『無宿』 (1974)

B00R4LP3G4

二人の男を紹介しよう

作品メモ

『津軽じょんがら節』のコメント欄でリクエストをいただきましたので、急遽斎藤耕一監督の『無宿』です。
このあとホントにホントにタヴィアーニ兄弟かシチリアを舞台にした映画に戻る予定……

「無宿」と書いて「やどなし」と読ませます。
といいますかallcinemaでは「無宿 やどなし」、KINENOTEでは「無宿<やどなし>」と、すっかりタイトルの一部。

斎藤耕一監督のフィルモグラフィー的には、『津軽じょんがら節』(73)と『再会』(75)の間。乗りに乗っていた70年代中頃の作品となります。
見どころはやはり勝新太郎さんと高倉健さんの夢の共演。
それに梶芽衣子さんが加わって沈没船のお宝探しとくると、容易にあの『冒険者たち』(67)を連想します。
東宝の『黄金のパートナー』(79)、東映の『冒険者カミカゼ』(81)の先駆けですね。

『冒険者たち』は、当サイトの輝け第1回エントリーとなっていて、個人的には思い入れたっぷりの映画。
もちろんテイストはだいぶ異なりますが、日本を代表する大スターがその世界をちょこっとでも再現してくれているかと思うと、やはりウレしいものがあります。
健さんはあいかわらず終始ムスっとしていますが、勝新さん相手に将来の夢を語るところではじめてニコッとするのがたまりません。

製作勝プロダクション。
高倉健さんは当時まだ東映専属なのに他社作品に参加しているわけですが、そのあたりのいきさつは、Wikipedia他を参照ください。

監督斎藤耕一、脚本中島丈博・蘇武道夫、撮影坂本典隆、音楽青山八郎。

ロケ地

クレジットには制作協力など何も表記なし。
ひたすら画面とにらめっこです。

出所

0:02

0:04
健さん演じる錠吉(じょうきち)がユキノを訪ねてきたところ。

墓参り

0:18

錠吉の兄貴分、古谷信二郎の墓。
墓標には「昭和拾年七月廿三日」。
時代設定は昭和12年。

水田

0:19
このあたり、『旅の重さ』を連想します。
場所の追究は難しいかと。

縁日

0:20
材料にとぼしく、場所は不明。

KINENOTEでは神津善行さんの役名が「ガセネタ売り」となっていますが、いわゆる泣きバイですね。
私はかろうじて記憶がありますが、もはや死語の世界でしょうか。

線路と水道橋

0:35

錠吉が線路の上をひとり去っていくショット。
頭上にレンガ造りのアーチ橋が架かっています。

京都府京田辺市田辺南田
馬坂川跨線橋(ミツマンボ)

上は水路(天井川)。
下の線路は、現JR学研都市線(当時国鉄片町線)。京田辺駅と同志社前駅の間。
カメラ北向き。

こちら↓の画像は映画とは反対側(北側)に架かる歩道橋から撮っています。
映画では歩道橋も架線も見えませんね。

こちら↓は京田辺観光協会さんのツイート。
このように南側の踏切からなら、映画と同じカメラ目線で撮ることができると思います。
ここでも書かれている通り、撮影する際には十分お気をつけください。もちろん映画の健さんのように線路を歩いてみせるなどは絶対ダメっす。

▼21/6/13 追記
Bill McCrearyさんに画像を提供していただきました。どうもありがとうございます。

こちら↓の踏切が撮影ポイント。

Bill McCrearyさんはこれらの画像を含む詳しい記事をご自身のブログにアップされていますので、ぜひご訪問ください。

ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学) >
高倉健の気分(?)を味わってきた(映画『無宿』のロケ地を訪問する)

土手

0:36

駒玄が立ちションしていて、追手の石橋蓮司さんにドスを突きつけられるところ。
背景の黒壁の長い建物が特徴的ですが、こちら↓の酒蔵。

松本酒造
京都市伏見区

https://sawayamatsumoto.com/

0:58

駒弦におんぶされたサキエが「海だ」と嬉し泣きする俯瞰ショット。

大きな岩山は京丹後市の立岩(たていわ)。

柱状節理が迫力あります。

潜水活動のベースとなる小屋は、立岩の東側の海岸でしょうか。
梶芽衣子さんが海に入るところは、立岩のすぐ西側。
といった具合に、その後はこの周辺が舞台となります。

ショットによっては立岩の両側から波が押し寄せているようで混乱しますが、この↓ドローン映像ならわかりやすいかも。

0:59
駒弦が殿山泰司さんと会話するところ。
その後の売店を含めて、おそらく上述海岸近くの漁港と思われますが、不明。

ラスト

立岩の西側。

あの… どなたさんですか?

