『恋は緑の風の中』 (1974)

恋は緑の風の中 (youngシリーズ)

作品メモ

この(2018年)8月、日本映画専門チャンネルの蔵出し名画座枠で放送。
なつかしさのあまり思わずエントリーをアップです。
ソフト化が全然なかった(はずな)ので、ん十年ぶりの鑑賞となりました。
当時秋元文庫からノベライズ本が出ていて、映画のスチールがいろいろ掲載されていました。
これが唯一記憶の手がかりとなっていましたが、これからは焼いたBlu-rayにバトンタッチできるというものです。

原田美枝子さんのデビュー作で、このあと『大地の子守歌』『青春の殺人者』でめきめきという音が聞こえるぐらい頭角を現してきました。
お相手、といいますか主役は佐藤佑介さんで、この後『大地の子守歌』でも共演しています。
その両親役は水野久美さんと福田豊土さん。
他に保健の先生役で三田佳子さんが出演。

監督家城巳代治、脚本は奥様のいえきひさこ。 撮影佐藤昌道。
家城監督にとって最後の作品。日本映画の興行的な低迷にともない、このあたりのクラスの監督さんでも当時は厳しい状況であったでしょうか。
どういういきさつでこの映画が製作されたのか、気になるところでもあります。

テーマ曲はアリスの「黒い瞳の少女」。
映画のテーマ曲でアリスとなると、『帰らざる日々』などが記憶に残っています。でも谷村さんの「セイ!ヤング」聞いてたことは内緒♪

 
 
 

ロケ地

東京近郊という設定。
オープニングクレジットで「協力 埼玉県深谷市」と表示されています。
チェックしてみると、実際深谷市内のあちこちが登場していました。

以下例によって画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

中学校

校庭など、おそらく統合前の旧深谷中学校。

現在は市民文化会館など市の施設となっているようです。

商店街

0:11
水野久美さんがニコニコしながらやってくる通り。
道路構成や看板などからこちらと思われます。

残念ながら今やほとんど商店街としての面影はありません。
背景に見える「サンパルコ」という袖看板が出ている黄色い建物は、現在駐車場となっています。

自転車

0:20頃、自宅からいくつもの橋を渡り、書店に寄ってから雪子のいる青果店まで行くルート。

1つ目の橋
2つ目の橋
3つ目の橋

小山川に架かる小山橋(の以前の姿)ではないかと思われます。
煉瓦工場跡(後述)の北側。

0:40頃、やはり自転車で藤井先生と恋人を追い抜くのもこの橋。

昔の画像はこちら↓のブログで確認させていただきました。

http://nireya.wp.xdomain.jp/47/

4つ目の橋

渡ってすぐ右折するところは、おそらくこちら↓

書店前

場所はこちら↓

こちらの通りも残念ながらほとんど商店街としての面影はありませんが、かろうじてセトモノ店の看板は確認できます。

青果店

雪子の家である八百屋さん。
同じ名前で実在していて、今も営業していらっしゃいます♪
映画で堂々と写っていたのですから、書いてしまっても大丈夫でしょう。

自転車でやって来た通りは、「ちょうちん横丁」という名称はそのままですが、建物の多くは建て替えられています。

電車

0:33
酔っ払いに絡まれた電車は、深谷市からぴょんとワープして東京都を走る京王線。
青年が駅員さんを呼んでくれた駅は、平山城址公園駅。日野市ですから、だいぶワープしています。

その後青年が降りたのは、隣の南平駅。

ここで突然京王線が登場したのは、車内での撮影の関係ではないかと思われます。

喫茶店

0:35
電車での一件の後、純一が母親と話していたところ。
戸口に「アンデルセン」とあります。

場所は深谷駅前のこのあたり。建物は建て替えられ、別の店舗となっています。

昔の空撮で、お店の外観の特徴的な意匠(いかにも昭和♪)を確認できるほか、建物の南側にバスが何台か停まっているのも確認できます。

夕方の商店街

0:38
2人を後ろから捉えたショットは、こちら↓

他の商店街同様、今ではほとんど面影がありません。

このショットで、純一が雪子をクルマから守るように道路側に入れ替わったのが印象的で、当時まだ女子とデートしたことがなかった自分は、心の中で「なるほどー!」とメモメモしたのでした。

青年を探していた駅

0:40
青年が降りた駅という設定ですが、上述の通り、車内のカメラでは日野市の京王線の駅でした。
この場面で水野久美さんがいたのは、埼玉にもどってこちらの駅。

寄居駅W

藤井先生が恋人といた橋

0:49
小山川に架かる小山橋(橋自体は架け替えられています)。
最初の方で、やはり自転車で渡った橋(3つ目)もこちら。
三田佳子さんたちは北向きに歩いていますが、追い抜くところを正面から捉えるショット(カメラ南向き)では、煉瓦工場の煙突が見えてみます。

