『タクシー・ドライバー』 Taxi Driver (1976)

タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『ザ・ヤクザ』の脚本家ポール・シュレイダーの代表作。
初期の作品を公開順に並べると、『ザ・ヤクザ』(74) → 『タクシー・ドライバー』(76年2月) →  『愛のメモリー』(76年8月) → 『ローリング・サンダー』(77)といい感じで来て、『ブルー・カラー』(78)で監督デビュー、そのまま監督+脚本作が『ハードコアの夜』(79)、『アメリカン・ジゴロ』(80)と続くという、ノリにのった70年代のラインナップです。

スコセッシ監督にとっても初期の代表作でしょうか。気合いが入っていたのか、劇中2度も登場しています(笑)。
ふたりが組んだのは他に『レイジング・ブル』と『最後の誘惑』。

主な受賞はカンヌ映画祭でのパルムドール、全米批評家協会賞の監督賞、主演男優賞、助演女優賞。
意外にも米国アカデミー賞は『ロッキー』や『ネットワーク』に持って行かれて無冠です。

キャスト&スタッフ

主人公のタクシー運転手トラヴィス・ビックルにロバート・デ・ニーロ。
大統領候補の選挙参謀ベッツィーにシビル・シェパード。
幼い娼婦アイリスにジョディ・フォスター。当時12歳で、きわどいシーンは姉コニー・フォスターによる吹替え。
アイリスたちを仕切るポン引きスポートにハーヴェイ・カイテル。
経験豊富な先輩運転手ウィザードにピーター・ボイル。

監督マーティン・スコセッシ、製作マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス、脚本ポール・シュレイダー、撮影マイケル・チャップマン。
特殊メイクはディック・スミスで、確かデ・ニーロのモヒカンは彼の手によるカツラだったはず(ついでに、ハーヴェイ・カイテルのロン毛もカツラだったはず)。

Taxi Driver: Original Soundtrack Recording 音楽バーナード・ハーマン。これが遺作。その前が『愛のメモリー』ですから、最後にポール・シュレイダーと縁があったことになります。まったくテイストが異なる傑作を最晩年に遺すという、最後の最後まで輝いていた巨星でした。
エンドクレジットの最後は当然のようにこう締めくくられます。

OUR GRATITUDE AND RESPECT TO
BERNARD HERRMANN
JUNE 29,1911 – DECEMBER 24,1975

ロケ地

IMDbでは、

New York, USA
USA
Manhattan, New York City, New York, USA
13 St between 2nd & 3rd Avenues, Manhattan, New York City, New York, USA
202 East 13th Street, Manhattan, New York City, New York, USA (Rooms Doorway)
226 East 13th Street, Manhattan, New York City, New York, USA (Apartment block shootout)
3rd Ave between 13th and 14th Street, Manhattan, New York City, New York, USA
(Travis talks to Iris in front of the Variety Theatre)
Ed Sullivan Theatre – 1697 Broadway, Manhattan, New York City, New York, USA (Travis’ phone call to Betsy)
New York City, New York, USA

と全編ニューヨーク市マンハッタンでのロケ。

これだけの作品となると、Worldwide Guide to Movie Locationsにも項目がありますし、他のサイトやブログでいろいろ取り上げられていると思います。
今回は(最近のエントリー同様)IMDbのリストと画面とのにらめっこだけでチャレンジしました。
答え合わせはしていませんので、間違っていたらごめんなさいです。

タクシー会社前

就職した時の他、0:32頃にも写ります。
高架が見えますが、地下鉄ではなく道路のようです。
その向こうの建物に”57-ST”の標示。
この建物は0:32頃に写るとき、”SWEDISH AMERICAN LINE” の文字も見えます。
おそらく57th St.の西端で、左奥に見える緑や家々はハドソン川の対岸ではないでしょうか?