ロケ地マップ

斎藤耕一監督作品のロケ地マップ

資料

更新履歴

  • 2021/07/28 「線路と水道橋」にBill McCrearyさんの画像を追記
  • 2021/07/06 新規アップ

コメント

  1. Bill McCreary より:

    どうも、わざわざ貴重なお時間を取らせてしまいましたが、ありがとうございます。

    >京都府京田辺市田辺南田
    馬坂川跨線橋(ミツマンボ)

    ここは私も廃線だろうと思っていましたが、あにはからんやでした。ここは次の松本酒造と並んで写真を撮りたいと思います。

    >京丹後市の立岩

    ここ、およびこの近辺は、わりと映画のロケで使われますね。『曼陀羅』でも、琴引浜が使われていたくらいで。京都の撮影所での映画では、定番のロケ地だったのでしょう。

    この映画のロケ地も資料もなくて難しいですが、私もちょっと調査してみますので、何かがわかればまたコメントしたいと思います。基本的に京都での撮影のようですね。

  2. milou より:

    全然映画に関係のない話で申し訳ないが
    90年代の前半に馬坂川跨線橋からそれほど遠くないマンションに住んでいました。
    もちろん当時は京田辺市ではなく京都府綴喜郡ですが買った時点では住所がなく(?)
    草内鐘鉦割番外地でした。通勤は近鉄線だったので映画に登場するような
    跨線橋の下は通っていませんが…

  3. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    この映画は難易度高くて、画面とにらめっこ方式ではこれ以上は無理そうです。
    資料があればまた違ってくると思いますので、何か手がかり見つけられましたらまたぜひよろしくお願い致します。

    > ここ、およびこの近辺は、わりと映画のロケで使われますね。

    そうですね、やはり撮影所に比較的近いということがあるのでしょうか。
    大スターとなると拘束時間も限られるでしょうし、近場でまかなうというのは仕方ないのかもしれませんが、せっかくのキャスティングなのですから、もう少しスケール感のある作劇や映像であったらよかったのに、と思いました。

  4. 居ながらシネマ より:

    milouさん、お久しぶりです、コメントありがとうございます。
    この跨線橋近くにお住まいだっとはびっくりです。てっきり前世紀?はずっと海外にいらしたのだと思いこんでいました。しかも地番がなかったというのが渋いです。
    このレンガ造りの跨線橋といいますか水道橋は有名な物件なのでしょうか。
    とっさに南禅寺ぐらいしか思い浮かばず、特定するまで画像検索を繰り返してしまいました。

  5. Bill McCreary より:

    ミツマンボへ行ってきました。本来なら松本酒造へも行きたかったのですが、時間がなく後日になりました。

    https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/0042bb1201ea2ceaa39b0b9226d314ed

    よろしければ写真をお使いください。

    この地区が電化されたのが1989年であり、この映画のロケが行われてから15年もたってからでして、線路の雑草の生え方などあまりひらけていなかったのだなと思います。

    前のコメントのくりかえしになりますが、この映画が内容・興業で成功していれば、斎藤監督もまた違う映画人生がありえたのでしょうが、『無宿』は斎藤監督には、最大のチャンスであり最大の挫折だったのかもですね。

  6. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、ブログ拝見しました。詳細な画像レポートお疲れさまです。お写真ぜひ使わせてください。今夜にでも作業致します。
    リンクをたどって引用元もチェックしましたが、見る人が見ればすぐに判明してしまうのですね。酒造はすぐにわかったのですが、こちらの跨線橋はかなり苦労しました。

  7. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、画像拝借しました。どうもありがとうございます。
    映画の頃はディーゼルがとことこ走っていたのでしょうね。架線があったらもちろんロケには使えないわけで、良い絵を撮れる場所をうまく見つけるものだと思います。
    観光ついでに行くとすれば、Bill McCrearyさんのように京都から近鉄使うのが便利そうですね。

タイトルとURLをコピーしました