別のネコを探せ
演技のできるのを
作品メモ
ひとつ前のエントリー『イルマ・ヴェップ』から、映画撮影舞台裏ものつながり。
どちらもジャン=ピエール・レオが出演していてどちらもピンチになりますが、こちらの方はまだ三十路前でぱつんぱつん、見ていて陰気な感じには全然なりません。
作品そのものも難しいこと抜きでとても楽しめる内容。
トリュフォーの映画でも特に親しまれている一本ではないでしょうか。
「アメリカの夜」というタイトルを含めて映画に関する小ねたがいっぱいのこの映画。
それだけでも長い文章書けそうですが、きっといろいろなサイトやブログで触れられているでしょうから、このエントリーではロケ地がらみのことを中心にチェックしていければと思います。
キャスト&スタッフ
出演者の紹介は今回はややこしいですね 😉
キャスト役(変な言い方?)は……
撮影中の映画の主役を演じるアルフォンスにジャン=ピエール・レオ。
主演の恋人役を演じるジュリーに、ジャクリーン・ビセット。ハリウッドから駆けつけたイギリス人女優という設定。
主演の父親役を演じる「ヨーロッパの色事師」アレキサンドルにジャン=ピエール・オーモン。
主演の母親役を演じるものの、台詞が覚えられず苦労しているセブリーヌにヴァレンティナ・コルテーゼ。
秘書を演じるステイシーにアレクサンドラ・スチュワルト。なかなか水着を着たがらなかったのには理由が……。
撮影スタッフ役は……
現場で次々発生する問題と格闘するフェラン監督にフランソワ・トリュフォー。
有能なアシスタント、ジョエルにナタリー・バイ。この後『緑色の部屋』、『恋愛日記』にも出演。
アルフォンスが夢中になっているスクリプター、リリアンにダニ。最近は『モンテーニュ通りのカフェ』に出演。
監督・製作・脚本(共同)フランソワ・トリュフォー、撮影ピエール=ウィリアム・グレン。
音楽はもちろんジョルジュ・ドルリュー。
この素敵な音楽抜きには考えられない映画ですが、単体ではサントラ出ていないのでしょうか。
ロケ地
IMDbでは、
Alpes-Maritimes, France
Aéroport Nice-Côte d’Azur, Alpes-Maritimes, France (press conference)
Boscolo Hôtel Atlantic – 12 Boulevard Victor Hugo, Nice, Alpes-Maritimes, France
French Riviera, Alpes-Maritimes, France
Hôtel Windsor Nice – 11 rue Dalpozzo, Nice, Alpes-Maritimes, France (hotel: Atlantic Hotel)
Nice, Alpes-Maritimes, France
Studios de la Victorine – 16 avenue Edoard Grinda, Nice, Alpes-Maritimes, France (studio)
スタジオ
ふだんのエントリーではスタジオはロケ地扱いしていませんが、この映画に関してはロケ地といっても良いような。
最後の空撮で周囲の建物から、確かにIMDbのリストにあるこちらのスタジオであることが確認できます。
Studios de la Victorine – 16 avenue Edoard Grinda, Nice, Alpes-Maritimes, France (studio)
現在の名前はStudios RivieraW
豪華なセットですが、キャサリン・ヘプバーン主演の『シャイヨの伯爵夫人』The Madwoman of Chaillot (1969)のセットとのこと(IMDbのトリビア)
確かに同じですね~
レストラン・カフェの赤い幌まで同じ。
製作年度が違うので、『シャイヨの伯爵夫人』で作ったセットがそのまま数年間は残っていたことになります。
このセットがあった所には現在スタジオの建物が建っているようです。
それにしても映画の中でも上空を飛行機が飛ぶ場面がありますが、よくこんな空港近くにスタジオを設けたものですね。
ホテル
0:07。
“ATLANTIC hotel”というサインが出て台詞でもそう言っていますが、IMDbのリストで該当するのがこの2箇所↓
- Boscolo Hôtel Atlantic – 12 Boulevard Victor Hugo, Nice, Alpes-Maritimes, France
- Hôtel Windsor Nice – 11 rue Dalpozzo, Nice, Alpes-Maritimes, France (hotel: Atlantic Hotel)
おそらく下の方は「Atlantic Hotelとして登場」ということでしょうけど、手掛かりが少ないので判定が難しいところ。
1:32頃、ステイシーたちが出て行く場面でロビーから外が写りますが、通りは左から右への一方通行で車線は複数、並木も見えるということで、少なくともロビーに関しては下段のホテルでないことは確か。
参考までに、上段のホテルはこちら↓
オフィシャルサイトを見ると、リノベートされてはいますが、ロビーの大まかな構成ほぼ映画と一致。
ただ向かいの建物がだいぶ様子が変わっているので、ここだとは断定はできません。
また参考までに下段のホテルはこちら↓
スタジオ入り口
0:13、0:33等
STUDIOS “LA VICTORINE”
とあります。きっと当時のホンモノの入口でしょうね。
今はこんな感じ。
夢
0:33、1:04、1:19。
監督が時々見るモノクロの夢。
どこかの劇場のロビーカードをゲットしたようですが、場所不明。
プール
0:35
空撮でスタジオ内に同じ形のプールが見えますが、当時と同じものでしょうか?
空港
0:39。
ジュリーが到着して記者会見が開かれたところ。
スタジオのすぐそばのこちら。
Aéroport Nice-Côte d’Azur, Alpes-Maritimes, France (press conference)
最近のエントリーでは『あの愛をふたたび』でチェックしたばかり。
資料
関連記事
ジョルジュ・ドルリュー
- 『かくも長き不在』 Une aussi longue absence (1961)
- 『かもめの城』 Rapture (1965)
- 『まぼろしの市街戦』 Le Roi de coeur (1967)
- 『サン・スーシの女』 La passante du Sans-Souci (1982)
- 『リトル・ロマンス』 A Little Romance (1979)
- 『彼女のアリバイ』 Her Alibi (1989)
- 『恋のエチュード』 Les deux anglaises et le continent (1971)
- 『映画に愛をこめて アメリカの夜』 La nuit américaine (1973)
- 『突然炎のごとく』 Jules et Jim (1962)
- 『軽蔑』 Le Mépris (1963)
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