Google Earthのタイムスライダーでチェックしたところ、2001年頃までは昔の建物が確認できます。

エンパイアステートビルが見える街角

ベッツィを見初めるまでの細かいショット。 エンパイアステートビルが見える交差点は、W33th St. & 7th Av.で、こちら(カメラ東向き)。

選挙事務所

0:10頃、ベッツィがスローモーションで入ってくるところ。他に0:23等、何度か登場します。
(ちなみに、最初の場面で入口近くに座りベッツィを見ている髭の男は、スコセッシ監督本人)

“63rd and Broadway”とセリフで言っていますし、映像でも、Broadwayの標識が。
でもBroadwwayと63rd St.の交差点はもちろん、Broadwayを端から端までたどってみましたが、映画と同じ建物は見当たりませんでした。
建物のある角は鋭角のようですし(=Broadwayが斜めに走っている)、よくみると一方通行ではなく対向車線もあるようです。
Broadwayが63rd St.と交わるあたりもその条件に当てはまりますので、やはり場所としてはそちらではないでしょうか?
事務所の入口はおそらく63rdではなく64th St.。

※2013/06/11修正
SVのピンを降ろしたときに通りが1本ずれていました。入口は63rdです。SVも修正しました。


大きな地図で見る

事務所の通りに面した大きな窓から見える”AAA”は、現在も斜め向かいで営業中。間に見える中央分離帯の鉄の柵の位置関係も同じ、通り(Broadway)の奥に見える高層ビルも同じ特徴。というわけで、おそらくここで間違いないでしょう。

で、ここだとすると、ひとつ面白いことが。
63rd St.がColumbus Ave.にぶつかるT字路は、『アニー・ホール』のラストシーンで登場した交差点です。

『アニー・ホール』は翌77年の作。
ほぼ同時期のニューヨーク市を舞台にしていながらパラレルワールドのように雰囲気が異なる2本が、ここでニアミスを起こしています。

ホテル

0:15頃。

Hotel Olcott

※13/5/26 追記(参考)

©1996 milou アルバム「ニューヨーク」から

コメント欄でmilouさんがダコタ・ハウスについて書かれていますが、画像も提供していただきました。
撮影は1996年感謝祭とのことです。

カフェ

ベッツィと入ったところ。
手持ちのムービープラスのHD放送録画版では「チャイルド喫茶店」となっていますが、”Charles Coffee Shop”と言っているようなので誤訳か誤植。

窓の外に特徴的な建物が見えますが、これだけではどこだかわかりませんでした。
カメラがぐるりと動いて捉えた高いモニュメントは、コロンバス・サークル(Columbus Circle)Wのもの。字幕では略されていますが、セリフでも”Columbus Circle”と言っていますね。

窓からの眺めをSVで再現すると、こんな感じ。

位置関係から見てカフェがあったのはおそらく現在Duane Readeがある場所と思われます。
特徴的な建物があったところには、現在Museum of Arts and DesignWがあります。

ポルノ映画館

ベッツィを連れてきてしまった痛い場面。
“LYRIC”とはっきり劇場名が出ています。

Lyric TheatreW

Lyric Theater

建物はもう建て替えられています。
場所としてはこのあたり。

Photo from Wikipedia (public domain).

「ダーティ・ムービー」は、『淫らな唇/スーザン』(“Sometimes Sweet Susan” 1974)とスウェーデン製の性科学映画風”SWEDISH MARRIAGE MANUAL”の2本立て。スクリーンに映っていたのは後者。

怒って出ようとするベッツィの背景に、向かい側のCINE42のネオンが見えます。こちらは『アイガー・サンクション』絶讃上映中。

その左隣ははっきり写りませんが、『42丁目のワーニャ』の撮影場所となったアムステルダムシアターのはず。

※13/5/26追記
コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
「Swedish Marriage Manual のほうも別タイトル、THE LANGUAGE OF LOVE『愛の言葉(69)』として日本でも72年8月にグローバルが劇場公開しDVDも発売されています。」とのことです。機会があればマニュアルを勉強してみたいものです 😳

電話

ベッツィに懸命に電話するところ。
IMDbのリストに拠れば、Ed Sullivan TheatreW

Ed Sullivan Theatre – 1697 Broadway, Manhattan, New York City, New York, USA (Travis’ phone call to Betsy)