北側に見えるビニールハウスは、今もそのままですね。

署名運動をしていた駅

0:52
高崎線深谷駅W。昔の駅舎ですね。

現在の駅舎はレンガ造りっぽく見せていますが、次項目の煉瓦工場にちなんでいるようです。

煉瓦工場跡

日本煉瓦製造W

鉄橋

おそらくこちら↓

備前渠鉄橋(びぜんきょてっきょう)

工場跡の施設

管理人の浜村純さんが大ざっぱだったおかげで、勝手に模様替えできたところ。
映画では特に説明されていないようですが、ノベライズ本では変電室と言っています。
リアルでも変電室だった施設で、なんと今でも建物は残されていました 🙂

By 京浜にけ
via Wikimedia commons
(CC BY-SA-3.0)

ロケ地マップ

※18/9/9追加

 
 
 

資料

更新履歴

  • 2018/09/09 「ロケ地マップ」追加
  • 2018/08/31 新規アップ

『恋は緑の風の中』 (1974)” への4件のコメント

  1. 同じく原田美枝子の「大地の子守歌」には全身がしびれるほどの衝撃を受けて、ロケ地探訪をしたぐらいですが、この映画(「恋は緑の風の中」)は余り印象がなくて、このブログを読んで少しずつ思い出していきました。

    家城巳代治監督の遺作としては少し淋しい感じ(なんせ「裸の太陽」のような青春映画の傑作を撮っている監督ですからね)ですが、いつもながら詳細にロケ地を調査されているので、このマップを片手に「埼玉県深谷市」を散策してみたくなりました(ロケ地は都内か東京近郊とばかり思っていました)。

    中学校、商店街通り、橋、書店、喫茶店などはすっかり変わっていますが、深谷駅、工場跡の変電室、それに八百屋さんは昭和の面影をとどめながら、ほぼそのままの形で残っているのは驚きであり喜びです。

    特に、煉瓦造りの深谷駅舎、このようなユニークな建造物が地方都市にまだ現存していたとは思ってもみなかった。是非一度この目で見てみたい。

  2. 赤松幸吉さん、コメントありがとうございます。
    『大地の子守歌』のロケ地探訪されたのですか。私もこの映画結構インパクトありました。
    ロケ地は一箇所しかわかりませんでしたのでどうしようかと思っていたのですが、それでもいいやとエントリーを先ほど作りました。

    それから、深谷駅は1996年に改築した結果今のレンガ造り風の建物になったようです。
    あくまで雰囲気で、実際にはレンガ製ではないようですが。
    東京駅のレンガがこの町の工場から出荷されたと知ると、この映画を見る目もなんだか変わってきますね。きっとレンガが町のシンボルで、今の駅舎が東京駅似なのも、一種の逆輸入なのかもしれませんね。

    それにしても、町の商店街の衰退はどこでも見られることなのでしょうけど、やはり残念ですね。

  3. おお! この映画がCSで観られるのですか! これはうれしく思います。この映画の存在は知っていましたが、年齢的に観られるわけもなく、ソフト化もされていないので、上映会に遭遇するしかないのかなと考えていたのですが、CSで放送してくれるとは望外です。調べたら、9月13日に最後の放送があるようですから、これは本当に楽しみです。居ながら様本当にありがとうございます。この記事を読まなければ、ほぼ見逃していたと思います。ほんと、持つべきものはネット仲間です。

    >原田美枝子

    彼女1958年12月生まれで、撮影時は15歳ですから、かなりやばい映画でもありますね。関根恵子もそうですが、やはり彼女も根性のある人だったのでしょうね。

    ところが深谷市はちょっと縁がありますので、映画を観たら撮影旅行に行こうかなとも思います。その際はまたご連絡します。

    それにしても独立プロだからということでしょうが、当時はまだまだ自治体が映画の撮影に協力的な時代ではなかったはずで、そのあたりもいろいろ苦労があったのでしょうね。

    >深谷駅

    『ゆきゆきて、神軍』で、昔の深谷駅の建物が出てきました。安普請な、典型的な国鉄の駅という感じでした。こちらのブログさんの記事は面白く読めました。

    https://plaza.rakuten.co.jp/machi11fukaya/diary/201210010000/

    余談ですが、京王電鉄は、わりと映画やドラマの撮影に協力的ですね。前に撮影していた井の頭線の特別電車を見たことがあります。

    なお明日付の記事で、この映画と貴記事をご紹介させていただきますことをお許しください。

  4. Bill McCrearyさん、日本映画専門チャンネルの蔵出し名画座はレアな作品を放送してくれるのでありがたいですね。今回は3回録画しました 🙂
    作品の出来不出来とか、演技のうまい下手とかとは無関係に、なつかしい映画はそれだけで十分価値がありますねー
    深谷市はいちども訪れたことがありませんが、マップでうろうろしていたら、特にレンガ工場跡までの道をブラブラ歩いてみたくなりました。

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