『戦争と平和』 Война и мир (1965-67)

戦争と平和 [DVD]

作品メモ

『離愁』『禁じられた遊び』と同じ時期を扱った作品を見てきました。
こちらは時代も違えば場所も違いますが、やはり戦争に巻き込まれた無数の人々の生きる様や尊厳を著名な原作に基づいて堂々と描いたソ連映画です。

今年(2012年)1月31日から2月2日まで、NHK BSプレミアムで三夜連続完全放映されました。
その前日に行われた全豪テニス男子決勝戦ジョコビッチ対ナダルの試合が6時間近い死闘でしたが、『戦争と平和』は合わせて実に7時間になんなんとする超大作。
ハリウッドによる映画化に遅れること約10年。ソビエト連邦の意地とプライドが青天井の予算とともに投入され、1965年から67年にかけて4部作として製作されました。

米ソ並ぶとどうしても比べたくなるのが人情ですが、やはりロシア人がロシア語をしゃべるのはとても自然で、それだけでもすんなり映画の世界に没入できます。
徹頭徹尾ハリウッドなアメリカ版に比べると、無骨さや不器用さ、さらに独特の(決してモダンではない)絵作りも見受けられますが、それはむしろ大作のたたずまいに相応しい良き個性であり表現であるわけで、「うどの大作」とは全く無縁。今日の目線で見ても、十分堪能できる内容となっています。

英題”War and Peace”。
ロシア語原題ももちろん「戦争と平和」の意。(allcinemaでは”МЦР”となっていますが、”МИР”の誤り。)
Wikipediaにもあるように「ヴァイナー・イ・ミール」と読みます。
旧ソ連の宇宙ステーションで「ミール」というのがありましたが、あれも同じく「平和」。
最後は「ル」ではなく「ゥルルッ」てな感じで巻き舌にするととてもロシア語っぽくなったりします。

監督セルゲイ・ボンダルチュク。
『惑星ソラリス』のヒロイン、ナターリヤ・ボンタルチュクのパパ。
監督だけでなく、製作・脚本も担当。さらには主演ピエールを演じナレーションもつとめるという、もうどんだけ関われば気が済むの的大仕事。
さらに数年後には大作『ワーテルロー』で再びナポレオンを題材にし、大舞踏会と大戦闘場面をてんこ盛りで撮りまくるというタフネスぶりで、このくらいでないとソ連邦を代表する映画人としてやっていけないのかと、改めて感じ入った次第。

戦争と平和 プレミアム完全復元版 【DVD】 ソフト状況ですが、「プレミアム完全復元版」と称したDVDとブルーレイが今年4月25日にIVCから発売予定でしたが、なぜか発売延期・発売時期未定となってしまいました。
従って今回のNHK放映版が現状望みうる最高の画質となります。
ブルーレイが出るとなるともしかすると今回NHK BSで放送されたのと同じソースかもしれませんが、出ないのでは確かめる術なし。

第1部 アンドレイ・ボルコンスキー
第2部 ナターシャ・ロストワ
第3部 1812年
第4部 ピエール・ベズーホフ

映像化

これだけ世界的な文学作品となりますと、幾度となく映像化されているわけですが、1973年に作られたアメリカのテレビシリーズの評価が高いようですね。
ピエール役はアンソニー・ホプキンス。それ以外はほとんど知らない俳優さんたち。
未見ですがちょっと興味あります。 →  War & Peace (1973) http://www.imdb.com/title/tt0069654/  

戦争と平和DVD-BOX こちらは2007年にヨーロッパで共同製作されたテレビシリーズ。

戦争と平和 [DVD] もちろんハリウッド版(1956年)もDVDが出ていますしレンタルもされていますので、いつでも鑑賞可能。

YouTubeで見るモスフィルムの作品

モスフィルム(Мосфильм)の映画はYouTubeに由緒正しくアップされています。
その数実に二百本以上(2012年4月現在)。
画質は下手なビデオより良いですし、モノによっては英語字幕も付いているので、ありがたく利用させてもらっています。

モスフィルム(Мосфильм)のチャンネル  http://www.youtube.com/user/mosfilm

以下ご参考までに有名どころのリンク集を作ってみました。
(当サイトに記事がある場合は、タイトルにリンクを付けています)

いいの?ウェブで見てしまって的ラインナップですが、個人的には『モスクワわが愛』を久々に見られたのが良かったかも。栗原小巻さんがヒロインの日ソ合作映画で、ビデオがないので貴重です。

YouTubeで見るレンフィルムの作品

レンフィルム(Ленфильм)の映画もYouTubeに由緒正しくアップされています。
こちらも画質が良いので大変助かります。

レンフィルムのチャンネル  http://www.youtube.com/user/LenfilmVideo

ロケ地

IMDbのリストは長すぎるので、直接ご覧ください。

http://www.imdb.com/title/tt0063794/locations

現在のロシアはもちろん、ウクライナ、ルーマニアといった地名、国名が見られます。
全編チェックするのは無茶なので、気づいたところだけピックアップ。
……と思いましたが、まだ全部見ていないので、とりあえず冒頭だけ。後ほど少しずつ付け加えていくことにします(軟弱)。

それにしてもいったいいつ見終わることができるやら。
ソ連版に続いてアメリカ版も記事にしようかと思っていたのですが、そんなの一生無理かも。

OP空撮

川岸

サンクトペテルブルク。
ピエールとアンドレイが歩くところ。
対岸に見えるのは冬宮W。2人が歩くかたわらに高い壁があるので、冬宮の北東側、ペトロパヴロフスク要塞Wの周囲と思われます。


大きな地図で見る

ここは日光浴に向いているようです。 → Google画像検索

大舞踏会

Tavrichesky Palace, St. Petersburg, Russia (Natasha’s first ball and appearance of the Tzar)

タヴリーチェスキー(タヴリーダ)宮殿(Таврический дворец)W

資料

更新履歴

折りたたんであります。クリックで開閉します。
  • 2015/02/25 「YouTubeで見るモスフィルムの作品」に『帰郷』、『チェホフのかもめ』、『処刑の丘』追加
  • 2014/04/30 記事へのリンク追加
  • 2014/04/15 「YouTubeで見るモスフィルムの作品」に『私はモスクワを歩く』、『夕立ち(七月の雨)』追加
  • 2013/12/19 記事へのリンク追加。「YouTubeで見るレンフィルムの作品」に『動くな、死ね、甦れ!』(1989)追加。
  • 2013/12/01 「YouTubeで見るモスフィルムの作品」に『チャイコフスキー』(1970)追加

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