は、国指定重要文化財。
スリガラスになっていて、中は覗けません。
係の方によれば、何もないそうです。

©2019 inagara
©2019 inagara

彼方に見えるのが、現在唯一残っている6号窯のもの。
このアングルは、映画でも登場しています。

©2019 inagara

左手に見えるのが、現在史料館となっている建物で……

©2019 inagara

この建物は、少年たちが浜村純さんと会話する場面で、浜村純さんの背後に一部(西側)が写っています。

鉄橋

おそらくこちら↓

備前渠鉄橋(びぜんきょてっきょう)

※19/3/2追記

現在の姿(撮影2019年1月)。
煙突の位置も再現できているので、ここで正解と思われます。

©2019 inagara
©2019 inagara

橋を南側から見た所。
人っ子ひとりいません。
「不審者を見たら110番」とありますが、私が完全に不審者です。

©2019 inagara

もともとは製造した煉瓦を輸送するための貨物線が走っていました。

©2019 inagara

以下オマケですが、貨物線はこんな風に深谷駅までつながっていました。

©2019 inagara

現在は線路は撤去され、歩行者と自転車用の道路に整備されています。
各交差点にはこんな風にかわいらしい埴輪かニョロヨロのようなものが並べられて。

ロケ地マップ

※18/9/9追加

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2019/03/02 「3つ目の橋」「夕方の商店街」「雪子を呼び止めた橋」「工場跡の施設」「鉄橋」に画像追加
  • 2019/01/12 「DVD登場♪」「雪子を呼び止めた橋」項目追加 DVDジャケット画像をトップに追加 書籍の画像を「作品メモ」へ移動 
  • 2018/09/09 「ロケ地マップ」項目追加
  • 2018/08/31 新規アップ

『恋は緑の風の中』 (1974)” への10件のコメント

  1. 同じく原田美枝子の「大地の子守歌」には全身がしびれるほどの衝撃を受けて、ロケ地探訪をしたぐらいですが、この映画(「恋は緑の風の中」)は余り印象がなくて、このブログを読んで少しずつ思い出していきました。

    家城巳代治監督の遺作としては少し淋しい感じ(なんせ「裸の太陽」のような青春映画の傑作を撮っている監督ですからね)ですが、いつもながら詳細にロケ地を調査されているので、このマップを片手に「埼玉県深谷市」を散策してみたくなりました(ロケ地は都内か東京近郊とばかり思っていました)。

    中学校、商店街通り、橋、書店、喫茶店などはすっかり変わっていますが、深谷駅、工場跡の変電室、それに八百屋さんは昭和の面影をとどめながら、ほぼそのままの形で残っているのは驚きであり喜びです。

    特に、煉瓦造りの深谷駅舎、このようなユニークな建造物が地方都市にまだ現存していたとは思ってもみなかった。是非一度この目で見てみたい。

  2. 赤松幸吉さん、コメントありがとうございます。
    『大地の子守歌』のロケ地探訪されたのですか。私もこの映画結構インパクトありました。
    ロケ地は一箇所しかわかりませんでしたのでどうしようかと思っていたのですが、それでもいいやとエントリーを先ほど作りました。

    それから、深谷駅は1996年に改築した結果今のレンガ造り風の建物になったようです。
    あくまで雰囲気で、実際にはレンガ製ではないようですが。
    東京駅のレンガがこの町の工場から出荷されたと知ると、この映画を見る目もなんだか変わってきますね。きっとレンガが町のシンボルで、今の駅舎が東京駅似なのも、一種の逆輸入なのかもしれませんね。

    それにしても、町の商店街の衰退はどこでも見られることなのでしょうけど、やはり残念ですね。

  3. おお! この映画がCSで観られるのですか! これはうれしく思います。この映画の存在は知っていましたが、年齢的に観られるわけもなく、ソフト化もされていないので、上映会に遭遇するしかないのかなと考えていたのですが、CSで放送してくれるとは望外です。調べたら、9月13日に最後の放送があるようですから、これは本当に楽しみです。居ながら様本当にありがとうございます。この記事を読まなければ、ほぼ見逃していたと思います。ほんと、持つべきものはネット仲間です。