※13/5/26追記

©1996 milou アルバム「ニューヨーク」から

milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は1996年の感謝祭とのことです。

©1996 milou アルバム「ニューヨーク」から

McAnn’s BAR

0:40頃。
きっちりスーツを着こなした髭の客を乗せたところ。 この客はもちろんスコセッシ監督。先の選挙事務所入り口近くの男に続き、2度目の登場。

692番地の標示があります(左が690)。
片端から調べれば見つかるかもしれません。

Belmore Cafeteria

運転手仲間がたむろっているところ。
実在の店舗のようですが、おそらくもうなくなっていることと思います。

アイリスを尾行した夜の街路

アイリスを見かけてゆっくり追っていった夜の街路。
これがIMDbのリストで複数挙げられている13th Streetのこの部分ですね。

そのまま3rd Aveに出たところでアイリスたちは男たちと合流。トラビスはまっすぐ走り去ります。

街角

0:54。
アンディの乗ったタクシーに同乗したところ。
5th Ave.と19th St.の交差点。

アンディの部屋

トラビスが銃を調達するところ。
ここはマンハッタンではなくブルックリン。
窓の外にブルックリンブリッジや摩天楼が見えます。

狙いを定めてみたのはこのあたり。

集会

怪しさ10割増しでシークレットサービスに話しかけるところ。
背景にマンハッタンブリッジが見えるショットが手掛かりとなりました。
ブルックリンのこのあたり。

R&M SUPER MKT.

顔見知りのスーパーで、いきなりの実戦。
546番地と読めますが他は不明。

街頭演説

標示にあるように、Fashon Ave.(7th Ave.)と38th St.の交差点。
高層ビルを見上げた各ショットはこんな感じ。

選挙カーが停まっていたのはFashion Ave.のここ。

警官に追われたトラビスは、選挙カーを横目で見ながら、38th St.を東に向って去ります。

アイリスやマシューと話す街路

これは前回アイリスを尾行した13th St.。
向きは逆で今回は3rd Ave.から歩いてきます。

マシューが立っていた戸口やアイリスと一緒に入っていった建物も現存しています。
クライマックスシーンもここ。

集会

1:34頃。
準備するトラビスの描写に続く集会の模様。
場所はベッツィと入ったカフェから見えたコロンバス・サークル(Columbus Circle)、USS Maine Monument 前。

St. Regis

ラスト近く、仕事に復帰して、客待ちをしていたところ。

ロケ地マップ

※16/6/9 「ニューヨークが舞台の映画」に差替え 

 

 

資料

更新履歴

  • 2016/06/09 「ロケ地マップ」差替え
  • 2014/04/26 milouさんの画像をPicasaウェブアルバムに切替

『タクシー・ドライバー』 Taxi Driver (1976)” への4件のコメント

  1. 初公開以来見ていなかったが見直してCoffee Shop は最初、チャイルズと聞こえたので調べるとWikiにもある有名なかってのレストランチェーンChilds があり、しかも300-304 W 59th St (SW Corner Columbus Circle) に店があったので、もしやと調べたが現在は該当住所そのものも探せなかった。もちろんCharles (現 Duane Reade)で正解だったが。

    しかし色々と調べていると書いてあるように映画と同じアングルで現在の写真と比較した詳細なロケ情報のサイトなどがありロケ地を探す気力が一気に消滅。

    したがってロケ地情報ではないが最初の仕事の夜のシーンで通る映画館では『悪魔のいけにえ(74)』と『ドラゴンへの道(72)』を上映。
    Swedish Marriage Manual のほうも別タイトル、THE LANGUAGE OF LOVE『愛の言葉(69)』として日本でも72年8月にグローバルが劇場公開しDVDも発売されています。

    もう1つ27 W72St. のHotel Olcott に東から来るが画面には出ないが同じブロックわずか100メートル足らず東にジョン・レノンが殺されたダコタ・ハウスがある。

  2. milouさん、コメントと画像ありがとうございました。
    エドサリバン劇場は、映画の中で通路からの出口がわびしいものだったので、SVでは脇の出入口を表示させてみたのですが、提供していただいた画像の左側に小さな扉が見えるので、こちらかもしれませんね。

    他のサイトでごっそり解明されているとやる気が消滅するというのは悩みの種で、最近ではできるだけネットの情報は見ないようにして、調べたことも答え合わせをしない、といったスタンスでやっています。かといってわざわざ手間かけて重複する情報を調べてもつまらないので、やはり(特にアメリカ映画の)メジャーな作品や、マニアックなファンがいそうな作品は避けた方が良いかもしれませんね。

  3. ロケ地がずっと気になっており、
    このサイトを知り、一気に訪問を決意しました。
    Facebookになりますが、何ヶ所か紹介させて頂きました。
    ありがとうございました。

    http://www.facebook.com/osaka.takenaka

  4. コメントありがとうございます。
    ロケ地訪問されたのですね。
    申し訳ありませんが、Facebookは利用していませんので内容は拝見できませんが、拙記事が少しでもお役に立ったのでしたらとても嬉しいです。
    わざわざご連絡ありがとうざいました!

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