    >原田美枝子

    彼女1958年12月生まれで、撮影時は15歳ですから、かなりやばい映画でもありますね。関根恵子もそうですが、やはり彼女も根性のある人だったのでしょうね。

    ところが深谷市はちょっと縁がありますので、映画を観たら撮影旅行に行こうかなとも思います。その際はまたご連絡します。

    それにしても独立プロだからということでしょうが、当時はまだまだ自治体が映画の撮影に協力的な時代ではなかったはずで、そのあたりもいろいろ苦労があったのでしょうね。

    >深谷駅

    『ゆきゆきて、神軍』で、昔の深谷駅の建物が出てきました。安普請な、典型的な国鉄の駅という感じでした。こちらのブログさんの記事は面白く読めました。

    https://plaza.rakuten.co.jp/machi11fukaya/diary/201210010000/

    余談ですが、京王電鉄は、わりと映画やドラマの撮影に協力的ですね。前に撮影していた井の頭線の特別電車を見たことがあります。

    なお明日付の記事で、この映画と貴記事をご紹介させていただきますことをお許しください。

  4. Bill McCrearyさん、日本映画専門チャンネルの蔵出し名画座はレアな作品を放送してくれるのでありがたいですね。今回は3回録画しました 🙂
    作品の出来不出来とか、演技のうまい下手とかとは無関係に、なつかしい映画はそれだけで十分価値がありますねー
    深谷市はいちども訪れたことがありませんが、マップでうろうろしていたら、特にレンガ工場跡までの道をブラブラ歩いてみたくなりました。

  5. こちらの映画がついにソフト化されますね。

    https://www.amazon.co.jp/dp/B07LG7YVCR/r

    未ソフト化作品がCSで放送されるというのは、ソフト化の可能性が見えたことなのでしょうが、本作品はソフト化は難しいのではないかと考えていたので、私としてはうれしい誤算です。

    どうしても独立プロ系の映画はソフト化がされにくい傾向にあるので、この映画も公開から45年をへてようやくソフト化されたというのも感慨深いものがあります。

  6. Bill McCrearyさん、うれしい情報ありがとうございます。
    まさかまさかのDVDソフト化ですね。
    やはり日本映画専門チャンネルの蔵出し名画座で放映された『わが青春のイレブン』も同時発売のようですので、おっしゃる通り放映時点でソフト化の道筋があったのかもしれませんね。

  7. 中学1年の時、同級生と仲間と観ました。
    その際は高橋洋子さん出演の「蔵王絶唱」と、フォーリーブスさん出演の「急げ 若者」と3本セットでの上演でした。(こちら2本も観たいです)
    私は深谷市とは何の縁もない人間ですが、私の地元で上演された映画館はとうの昔に有料駐車場となって街の景観もすっかり変わり、当時の出来事等と共に10代の頃の私の、今や幻のようなノスタルジーです。
    懐かしさで息苦しくなるほど。
    観るチャンスを探し続けて今に至りますが、全く無理でもう諦めていました。
    ですので昨秋の4回の放映は狂喜乱舞、勿論4回全部観ました。
    これには大感謝。
    さらにはこの春DVD発売の情報をこちらで知り、これにも大感謝。
    ありがとうございます。
    すぐに予約しました。待ち遠しいです。永久保存版です。

  8. うずらさん、コメントありがとうございます。
    封切りをリアルタイムでごらんになったのですね。私は名画座に降りてきてからかと思いますので、少し後かもしれません。
    名画座で何度か見た後は長らく見ることができませんでしたが、それでも原田美枝子さんのお姿や、スーパーマンの唄は忘れませんでした(笑)
    まさに幻のノスタルジーでしたが、高画質で放送されたり、DVD発売など、まさかまさかのうれしい状況となりましたね。

  9. 大変お疲れさまでした。私の写真を撮りに行くなんてい言ってまだ行っていませんが、撮影した際には、また拙ブログで発表いたします。私としては、やはりかつての商店街の写真を撮ろうかなと考えています。例の八百屋さんには、商品を買いながら原田美枝子の話も聞いてみようかと思います。

    それにしても、橋のあたりはそんなに変わっていませんが、商店街はほんとにすたれていますね(残念)。時代の変化、後継者難、いろいろでしょうが、やはり四捨五入したら半世紀前の映画ですから、それも仕方ないところもありますね。

  10. Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    今回駆け足でしたが、判明できた撮影ポイントはひと通りチェックすることができました。
    商店街はあまりの変貌に驚きますね。あらかじめSVでチェックせずにいきなり現地へいっても到底判らなかったと思います。
    (一箇所、リヤカーで荷物を運ぶ少年たちを俯瞰で捕らえたショットの場所がまだ判明していません)
    ネット上でわびさびぶりを露わにするのもアレかな……と思って掲載は控えめにしましたが、もう何枚か追加でアップするかもしれません。

    八百屋さんももちろん行ってみましたが、そうですね、買い物ついでにお話というのもアリだったかもしれませんね。
    どうせだったら深谷ネギ買えば良かったかも 🙂

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